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田 鹿 毅 氏から学位申請のため提出された論文の審査要旨

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Academic year: 2021

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田 鹿 毅 氏から学位申請のため提出された論文の審査要旨

題 目

Diagnostic utility of ultrasonography and correlation between sonographic imaging and clinical findings in patients with carpal tunnel syndrome (手根管症候群患者における超音波診断の有用性と臨床所見の関連について)

Journal of Ultrasound in Medicine (in press) Tsuyoshi Tajika, Tsutomu Kobayashi, Tetsuya Kaneko,

Atsushi Yamamoto, Kenji Takagishi

論文の要旨及び判定理由

手根管症候群(以下CTS)は絞扼性神経障害のなかで最も発生頻度が高く日常診療において 比較的多く遭遇する疾患である。CTSの診断方法は通常臨床所見と電気生理学検査の組み合わせ により行うが、電気生理学的検査は時に検査に伴う肉体的苦痛を与え、長い検査時間を要する。

超音波検査はリアルタイムに人体組織を画像的に評価することが可能な優れたツールであり、

整形外科領域においても有用性が再認識されている。欧米では比較的早期より超音波検査による CTS診断についての研究がおこなわれているが、本邦では少ない。著者らは日本人のCTS診断に おける超音波検査の有用性を検討することを目的に本研究を施行した。

本研究では、コントロール群は男性13人24手,女性32人57手、合計45人81手,平均年齢 57.6歳(30歳~86歳)の健常者を、CTS群として男性9人12手、女性25人38手、合計34人50手、

平均年齢59.4歳(30歳~85歳)を用いた。CTS患者に対し手根管症候群質問票日本手外科学会版 (以下CTSI-JSSH )を用いて,CTS症状・機能障害を評価した。また、CTS患者のみに、表面筋電図 により神経伝導速度を測定し,超音波検査はCTS群,コントロール群の全対象者に施行した。

超音波検査は(1)手関節高位、(2)遠位橈尺関節高位にてエコー短軸像を検査し正中神経 断面積を測定した。それぞれ3回測定し平均値を算出した。検討項目は2群間における各高位の 断面積値(手関節高位正中神経断面積値:CSAc、遠位橈尺関節高位正中神経断面積値:CSAd)の 比較、両者の断面積差(以下ΔCSA)の比較、CTS群における各断面積値、断面積差とCTSI症状、

機能スコア、正中神経感覚神経終末潜時(以下DSL)、正中神経運動神経終末潜時(以下DML)、

BMI、罹病期間との相関の検討と手関節高位の面積値評価法と2点の面積差評価法の診断精度に ついて検討した。

CSAcの比較ではCTS群13.9±3.2mm2、コントロール群8.0±2.0mm2であり、有意にCTS群にて増大 を認めた(P<0.001)。CSAdの比較ではCTS群7.7±1.8 mm2、コントロール群7.8±1.9 mm2であり、

両群間に有意差は認められなかった。またΔCSAの比較ではCTS群6.2±2.8 mm2、コントロール群 は0.2±0.8 mm2であり、有意にCTS群にて高値を認めた(P<0.001)。CTS群においてCSAc、CSAdと CTSI-JSSH症状スコアに有意な正の相関を認めた(CSAc:r=0.39、CSAd:r=0.35 )。DMLとCSAc、

ΔCSAはともに有意な正の相関を示した(CSAc:r=0.45、ΔCSA:r=0.44)。またCSAcと罹病期間の 間に有意な正の相関を認めた(r=0.34)。CSAc評価法と△CSA評価法の診断精度を評価するため ROC解析を施行した結果、断面積差評価法のAUC値が有意に大きい結果であった(P=0.006)。

(2)

本研究ではCSAcはコントロール群に比べ有意に増大を認め、またCTS群においてCSAcとDML、

CTSI-JSSH症状スコア、罹病期間の間に正の相関を認めた。超音波はCTS診断とともに定量、定性 的障害の評価に有効であることが示唆され、診断方法の精度については、ROC解析の結果から ΔCSA評価法はCTS診断精度が高いと考えた。以上、本論文は超音波のCTS診断における有用性の 解明に貢献したと思われ、博士(医学)の学位に値するものと判定した。

平成25年6月28日

審査委員

主査 群馬大学教授(医学系研究科)

応用生理学分野担任 鯉 淵 典 之 印

副査 群馬大学教授(医学系研究科)

臨床検査医学分野担任 村 上 正 巳 印

副査 群馬大学教授(医学系研究科)

機能形態学分野担任 依 藤 宏 印

(3)

最終試験の結果の要旨

1. 手根管症候群患者における超音波検査の有用性について

2. 手根管症候群患者の神経伝導速度検査における遠位潜時が遅延するメカニズムについて 試問し満足すべき解答を得た。

平成25年6月28日

試験委員

群馬大学教授(医学系研究科)

整形外科学分野担任 高 岸 憲 二 印

群馬大学教授(医学系研究科)

応用生理学分野担任 鯉 淵 典 之 印

試験科目

主専攻分野 整形外科学 A 副専攻分野 応用生理学 A

参照

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