博 士 ( 理 学 ) 大 貫 圭
学 位 論 文 題 名
Asymmetric Total Synthesis of 工 ngenol ( イ ン ゲ ノ ー ル の 不 斉 全 合 成 )
学 位 論 文 内 容 の 要 旨
イン ゲノ ール はト ウダ イグ サ科の植物から単離されたジテルペンであり、その 誘導体 が 発癌 プロ モー ター 作用 、抗 白血 病作 用、 およ び 抗HIV活性などの生理活性を示 すこと から広く注目されるとと もに、四環性炭素骨格に極めてユニークなinside‑outside構造を 含 むこ とか ら多 くの 有機 合成 化学者の関心を集めてきた。これに対し東京工業大 学の桑 嶋 らは 、下 式に 示す 独自 の「 連続的環化/転位反応」によるインゲナン骨格の効 率的な 構築法を開発している。
イン ゲノ ール の全 合成 を達 成す るためには、高度に歪んだインゲナン骨 格の構築とと も に、 数多 くの 酸素 官能 基を い かに してAB環 部に 高立 体選 択的 に導 入す るか が最 重要 課 題と なる 。本 研究 では 、エ ポキ シアルコールの転位反応を利用する新た なインゲナン 骨 格構 築法 を開 発す ると とも に 、A環お よびB環の 双方 に酸 素官 能基 を有 する 鍵中 間体 を 設計 し、 さら にAB環部 への 官 能基 の立 体選 択的 導入 を経 由す るイ ンゲ ノー ルの 全合 成 ルー トを 立案 した 。
まず 、市 販の2,2ージ メト キシ シク ロヘ キサ ノー ル1か ら15工程を経て 合成したデカ リ ノ ー ル 誘 導 体2の 分 子 内 環 化 反応 によ り三 環性 アリ ルア ルコ ール3を得 た。3か ら数 工 程 を 経 て エ ポ キ シ ア ル コ ー ル4へ 変換 後、 転位 反応 に付 しA環 およ びB環に 各カ 酸素 官 能基 を有 する 鍵中 間体5の 構 築に 成功 した 。
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引き続き、A環およぴB環部への官能基導入を行った。5からA環上に19位メチル基 およびCl‑C2二重結合を導入した後、ケトン6ヘ変換した。このものを塩基で処理した ところ、メタノールのB脱離に続いて二重結合の異性化が起こルエノン7が得られた。次 いで、7の6位のケトン部位を立体選択的に還元後、水酸基を保護して得たジェン8に 四酸化オスミウムを作用させたところ、2つのオレフイン部位が一挙に酸化され、テト ラオール9が立体選択的に得られた。
7
OllPS
8 っ´oTES
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9
続いて、3,4およぴ5位の水酸基を選択的に保護した後、3級アルコールの脱水反応 を行いA環部に二重結合を導入した。さらに、アセタール保護基の除去および位置選択 的酸化反応により合成したケトール10に臭素を導入後、エポキシ.ド11へと変換した。
最後に、ブロモエポキシドの還元的開裂反応により三置換アリルアルコール部を構築し、
脱保護を行ってイングノールヘ導いた。
9
SOCI2 pyridine
一方、リパーゼを用いたラセミ体エステル12の速度論的分割により得られた光学活性 中間体(+)‑13をラセミ体インゲノールの全合成スキームに従い光学活性インゲノールヘ −1311
田
と導き、不斉全合成を達成した。
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OMe
Br Iipase PS OTES phosphatebuffer
12 racemic form
聡/ヽc|
OMe
Br 十 OTES
(‑)‑12 50% (94% ee)
― 132―
―二ニーnat‑lngenol