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散水実験に用いた模型盛土を

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Academic year: 2022

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(1)土木学会第71回年次学術講演会(平成28年9月). Ⅲ‑354. き裂が生じた鉄道盛土の降雨時盛土内水位を再現する解析モデルの検討 鉄道総合技術研究所. 正会員. ○宮下. 優也. 正会員. 布川. 修. 正会員. 湯浅. 友輝. 正会員. 太田. 直之. 1.はじめに 大規模地震が発生した場合、鉄道沿線に数多く存在する盛土には大小様々な変状が生じる。大規模な変状が発生 した場合は盛土を再構築することとなるが、き裂などの中小規模の変状の場合にはき裂を埋め戻すなどの簡易な対 策を講じることが多い。しかし、このような復旧方法により盛土の降雨耐力が地震発生前まで回復しているかは不 明である。本稿では、き裂部分の埋め戻し効果を解析的に把握するための前段として実施した、模型盛土の散水実 験における盛土内の水位上昇を浸透流解析にて再現するき裂のモデル化について述べる。 2.人工き裂を有する模型盛土の散水実験 1) 単位:mm. 散水実験に用いた模型盛土を. 525. 1525. 図1に示す。模型盛土は、高さ. :変位計(dv1 ~ dv3). 125. 375. ddv1v1. ddv1v1. :人工亀裂. ddv2. d. dv2v2. v2. 1. 1. ddv3v3. 70. 70. ddv3 v3. る単純鉄道盛土の半断面模型で. る。境界条件は、図1中の盛土. 750. 1.5. 750. 1.5 砕石土のう. 300. :マノメーター(M1 ~ M5). 1525mm、天端の奥行き 500mm、. あり、縮尺は 1/10 を想定してい. 250. :土壌水分計(SM1 ~ SM5). 750mm 、 幅 1000mm 、 奥 行 き のり面勾配 1:1.5 の諸元を有す. 250. M1. M2. M3. (a). M4. M1. M5. 図1. 下端と右端は不透水条件である。. M2. (b). き裂なし. M3. M4. M5. き裂あり. 模型盛土の概要図. 模型盛土の底面には盛土内水位を把握するためにマノメーター等を設置した。散水時の降雨強度は、両ケースとも 時間雨量r= 30mm/h である。実験結果については後述する再現解析の部分にて一部を示す。. 3.き裂のモデル化の考え方 上述の模型実験によって、き裂がある盛土の方がき裂のない盛土よりも盛土内水位が上昇することを確認し た。また、散水実験中の盛土のり面にはのり面上に達した散水がのり面表面を流れき裂に浸透する様子が観察 された。これらのことから、降雨の. 降雨. 盛土への作用は図2に示すように、. 降雨 ③表面流のき裂 からの流入. ①盛土内部には浸透しない表面流と ②内部への浸透水に分けられ、③表. ①表面流 ②内部への浸透. 面流はき裂から盛土内部へ流入する と考えた。そこで、浸透流解析上で. き裂 (透水係数で調整). 盛土. は、き裂を構成する要素の透水係数. (a) き裂なし. を盛土の透水係数より大きく設定し、. (b) き裂あり. 図 2 浸透流解析におけるき裂モデルの検討方針. 実験結果の再現解析によりその妥当性を検証した。 4.散水実験の再現解析 浸透流解析には3次元飽和-不飽和浸透流解析ソフトウェア 3D-Flow(地層科学研究所)を用いた。本ソフトウェ アは岡山大学西垣名誉教授らによって開発された数値解析ソルバーUNSAF3D3)を搭載している。解析パラメータ ーの一覧を表1に示す。解析パラメーターは、実験で用いた土試料の各種土質試験結果と実験条件から設定した。 水分特性曲線は van Genuchten モデル 4)、比透水係数は Mualem モデル 5)を用いた。 キーワード 地震動 連絡先 〒185-8540. 盛土 浸透流解析 東京都国分寺市光町 2-8-38. (公財)鉄道総合技術研究所. ‑707‑. 地盤防災. TEL042-573-7263.

(2) 土木学会第71回年次学術講演会(平成28年9月). Ⅲ‑354. まず、のり面とき裂から盛土内部へ浸透する降雨の割合を決定するため、き裂なしのケースで時間雨量 r =30、 27、24、21mm/h の降雨を作用させたときに 実験(r =30mm/h)における散水時間 310 分 の地下水位を再現する雨量を求めた。解析結. 表1 土質. 飽和透水係数 2.55×10 (m/s) (0.153cm/min). 果の一例として、図 3 に r =21mm/h を与えた. 最も実験結果を再現できたことから、 r =30mm/h の降雨時における盛土内部の地下水位を解析で再. 浸透する量として配分されることとした。. 実験の地下水位 盛土形状 時間(分) 280 300. 500. 310 解析の地下水位 盛土形状 時間(分). 400 300. 280. 200. 300. 100. 310. 0 0. 200. 400. 600 800 1000 1200 盛土奥行き方向の距離 (mm). き裂③に流入 する部分. ありの実験ケースにおいて散水を停止した 210 分までの 前述した結果を踏まえて時間雨量 r =21mm/h とした。き. ③. 裂へ流入する表面水については、図 4 に示すようにそれ. ②. ぞれのき裂に流入する部分を定め、これらの範囲(長さ) =9mm/h から表面水を計算し、これらの表面水をき. ④. き裂 盛土. 図 4 き裂への流入水の考え方 実験の地下水位 盛土形状 時間(分). 800 700. 裂表面に流入水(流量)として与えた。実験を再現. の 30 倍とした地下水位の経時変化を実験結果と比. 1800. き裂④に流入 する部分. ①. と 実 験 で の 時 間 雨 量 r =30mm/h と の 差 分 で あ る r. 倍とした解析を実施した。一例として、k を盛土本体. 1600. き裂①に き裂②に 流入する部分 流入する部分. 地下水位を解析で再現した。盛土に浸透させる降雨量は、. 180. 600. 高さ (mm). 透水係数 k であり、k を盛土本体の 5 倍、10 倍、30. 1400. 図 3 降雨開始から 280、300、310 分のそれぞれにおける地下水位分布の 比較結果(き裂なし 時間雨量r=21 ㎜/h). 次に、き裂部分の透水係数を決定するため、き裂. させるための解析条件のパラメーターはき裂部分の. 0.038738(1/cm) 1.6022 1.0×10-5(1/cm). 600. 現するには、7 割程度の r =21mm/h の降雨がのり 面から浸透し、残りの 9mm/h がき裂より盛土内に. 0.16713. 比貯留係数. 700. 高さ (mm). 較した結果を示す。図に示す r =21mm/h の場合に. 0.50771. 800. 解析で得られる地下水位の、散水開始から 280 分、 300 分、310 分のそれぞれについて、実験結果と比. V-Gモデル定数 α n. 飽和体積含水率 残留体積含水率. -5. 稲城砂. 解析パラメーター. 200. 500. 210 解析の地下水位 盛土形状 時間(分). 400 300. 180. 200. 200. 100. 210. 0. 較したものを図 5 に示す。210 分より前の時間では. 0. 200. 400. 600 800 1000 1200 盛土奥行き方向の距離 (mm). 1400. 1600. 実験結果よりも解析結果の地下水位が高い結果と. 図 5 き裂ありの実験結果と解析結果の地下水位比較. 1800. なったが、210 分における解析による地下水位は実 験結果を概ね再現できている。以上の結果より、浸透流解析におけるき裂モデルの考え方は概ね妥当であることが 示された。. 5.まとめ 本稿では、地震動により盛土にき裂が生じた場合のき裂の有無が降雨時における盛土内の水位上昇に与える影響 を飽和・不飽和浸透流解析にて再現する方法について述べた。今回は模型実験結果の再現解析について述べたが、 今後は実物大盛土に本モデルを適用し、埋め戻し等の対策工の効果を把握する予定である。 参考文献 1)川尻峻三、布川修、太田直之:亀裂が散水時の模型盛土内の水分挙動に及ぼす影響、土木学会論文集 C(地圏工学) 、Vol.71、 No.3、pp.204-217、2015 2)西田幹嗣、川尻峻三、布川修、伊藤賀章、太田直之:加振履歴を有する盛土の散水時における水位上昇に関する解析的検討、 第 32 回日本自然災害学会学術講演会要旨集、pp.113-114 3)地盤工学会中国支部:数値解析講習会テキスト AC-UNSAF3D、第 4 回地下水コロキュアム in OKAYAMA、2002 4)M. T. van Genuchten: A Closed-form Equation for Predicting the Hydraulic Conductivity of Unsaturated Soils、 Soil Science Society American Journal、Vol.44、pp.892-898、1980 5)Y. Maulem: A new model for predicting the hydraulic conductivity of unsaturated porous media、Water Resources Research、Vol.12、 pp.513-522、1976. ‑708‑.

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参照

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