キーワード:コア材料、品質管理、リアルタイム
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リアルタイム品質管理システムの試行事例
独立行政法人 土木研究所 ○正会員 町田宗久 正会員 金子裕司 正会員 豊田光雄
1.はじめに
筆者らは、全粒径材料の現場締固め特性(密度および含水比の分布特性)に着目したフィルダム・コア材 料の「リアルタイム品質管理システム」について提案している 1)。ここでは、この管理システムを
CY
ダム で試行的に適用した事例について述べる。2.施工管理限界の設定
管理システムは、盛立試験および施工初期のデータを分析し、その後、同様の材料を用いて同様の施工が 行われると想定して品質管理基準を定めるものである。詳細については、1)を参照されたい。
図−1に初期施工データで得られた
36
ロット(360点)の含水比(ロット内平均値)の分布を示す。平均値の最 大値および最小値はそれぞれ
w
a=16.4%、w
b=21.5%で、
その範囲は
5.1%であった。
各ロット内において測定値か ら平均値を差し引いた偏差データ分布の標準偏差σw は1.36%である(図−2)
。これの値から求めた信頼度99%
の管理限界値を
0.5%単位でまるめると、含水比の管理限
界はw
A*=15.0%、w
B*=23.0%となる(表―1)
。次に、乾燥密度ρdと 含水比
w
の直線回帰線は 次のようになった。ρd
=2.2227−0.02657w
図−3 および図―4 に 乾燥密度の平均値の分布 と回帰線からの乾燥密度 の偏差分布を示す。前者 の標準偏差σ2はロット 間のばらつきを、後者の 標準偏差σ1は回帰偏差 のばらつきでを示してお り、それぞれ0.0039 t/m
3、0.018 t/m
3 の値が得られ た。これらの値を用いて、回帰線からの密度差 Δρd を求めて密度の管 理下限線を設定した。
含水比および乾燥密度の管理限界を図−5 に示す。図中には、初期施工データ(平均値)の分布を示して いる。
表−1 含水比の管理限界
含水比の母標準偏差 σw
(%) 1.36
ロット間変動の下限値w
a(%) 16.4
ロット間変動の上限値w
b(%) 21.5
下 限 界w
A(%) 15.1
管理限界(信頼度
99%)
上 限 界w
B(%) 22.6
下限含水比w
A※(%) 15.0
実用管理値上限含水比
w
B※(%) 23.0
図−1 含水比(ロット内平均値)の分布 図−2 含水比のロット内平均値 からの偏差の分布
図−3 乾燥密度(ロット内平均値)分布 図−4 密度偏差の分布
10 15 20 25
0 5 10 15 20
含 水 比 w (%) 度 数 f
標 本 数:
最 大 値:
最 小 値:
平 均 値:
標準偏差:
36 21.53 16.35 18.81 1.34
‑10 ‑5 0 5 10
0 50 100 150
含水比のロット内平均値からの偏差 (%) 度 数 f
標 本 数:
最 大 値:
最 小 値:
平 均 値:
標準偏差:
3 60 4. 85 ‑3. 62 ‑0. 00 1. 36
1.5 1.6 1.7 1.8 1.9
0 5 10 15 20
乾 燥 密度 ρd (t/m3) 度 数 f
標 本 数:
最 大 値:
最 小 値:
平 均 値:
標準偏差:
36 1. 788 1. 651 1. 723 0. 039
‑0.100 ‑0.05 0.00 0.05 0.10 20
40 60 80 100
回帰線からのρdの偏差 (t/m3) 度 数 f
標 本 数:
最 大 値:
最 小 値:
平 均 値:
標準偏差:
360 0.043 ‑ 0.070 0.000 0.018
土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月)
‑501‑
VI‑251
図−6
4
つの測定期間における施工データの分布図−5 管理基準枠と初期データ 3.試行結果と考察
4
つの期間に分けて、得られた品質管理データのプロットを図―6に示す。(1)
含水比の管理限界第1期(平成
12
年9〜10月)の施工含水比は、全体的に多少湿潤側に移動しているが、上限界までは まだ十分余裕がある。翌平成13
年5〜6
月(第2期)の結果をみると、施工含水比は逆に乾燥側へやや大 きく移動しており、盛立て材料が変化している可能性が考えられる。w=21%付近にプロットされている 3点を除くと、この期の含水比はほとんど最初に設定した管理限界の中央点(w=19%)から左側の領域 に出現しており、乾燥側に管理限界をはみ出すデータが4点でている。これらのデータが現れた段階で、その後のデータの見直しについて再検討し、このまま乾燥側の材料が続くと判断すれば、管理限界を修正 する必要がある。その後も含水比の高い材料の出現が無視でき
ないと判断されるときには、設計限界内において管理基準枠の 修正を行い、その後のデータを監視することになる。当然のこ とながら、管理限界の変更に際しては透水係数やせん断強度を 十分チェックする必要がある。
このように筆者らが提案した品質管理システムでは、最初か ら固定した管理限界で、盛立て材料を縛るという立場を取らず、
材料の変動状況を監視しながら、設計限界を超えない範囲で施 工管理限界を修正することによってできるだけ材料を受け入れ るという柔軟な管理を目指している。これは採取された材料を 可能な限り有効に利用すると
いう考え方を反映したもので ある。
(2)
密度の管理限界乾燥密度は全期にわたって、
ほぼ回帰線の周りの比較的狭 い帯のなかに分布しており集 中して分布しており、密度が 含水比によって決まっている ことがわかる。下限界までは
0.1t/m
3以上の余裕があり、当面、密度下限界線を修正す る必要は認められない。
ここでは、密度の管理限界だ けを取り上げたが、コア材料で は透水係数の管理も欠かせない。
密度管理と同様に、施工速度に 対応できるようにするため、簡 便法による実用化検討を現在進 めている。今後、透水係数の管 理もこのシステムを組み込んで いく予定である。参考文献参考文献 参考文献参考文献
1)
豊田光雄:フィルダム・コア材料のリア 豊田光雄:フィルダム・コア材料のリア 豊田光雄:フィルダム・コア材料のリア豊田光雄:フィルダム・コア材料のリアルタイム品質管理システムの開発、第ルタイム品質管理システムの開発、第ルタイム品質管理システムの開発、第ルタイム品質管理システムの開発、第
57
回土木学会年次学術講演会概要集回土木学会年次学術講演会概要集回土木学会年次学術講演会概要集回土木学会年次学術講演会概要集 投稿中投稿中投稿中 投稿中10 15 20 25
1.4 1.6 1.8 2.0
乾 燥 密 度 ρd (t/m3)
含 水 比 w ( %)
Z.A.V.C. Sr=90%
Sr=80%
Sr=70%
ρdB*=1.508 ρdA*=1.720
wA*=15.0 wB*=23.0
ρd=2.2227‑0.02657・w A
B C
D E
F
10 15 20 25
1.4 1.6 1.8 2.0
乾 燥 密 度 ρd (t/m3)
含 水 比 w ( %)
Z.A.V .C.
Sr=90%
Sr=80%
Sr=7 0%
ρdB*=1.508 ρdA*=1.720
wA*=15.0 wB*=23.0
ρd=2.2227‑0.02657・w 平成12年9〜10月測定分
A
B C
D E
F
10 15 20 25
1.4 1.6 1.8 2.0
乾 燥 密 度 ρd (t/m3)
含 水 比 w ( %)
Z.A.V .C.
Sr=90%
Sr=80%
Sr=7 0%
ρdB*=1.508 ρdA*=1.720
wA*=15.0 wB*=23.0
ρd=2.2227‑0.02657・w 平成13年5〜6月測定分
A
B C
D E
F
10 15 20 25
1.4 1.6 1.8 2.0
乾 燥 密 度 ρd (t/m3)
含 水 比 w ( %)
Z.A.V.C. Sr=90%
Sr=80%
Sr=7 0%
ρdB*=1.508 ρdA*=1.720
wA*=15.0 wB*=23.0
ρd=2.2227‑0.02657・w 平成13年7〜9月測定分
A
B C
D E
F
10 15 20 25
1.4 1.6 1.8 2.0
乾 燥 密 度 ρd (t/m3)
含 水 比 w ( %)
Z.A.V .C.
Sr=90%
Sr=80%
Sr=7 0%
ρdB*=1.508 ρdA*=1.720
wA*=15.0 wB*=23.0
ρd=2.2227‑0.02657・w 平成13年10月測定分
A
B C
D E
F
図−5 管理基準枠と初期データ 土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月)
‑502‑
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