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130 日レ医誌 (JJSLSM) 第 38 巻第 2 号 (2017) 総説 REVIEW ARTICLE 皮膚科形成外科領域におけるフラクショナル炭酸ガスレーザーの応用 大城貴史 1, 大城俊夫 1,2, 佐々木克己 1 1, 崎尾怜子 1 医療法人社団慶光会大城クリニック 2 日本医用レーザー

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総 説

REVIEW ARTICLE

皮膚科形成外科領域におけるフラクショナル炭酸ガスレーザーの応用

大城 貴史

1

,大城 俊夫

1,2

,佐々木 克己

1

,崎尾 怜子

1 1医療法人社団慶光会大城クリニック 2日本医用レーザー研究所 (平成 29 年 6 月 14 日受理,平成 29 年 6 月 22 日掲載決定)

Clinical Application of Fractional CO

2

Laser Devices in Dermatology and

Plastic Surgery

Takafumi Ohshiro

1

, Toshio Ohshiro

1,2

, Katsumi Sasaki

1

, Reiko Sakio

1

1

Ohshiro Clinic

2

Japan medical laser laboratory

(Received Jun 14, 2017, Accepted June 22, 2017)

要 旨  2004 年以降,各種フラクショナルレーザー治療機器が開発され,皮膚科・形成外科領域においてフラクショナルレー ザーリサーフェシングは必要な治療手技になってきている.フラクショナル炭酸ガスレーザーは各種瘢痕治療や老化に 伴う皮膚に対する治療として臨床使用されてきている.本稿では,フラクショナル炭酸ガスレーザーの臨床使用につい て,機器性能,適応,治療の実際,合併症について解説する. キーワード:フラクショナルレーザーリサーフェシング,炭酸ガスレーザー,瘢痕治療 Abstract

 Since 2004, the fractional laser devices have been introduced and the non-ablative and ablative fractional laser resurfacing have been essential therapeutic techniques in the field of dermatology and plastic surgery. Especially, fractional carbon dioxide laser devices are utilized for the treatment of scars and photo-aged skin. In this manuscript, we introduce the topics of fractional carbon dioxide laser resurfacing concerning about the specifications of fractional laser devices, clinical indications, therapeutic techniques and complications.

Key words:fractional laser resurfacing, carbon dioxide laser, scar treatment

〒 160 -0004 東京都新宿区信濃町 34 JRビル2F

(JR Build.2F, Shinanomachi, Shinjyuku-Ku, Tokyo 160-0004, Japan) Corresponding author: ttoo@ohshiro.com(大城貴史)

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1. はじめに

 2004 年 に Manstein ら が fractional photothermolysis の

理論を発表1)し,フラクショナルレーザーとして波長 1550 nm の径 80㎛の微細なレーザー光(マイクロビーム) を皮膚に点状に照射できる装置が初めて登場した.フラ クショナルレーザーとは,皮膚に対して治療面全面をレ ーザーで面照射するのではなく,正常皮膚を残した状態 でマイクロビームを一定の密度で皮膚に照射し,その後 の皮膚の創傷治癒機転により皮膚のリサーフェシング効 果を出そうというレーザー機器である.治療部位におい て相当面積の正常皮膚を残すことが可能なため,副作用 を少なく複数回の治療にてリサーフェシング効果を得る ことができる.そのためフラクショナルレーザーリサー フェシングとして皮膚科,形成外科領域にて広く行われ る手技となっている.  現在,様々な波長の様々なフラクショナルレーザーが 臨床使用されているが,本稿ではフラクショナル炭酸ガ スレーザーの特性やその臨床使用について解説する. 2. リサーフェシングの手技としてのフラクショナルレ   ーザーの位置づけ  皮膚科・形成外科領域においては,1980 年代より炭 酸ガスレーザー(連続波)による皮膚のリサーフェシング が行われるようになってきた2).これらは表皮および真

皮上層をレーザー光で蒸散し(ablative laser resurfacing:

Fig.1),皮膚浅層を除去し,新しい皮膚を形成させるも のであり,老化した皮膚やにきび痕などの瘢痕に対する 治療などで使用されてきた.これらに対する治療効果は 高かったものの,治療後の遷延化する炎症後色素沈着や 瘢痕形成などの合併症のリスクが高かった.1990 年代に はスキャナー付きの短パルス(ウルトラパルスないしス ーパーパルス)炭酸ガスレーザーが開発され,蒸散の深 さ(治療深度)をコントロールし,凝固層を少なく,広い 面積を均一に蒸散することが可能になり,瘢痕形成のリ スクは軽減した3,4).また,炭酸ガスレーザーよりも熱 損傷の少ない Er:YAG レーザーも開発された5).これら

の機器による ablative laser resurfacing では治療効果が非 常に高いものの,我々東洋人においては,術後の発赤や 色素沈着などの合併症(いわゆるダウンタイムが長い)の 頻度が高く,我が国では広くは普及しなかった(Fig.2).  2004 年 に 微 細 な レ ー ザ ー 光( マ イ ク ロ ビ ー ム )を 1cm2あたり数百から数千発照射することにより正常 皮膚を多く残しながら点状(立体的には円柱状)に真 皮深くにまで蒸散ないし凝固を行うといった fractional photothermolysis の概念が提唱された1).この照射方 法は,マイクロビームにより微細な点状照射を行い, その後上皮化や真皮内の創傷治癒機転により,表皮

Fig.2 Post inflammatory erythema and pigmentation after conventional ablative laser resurfacing with scanned pulsed CO2 laser in Asians.

This adverse effects usually last for 3-6 months after laser resurfacing, depending on the depth of ablation.

Non-ablative fractional

laser resurfacing Ablative fractional laser resurfacing

Ablative laser resurfacing Fractional laser resurfacing

(3)

4. フラクショナル炭酸ガスレーザーによるAFLR の実際 4.1 フラクショナル炭酸ガスレーザーの機器性能  フラクショナル炭酸ガスレーザーは,波長 10600 nm, 照射径は 120-1300㎛前後で,照射パターンはスキャナ ータイプである.冷却はエアークーリングとなっている. 様々なスキャニングパターンでの照射が可能で,照射出 力を調節することで蒸散層の深さを制御できる.また照 射時間を調節することで凝固層の厚さを制御できる機器 もある.照射径や照射時間,スキャニングパターン,照 射出力を調節することで生体組織に対する反応を大きく 変化させられるため,使用目的に応じて様々な設定が可 能である(Fig.3). 4.2 治療の実際  皮膚へのフラクショナル炭酸ガスレーザーによる AFLR では,組織損傷としては組織蒸散に伴う組織欠損部が生 じその周囲を凝固層が取り囲む形となる(Fig.1).そのた め,術当日および翌日まで組織欠損部より微小な点状の 出血や浸出液の漏出が生じ,同部位に痂疲が形成される. 照射部位に一致した微小な痂疲は 7 日以内に脱落し,そ の後 1-2 ヶ月かけて皮膚全体のリモデリングが起こる.  一般的に,治療効果のみを考えれば高出力,高密度照 射で治療を開始した方が良い.ところが治療効果を優先 しすぎるとダウンタイムは長くなり,また術後に炎症後 色素沈着や瘢痕形成などの副作用も起こりやすくなる. AFLR では,低出力・低密度照射から徐々に出力を高く し,その後高密度照射にした方が安全である.副作用の 出現はマイクロビーム密度に影響を受けることが多いた め,低密度で照射のパス数を増やすようにした方が良い. いずれにせよ AFLR では複数回の治療を必要とするた め,著者らは副作用の消失が 1-2 ヶ月に留まる程度の照 射条件での治療を心がけている.  実際の施術においては,施術部位にはステロイド含有 軟膏を塗布し,発赤,腫脹,熱感,疼痛の軽減のために お よ び 真 皮 の 再 構 築 を 促 す 治 療 方 法(fractional laser resurfacing)である(Fig.1).正常皮膚を相当面積残す ため,複数回の治療を必要とするが,ダウンタイムが 短く,術後の発赤や炎症後色素沈着のリスクも少なか った.Er:glass レーザー(1550 nm)の開発後,炭酸ガ スレーザー(10600 nm),Nd:YAG レーザー(1320/1440 nm),Er:YAG レーザー(2940 nm),YSGG レーザー(2790 nm)などの様々な波長のフラクショナルレーザーが開 発,導入されてきている.また高周波(RF)の端子を 格子状に配列し,皮膚表面上にてそれぞれの RF の端 子が双極となり熱を発生させることにより,微細な点 状の熱損傷部を発生させるという,いわゆるフラクシ ョナル RF 治療器も近年臨床応用されるようになって きた6) 3. フラクショナルレーザーリサーフェシングにおける 炭酸ガスレーザーの位置づけ  フラクショナルレーザーとして使用されている波長 には 1440 nm(Nd:YAG),1540 nm(Er:fiber),1550 nm (Er:fiber),1927 nm(Tm:fiber),2790 nm(Er:YSGG),

2940 nm(Er:YAG),10600 nm(CO2)などがある.  使用するレーザーの波長の水やたんぱく質への吸収の 違いから各マイクロビームによる生体反応(反応の程度 や深達度)に違いがある.マイクロビームによる反応が 組織蒸散を伴わない凝固層のみを形成する反応なのか, また組織蒸散を伴い蒸散層と凝固層とを形成する反応な のかによって分類されている(Fig.1).  1440,1540,1550,1927 nm などを用いた治療は凝 固層の形成が中心であることから non-ablative fractional laser resurfacing(NAFLR)と,また 2790,2940,10060 nm を用いた治療は蒸散層と凝固層を形成する反応であ

る た め,ablative fractional laser resurfacing(AFLR) と 呼ばれている.フラクショナルレーザーリサーフェシ ングでは,レーザーの波長,照射時間(パルス幅),照 射出力(エネルギー密度),マイクロビーム径,マイク ロビーム密度で,組織学的熱損傷の深さや広がり(深 達度や蒸散・凝固層の厚さ)が異なり7),その後の臨 床効果が変わってくる.一般的には,組織損傷が強い ほど(NAFLR < AFLR,蒸散層や凝固層が厚いほど) リサーフェシング効果は高くなるが,逆に非照射部(正 常部分)が少なくなるため,炎症後色素沈着や瘢痕形 成などの合併症のリスクは高くなる.そのため各機器 の光学的性能を把握し,各パラメータを制御する必要 がある.  波長 10600 nm を用いるフラクショナル炭酸ガスレー ザーは,AFLR に用いられる代表的なレーザー機器であ る.フラクショナル炭酸ガスレーザーによる AFLR では 水がターゲットになる.そのため照射された微細なマイ クロビームにより真皮の一部が確実に蒸散され取り除か れ,熱により表皮のターンオーバーが亢進され,真皮内 の収縮が促されることにより,皮膚のリモデリング作用 が誘導される.AFLR では,NAFLR と比較すると皮内 でのコラーゲン収縮が強く生じるため,強力な皮膚収縮 効果(タイトニング効果)が期待できる.

Fig.3 Various irradiation patterns after fractional CO2 laser

irradiation to the acrylic plate.

Operator can change the irradiation pattern, the irradiation power and the density of microbeams.

(4)

4.4.2 リストカット痕  多発しているリストカット痕などの線状瘢痕の治療 は,瘢痕皮膚の切除縫合により目立たなくすることも可 能であるが,ある一定幅の線状瘢痕は残ってしまい,治 療に難渋するケースも少なくない.線状瘢痕をより細く するためのフラクショナル炭酸ガスレーザーの使用は有 用である.  フラクショナル炭酸ガスレーザーを線状瘢痕内に高

出力で線状に照射し,線状痕の幅をより細くし(micro-surgical scar revision),その上で周辺正常皮膚を含めて低

出力,低密度の AFLR ないし NAFLR を行うことで,線 状痕を目立たなくすることが可能である.

 本症例では,まずウルトラパルス炭酸ガスレーザー

ENCORE(日本ルミナス社製)を用いてフラクショナル

炭酸ガスレーザー用ハンドピースにより,線状痕内を

40mJ/ マイクロビーム,pulse density 10%,pattern 線状 10mm,1 パスの照射条件にて 2 ヶ月おきに 2 回治療し た.治療後 3 ヶ月で白色線状瘢痕は細くなり目立たなく なっている.併用療法として赤色線状瘢痕に対して色素 レーザー照射を行った.今後より線状痕を目立たなくす るために,NAFLR による「ぼかし」治療を施行予定であ る(Fig.5). 術直後からアイスパックなどによるクーリングを十分に 行う.治療後の熱感は 2-3 時間で改善するが,炎症に伴 う発赤,腫脹は AFLR では 7 日程度継続することが多 い.術後に炎症後色素沈着が認められなければ治療間隔 を 1-2 ヶ月程度として治療を継続し,炎症後色素沈着が 認められた場合には,色素沈着が軽快するまで待機し, 治療を再開する.  皮膚科・形成外科領域におけるフラクショナル炭酸ガス レーザーの適応には,瘢痕(熱傷瘢痕8-10)など),ざ瘡後 瘢痕(いわゆるニキビ痕)11,12)やリストカット痕13,14)など, また老化に伴う小シワやタルミなど15,16)がある.フラク ショナル炭酸ガスレーザーによる AFLR により,瘢痕に 対しては瘢痕ボリュームの減量,瘢痕の軟化など瘢痕の 質の改善および平坦化が,また老化に伴う皮膚に対して は皮膚のリモデリングに伴う肌質の改善が得られる. 4.3 起こりうる合併症  フラクショナル炭酸ガスレーザーによる AFLR では下 記の合併症が起こりうる. a)炎症後色素沈着  低出力,低密度照射であっても治療時のパス数が多く なったり,治療中および治療後の冷却が不十分だったり, 治療間隔が短すぎたり,治療回数が多くなってくると炎 症性色素沈着の合併率は高くなる. b)陥凹変形  AFLR は NAFLR に比べマイクロビーム径が大きいた め,高出力照射を行った場合,陥凹変形が起こる可能性 がある.マイクロビーム径が大きく,また凝固層が厚く なるような照射条件での AFLR では注意を要する. c)瘢痕形成  複数回のパスを短時間で行ってしまえば,照射部位に蓄 熱が起こり,Ⅱ度熱傷をきたし,瘢痕形成につながること がある.治療部の蓄熱には十分に気を付け,治療時および 治療後に照射部の冷却を十分に行うことが重要である. d) 顔面における肝斑や色素沈着の増悪  肝斑や色素沈着(くすみ)を合併した患者において, 同部位に AFLR を行った場合に一時的に肝斑やくすみが 増悪することが多い.そのため,治療前の顔面の色素斑 に対する診断は重要である. 4.4 症例提示 4.4.1 ざ瘡後瘢痕(いわゆるニキビ痕)  ざ瘡(ニキビ)後の陥凹性瘢痕は化粧などでカモフラ ージュすることが難しい.ざ瘡後瘢痕には様々なタイプ (icepick 型,rolling 型,Boxscar 型)があるが,どのタイプで あっても治療回数を重ねることにより,フラクショナル炭 酸ガスレーザーによる AFLR で症状の改善は可能である.  本症例ではウルトラパルス炭酸ガスレーザー ENCORE (日本ルミナス社製)を使用し,フラクショナル炭酸ガス レーザー用ハンドピースにより,25 mJ/マイクロビーム,

pulse density 5-10%,pattern 正方形 10 × 10 mm,1 パス

の照射条件にて 2 ヶ月おきに 3 回治療した.最終治療後

3 ヶ月の状態では,いまだ陥凹性瘢痕は残っているもの

の,陥凹性病変は浅くなり,ニキビ痕は目立たなくなっ ている.今後追加治療を予定している(Fig.4).

Fig.4 Acne scars of right cheek (a) Pre-treatment

(b) 3 months after 3 treatment sessions of fractional CO2

laser resurfacing

(a) (b)

Fig.5 Linear white scars on left forearm (so-called wrist-cutting injury)

(a) Pre-treatment

(b) 3 months after 2 treatment sessions of fractional CO2

laser resurfacing within linear white scars.

(5)

13) 大城貴史,大城俊夫,佐々木克己:創痕(瘢痕,肥厚性 瘢痕など)のレーザー治療;適応と限界.形成外科,56: S9-S17, 2013. 14) 宮田成章:リストカット後瘢痕,線状瘢痕に対するフラ クショナル炭酸ガスレーザーの効果.形成外科,58: 761-768, 2015.

15) C.M. Hunzeker, E.T. Weiss, R.G. Geronemus: Fractionated CO2 laser resurfacing: our experience with more than 2000

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16) E. Kohl, J. Meierhöfer, M. Koller, F. Zeman, A. Klein, U. Hohenleutner, M. Landthaler, S. Hohenleutner: Fractional carbon dioxide laser resurfacing of rhytides and photoageing: a prospective study using profilometric analysis. Br J Dermatol, 170: 858-65, 2014. −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 著者紹介 大城 貴史(Takafumi Ohshiro) 1996 年慶應義塾大学医学部卒業,同年 同大学形成外科入局,1998 年国立霞ヶ 浦病院外科レジデント.1999 年多摩丘 陵病院外科医員.2000 年群馬がんセン ター頭頸科.2001 年埼玉医科大学総合 医療センター形成外科助手.2003 年慶 應義塾大学医学部形成外科助手.2004 年より医療法人社団慶光会大城クリニック勤務.現在 同クリニック副院長及び慶應義塾大学医学部客員准教 授,日本レーザー医学会指導医・レーザー専門医,日 本形成外科学会専門医,医学博士.日本レーザー医学 会理事,日本レーザー治療学会理事,日本形成外科学 会評議員.専門は形成外科学,レーザー医学,特に各 種母斑に対するレーザー治療. 大城 俊夫(Toshio Ohshiro) 1965 年慶應義塾大学医学部卒業.1966 年 慶 應 義 塾 大 学 病 院 形 成 外 科 入 局. 1981 年~レーザー安全性標準化委員 (財団法人光産業技術振興協会).1988 年国際レーザー治療学会初代会長,英 文雑誌 LASER THERAPY 初代編集長. 1990 年国際レーザー治療学会(ILTA) 第 1 回大会会長.1992 年~国際レーザー治療学会(ILTA) 名誉会長.1994 年~世界レーザー治療学会名誉会長. 1996 年~慶應義塾大学医学部客員教授.2005 年~世界 レーザー医学連合会(WFSLMS)事務局長.2006 年~ア ルメニア EJ 大学名誉教授.2007 年~血液を大切にする 会副代表理事,ハルピン大学名誉教授.2009 年~国際 レーザー医学会会長,国際統合医学会顧問,日本レー ザー治療学会副理事長.2010 年~日本レーザー医学会 顧問,日本レーザーリプロダクション学会名誉理事長. 現職:医療法人社団慶光会大城クリニック理事長兼院 長,日本医用レーザー研究所所長,英文雑誌 LASER THERAPY 編集長. 5. おわりに  皮膚科・形成外科領域において炭酸ガスレーザーは日 常診療において組織の蒸散,止血,切開などのツールと して必要不可欠な医療機器となっている.近年販売され ている炭酸ガスレーザー機器には,ビームをスキャニン グして微細なビームとして細かく照射するフラクショナ ルレーザーの機能をオプションとして搭載しているもの が多い.東洋人には向かないといわれてきたレーザーリ サーフェシングではあるが,炭酸ガスレーザーを用いた フラクショナルレーザーリサーフェシングで従来治療が難 しかった面状,線状瘢痕や加齢に伴うシワ・たるみなど の改善が得られるようになったのは朗報である.治療機 器が高性能化する現在,レーザー機器の特性に精通し, 治療機器を使いこなす技術が求められている. 利益相反の開示  本論文に対して記載すべき利益相反はありません. 参考文献

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と応用について-.日本レーザー医学会誌,31: 65-71, 2010.

(6)

佐々木 克己(Katsumi Sasaki) 1982 年慶應義塾大学医学部卒業,同年 同大学形成外科入局,1988 年より医療 法人社団慶光会大城クリニック勤務. 現在同クリニック副院長及び慶應義塾 大学医学部非常勤講師,日本レーザー 医学会指導医・レーザー専門医,日本 形成外科学会専門医,医学博士. 崎尾 怜子(Reiko Sakio) 2011 年杏林大学医学部卒業.2013 年同 大学病院にて初期研修を修了し,慶應 義塾大学形成外科入局,2017 年より医 療法人社団慶光会大城クリニック勤務. 日本形成外科学会会員,日本レーザー 医学会会員.専門は形成外科,各種母 斑に対するレーザー治療.

参照

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4) American Diabetes Association : Diabetes Care 43(Suppl. 1):

10) Takaya Y, et al : Impact of cardiac rehabilitation on renal function in patients with and without chronic kidney disease after acute myocardial infarction. Circ J 78 :

38) Comi G, et al : European/Canadian multicenter, double-blind, randomized, placebo-controlled study of the effects of glatiramer acetate on magnetic resonance imaging-measured

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