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陸上植物におけるジテルペン環化酵素の分子進化に関する研究 東京農工大学大学院 連合農学研究科 生物生産科学専攻 嶋根真奈美

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陸上植物におけるジテルペン環化酵素の分子進化に関する研究

東京農工大学大学院 連合農学研究科 生物生産科学専攻

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目次

序論 ––– 2 本論 第 1 章 イヌカタヒバ由来ジテルペン環化酵素遺伝子のクローニング・機能解析 1.1 緒論 ––– 17 1.2 実験方法 ––– 22 1.3 結果 ––– 39 1.4 考察 ––– 65 第 2 章 陸上植物における ent-カウレン合成酵素の基質認識多様性の解析 2.1 緒論 ––– 71 2.2 実験方法 ––– 72 2.3 結果 ––– 84 2.4 考察 ––– 100 第 3 章 基質立体認識の緩さの分子メカニズムに関する考察 3.2 基質から見た基質立体認識の緩さと反応メカニズム ––– 105 3.3 酵素から見た基質立体認識の緩さと反応メカニズム ––– 110 総括 –––115 参考文献 –––118 謝辞 –––128

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序論

ジベレリンとその生合成 ジベレリン(GA)はジテルペン型の植物ホルモンであり, 種子の発芽・胚軸及び茎の伸長・花芽 形成の促進など, 植物の成長・生育において様々な役割を持つ。GA が最初に単離されたのは 1938 年, 真菌であるイネ馬鹿苗病菌 Gibberella fujikuroi の培養液の中からである(薮田及び住木, 1938)。 この菌に感染したイネは外生の GA に応答し, 背丈が異常に伸びやがて枯死する。その後植物にも 内生の GA が存在することが確認され, 植物の成長や分化に関わる重要な内因性成長制御物質であ ることがわかり, 現在では GA は代表的な植物ホルモンのひとつとして広く知られている(Kende and Zeevaart, 1997)。 顕花植物における GA の生合成経路概略を【図 序–1】に示した(Yamaguchi, 2008)。GA 生合成 経路は, 触媒する酵素の性質に従い大きく 3 つの段階に分けられる: 【1】ジテルペン環化酵素によ り触媒される, ジテルペノイドの共通生合成前駆体である geranylgeranyl diphosphate(GGDP)から ent-kaurene が合成される段階, 【2】シトクロム P450 酸化酵素により触媒される, ent-kaurene から GA12が合成される段階, 【3】可溶性 2 原子酸素添加酵素により触媒される, GA12以降の段階, の 3 段階である。これら 3 段階は各々細胞内での反応部位も異なっており, 【1】はジテルペン環化酵素 が局在する葉緑体内で, 【2】はシトクロム P450 酸化酵素が局在する小胞体膜上で, 【3】は可溶性 2 原子酸素添加酵素が局在する細胞質で進行する。ent-ジベレラン骨格を有する化合物群である GA はこれまでのところ約 130 分子種が報告されているが(Yamaguchi, 2008), そのうち顕花植物内生 で高い生理活性を示すのは【図 序–1】に示す構造を持つ GA1, GA4の 2 分子である。 以上のように, GA 生合成は GGDP から ent-kaurene が合成される環化反応に始まる。ent-Kaurene を合成する環化酵素による反応についてさらに詳しく見ると, GGDP にプロトンを付加し

ent-copalyl diphosphate(ent-CDP)を合成する反応, ent-CDP を脱リン酸的に ent-kaurene に変換する

反応の 2 反応が含まれる(図 序–1, 図 序–2A)。顕花植物ではこれらの 2 段階の反応を 2 種類のジ テルペン環化酵素が触媒し, 前者に ent-CDP 合成酵素(ent-CPS), 後者に ent-kaurene 合成酵素(KS) がそれぞれ関与する。ジテルペン環化酵素の反応はカルボカチオンを中間体とし, カチオンの生成 機構に従い A 型環化反応及び B 型環化反応に分類されている(MacMillan and Beale, 1999)。A 型環 化反応では 2 リン酸基の脱離により反応が開始され, B 型環化反応ではプロトンの付加により反応

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3 が開始される。また, 各々の反応を触媒するジテルペン環化酵素では, それぞれの反応に必要なア スパラギン酸リッチモチーフが保存されていることが知られる。知られているほとんどの植物由来 ジテルペン環化酵素では, A 型環化反応を行うものは DDxxD モチーフを持ち, B 型環化反応を行う ものは DxDD モチーフを持つ。ent-Kaurene 生合成に関与する 2 つのジテルペン環化酵素において, ent-CPS は DxDD モチーフを持つ B 型環化反応を触媒する酵素であり, KS は DDxxD モチーフを持 つ A 型環化反応を触媒する酵素である(図 序–2B)。ent-CPS 及び KS はそれぞれ 1 つの反応様式の みを触媒する単機能型のジテルペン環化酵素であるが, GA 生産真菌 Phaeosphaeria sp.やイネ馬鹿苗 病菌では, ent-CPS と KS の反応を 1 つの酵素で触媒できる多機能型酵素 ent-CPS/KS が機能する (Kawaide et al., 1997; Toyomasu et al., 2000)。ent-CPS/KS は DxDD モチーフと DDxxD モチーフを N 末端側, C 末端側それぞれに持ち(図 序–2B), 1 酵素で GGDP から ent-CDP を経て ent-kaurene を合 成する反応を触媒する。興味深いことに, 顕花植物よりも原始的な陸上植物であるコケ植物ヒメツ リガネゴケ(Physcomitrella patens)及びツツソロイゴケ(Jungermannia subulata)は, 真菌と同じく 多機能型 ent-CPS/KS を持つことが明らかとなっている(Hayashi et al., 2006; Kawaide et al., 2011)。

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4

GGDP ent-CDP ent-Kaurene

ent-Kaurene ent-Kaurenoic acid GA12

GA12 GA53 GA9 GA20 GA4(活性型) GA1(活性型) OPP OPP H H H H COOH COOH H COOH COOH H COOH O H COOH OC O H COOH OC O H COOH H COOH O H O H COOH O H OC O H COOH O H OC O H ent-CPS KS KO KAO 20ox 3ox 20ox 3ox

13ox 13ox 13ox

小胞体膜上

図 序–1 種子植物におけるGA生合成経路概略

Yamaguchi et al., 2008を参考にした。

KAO, ent-kaurenoic acid酸化酵素; KO, ent-kaurene酸化酵素; 13ox, GA13位酸化酵素; 20ox, GA20位酸化 酵素; 3ox, GA3位酸化酵素 <シトクロムP450酸化酵素による反応> 細胞質 <可溶性2原子酸素添加酵素による反応> 葉緑体 <ジテルぺン環化酵素による反応>

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5 OPP H OPP H H H+ OPP H + + H H H GGDP ent-CDP ent-CDP リン酸基の脱離 プロトン付加 ent-Pimarenyl

cation ent-Beyeranylcation ent-Kauranylcation

ent-Kaurene ent-CPSの反応 KSの反応 –––B型環化反応 –––A型環化反応

A.

B.

単機能型 多機能型 B型環化 A型環化 B/A型環化 H2N– –COOH DxDD H2N– –COOH DDxxD H2N– –COOH DxDD DDxxD SAYDTAW SAYDTAW SAYDTAW ent-CPS KS ent-CPS/KS 図 序–2 ent-kaurene生合成に関与するジテルペン環化酵素の反応と一次構造

(A)ent-CPS及びKSの反応機構(Dewick, 2009; Hong and Tantillo, 2014)(B)ent-kaurene生合成に 関与するジテルペン環化酵素の分類, 一次構造と保存されているモチーフ。SAYDTAWモチーフは植物 由来ジテルペン環化酵素において高度に保存されているが, 機能は不明となっている。

H

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6 陸上植物の進化と GA による成長制御機構

陸上植物の進化系統樹に基づいて, GA と ent-kaurene 生合成に関わるジテルペン環化酵素の分布 を重ねた図を【図 序–3】に示した。植物ホルモン研究は植物のモデル生物であるシロイヌナズナ など被子植物を中心とし研究が進んできたが, 近年, コケ植物ヒメツリガネゴケの全ゲノム解析

(Rensing et al., 2008)・シダ植物イヌカタヒバ(Selaginella moellendorffii)の全ゲノム解析(Banks et

al., 2011)の成果が報告され, より原始的な陸上植物についても分子生物学的な側面からホルモン研

究が行われるようになった。興味深いことに, ヒメツリガネゴケは顕花植物と同じ GA はなく, GA に対する受容機構も不活性であるが, イヌカタヒバでは GA 受容機構が機能することが報告されて いる(Yasumura et al., 2007; Hirano et al., 2007; Shimada et al., 2008; Aya et al., 2011)。

原始的な陸上植物であるコケ植物ヒメツリガネゴケについて, 前述のように多機能型 ent-CPS/KS を持ち ent-kaurene を生合成することは確認されている(Hayashi et al., 2006)。さらにその ent-kaurene を酸化して ent-kaurenoic acid へ変換するシトクロム P450 酸化酵素 PpKO(CYP701B1)が機能し, こ こまでは顕花植物の GA 生合成と同様の経路が存在していることが示されている(Miyazaki et al., 2011)。しかし顕花植物において ent-kaurenoic acid を GA12へ変換するシトクロム P450 酸化酵素 PpKAO(CYP88 ファミリー)のホモログがヒメツリガネゴケのゲノム中にはコードされておらず, 植物体から GA が検出されないことと併せると, ヒメツリガネゴケでは GA の生合成と生理機能を 持たないことが支持される。しかし, ヒメツリガネゴケの ent-CPS/KS ノックアウト変異体は赤色光 照射下で矮性の表現型となり, また青色光照射では野生株と異なり, 原始体成長が光源を避けなく なること, そしてそれらは外生 ent-kaurenoic acid の投与により回復するという知見があり, ヒメツ リガネゴケは ent-kaurenoic acid から GA とは異なる成長制御物質を合成していると考えられている (Hayashi et al., 2010; Miyazaki et al., 2014)。同じくコケ植物であるツツソロイゴケやハイゴケ (Hypnum plumaeforme)も多機能型 ent-CPS/KS を持つことから(Kawaide et al., 2011; 木村ら, 2014), コケ植物全般について, ヒメツリガネゴケのように GA は持たないとしても, それに似た ent-kaurene から生合成される化合物(ジテルペン型成長制御物質)による成長制御機構を持つもの と推察される。コケ植物におけるジテルペン型成長制御物質による成長制御は, 維管束植物で見ら れる GA による成長制御の原型に近いのかもしれない。 一方, 顕花植物と同じく GA 及び GA 受容機構を持つとされるシダ植物イヌカタヒバについて, そのゲノム中に GA 生合成酵素のホモログ遺伝子群が見いだされる事実はあるが, 実際の機能解析 は進んでいない。例えば, イヌカタヒバのゲノム中には 14 の予想ジテルペン環化酵素遺伝子が見ら

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れる(Chen et al., 2011)。機能が報告された 2 遺伝子(SmCPSKSL1 及び SmMDS)(Mafu et al., 2011; Sugai et al., 2011 (2))を除く, 残り 12 遺伝子のうちのどれが ent-CPS, KS あるいは ent-CPS/KS であ るかは確認されていない。2012 年, Li らのグループが単機能型 CPS として SmTPS9 と SmTPS10 を 報告しているが(Li et al., 2012), その生成物の立体構造が ent 体か normal 体かは決定されておら ず, ent-CPS の同定は明確にされていない。顕花植物は単機能型の ent-CPS と KS を用い ent-kaurene を合成するが, コケ植物では多機能型 ent-CPS/KS が機能する。進化的に中間に位置するシダ植物で はどちらの酵素型が ent-kaurene 生合成で機能するのか, あるいはどちらも機能するのか, 非常に興 味の持たれるところと言える。

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8 3 .8 4 .3 4 .1 4 .8 ( 億年前) 苔類 ツノゴケ類 蘚類 ヒカゲノカズラ類 トクサ類 シダ類 裸子植物 被子植物 コケ植物 シダ植物 顕花 植物 維管束植物 ヒメツリガネゴケ , ハイゴケ ツツソロイゴケ イヌカタヒバ セイヨウイチイ , トウヒ属植物 シロイヌナズナ , レタス , イネ , コムギ , オオムギ GA を持つ GA を持たない en t-C P S /K S を持つ en t-C P S と KS を持つ 不明 (ヒメツリガネゴケ) (ツツソ ロイゴ ケ , ヒメツ リガネ ゴケ , ハイゴケ ) (イヌカタヒバ , シダ類 *, 裸子・被子植物) 陸上植物 の進化・分類 ( P a lme r et a l. , 2 0 0 4 ) 本論文で取り上げている 植物種 GA の分布 ent -kaur e ne 生合成に関与する ジテルペン 環化酵素 の分布 図 序 –3 陸上植物の進化・分類 と GA , en t-ka uren e生合成 酵素の 分布 *多数のシダ植物から an th eri dio ge n ( An ; G A9 m et hy l e st er など)が単離されていることからシダ類にも GA が分布するとした。 カニクサ

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9 陸上植物の進化とジテルペン環化酵素の発展 前節では原始的陸上植物の全ゲノム解析を端緒とする GA 関連研究の発展を概観したが, 本節で はジテルペン環化酵素について陸上植物での進化と発展を述べる。ジテルペン環化酵素を含むテル ペン環化酵素の分野については, 現在のところ遺伝子・タンパク質の一次配列から機能を予測する ことが非常に難しく, in silico の解析のみでは機能を予測できていないことが特徴である。 テルペノイドはイソプレンの C5 単位を基本として構成される天然の一大化合物群であり, 40,000 分子種以上が知られる(Bohlmann and Keeling, 2008)。植物では GA など幾つかの植物ホルモンやク ロロフィルの構成材料(phytol)などとして正常な生育に必須の機能を果たす他, 特に様々な生理活 性と化学構造を持つ二次代謝産物として見出され(Gershenzon and Dudareva, 2007; Pichersky and Lewinsohn, 2011), テルペノイドの多くが植物由来二次代謝産物として報告されている。テルペノ

イドは, メバロン酸(MVA)経路あるいは 2C-methyl-D-erythritol 4-phosphate(MEP)経路(非メバ

ロン酸経路, DXP 経路とも呼ばれる)から合成される dimethylallyl diphosphate(DMAPP), isopentenyl diphosphate(IPP)が C5 単位となり生合成される。DMAPP, IPP 以降の生合成経路を大別すると以 下の 3 段階になる。すなわち, C5 単位が縮合しプレニル直鎖を合成する伸長段階, 各鎖長のプレニ ル直鎖が様々な化学構造へ環化される環化段階, 環化により生じたテルペンがシトクロム P450 酸 化酵素を始めとする修飾酵素により構造修飾を受ける修飾段階である。伸長段階において縮合した C5 単位の数により基本骨格の炭素数が決定され, 各々炭素数 5 のヘミテルペノイド・炭素数 10 の モノテルペノイド・炭素数 15 のセスキテルペノイド・炭素数 20 のジテルペノイド・炭素数 25 の セスタテルペノイド・炭素数 30 のトリテルペノイド・炭素数 40 のカロテノイドなどに分類される (図 序–4)。続いて, 環化段階及び修飾段階は各テルペン類の構造多様性を生み出す生合成段階で ある。一般的にテルペノイド化学構造は4級炭素・複数の立体中心を含む複雑な炭素骨格をもつ特 徴が挙げられ, 環化段階を担うテルペン環化酵素はカルボカチオンの立体を高度に制御することで 多彩な生成物を特異的に作り出し, テルペノイドの基本骨格形成を行っている。特に多様性の高い モノテルペノイド・セスキテルペノイド・ジテルペノイドを例にすると, 各々約 1,000, 約 5,000, 約 3,000 もの化合物が含まれ(Bohlmann et al., 1998), 各々わずか数種の基質を数百–数千もの炭素骨 格へ変換するテルペン環化酵素がその多様性に大きく寄与している。 ジテルペン環化酵素は, 炭素数 20 のプレニル基質 GGDP を環化しジテルペンを合成するテルペ ン環化酵素である。最初に同定されたジテルペン環化酵素は被子植物トウゴマ(Ricinus communis) 由来の casbene 合成酵素であり, GGDP から casbene を合成する(Mau and West, 1994)。裸子植物で

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はセイヨウイチイ(Taxus brevifolia)から taxadiene 合成酵素が同定されたのが最初である(Wildung

and Croteau, 1996)。これらの酵素は A 型環化反応を触媒する単機能型酵素であり, GGDP から 1 段

階の反応により生成物を合成する(図 序–5)。一方, ジテルペノイドの中でも特に多数を占めるラ

ブダン関連ジテルペノイド(labdane-related diterpenoids)(Peters, 2010)については, B 型環化反応に

続く A 型環化反応という特徴的な 2 段階の反応により生合成される(図 序–5)。この反応を触媒す る代表的な例が ent-kaurene 生合成における ent-CPS と KS であり, ent-CPS によって触媒される B 型 環化反応によりラブダン骨格が合成され, KS により 4 環性の ent-kaurene へと変換される。こういっ た単機能型のラブダン関連ジテルペン環化酵素は, 被子・裸子植物を含む顕花植物, 及びシダ植物 (SmTPS9 及び SmTPS10, Li et al., 2012)に見られる。コケ植物の ent-CPS/KS のように, 1 酵素で 2 つの反応を触媒する多機能型のラブダン関連ジテルペン環化酵素は, コケ植物の他に裸子植物でト ウヒ属のジテルペン樹脂酸生合成経路などで機能することが知られる(Vogel et al., 1996; Martin et

al., 2004; Keeling et al., 2011 (2))。これらトウヒ属のラブダン関連化合物の合成に関わる多機能型ジ

テルペン環化酵素の反応では, ent-CDP の光学異性体である normal CDP が中間体となっている。加 えて, シダ植物イヌカタヒバについても normal CDP を中間体として生成する多機能型ジテルペン 環化酵素が機能することが明らかとなっている(Mafu et al., 2011; Sugai et al., 2011 (2))。Mafu らが 報告した SmCPSKSL1 は, 最終生成物 labda-7,13E-dien-15-ol の構造から normal CDP が中間体である と推測されており, Sugai らの報告した SmMDS ではアスパラギン酸リッチモチーフへの変異導入酵 素の作製により, normal CDP を中間体とし最終的に miltiradiene を合成することが実験的に確認され ている。多機能型のラブダン関連ジテルペン環化酵素は裸子植物・シダ植物・コケ植物においての み報告されており, 被子植物では見られない。単機能型・多機能型のジテルペン環化酵素が混在し て見られる裸子・シダ植物に対し, コケ植物には現在のところ多機能型のジテルペン環化酵素のみ が報告されており興味深い。 陸上植物のテルペン環化酵素に関する分子進化的研究は, 最近のものでは Chen ら 2011 年の

review に詳しい(Chen et al., 2011)。Chen らの報告に基づき, 【表 序–1】に各種植物のゲノム中に

見られるテルペン環化酵素遺伝子数をまとめた。原始的陸上植物であるヒメツリガネゴケでは機能 するテルペン環化酵素は 1 つのみと考えられており, これは先述の ent-CPS/KS に他ならない。対し てシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)やイネ(Oryza sativa)を始めとする顕花植物では 1 生物 種に数十ものテルペン環化酵素遺伝子が存在し, シダ植物であるイヌカタヒバでは 14 とその中間 的な数を示している。分子系統樹及びゲノム上における遺伝子構造の解析から, 陸上植物のテルペ ン環化酵素は祖先の 1 遺伝子から遺伝子重複を繰り返し, 一元的に進化してきたと考えられている

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(Trapp and Croteau, 2001)。陸上植物の祖先型テルペン環化酵素が ent-CPS/KS 様の多機能型ジテル ペン環化酵素であったと考えるのは(Chen et al., 2011 など), ent-kaurene が GA 及びジテルペン型 成長制御物質の生合成前駆体として現在の陸上植物界に広く存在していること, 原始的陸上植物に 近い形質を残すと考えられるコケ植物において ent-CPS/KS が保存されていることを踏まえると, 妥当な解釈と言える。ただし, イヌカタヒバのゲノム中には典型的な陸上植物のテルペン環化酵素 と起源を異にする独特のテルペン環化酵素遺伝子群が見られるという報告がなされているが(Li et al., 2012), コケ植物・顕花植物含めその他の陸上植物ゲノム中にはそういった遺伝子は見られない。 本博士論文では陸上植物におけるテルペン環化酵素遺伝子の垂直的な分子進化を考察するので, Li らのイヌカタヒバに関連する論文記載内容については例外として論じない。 これまでに植物のジテルペン環化酵素では ent-CPS を含む 3 酵素の X 線結晶構造解析がなされて おり(Köksal et al., 2011(2); Köksal et al., 2011(1); Zhou et al., 2012, Köksal et al., 2014), 典型的な植物 ジテルペン環化酵素は・・の3つのドメインから成ることが明らかとなった(図 序–6)。C 末 端側にコードされるドメインには型環化反応における活性中心がありDDxxD モチーフがある。

N 末端側にコードされる ・ドメインの境界付近には DxDD モチーフが位置し, B 型環化反応の活

性中心を形成する。単機能型酵素の AtCPS, TbTXS ではこれらのいずれか一方の活性中心のみが機 能しており(Köksal et al., 2011(2); Köksal et al., 2011(1)), 多機能型環化酵素 AgAS ではいずれもが 機能し 2 つの活性中心を持つ(Zhou et al., 2012)。ドメイン構造を踏まえた陸上植物のテルペン環 化酵素の分子進化については Oldfield 及び Lin の 2012 年の review が詳細をまとめている(Oldfield

and Lin, 2012)。その論文によれば, 陸上植物の祖先型テルペン環化酵素も ・・の 3 ドメイン構 造を持っていたと考えられており, そこから遺伝子重複を経て派生してきたテルペン環化酵素では ドメインが脱落し・ドメインだけになったものさらにドメインも脱落しドメインだけになっ たものも生じたと論じている。ほとんどのジテルペン環化酵素はドメイン構造を持っているが モノテルペン・セスキテルペンの環化酵素は・ないしドメインのみのものが多い。こういった ドメイン構造を考慮しても原始陸上植物に存在した祖先型テルペン環化酵素はドメイン構造・多 機能型のジテルペン環化酵素であったと推測できる。

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12 O H OP O H O H O H O H OHO OPP OPP OPP OPP OPP OPP MEP MVA IPP DMAPP Geranyl diphosphate Farnesyl diphosphate(FDP) GGDP Geranylfarnesyl diphosphate IPP IPP IPP IPP FDP GGDP ヘミテルペノイド (C5) モノテルペノイド (C10) セスキテルペノイド (C15) ジテルペノイド (C20) セスタテルペノイド (C25) Squalene トリテルペノイド (C30) Carotene カロテノイド (C40) 図 序–4 主要なプレニル直鎖の生合成経路とテルペノイドの分類

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13 H H OPP OPP H OPP H Casbene Taxadiene ent-CDP normal CDP GGDP H H H O H

ent-Kaurene 8,14-abietene13-Hydroxy- pimaradiene

Sandaraco-H Miltiradiene O H H Labda-7,13E-dien-15-ol Casbene合成酵素 KS ent-CPS/KS PaLAS* PaIso SmMDS SmCPSKSL1 ent-CPS Taxadiene合成酵素 ラブダン骨格 図 序–5 植物由来ジテルペン環化酵素

PaLAS, Picea abies levopimaradiene/abietadiene合成酵素; PaIso, Picea abies isopimaradiene合成酵素 *PaLASの酵素生成物はabietadiene, levopimaradiene, neoabietadiene, palusturadieneの混合物とする初 報があるが, ここではKeeling et al., 2011 (1)に従いPaLASの真の生成物を13-hydroxy-8,14-abietadieneと した。

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14 植物種 テルペン環化酵素遺伝子数 備考 ゲノム中に見られ る遺伝子数 機能していると予 測される遺伝子数 コケ植物 ヒメツリガネゴケ 4 1 シダ植物 イヌカタヒバ 18 14 同じ遺伝子座を占める alleric variantも別に計上してい る可能性がある 顕花植物 ブドウ

(Vitis vinifera) 152 69 Martin et al., 2010 ポプラ (Populus trichocarpa) 68 32 シロイヌナズナ 40 32 Aubourg et al., 2002 イネ 57 34 ソルガム (Sorghum bicolor) 48 24 表 序–1 陸上植物ゲノム中に見られるテルペン環化酵素遺伝子数*(Chen et al., 2011) *この表におけるテルペン環化酵素遺伝子数は, Chenらにより”terpene synthase / TPS”と表記されてい る, C5–C20テルペンの環化を行う典型的な植物テルペン環化酵素の遺伝子数である。トリテルペン環 化酵素などは含まない。TPSは一次配列の相同性から定義されており, 「陸上植物において・・ドメ インを持つ祖先型テルペン環化酵素から一元的に派生した一群のテルペン環化酵素」とも言え, 本序論 の趣旨とも合致する。

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15 B型環化反応における 基質結合部位 A型環化反応における 基質結合部位 ドメイン ドメイン ドメイン

アメリカオオモミ(Abies grandis) abietadiene 合成酵素(AgAS)(多機能型)

基質結合部位 セイヨウイチイ taxadiene合成酵素(TbTXS) (単機能型・A型環化反応を触媒) (単機能型・B型環化反応を触媒)シロイヌナズナent-CPS(AtCPS)

A.

B.

図 序–6 植物由来ジテルペン環化酵素の立体構造と機能 多機能型ジテルペン環化酵素には2つの反応中心があり, ドメインにあるDDxxDモチーフを含む反応中 心ではA型環化反応を, ・ドメインにあるDxDDモチーフを含む反応中心ではB型環化反応が触媒され る(A)。対して単機能型ジテルペン環化酵素には各々A型環化反応, B型環化反応を触媒する活性中心 のどちらか一方のみが機能する(B)。 酵素の立体モデルは各々のX線結晶構造解析データ(PDB番号3S9V, 3PYA, 3P5R)の単量体を用い, Swiss-Pdb Viewer(Guex et al., 1997)を用いて作製した。

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16 研究目的 陸上植物の進化の過程で GA 生合成に関わる酵素の構造と機能特性がどのように発達してきたの か, また顕花植物における複雑なテルペノイド二次代謝系に深く関わるテルペン環化酵素はどうい った祖先型酵素から発展してきたのかを考える上で, ent-kaurene 生合成に関わるジテルペン環化酵 素は興味深い研究材料である。 本研究では, 進化的にコケ植物と顕花植物の間に位置するシダ植物イヌカタヒバを材料とし, ent-kaurene 生合成に関与するジテルペン環化酵素の同定を行うことを第一の目的として第 1 章にま とめた。第 2 章では, 第 1 章における機能解析の過程で見出した KS の新たな特徴付けとして, KS 反応における基質の立体認識に着目した。各種陸上植物の KS 及び ent-CPS/KS を材料とし,基質の 立体認識における差異を調査・比較することで, 陸上植物の進化における KS の分子進化について 実験データに基づいて検討した。第 3 章では, 第 1 章・第 2 章を通して得られた植物由来ジテルペ ン環化酵素の基質–生成物特異性について, その分子メカニズムを考察した。

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第 1 章 イヌカタヒバ由来ジテルペン環化酵素遺伝子の

クローニング・機能解析

1.1 緒論 第 1 章では, シダ植物モデル生物であるイヌカタヒバを材料とし, ent-kaurene 生合成に関与する ジテルペン環化酵素遺伝子を同定することを目的とした。イヌカタヒバはシダ植物のモデル生物で あり, 2014 年 11 月現在シダ植物で唯一全ゲノム解読の結果が公表されている(Banks et al., 2011)。 ジテルペン環化酵素遺伝子についても, シダ植物で初めてクローニング・機能解析された種であり, これまでに 4 遺伝子が報告されている: SmCPSKSL1 (Mafu et al., 2011), SmMDS (Sugai et al., 2011 (2)), SmTPS9 及び SmTPS10(Li et al., 2012)(図 1–1)。 Chen らのグループは, イヌカタヒバのゲノム中には 14 のテルペン環化酵素遺伝子があり, 系統 樹解析・アミノ酸一次配列からその全てがジテルペン環化酵素であると予想した(Chen et al., 2011; Li et al., 2012)。しかし, これら 14 の遺伝子は互いに配列の相同性が非常に高いものが含まれてお り, 同一遺伝子座に位置する対立遺伝子変異(allelic variant)を別ものとして数えている可能性があ る。一方, 本論文を含む, イヌカタヒバのジテルペン環化酵素に関する岡山理科大学・東京農工大 学の共同研究グループ(林, 川出らのグループ)では, イヌカタヒバゲノム中に見られる予想テル ペン環化酵素遺伝子を精査し, 機能するものを 8 つと予想した(図 1–2)。このうち 4 遺伝子は DxDD モチーフ・DDxxD モチーフ様配列双方を持つ多機能型ジテルペン環化酵素をコードすると予想さ れ(SmDTC3–6), その一部は SmMDS(SmDTC4), SmCPSKSL1(SmDTC6)として既に機能が報告 されている。残りの 4 つはどちらか一方のアスパラギン酸リッチモチーフしか持たず, B 型環化反 応あるいは A 型環化反応を触媒する単機能型ジテルペン環化酵素と予想された。B 型環化反応を触 媒する単機能型ジテルペン環化酵素遺伝子と予想された配列の 1 つ SmDTC1 は, Chen らの報告し た SmTPS9 とほぼ配列が一致した。SmTPS9 と SmTPS10 は互いに非常に相同性が高く, アミノ酸配 列で 96%一致し, SmTPS10 の方が N 末端側 18 残基分長いこと・配列の中途に数個置換があること を除けばほぼ同じ配列である。 以上を踏まえ, 本章では林, 川出らによるイヌカタヒバの予想ジテルペン環化酵素遺伝子を候補 として実験を行い, 機能未同定の遺伝子をクローニングし機能解析することで ent-kaurene 生合成に 関与するジテルペン環化酵素遺伝子の同定を目指すこととした。また, 機能解析に当っては in vitro

(19)

18

における酵素反応生成物を GC-MS で分析する他, 酵素合成により酵素反応生成物を完全13

C 標識化

し NMR 分析に供する手法(Sugai et al., 2011 (1); Sugai et al., 2011 (2))を用いた。本手法は13

C 同位 体で完全標識することで, NMR サイレントな核である12 C(天然存在比 98.9%)による希釈の問題 を克服し, 高感度な 13 C-NMR 測定・13C-13C 間相互作用の測定を可能にする。複雑な炭素骨格を持 ち, 4 級炭素が多く精確な構造決定が難しいジテルペン化学構造の特徴を踏まえ, 効率的な機能解 析を意図し本手法を導入することとした。

(20)

19 OPP H O H H OPP H OPP OPP H OPP H OPP OPP H SmCPSKSL1 (SmDTC6) GGDP normal CDP (推定中間体) Labda-7,13E-dien-15-ol SmMDS (SmDTC4) GGDP normal CDP Miltiradiene and/or SmTPS9 SmTPS10 (SmDTC1) ent-CDP normal CDP 図 1–1 これまでに機能が報告されているイヌカタヒバ由来テルペン環化酵素

SmCPSKS1(Mafu et al., 2011)及びSmMDS(Sugai et al., 2011 (2))は多機能型ジテルペン環化酵素で あると示唆・確認されている。SmTPS9及びSmTPS10(Li et al., 2012)はent-CDPあるいはnormal CDP を合成する単機能型ジテルペン環化酵素である。ent-CDPとnormal CDPは鏡像異性体にあたり, Liらの 報告ではどちらなのか決定されていない。

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20 10 20 30 40 50 60 70 80 90 . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | SmDTC1 ---SmDTC2 ---MCKVLPNIGYSTASNATFAPPNPVFSGPQKTRLRTSILSCIAEVGPAKSSSS SmDTC3 ---MSKVLLSSFQRTG-GGSLQLFG---GTNLKSNAQPNRFR---KVSCCA---SKPAEVLEKREKEKQQP SmDTC4 ---MAKVLFSSFQQTGISGSLKSG--QLSGVFTNGTNLKSNAHAKRFRKNSTSSITISCCASNSPTLENTKLAEAPEKRQKKKQLP SmDTC5 -MPNYYNKDSSLIVTLAKLVDKKSLRQAGRQDSAMASVLFSFKHTGTSASLKSSRAPATRISCCS---LSFDNKKPAEAPEN-QKKKQQP SmDTC6

---SmDTC7 ---MSFSAIQISSGFFTQDNKIKYFHSDRRSKALNVGSFT SmDTC8

---100 110 120 130 140 150 160 170 180

. . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | SmDTC1 ---MWELVETVRSMLNSLHDG--EISVSAYDTAWVARVPALDGSNK-PQFPMCLNWIMNNQLEDGSWGDRDLF

SmDTC2 QHKLERITRSTVSEDVQRKRRLELVDAVRTMFRSLGDG--NISRSAYDTAWVARVPALDGSNS-PQFPMCLDWIIKNQFEDGSWGDKDLF

SmDTC3 YQGILHVQAGDRIEELDHRETSLLVKEVKGWLMKLASGKWEISPSTYDTAWVARIPSDSDSSL-PEFPEALEWIINSQLPDGSWGDDCHL

SmDTC4 YQGILHVP-GDRVEELDTRETSLLVAEVKGWLMKLASGKGEISPSAYDTAWVARIPSESDSSL-PEFPEALEWIINSQLPDGSWGDDRHL

SmDTC5 YQGILHVP-ADHVEELDHRETSLLVAEVKGWLMKLASGKGEISPSAYDTAWVARIGSESDSSL-PEFPEALEWIISSQLSDGSWGYDRHL

SmDTC6 ---MIEEMRKLLATLDDG--EISPSAYDTAWVARIPSQSNATC-PEFPETLEWIAHNQLPDGSWGDRNHF

SmDTC7 QFSAGLVLRAGREVHGTLSIQSHLSSKESTIKKLFAGVNDASGFSAYDMGWIARIPHAHNPELGPQFPRSLEWIVHNQCEDGSWDQGEED

SmDTC8 ---MQAYDTRESPSCKKLPDLINEVRQMLRLVSDG--NISMSPYDTAWVARVPSPLNSQQ-PEFPQCLDWIVENQRQDGSWG-DEVF

190 200 210 220 230 240 250 260 270

. . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | SmDTC1 LTYDRICSALACAIALKTWNTGDKIVRKA-LEFIRKTMPEMEMEDSTHMPIGFEIVFPAMIEEAMALELDIDYTAPVLQTIYAERKKKLE

SmDTC2 FTYERVCSTLACVISLKIWNTQEKHIEKG-LEFIRRTMPTLETEESAHMLIGFEIVFPAMLDEAMELGLDLDYSSPVVHKFHAEREKKLQ

SmDTC3 QLYDRVFSTLSCLVTLNLWDIGHNSIAQG-TKFLRENMIKLNHAD-GDFLSGFEVTFPMMLHEAKRVGLKLPYDTEFTRLLEISTTEKLA SmDTC4 QLYDRVLSTLSCLVTLKTWDIGHNSIAQG-TKFLRENMIKLKQDD-GDLLSGFEVTFPMMLHEAKQLGLDIPYETEFTRLLEISTKKKLA SmDTC5 QLYDRVLSTLSCLVTLKLWDIGHSCITQG-TKFLRENMIKLKQDD-GDLLSGFEVTFPMMLKEAKQLGLDLPYDTEFTRLLEISTKKKLA SmDTC6 QIYDRVLSTVSCLVALKTWNLGHDNINKGSERFLKQNIYKLTKDK-GDLLCGFELIFMTMLEEAKQKGLDIPIDIPALKILQGYRQKKLQ

SmDTC7 --VQRVCSTLSCVTALKTWNRGECSIQRG---VSFLMSRLPLVHNKLTKDTKAILHRLLQEGKSLDLELNYDESFVQHICEQGQEFLQ

SmDTC8 NIYDRILCTLSCILALKTWNIHDDVIATG---KSNILASTEDK-GDLLVGFELIFPPMVEEAKSQGLRIPSNHLFIQLLEELREAKLK

280 290 300 310 320 330 340 350 360

. . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | SmDTC1 RIPMNVVQNYPTTLLHSLEGLH-KTIDWDKVIKLQSPDGSLLFSPASTACALMHTGNEKCLQYLNNLVKRFN-CAVPNVYPVDLFEHLWI

SmDTC2 RISLDVLQTHPTPLLYSVEGLH-KSLDWHKVVKLQCSDGSLLSSPSSTACALMYTGNEKCLQYLNNILERYKDAAVPNTYPVDLFEHIWI

SmDTC3 KISLDRLHSTPTTLLYSLEGLQGLEIDWQKILKLQSKDGSFFSSPSSTACVYLKTKDKKSLQYLQKAMKNQN-YAVSCHYPIDLFESLRV

SmDTC4 KIPLDKIHSAPTTLLYSLEGLQDLEIDWQKILKLQSKDGSFLSSPSSTACVYLKTKGRKSLQYLQNAMEDQN-YAVPCHYPIDLFESLWV

SmDTC5 KIPLDRLHSSPTTLLYSLEGLQGLEMDWQKILKLQSRDGSFLSSPSSTACVYLKTKDRKSLQYLQKAMEDQN-YAVPCHYPIDLFESLWV

SmDTC6 KIPLEMVHSIPTTILYSLEGLQD-HINWEKILQFIGTDGSFLSSPSATACVYMHTKDPRCLEYLKGVVKKVK-NSVPCQYAIDLFERLWI

SmDTC7 RVSNDALEQYPTSFVHMLEAFHD-RPKWQRLLRYQSSSGSLFS-VTLTACAYMHTGDRKCLRFLNGLLEGPL---TKPNKNLSQLLRL

SmDTC8 GISLDTIHSAPTTVLFSLEGLQE-CIDWTQILTLQSEDGSFLTSPSSTACVYLHTKDEKCLTYLRNLVKLHK-NAVPDFYPLDMFERLWV

370 380 390 400 410 420 430 440 450

. . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | SmDTC1 VDRLQRLGISRYFTQEIKSALDYVYRYWTD-KGIAWARGSPVQDADDTSMAFRLLRSHGYDISPDAFKTFQEG--DSFVCFSGQAGQAVT

SmDTC2 VDRIERLGIARYFTREIKDALDYVYRNWTD-KGISWARGTPIQDGDDTSMGFMVLRSHGYDVSADVFKHFQHENEHGFFCFVGQVSEAVT

SmDTC3 VDTIERLGIDLFFRDEIKAVLDYLYSFWTN-EGIGWESTCIVNDIEDTAMAFRILRMHGYSVSPDAFNQFWLP-GDKFCCFVGELPHGVS

SmDTC4 VDTIERLGIDVFFRDEIKAVLDYVYSFWTN-EGIGWGSTCLVNDIDDTAMAFRILRMHGYNVSTDAFNQFWLP-GDKFCCFVGELSHGVS

SmDTC5 VDTIERLGIDVFFRDEIKAVLNYVYSSWTN-EGIGWGSTCLVKDIDDTAMAFRILRMHGYNVSSDAFNQFWLP-GDKFCCFIGEVSHGVS

SmDTC6 VDTLERLGIDRYFQPEIKNILDYVYKYWSDKKGIGWGRESYLKDIDDTSMGFRLLRLHGYKVTPDVFLNFMSS-EDKFFCFPGESYHGAS

SmDTC7 IDWLEHLGIERFFEKDIEQTLIQAFRFWRG-NAAGSGRQQHLKSFEDSALLFRILRRHGYEVSPDVLHQRTFC---ETR

SmDTC8 VDTLQRLGIDRFFKQEIKEILDYVYRYWDDKKGIGWARNVSVPELDCSGMGFRLLRLNGYDVSADVFTNFMKD--GKFFCFSGERSHGIS

460 470 480 490 500 510 520 530 540

. . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | SmDTC1 GMYNLYRASQVMFPGETILEEAGSFARKFLEGKRQENQLYDKWIISKDLPGEVEFALDNPMHARLERLATRRYIDQYAADDVWIGKSLYR

SmDTC2 GMLDLYKATKVMFPGDVILQKARAFTRSFLDEKRRKGELNDKWVVTKDLPGEVEFELDNPFHATVERIATRSYIDQYGVDDVWIGKSLYR

SmDTC3 AMLHLYRASQVDFPNEEILTKTFKYSHDYLLN--VESSHTS--ATKKNLMGEVTFELENPLHDCLPRIYNNAYIKHYSIDDPWIAKTIYR

SmDTC4 EMLNLHRASQVDFPNEAILTKTFKYSHDYLLN--VDSAHMDKWATKKNLMGEVAFELANPFHDCLPRIYNNAYIKHYGMDDLWIAKTIYR

SmDTC5 EMLNLHRASQIDFPNEEILTKTFKYSDGYLLN--VESSHMDKWAMKKNLMGEVAFELANPFHDCLPRIYNNAYIKHYGVDDPWIGKTIYR

SmDTC6 DIFNLYRASQVAFANDNILTKAKNYAHKYLSQ--LDKAYLDKWSAKKNFFQEVEFELSNQWNSCLPRAYSKSYIHNYGPNDIWIAKTIYR

SmDTC7 DLKELSLASHFLFPSE---SRKMLDS---IPIIDVANQETTFPWYSIPHRVQHIEYMTKFMAS---MDS SmDTC8 DVFSLFRASQVAYPKEAILDQAHAYSQQYLSH--LHDHGLDKWAFKNDLSGEVTFELNNAFCSCPPRLYAKSYISKYGTDDSWIAKTIYR

550 560 570 580 590 600 610 620 630

. . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | SmDTC1 MPFVNNPIFLELAKADFNMCRALHRKEFQQLERWYDESSLSMFK----GFSRSKLEQTFYSAAATIFEPELSPARLIWSQCWFLSLGINE

SmDTC2 MPFVNNPVFLELAKLDFNTCQAFHKQEFKQLERWYAESSFRKFG----CYHR-DLERSFFGAAATIFEPELATARVVWSKCSFIASVIEE

SmDTC3 LPHVNNKVLLELANRYAQQCQSYQRSELKILVEWWHSSHFEDIPSTRFKSNVNMLPYIYYVICSTYHEQNFGQLRIFFTKTCCMNTLFDD

SmDTC4 LPLVNNKVFLELANRYAQQCQLYQPAELTKLVNWWHSSRFEDIPSTRLTANIDMLPYIYYVICATFHEQEFAQLRVFFSKACCLNTLFDD

SmDTC5 LPLVNNKVLLELANRYAQQCQSYQPSEMIELVNWWHSSGFENIPSTRLKANINMIPYLYYLICSTFHEEEFGQLRVFFIKTCCINTLFDD

SmDTC6 LPFVNNELFINLAKEDFNACQSIHQSEIQTLLRWWAALKFGDLP---FFG--DKVVTAHFSIASCMFEPEFSELRLFYTKYALLSSTLDD

SmDTC7 ISMSERASLLAFTKFDFNACQKIYQSDLQRVMRWNGECDFGRLG---FARQKEVFCFFTAAATMFQPELSMARIVWAQMSVLTTVIDD

SmDTC8 LPNVNNAAFLEMAKQDYDFCRSVLQDETAELSRWWSSTG-ISFTSKRVKLTDHLVNRLHFQIAAYIFEPELSAMRLAYTKAACLVVACDD

640 650 660 670 680 690 700 710 720

. . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | SmDTC1 YFDYQGSTKELEDLINNVERWNVNSLGNCSAKVKILFVELYNIVQNHSKQGFLYQGRSIG----GALREIWKTWLSSLLQRTKWKMSDNN

DxDDモチーフ

(22)

21

SmDTC2 YFRRESSTVDLQDLLNGVQRWDPSSMEDSSDDVKLLFIEIFLEVESQSKQCLNFQGRSVK----NELRRIWSNWLSSLLEKTRWRVSKKR

SmDTC3 LLDSAKSITELDHLQNMIERWDTSFLSQK--EYKIIFQEFYNTILVMTEMASKINQNLSPEFIHKYLLAIGTELIKSGIIDARWKLQGYI

SmDTC4 LMDCATSIEELDRLQNVIEKWDISLSHELPLEYRIPFQEFYNTVLVMTEAASKIHKNLSPEFICKYLSGIYTKLIKSEIADARWKIEGYI

SmDTC5 LLDYATNIKELDHLENVIERWDISMSQELSLEYKILFQEFYTIVLVMTEAASKIHQNLSPEFIYKYLLGICIKVIKSIIADARWKIQGYI

SmDTC6 LADYYGSPAQTRCILEAIRSWDPSLVSHLSEEVQICFSGLYRTINEMVKSASKVQTGSS----INIREHMQEQLISAQLVDAEWMERKHI

SmDTC7 FMDTHDSLDNLRNFCTAVKRWDPS-ALELNEAARIIFQGLFKTVTWTAECASAVQGRDMT----ANLRAQWERLCDAFFREAEWRLTNHC SmDTC8 LADHFLDAREYQELVASIERWDDPSATKLTDDAKSFYHAVYTTLNELMQEASKACVSTS---GIISRQFAVYAKSVVGEVTQRGNTSM

730 740 750 760 770 780 790 800 810

. . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | SmDTC1 PTLEEYLKASH--SSIEPAVRSTMYFVGETLATTGDIKDS--AICQMMNAASRLVQDTHTDKVDSSLN----SITIYLEENPQLTKSEAL

SmDTC2 PTLEDHLKASK--SDVEPAVYSTMYFVKEKLAAGKLYQFS--KLCTVMNSAITLEQDLQDD--DSPLN----SVSIYLEEKPGTSKESAV

SmDTC3 PGFEEYMENAEVSIGIATHLLMGILFCGDHLTEELLNIIYDSKLLKLGSIISRICNDIQTYKIEMKLGQSAHGVSCYMKDHPGETEEDAL

SmDTC4 PSFEEYMENAEVSISTWVHVLMSILFCGEPLTEEILNTIYDSRPLKLDRIICRLCNDIQTYKIEMKLGQPTQGVSCYMKEHPGATEEDAL

SmDTC5 PSFEEYMENAEVSVSSWVHILMGIFFCGELLTEELLNTIYDSKPLKLDRIISRLSNDMKTYKIEMKLGQQAQGVSCYMKDHPGATEADAL

SmDTC6 PSFETYLSNATVSVGMQDLLLSSIFFCGESISKHLMQEIKNSRCLQLTCLIARLCNDIGTYQFEREKGEVASSITCYMRENRGITESQAI

SmDTC7 PSLEEYMENGITSFALEPIILSAILFLDGKVESSVLDHPDCINMYVRVSTIGRLLNDIQGFHRESSGGE-FSWIAIYMKEHPGTSVEDAV

SmDTC8 PTLEEYLKKSRPRTGIPAVIICSLPFCGIDMDLETLERASNCKEMELTCDIIRLSNDLATYKVEMENGLSISSITAYLNYCPETSKEDAV

820 830 840 850 860 870 880 890

. . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . SmDTC1 SEVQALANKNMQKLLY-ETLQPG-ALPQACKQLFLNAARIMNVFPGT---NKVQAKLSNHVKRVLSQPVL

---SmDTC2 VYIRELSEELMRELLR-ESLCCDDGLPSACKHLFLNGARLANFMVAA---RRELS-MDGHIHRLLSQPF

---SmDTC3 AYLQSLLEKTKKQLNEIYFT--EKDLPKNIKRFNFDIARMMMFTYNK--AKQ-DLFRNPNKELQNMIEFCLKA

---SmDTC4 VYLQSLLEKTKRELNESYFITHENDLPKNIKRFNFEMVRMMLITYNE--TRQVDLFRNPDNELKDMIKFCLETYRTL

---SmDTC5 IYLQSLLNKTKKELNESYFISHQKDLPKNIKRFNFEIVRMILITYNE--VRQVDLFKNPDKELQDMIEFSLETYRISNQ

----SmDTC6 EHLQGIIDESWKELTEEFLT--PSQIPRSIKRLMFETARIFQFIYPK--KDN---FKDPSKAMASLIQNVLYKPAE

---SmDTC7 VEIRKILNATMEELVEDVLR--PRAVPKRCKRVFENTMRILNFVYHK---GDGFSTDELRGHVKQVLYVKLE

---SmDTC8 KKVTEILDQKTKELIQVYTQQSKDGLPQLVRRIIFETARTARLVYANGIKESRDELKLPGDDMQTVIRNIIGTKGDVEPSHIN

10 20 30 40 50 60 70 80 90 . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | SmDTC1 ---SmDTC2 ---MCKVLPNIGYSTASNATFAPPNPVFSGPQKTRLRTSILSCIAEVGPAKSSSS SmDTC3 ---MSKVLLSSFQRTG-GGSLQLFG---GTNLKSNAQPNRFR---KVSCCA---SKPAEVLEKREKEKQQP SmDTC4 ---MAKVLFSSFQQTGISGSLKSG--QLSGVFTNGTNLKSNAHAKRFRKNSTSSITISCCASNSPTLENTKLAEAPEKRQKKKQLP SmDTC5 -MPNYYNKDSSLIVTLAKLVDKKSLRQAGRQDSAMASVLFSFKHTGTSASLKSSRAPATRISCCS---LSFDNKKPAEAPEN-QKKKQQP SmDTC6

---SmDTC7 ---MSFSAIQISSGFFTQDNKIKYFHSDRRSKALNVGSFT SmDTC8

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. . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | SmDTC1 ---MWELVETVRSMLNSLHDG--EISVSAYDTAWVARVPALDGSNK-PQFPMCLNWIMNNQLEDGSWGDRDLF

SmDTC2 QHKLERITRSTVSEDVQRKRRLELVDAVRTMFRSLGDG--NISRSAYDTAWVARVPALDGSNS-PQFPMCLDWIIKNQFEDGSWGDKDLF

SmDTC3 YQGILHVQAGDRIEELDHRETSLLVKEVKGWLMKLASGKWEISPSTYDTAWVARIPSDSDSSL-PEFPEALEWIINSQLPDGSWGDDCHL

SmDTC4 YQGILHVP-GDRVEELDTRETSLLVAEVKGWLMKLASGKGEISPSAYDTAWVARIPSESDSSL-PEFPEALEWIINSQLPDGSWGDDRHL

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SmDTC6 ---MIEEMRKLLATLDDG--EISPSAYDTAWVARIPSQSNATC-PEFPETLEWIAHNQLPDGSWGDRNHF

SmDTC7 QFSAGLVLRAGREVHGTLSIQSHLSSKESTIKKLFAGVNDASGFSAYDMGWIARIPHAHNPELGPQFPRSLEWIVHNQCEDGSWDQGEED

SmDTC8 ---MQAYDTRESPSCKKLPDLINEVRQMLRLVSDG--NISMSPYDTAWVARVPSPLNSQQ-PEFPQCLDWIVENQRQDGSWG-DEVF

190 200 210 220 230 240 250 260 270

. . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | SmDTC1 LTYDRICSALACAIALKTWNTGDKIVRKA-LEFIRKTMPEMEMEDSTHMPIGFEIVFPAMIEEAMALELDIDYTAPVLQTIYAERKKKLE

SmDTC2 FTYERVCSTLACVISLKIWNTQEKHIEKG-LEFIRRTMPTLETEESAHMLIGFEIVFPAMLDEAMELGLDLDYSSPVVHKFHAEREKKLQ

SmDTC3 QLYDRVFSTLSCLVTLNLWDIGHNSIAQG-TKFLRENMIKLNHAD-GDFLSGFEVTFPMMLHEAKRVGLKLPYDTEFTRLLEISTTEKLA SmDTC4 QLYDRVLSTLSCLVTLKTWDIGHNSIAQG-TKFLRENMIKLKQDD-GDLLSGFEVTFPMMLHEAKQLGLDIPYETEFTRLLEISTKKKLA SmDTC5 QLYDRVLSTLSCLVTLKLWDIGHSCITQG-TKFLRENMIKLKQDD-GDLLSGFEVTFPMMLKEAKQLGLDLPYDTEFTRLLEISTKKKLA SmDTC6 QIYDRVLSTVSCLVALKTWNLGHDNINKGSERFLKQNIYKLTKDK-GDLLCGFELIFMTMLEEAKQKGLDIPIDIPALKILQGYRQKKLQ

SmDTC7 --VQRVCSTLSCVTALKTWNRGECSIQRG---VSFLMSRLPLVHNKLTKDTKAILHRLLQEGKSLDLELNYDESFVQHICEQGQEFLQ

SmDTC8 NIYDRILCTLSCILALKTWNIHDDVIATG---KSNILASTEDK-GDLLVGFELIFPPMVEEAKSQGLRIPSNHLFIQLLEELREAKLK

280 290 300 310 320 330 340 350 360

. . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | SmDTC1 RIPMNVVQNYPTTLLHSLEGLH-KTIDWDKVIKLQSPDGSLLFSPASTACALMHTGNEKCLQYLNNLVKRFN-CAVPNVYPVDLFEHLWI

SmDTC2 RISLDVLQTHPTPLLYSVEGLH-KSLDWHKVVKLQCSDGSLLSSPSSTACALMYTGNEKCLQYLNNILERYKDAAVPNTYPVDLFEHIWI

SmDTC3 KISLDRLHSTPTTLLYSLEGLQGLEIDWQKILKLQSKDGSFFSSPSSTACVYLKTKDKKSLQYLQKAMKNQN-YAVSCHYPIDLFESLRV

SmDTC4 KIPLDKIHSAPTTLLYSLEGLQDLEIDWQKILKLQSKDGSFLSSPSSTACVYLKTKGRKSLQYLQNAMEDQN-YAVPCHYPIDLFESLWV

SmDTC5 KIPLDRLHSSPTTLLYSLEGLQGLEMDWQKILKLQSRDGSFLSSPSSTACVYLKTKDRKSLQYLQKAMEDQN-YAVPCHYPIDLFESLWV

SmDTC6 KIPLEMVHSIPTTILYSLEGLQD-HINWEKILQFIGTDGSFLSSPSATACVYMHTKDPRCLEYLKGVVKKVK-NSVPCQYAIDLFERLWI

SmDTC7 RVSNDALEQYPTSFVHMLEAFHD-RPKWQRLLRYQSSSGSLFS-VTLTACAYMHTGDRKCLRFLNGLLEGPL---TKPNKNLSQLLRL

SmDTC8 GISLDTIHSAPTTVLFSLEGLQE-CIDWTQILTLQSEDGSFLTSPSSTACVYLHTKDEKCLTYLRNLVKLHK-NAVPDFYPLDMFERLWV

370 380 390 400 410 420 430 440 450

. . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | SmDTC1 VDRLQRLGISRYFTQEIKSALDYVYRYWTD-KGIAWARGSPVQDADDTSMAFRLLRSHGYDISPDAFKTFQEG--DSFVCFSGQAGQAVT

SmDTC2 VDRIERLGIARYFTREIKDALDYVYRNWTD-KGISWARGTPIQDGDDTSMGFMVLRSHGYDVSADVFKHFQHENEHGFFCFVGQVSEAVT

SmDTC3 VDTIERLGIDLFFRDEIKAVLDYLYSFWTN-EGIGWESTCIVNDIEDTAMAFRILRMHGYSVSPDAFNQFWLP-GDKFCCFVGELPHGVS

SmDTC4 VDTIERLGIDVFFRDEIKAVLDYVYSFWTN-EGIGWGSTCLVNDIDDTAMAFRILRMHGYNVSTDAFNQFWLP-GDKFCCFVGELSHGVS

SmDTC5 VDTIERLGIDVFFRDEIKAVLNYVYSSWTN-EGIGWGSTCLVKDIDDTAMAFRILRMHGYNVSSDAFNQFWLP-GDKFCCFIGEVSHGVS

SmDTC6 VDTLERLGIDRYFQPEIKNILDYVYKYWSDKKGIGWGRESYLKDIDDTSMGFRLLRLHGYKVTPDVFLNFMSS-EDKFFCFPGESYHGAS

SmDTC7 IDWLEHLGIERFFEKDIEQTLIQAFRFWRG-NAAGSGRQQHLKSFEDSALLFRILRRHGYEVSPDVLHQRTFC---ETR

SmDTC8 VDTLQRLGIDRFFKQEIKEILDYVYRYWDDKKGIGWARNVSVPELDCSGMGFRLLRLNGYDVSADVFTNFMKD--GKFFCFSGERSHGIS

460 470 480 490 500 510 520 530 540

. . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | SmDTC1 GMYNLYRASQVMFPGETILEEAGSFARKFLEGKRQENQLYDKWIISKDLPGEVEFALDNPMHARLERLATRRYIDQYAADDVWIGKSLYR

SmDTC2 GMLDLYKATKVMFPGDVILQKARAFTRSFLDEKRRKGELNDKWVVTKDLPGEVEFELDNPFHATVERIATRSYIDQYGVDDVWIGKSLYR

SmDTC3 AMLHLYRASQVDFPNEEILTKTFKYSHDYLLN--VESSHTS--ATKKNLMGEVTFELENPLHDCLPRIYNNAYIKHYSIDDPWIAKTIYR

SmDTC4 EMLNLHRASQVDFPNEAILTKTFKYSHDYLLN--VDSAHMDKWATKKNLMGEVAFELANPFHDCLPRIYNNAYIKHYGMDDLWIAKTIYR

SmDTC5 EMLNLHRASQIDFPNEEILTKTFKYSDGYLLN--VESSHMDKWAMKKNLMGEVAFELANPFHDCLPRIYNNAYIKHYGVDDPWIGKTIYR

SmDTC6 DIFNLYRASQVAFANDNILTKAKNYAHKYLSQ--LDKAYLDKWSAKKNFFQEVEFELSNQWNSCLPRAYSKSYIHNYGPNDIWIAKTIYR

SmDTC7 DLKELSLASHFLFPSE---SRKMLDS---IPIIDVANQETTFPWYSIPHRVQHIEYMTKFMAS---MDS SmDTC8 DVFSLFRASQVAYPKEAILDQAHAYSQQYLSH--LHDHGLDKWAFKNDLSGEVTFELNNAFCSCPPRLYAKSYISKYGTDDSWIAKTIYR

550 560 570 580 590 600 610 620 630

. . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | SmDTC1 MPFVNNPIFLELAKADFNMCRALHRKEFQQLERWYDESSLSMFK----GFSRSKLEQTFYSAAATIFEPELSPARLIWSQCWFLSLGINE

SmDTC2 MPFVNNPVFLELAKLDFNTCQAFHKQEFKQLERWYAESSFRKFG----CYHR-DLERSFFGAAATIFEPELATARVVWSKCSFIASVIEE

SmDTC3 LPHVNNKVLLELANRYAQQCQSYQRSELKILVEWWHSSHFEDIPSTRFKSNVNMLPYIYYVICSTYHEQNFGQLRIFFTKTCCMNTLFDD

SmDTC4 LPLVNNKVFLELANRYAQQCQLYQPAELTKLVNWWHSSRFEDIPSTRLTANIDMLPYIYYVICATFHEQEFAQLRVFFSKACCLNTLFDD

SmDTC5 LPLVNNKVLLELANRYAQQCQSYQPSEMIELVNWWHSSGFENIPSTRLKANINMIPYLYYLICSTFHEEEFGQLRVFFIKTCCINTLFDD

SmDTC6 LPFVNNELFINLAKEDFNACQSIHQSEIQTLLRWWAALKFGDLP---FFG--DKVVTAHFSIASCMFEPEFSELRLFYTKYALLSSTLDD

SmDTC7 ISMSERASLLAFTKFDFNACQKIYQSDLQRVMRWNGECDFGRLG---FARQKEVFCFFTAAATMFQPELSMARIVWAQMSVLTTVIDD

SmDTC8 LPNVNNAAFLEMAKQDYDFCRSVLQDETAELSRWWSSTG-ISFTSKRVKLTDHLVNRLHFQIAAYIFEPELSAMRLAYTKAACLVVACDD

640 650 660 670 680 690 700 710 720

. . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | . . . . | SmDTC1 YFDYQGSTKELEDLINNVERWNVNSLGNCSAKVKILFVELYNIVQNHSKQGFLYQGRSIG----GALREIWKTWLSSLLQRTKWKMSDNN

DDxxDモチーフ

図 1–2 イヌカタヒバゲノム情報から予想されるテルペン環化酵素の配列

林, 川出らのグループによる予想テルペン環化酵素遺伝子について, 予想ORFを翻訳した配列を用い Clustal W(Thompson et al., 1994)により多重アライメントを行った。配列のアライメント及び書き 出しにはBioEdit(Hall, 1999)を用いた。

(23)

22 1.2 実験方法 cDNA ライブラリーの調製, 遺伝子のクローニングに関しては岡山理科大学において行われた。 また, 用いたプライマーの詳細・配列は表 1–1 に示した。 1.2.1 cDNA ライブラリーの調製 イヌカタヒバ植物体は国立科学博物館 筑波実験植物園より入手した。

イヌカタヒバ植物体地上部を液体窒素で凍結し破砕後, その 100 mg を RNeasy Plant Mini Kit (Qiagen)に供し total RNA を抽出した。メーカープロトコルに従い抽出作業を行い, カラムから

50 l の RNase free water 1 回で溶出を行い total RNA 溶液を得た。Total RNA 溶液 5 l をオリゴ(dT)

プライマーを用いた逆転写酵素反応に供し, 37ºC, 1 h の反応により得られた反応液を cDNA ライブ

ラリーとした(約 30 l)。

また, cDNA 全長配列決定のための RACE 解析に用いるイヌカタヒバ cDNA ライブラリーとして, 同様に total RNA 溶液を調製した後, GeneRacer Kit(Invitrogen)を用い精製・5'及び 3'両末端に既知 配列の付加を行った cDNA ライブラリーを作製した。メーカープロトコルに従い, total RNA 溶液 7 l を CIP 処理・TAP 処理し, T4 Ligase 処理により GeneRacer RNA Oligo 配列を 5'末端に付加した。 得られた mRNA 溶液を SuperScript III RT Reaction プロトコルを用いて逆転写し, 3'末端に GeneRacer

Oligo dT 配列が付加した cDNA ライブラリーを調製した(20 l)。

1.2.2 機能未同定ジテルペン環化酵素遺伝子 SmKS, SmDTC3, SmTPS9 ORF のクローニング

1.2.2.1 イヌカタヒバ予想ジテルペン環化酵素遺伝子の発現確認

まず, イヌカタヒバのゲノム情報から予想されたジテルペン環化酵素遺伝子 8 遺伝子について, cDNA の部分配列を PCR で増幅することで発現の確認を試みた。PCR 酵素には Blend Taq -Plus- (Toyobo)を用いた。計 50 l の反応液を標準液量とするメーカープロトコルに対し, Blend Taq

-Plus-酵素を 1 U/reaction mixture 加えた例外を除き同成分・同濃度の計 20 l スケールで行った。テンプ

レートとしてイヌカタヒバ cDNA ライブラリー1 l を加え, 表 1–1 に示すプライマーの組み合わせ を用い, 以下の条件で PCR を行った。

(24)

23

以上の PCR で増幅した各々1.5 kb 前後の cDNA 部分配列について, クローニングの後シークエン ス解析を行い, 配列を確認することとした。先の PCR により得られた断片をアガロースゲル電気泳 動の後, ゲルごと切り出して QIAquick Gel Extraction Kit(Qiagen)を用い精製した。精製はメーカ ープロトコルに従って行ったが, ゲルを溶解した後 isopropanol は加えず次の手順へ進めた。精製さ れた DNA 断片溶液 4 l を pCR2.1-TOPO ベクター(Invitrogen)(図 1–3)1 l, Salt Solution(1.2 M NaCl,

0.06 M MgCl2)1 l と混合し, 25ºC で 30 min 置くことでベクターへ目的配列を挿入した。反応液を

大腸菌へ形質転換し, 得られた大腸菌株から再度プラスミド抽出を行い目的配列の挿入された精製 プラスミドを得た。プラスミド抽出は High Pure Plasmid Isolation Kit(Roche)を用いて行った。メ ーカープロトコルに従い精製を行い, 50 l の Elution Buffer で溶出し精製プラスミド液とした。得ら れた精製プラスミドについて, 外部委託分析によりシークエンス解析を行った(バイオマトリック

ス研究所)。

1.2.2.2 機能未同定ジテルペン環化酵素遺伝子 SmKS, SmDTC3, SmTPS9 mRNA の RACE 解析 以上の実験により発現が確認された遺伝子のうち, 機能未同定の 3 遺伝子(SmKS, SmDTC3,

SmTPS9(Li et al., 2012))の全長 cDNA 配列の取得を試みた。先のシークエンス解析により cDNA

の部分配列が確認できたため, これを足掛かりに 5'-RACE, 3'-RACE 解析を行った。RACE PCR を行 う鋳型には RACE 用に調製した cDNA ライブラリーを用い, プライマーは表 1-1 に示すものを使用 した。

5'-RACE では, 最初に GeneRacer 5'プライマー. 5'-RACE reverse プライマーを組み合わせて用い, KOD -plus-PCR 酵素(Toyobo)により増幅を行った。反応液組成, 反応条件は以下のようにした。

10x PCR Buffer for KOD –plus- 1 ×

2 mM dNTPs 0.2 mM 25 mM MgSO4 1.2 mM GeneRacer 5'プライマー 0.9 M 5'-RACE antisense プライマー 0.3 M RACE 用 cDNA ライブラリー 0.5 l KOD –Plus- 1.25 U H2O up to 25 l

(25)

24

94ºC, 2 min →(94ºC, 30 sec → 72ºC, 1.5 min)× 5 cycles →(94ºC, 30 sec → 70ºC, 1.5 min)× 5 cycles

→(94ºC, 30 sec → 65ºC, 30 sec → 68 ºC, 1.5 min)× 25 cycles →72ºC, 10 min

得られた PCR 反応液を鋳型に, さらに nested PCR を行い特異的なバンドを検出した。Nested PCR には, Blend Taq –Plus-酵素を用い, GeneRacer 5' nested プライマーと 5'-RACE antisense nested プライ マーを組み合わせて反応を行った。反応液は 25 l スケールにて, 先述と同じく(1.2.2.1), 一部の 成分除きメーカープロトコルと同様の組成・濃度で調製した。1 反応液に対し鋳型となる PCR 反応 液 0.5 l を添加し,以下の反応条件で PCR を行った。

94ºC, 2 min →(94ºC, 30 sec → 68ºC, 30 sec → 72ºC, 1.5 min)× 30 cycles → 72ºC, 5 min

Nested PCR により得られたバンドをアガロースゲル電気泳動によって確認・分離した。1.2.2.1 と 同様に QIAquick Gel Extraction Kit により精製, TA クローニングの後大腸菌に形質転換し, 再度プラ スミド抽出を行うことでクローニングを行った。得られた目的配列を含むプラスミドをシークエン ス解析に供し, 配列の確認を行った。

3'-RACE においても, 最初に PCR 反応を行った後 nested PCR を行うことで特異的なバンドの増幅 を行った。GeneRacer 3'プライマーと 3'-RACE sense プライマーを組み合わせ, 5'-RACE の場合と同 様に KOD –Plus-酵素を用いて最初の PCR を行った。反応組成は前述に同じとしたが, 反応条件は 以下のようにした。

94ºC, 2 min →(94ºC, 30 sec → 72ºC, 2.5 min)× 5 cycles →(94ºC, 30 sec → 70ºC, 2.5 min)× 5 cycles

→(94ºC, 30 sec → 65ºC, 30 sec → 68 ºC, 2.5 min)× 25 cycles →72ºC, 10 min

得られた PCR 反応液を鋳型に, Blend Taq –Plus-酵素を用い nested PCR を行った。プライマーには GeneRacer 3' nested プライマーと 3'-RACE sense nested プライマーを用い, 伸長時間を 2.5 min とした 他は 5'-RACE 時の nested PCR と同様の条件で反応を行った。Nested PCR により得られたバンドを また同様に確認・分離し, クローニングを行った。得られた目的配列を含むプラスミドをシークエ

(26)

25 ンス解析に供し, 配列の確認を行った。 1.2.3 機能未同定ジテルペン環化酵素遺伝子 SmKS, SmDTC3, SmTPS9 ORF のサブクローニング SmKS, SmDTC3, SmTPS9 の全長 cDNA 配列から予想された ORF について, 大腸菌を用いた異種発 現系, あるいは昆虫無細胞発現系による組換え酵素生産を目指し, 各々発現用ベクターへのサブク ローニングを行った。 SmKS, SmDTC3 については大腸菌を用いた異種発現系により組換え酵素を取得した。SmKS, SmDTC3 が 導 入 さ れ た プ ラ ス ミ ド を 鋳 型 に SmKS-KpnFwd 及び SmKS-KpnRev プ ラ イ マ ー , SmDTC3-KpnFwd 及び SmDTC3-KpnRev プライマーを各々用いて PCR 反応を行い, 得られた KpnI 認識配列が付加した ORF 断片を大腸菌用発現ベクターへ導入した。この際, 目的の ORF 断片には 葉緑体シグナルをコードすると予想される配列が 5'末端に存在したため, それらを除いた配列を増 幅するようにプライマーを設計した。PCR 反応には Phusion High-Fidelity DNA polymerase(Finnzymes)

を用い, メーカープロトコルに従い 50 l スケールの反応溶液を調製した。反応条件は以下のよう

に行った。

98ºC, 30 min →(98ºC, 30 sec → 55ºC, 30 sec → 72ºC, 1.5 min)× 25 cycles

反応後アガロースゲル電気泳動に供し, 目的のバンドを切り出し Wizard SV Gel and PCR Clean-Up System(Promega)を用いて精製した。得られた約 60 l の精製 DNA 溶液から 43.5 l を KpnI(New England Biolabs)処理に供した。終濃度 1×とした専用バッファー中, KpnI 10 U, 5 g Bovine serum albumin(BSA)を加え 50l の反応液を調製し, 2.5 h, 37ºCで反応を行った。得られた反応液を Ethachinmate(Nippon Gene)を用いてメーカープロトコルに従い精製した。乾燥した DNA 沈殿を

10 l の滅菌 milliQ 水で懸濁し, うち 4.5 l を発現用ベクター溶液との ligation 反応に供した。また,

発現用ベクターとして SmKS には pCold II(Takara Bio), SmDTC3 には pQE30(Qiagen)を用いた

(図 1–3)。Ligation 反応に先立ち, ベクター各々約 3 g を挿入断片と同様に KpnI 処理し,

Ethachinmate を用いて精製した後に Bacterial Alkaline Phosphatase(BAP)処理を行った。エタノー ル沈殿により得られた全量を滅菌 milliQ水で溶解し, 終濃度 1×とした専用バッファー中 0.2–2 U BAP(Toyobo)を加え 1h, 65 ºC で反応を行った。反応後再度 Ethachinmate を用いて精製を行い, 乾 燥した DNA 沈殿を滅菌 milliQ 水で懸濁して 0.5 l を ligation 反応に供した。これら, 挿入断片溶液

(27)

26

とベクター溶液を混合した後, 等量(5 l)の Ligation high Ver.2(Toyobo)を加えて 45 min–3 h, 16 ºC で ligation 反応を行い, 反応液を大腸菌 XL1-Blue 株へ形質転換した。得られた形質転換株を ampicillin 含有培地で選抜し, コロニーダイレクト PCR により目的断片が挿入されたプラスミドを 持つ株を確認した。また, これら大腸菌株からからプラスミド抽出を行い, 目的配列の挿入された 精製プラスミド(SmKS-pCold, SmDTC3-pQE30)を得た。プラスミド抽出には Wizard SV Minipreps DNA Purification System(Promega)を用いた。精製プラスミドについて, 各々挿入断片特異的なプ ライマーの他, ベクター配列を持つプライマーでもシークエンス解析を行うことで, 目的の配列が 問題なくベクターの KpnI 認識配列部分に導入されていることを確認した。シークエンス解析には 3130 xl Genetic Analyzer(Applied Biosystems)を用い, メーカープロトコルに従い操作を行った。 SmTPS9 については昆虫無細胞発現系により組換え酵素生産を行った。イヌカタヒバ cDNA ライ ブラリーを鋳型に SmTPS9-Fwd 及び SmTPS9-Rev プライマーを用いて PCR 反応を行い, 予想葉緑 体移行シグナル配列をコードする 5'末端領域を除いた ORF を増幅した。PCR 反応には KOD -plus-酵素を用いた。反応液組成, 反応条件は以下のようにした。

10x PCR Buffer for KOD –plus- 1 ×

2 mM dNTPs 0.2 mM 25 mM MgSO4 1.0 mM SmTPS9-Fwd プライマー 0.3 M SmTPS9-Rev プライマー 0.3 M cDNA ライブラリー 1 l KOD –Plus- 0.4 U H2O up to 20 l

94ºC, 2 min →(94ºC, 30 sec → 50ºC, 30 sec, → 68 ºC, 2.5 min)× 25 cycles →68ºC, 5 min

PCR により得られた断片をアガロースゲル電気泳動の後, ゲルごと切り出して QIAquick Gel Extraction Kit(Qiagen)を用い精製した。精製はメーカープロトコルに従って行ったが, ゲルを溶 解した後 isopropanol は加えず次の手順へ進めた。得られた DNA 断片について, T4 Polynucleotide

Kinase(Toyobo)を用いリン酸化処理を行った。平滑末端 2 本鎖 DNA のリン酸化を行う場合のメ

(28)

27 EcoRV(Roche)で処理した後, 脱リン酸化を行った。50 l スケールの反応液に, 終濃度 1×とした 専用バッファー中 3.4 g の pTD1 ベクターに 20 U EcoRV を加えた。1 h, 37ºC で処理し, うち 35 l を続く BAP 反応に供した。43ºC で 30 min 反応を行い, 定法に従いフェノール/クロロホルム抽出, エ タノール沈殿により精製を行った。得られた DNA 沈殿を 50 l の TE バッファー(10 mM Tris-HCl, 1 mM EDTA)で懸濁し, EcoRV 処理後脱リン酸化したベクター溶液を得た。5 l の挿入断片溶液, 5  のベクター溶液に 10 l の Ligation Mix(DNA Ligation Kit < Mighty Mix >, Takara)を加え, 30 min, 94ºC で ligation 反応を行った。SmKS, SmDTC3 の場合と同様に大腸菌に形質転換, プラスミド抽出の後 にシークエンス解析を行い, 目的の ORF 断片が挿入された pTD1 ベクター(SmTPS9-pTD1)が作出 されたことを確認した。 1.2.4 組換えジテルペン環化酵素の生産 1.2.4.1 大腸菌を宿主とした組換え SmKS, SmDTC3 酵素の生産 1.2.2 において作製した SmKS-pCold, SmDTC3-pQE30 発現コンストラクトを用い, 発現用の大腸 菌株へ導入して組換え酵素を生産し, 6×-His-tag を用いて得られた酵素の精製を行った。

SmKS-pCold, SmDTC3-pQE30 を大腸菌 M15 株へ形質転換し, ampicillin 含有培地で形質転換株の 選抜を行った。また, 得られた株をコロニーダイレクト PCR に供し, 目的の DNA 断片が挿入され ていることを確認した。得られた発現株(SmKS-pCold/M15, SmDTC3-pQE30/M15)を 2 ml の ampicillin 含有 2xYT 培地(10 g/l Yeast Extract, 16 g/l Trypton, 10 g/l NaCl, 100 g/l ampicillin(Nacalai

Tesque))へ植菌し, 約 16 h, 37ºC で振とう培養した。得られた前培養液のうち 800 l を 800 ml の

ampicillin 含有 2xYT 培地に移し, 本培養液とした。本培養液を 37 ºC で振とうし, OD600が 0.6–0.8 に

達 す る ま で 培 養 し た ( 3–4 h 程 度 )。 氷 上 へ 培 養 液 を 移 し 30 min 氷 冷 の 後 , isopropyl β-D-1-thiogalactopyranoside ( IPTG; Nacalai Tesque ) を 終 濃 度 1 mM と な る よ う に 加 え た 。 SmKS-pCold/M15 については低温発現プロモーターを使用し組換え酵素の生産を誘導するため, 24 h,15ºC で振とうし誘導培養を行った。タンパク発現に温度制御はかからない SmDTC3-pQE30/M15 については 16 h,18ºC で振とう培養とした。培養液を氷冷した後 15 min, 2,100×g, 4ºC で遠心分離し, 上清をデカンテーションで除くことで菌体を回収した。得られた菌体をタンパク質回収用バッファ ー(100 mM Tris-HCl(pH 7.5), 10% v/v grycerol, 0.5 mM ethylenediaminetetraacetic acid(EDTA))で 洗いこんだ後, 湿重量 0.1 g あたり 1 ml のタンパク質回収用バッファーで懸濁した。ここに終濃度 1 mg/ml 程度となるように Lysozyme from chicken egg white(Sigma-Aldrich)を加え, 氷上で 30 min–1 h

(29)

28

静置した。さらに得られた菌体懸濁液を 10 sec ×6 回超音波破砕に供した後(超音波破砕機 US-150,

20 kHz, 150W(日本精機)), 30 min, 10,600 ×g, 4ºC 遠心分離した。上清を可溶性画分, 沈殿を可溶

性画分とし, 目的の可溶性酵素が存在していると考えられる可溶性画分について, 6× His-tag を利 用した組換え酵素の精製を行った。以下の過程は 4ºC ないし氷上の低温条件下で行った。可溶性画 分に終濃度が各々0.36 M, 10 mM となるように NaCl と imidazole を添加した。ここに 2 ml の Ni-NTA agarose(Qiagen)を加え, 1 h, 200 rpm 程度の低速で撹拌し, 目的タンパク質を Ni ビーズへ結合させ た。オープンカラムにスラリーを通し, flow through 画分を得た。次に Ni ビーズに非特異的に吸着 した目的外のタンパク質を洗い流すため, 低濃度の imidazole を含む His-tag Wash バッファー(50 mM Tris-HCl(pH 8.0), 20 mM imidazole, 300 mM NaCl)を 10 ml 添加し, wash 画分を得た。最後に 目的タンパク質を溶出させるため, His-tag Elution バッファー(50 mM Tris-HCl(pH 8.0), 250 mM

imidazole, 15% v/v grycerol, 300 mM NaCl)を流し, 300–500 l ずつ溶出液を分取し elution 画分とした。

分取に並行し, 得られた elution 画分から 5 l をとり, 250 l の Bio-Rad Protein Assay Dye 希釈液(6 倍希釈)を加えて青色への呈色反応を目視確認した。呈色反応が見られる, タンパク質の含まれる 画分をひとつにまとめ, 酵素溶液とした。酵素溶液中のタンパク質濃度を確認するため, 同様に Bradford 法により呈色反応を行った。BSA を適当な濃度に希釈したシリーズを基準溶液とし, マイ クロプレートリーダーMultiscan JX(Thermo Scientific)を用いて 595 nm の吸収を測定することでタ ンパク質濃度を算出した。SmKS の酵素溶液については, 液体窒素で凍結させ–80ºC で保存した。 SmDTC3 の酵素溶液については 90% v/v 滅菌 grycerol 溶液を等量加えた後, -30 ºC で保存した。 1.2.4.2 昆虫無細胞発現系を用いた SmTPS9 酵素の生産 1.2.2 において作製した SmTPS9-pTD1 発現コンストラクトを制限酵素処理により直鎖化し, mRNA の試験管内合成を経て昆虫無細胞発現系に導入することで目的の SmTPS9 組換え酵素を得 た。 制限酵素反応液は 50 l スケールに調製した。12 g SmTPS9-pTD1 精製プラスミドに 25 U NotI (Roche)を加え, 終濃度 1×とした専用バッファー中, 一晩, 37ºC で反応を行った。反応液の一部を アガロースゲル電気泳動に供し, 目的のプラスミドが直鎖上になったことを確認した。続いてこの 反応液に 1 l の Proteinase K(20 mg/ml, New England Biolabs)と 3 l の 10% v/v SDS 溶液を加え, 1 h, 37 ºC でタンパク質の分解反応を行った。定法に従いフェノール / クロロホルム抽出, エタノール

沈殿を行い, 直鎖化した精製 DNA 沈殿を得た。沈殿を DEPC 処理水 10 l で懸濁し, 試験管内

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