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Two-Regionモデルに基づく不飽和砂層中の溶質輸送機構の研究

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Academic year: 2021

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Title

Two-Regionモデルに基づく不飽和砂層中の溶質輸送機構の

研究( 内容の要旨(Summary) )

Author(s)

棚橋, 秀行

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(工学) 甲第036号

Issue Date

1996-03-25

Type

博士論文

Version

publisher

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/1757

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

氏 名(本 籍) 学 位 の 種 類 学 位 記 番 号 学位授与年月日 専 攻 学位論文題目 学位論文審査委員 棚 橋 秀 行(岐阜県) 博 士(工学) 甲第 36 号 平成 8 年 3 月 25 日` 博 士(工学) Two・Ib-由onモデルに基づく不飽和砂層中の溶質輸送機拝の研究 (主査)教 授 宇 野 尚 雄 (副査)教 授 岡 二三生 教 授 湯 浅 助教授 佐 藤 健 論文内容の要旨

本論文は,不飽和非定常流れ場における水分と汚染物質の移動機構を解明すること

を目的とし,汚染の広がりの予測,汚染後の効果的な浄化対策などに貢献することを 期して行われた成果である。 本論文では、不飽和砂層中の溶質の移動解析にTwo-Regionモデル,水分の移動解析

に不飽和浸透式を用い、Two-Regionモ≠ルに含まれるパラメータの推定法や物理・化

学的意味を検討し,パラメータの推定方法を提案するとともに,浸透式と組み合わせ てより実際的な問題に適用できるように,Two-Regionモデルの改良を行ったものであ る。汚染物質としてⅣガ4CJ(水中では非吸着性のCJ-,イオン交換による吸着性の-凡凱+として存在),土試料として豊浦砂を用いている。 まず,地下水汚染問題を取り扱う研究を調査・浄化・メカニズムの3つに分類し整理 を行った。メカニズムに関する従来め研究に.おける成果と残された問題点について言 及し,本研究の背景と目的を明確にした。 次に,不飽和砂層中の溶質め分散現象にづいて調べ,飽和度・実流速・土の間隙構 造から分散係数を推定する方法を提案している。その結果,得られた主要な知見は次 の通りである。 ①実流速一定条件下における飽和度と分散係数の間には,低飽和度ほど分散係数が大 きくなる関係がある。 ②カラム内の同位置における分散した溶質の質量が,飽和度によらず等しくなる。 ③これらから,飽和度・実流速と分散係数を関連づける.有用な関係式を誘導した。 ④van

Genuchtenの水分保持特性曲線モデル式と移流拡散方程式の関係を見いだし,こ

れをもとに水分保持特性曲線から任意の飽和度・実流速における分散係数を推定す る方法を新たに提案した。 さて,砂層中の溶質の輸送構造を表すTwo-Regionモデルは,破過曲線に現れる tailing現象を,不動水と可動水の間の濃度差による物質移動に要する時間から説明し たモデルである。しかし,従来の研究ではパラメータの効果的な決め方は提案されて

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-15-おらず,破過曲線とのfittingによる推定が行われている。本章では従来と同様にfit tingによ?てパラメータを推定し,その推定作業や・求められたパラメータについて 検討し,その結果,①Two-Regionモデルに含まれる4つの無次元パラメータ(α*,β, h,R)を破過曲線に対するfitting計算によって推定するには,β,hの初期値を固 定してα*,只の初期値を変動させても最適値にあまり変化がないことから,β,乃の 初期値を優先的に確定するのが最も効率の良いパラメータ推定手順であること, ②Two-Regionモデルに含まれる領域区分係数¢,/についての考え方は何通りかある が,ふたっの溶質CJ と〃打4+で¢と/がそれぞれ同一の備になる最も適当な考え方, などを明らかにしている。 次に,不飽和砂層中の溶質輸送に関するTwo-Regionモデルのパラメータ推定法とし て,パラメータの物理・化学的意味を考慮した推定法が新たに提案された。すなわち, ①不動水量βim:残存飽和度として決定 ②可動水接触率/:等球モデルより決定

③吸考項:-多成争イオン抽出実験より分離係数を決定

④分散係数♪:第2章の提案葺から算出

⑤物質移動係数a:①∼④の後,破過曲線とのfi ttingより決定

この.方法に基づいて実際にパラメータを求め,披過曲線を計算した結果,イオン交

換性物質の〃乱+の移動には他の陽イオンの挙動が大きく影響していることが明らか

になり/啄着項をヘンリー型でモデル化した従来法の場合には破過曲線の脱離過程の

再魂が不可能で串るという,今まで報告されていない興味深い事実が明らかにされた。

これ享こ対して,Tふ0.-Re如Onモデルに③の分離係数を組み込み,多成分イオンの移動を

解析可能なプログラムを作成して行った計算の結果,5成分のイオンの実測破過曲線を

かなりの精度で再現している。以上のことから,物理・化学的七意味を考慮した,上

記①∼⑤によるTwo-Regionモデルのパラメー■タ推定法の琴当性を確認している。

最後に,非定常流れ場における水分・溶質移動の解析を行った結果,水分分布・破

過申線のいずれの計算時果も実測値とほぼ一致し,本論文の最終的な目的である不飽

和非定常流れ場における水分・溶質移動の解析に成功したことを確認している。 論文審査の結果の要旨 (1)研究対象の妥当性:本研究は「砂層中の不飽和非定常浸透場における溶質輸 送機構」の解明を意図したもので、可動水と不動水に分離したTwo-Regionモデルに基 づきつつ、その改善と適用性の拡大に努めたもので、社会的に問題化・顕在化しつつ ある汚染物質の挙動を説明する解析的手法の確立に貢献するものである。 (2)研究成果の意義:◆①Two-Regionモデルの構造解明、②溶質の分散係数の飽和 度依存性の定式化、③イオン交換反応が介在する多成分溶質の不飽和砂層中の非定常 流れゐ表現には、Two-Regionモデルに分離係数を導入するなど、独創的な提案とその 検証を完成した点に意義がある。

(3)審査結果:上記めように提出された論文は学位論文として価値があると認定

される。

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