戦 略 次元 の創 造 力 と企 業 の競 争優 位
金 宇 烈
は じめ に
バ ー ニー1を 含 め 、 多 くの戦 略 研 究者 が 、 必 ず とも言 え る ほ ど、優 れ た 競 争 戦 略 の持 ち 主 と して賞 賛 して い る企 業 と して 、 アメ リカ の ウォル マー トが ある。 この ウォ ル マー トは、2002年5月 、西 友 の株6%を 取得 し、資 本 提携 の形 で 日本 市 場 に参入 した。 参 入 当初 、世 界 最 強 の 小売 企 業 が 日本 市 場 に参 入 す る とい うこ と もあ り、 日 本 の流 通 業 界 で は非 常 に大 きな ニ ュー ス と して取 り上 げ られ た が 、4期 連 続 で経 常
赤字 を記録 す るな ど、 ウォル マー ト本 来 の競 争 力 を発 揮 して い る とは とて も言 い難 く、 つ い に2005年 末 に は 西 友 へ の資 本 参 加 を53%に 高 めた こ とに続 き 、CEO(最 高経 営 責任 者)に ウォル マ ー ト本 社 の国 際部 門担 当者 が正 式 に就 任 す る な ど、 日本 で の経 営健 全化 に 非常 に苦 戦 して い る様 子 が伺 え る2。
ア メ リカ では圧 倒 的 な強 さを誇 っ てお り、 多 くの研 究 者 が 先 を争 っ て 、そ れ ぞれ の 立場 で競 争優 位 の源 泉 を探 求す るほ ど、絶 賛 され て い る ウォル マー トが、 なぜ 、 日本 で は 苦戦 して い るの か。 国 際経 営 戦 略 にお け る現 地 参 入 の選 択 、現 地 化 政 策 の 間 違 い や 日本 の 消 費者 の嗜 好 を的確 に と らえて い な い こ とな ど、 ウォル マ ー トの 苦 戦 の背 景 に は多様 な 要 因 が あ る と言 え るが 、戦 略 の観 点 か らす れ ば 、一 体 何 が::
の要 因 なの か。 ポ ー ター の い う日本 で の ポ ジ シ ョニ ン グの選 択 や そ こで のオ ペ レー シ ョン の適 合 が 間 違 って い るのか。 それ とも、 バ ー ニー のい う価 値 の あ る希 少 な リ
ソー ス が 日本 で は通 用 しな くな って 、競 争優 位 を発 揮 で き ない の か。
1J .B.Barney,6aゴ η」1。η8and、 ∫乙r5むaゴnfη9Competet.lveAdvantag・B,PrenticeHall,Second
Edition,2002,岡 田 正 大 訳 『企 業 戦 略 論 一 競 争 優 位 の 構 築 と 持 続 一(上)』 ダ イ ヤ モ ン ド 社 、 2003年 。
2『 日 本 経 済 新 聞 』2006年1月26日 付
。
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国 際 経 営 フ ォ ー ラ ムNo.17
ウォル マ ー トの 日本 で の不 振 は 、色 ん な角 度 か ら分析 してみ る必 要 が あ り、 しば ら くそ の推 移 を見 て み る必 要 もあ る と思 う。 た だ 、本 稿 で1つ 指摘 してお きた い の は、 日本 市 場 にお け る ウォル マ,̲̲.トの不 振 の要 因 と して 、 ウォル マ ー トが 、 自社 に とって有 利 に事 業 展 開が で き る戦 略 次 元 を未 だ に見 つ けて い ない とこ ろに も原 因 が あ るの で は な い か と考 え られ る。 つ ま り、 ウォル マ ー トが 、 日本 の小 売 流 通(そ れ が ス ー パ ー に しろ、GMSに しろ)に お い て 、企 業 間優 劣 を分 け る競 争 の 焦 点 を的 確 に と らえ きれ ず 、 自社 の強 み と 目本 で の競 争 の 焦 点 を うま く融合 す るこ とが で き てい な い た め 、 自社 に とっ て有 利 な方 向へ 、競争 を展 開 で き ない とこ ろに も原 因 が あ る と考 え られ る ので あ る。
ウォル マ ー トのケ ー ス で も分 か る よ うに、 世界 的 な 大企 業 に とっ て も、企 業 を取 り巻 く競 争 環 境 は 一段 と不 確 実 性 の高 い もの とな って お り、 この よ うに先 の見 え な い不確 実性 の 時代 を反 映 して い る かの よ うに、 ビジネ ス世 界 だ けで は な く、 学 際的 研 究 分 野 にお い て も、企 業 の競 争 優位 の源 泉 と して 戦 略 に 関す る研 究や 議論 が活発 に 行 わ れ て い る。 そ の 代 表 的 な観 点 が 前 稿3で 紹 介 した ポ ジ シ ョニ ン グ とRBV (Resourced‑‑BasedView)で あ る。 また 、 日本 で は ア メ リカ類 の研 究動 向 に対 して 、 組 織 の 知識 創 造 に競 争 優 位 を 求 め る視 点4や 、 表 に見 え な い事 業 シ ステ ム の有 効性
に競 争優 位 を求 めて い る研 究5な ど も活発 に行 わ れ て い る。
筆者 は前稿 で 、 ポ ジ シ ョニ ン グお よびRBVの 複 眼的 な分析 視 点 に基 づ き、環 境 の 変 化 が激 しく、経 営 環境 の不確 実 性 が 一層 増加 して い る状 況 下 に お い て、企 業 がそ の競争 優 位 を長 期 的 に実現 す るた め には 、時 間 的経 過(内 外 環境 要 因 の変化)を 軸 に した線 形 反 応 モ デル が有 効 で あ る こ とを提示 した。 そ こで は一 度 獲 得 され た競争 優位 は 内外 環 境 条件 の変 化 に よ り、不 均 衡 が 生 じ、 そ の不均 衡 を解 消 す る方 向へ戦 略 次 元 を次 々 と構 築 してい くこ とが必 要 で あ り、 こ う した 内外 環 境 要 因 と企 業 の戦 略 次 元 との均 衡 と不均 衡 を絶 えず解 消 して い くプ ロセ ス を通 じて 、企 業 は そ の競争 優 位 を持 続 して い くこ とが で き る と論 じた。 そ して 、そ のた め に は 、内外 環 境 要 因 と 自社 の状 況 との均 衡 、不均 衡 を 素早 くキ ャ ッチ し、迅 速 に そ の不 均衡 を解 消 で き
3衣 笠 洋 輔 ・金 宇 烈 「競 争 戦 略 と理 論 と実 際 一 ポ ジ シ ョニ ン グ とRBV(Resourced‑Based View)の 統 合 的 分 析 視 点 を 探 っ て 一 」 『国 際 経 営 論 集 』(神 奈 川 大 学)、No.25,2003年11月,
金 宇 烈 「企 業 の 競 争 戦 略 に お け る 線 形 反 応 モ デ ル の 有 効 性 一X社 の 海 外 進 出 構 想 を 中 心 に一 」
『国 際 経 営 フ ォ ー ラ ム 』 神 奈 川 大 学 国 際 経 営 研 究 所 、No.15,2004年 。 4野 中 郁 次 郎 ・竹 内 弘 高 『知 識 創 造 企 業 』 東 洋 経 済 新 報 社
、1996年 。 5加 護 野 忠 男 ・井 上 達 彦 『事 業 シ ス テ ム 戦 略 』 有 斐 閣 ア ル マ
、2004年 。
る有効 な マネ ジメ ン ト ・シ ステ ム の構 築 が 必 要 不 可欠 で あ り、そ れ こそ持 続 的 な競 争 優 位 を もた らす 原 動 力 に な る と論 じたs。
本 稿 は 、前稿 の考 察 を踏 ま えて 、 まず 、 企 業 に お け る競 争 優位 の源 泉 は何 か 、 そ して 、競 争優 位 の長 期 実 現 を可 能 とす る線 形反 応 モデ ル にお いて 、 有効 な マネ ジ メ ン ト ・システ ム とは何 か につ い て考 察 す る こ とを狙 い と して い る。 基本 的 な研 究 の 視 点 は 、 前稿 の ポ ジ シ ョニ ン グ とRBVの 統 合 的 フ レー ム ワー ク を さ らに発 展 させ 、 そ して知 識 資源 の創 造 や 事 業 シス テ ム とい った 日本 の研 究 成 果 を援 用 しな が ら、戦 略 次元 の創 造 力 と線 形 反 応 モ デル に競 争 優位 の源 泉 と持 続 的 な競 争優 位 の 条件 を求 め る フ レー ム ワー クを提 示 しよ う とす る。 ま た、 戦 略 次元 の創 造 力 と線 形 反 応 モ デ ル を支 え る重 要 な マネ ジ メ ン ト=機能 と して 、 戦 略 とオペ レー シ ョンの相 互作 用 、 そ して マネ ジ メ ン ト ・シ ステ ム にお け る柔 軟性 とフ ィー ドバ ック に着 目 して 考 察 して い く。
1戦 略次元 の創造 と競 争優位 の源泉
1競 争 次 元 と は
原 田氏 は 、 競 争 次 元 とは 市 場 に お け る競 争 の 具 体 的 領 域 の こ とで あ り、 そ れ に は 、 価 格 や 特 定 の機 能 、 品 質 、 サ ー ビス 、 営 業 拠 点 な どの 多 様 な 次 元 が あ る とい う。 例
えば 、 フ ァ ミ リー セ ダ ン の 車 種 で は価 格 が 主 要 な 競 争 次 元 とな っ て い る傾 向 が 強 く、
ス ポ ー ツ カ.̲.̲では エ ン ジ ン馬 力 、加 速 性 な ど が 重 視 され る。 ま た 家 電 な どは 、 自社 の 販 売 網 を い か に 増 や す か が 重 要 な 競 争 次 元 と な り、 競 争 次 元 は 業 界 、 市 場 な ど に よ っ て 多 様 で 、 か つ 時 代 と共 に 変 化 す る。 しか も 、 何 が 競 争 次 元 に な る か は 、 定 義 され た 業 界 、 市 場 の 特 性 に よ っ て 大 き く異 な り、 そ の と ら え 方 に は 、 主 観 、 恣 意 性 が 左 右 す る た め 、;1Nに と ら え る こ とが で き な い と いY7。
こ の よ うに 競 争 次 元 とは 、 企 業 間 に 展 開 され る競 争 の 具 体 的 な 手 段 、 変 数 で あ り、
そ こ に は 企 業 の 競 争 を 決 定 付 け る非 常 に 重 要 な 要 素 か ら 、 そ うで は な い 要 素 ま で 、 数 多 くの 要 素 が 存 在 して い る と言 え る。 しか し、 競 争 次 元 は 自社 の 戦 略 的 意 図 が 反 映 され て い る次 元 とい う よ り も、 そ の 業 界 の 特 性 や 製 品 の 特 性 に よ っ て 決 ま り、 現 時 点 に お い て 競 合 企 業 間 の 競 争 の 焦 点 とな っ て い る こ とで 理 解 され うる。 した が っ て 、 市 場 競 争 に お い て 、 自社 の リ ソー ス や ケ イ パ ビ リテ ィ(capability)8か ら して 、
金 宇 烈(2004)、 前 掲 論 文 。
原 田 勉 『ケ ー ス で 読 む 競 争 逆 転 の 経 営 戦 略 』 東 洋 経 済 新 聞 社 、2000年 。
129
国 際 経 営 フ ォ ー ラ ムNo.17
有 利 に競争 を展 開 で き る競 争 次 元 で競争 す るか 、 あ るい は勝負 の決 め手 を既 存 の も の とは質 的 に異 な る新 しい次 元 に持 ち込 む こ とが 、 競争 戦 略 の策 定 にお い て は非 常 に重 要 な 変数 とな る。
この よ うに 、現 在 置 かれ て い る競合 の状 況や 相 手 との力 関係 に基 づ き、 競争 方 法 を策 定 す る とい う考 え方 は、 目新 しい もので もな く、例 えば、有 名 な ランチ ェスター 戦 略 に も体 系化 され て い る。 周 知 の よ うに 、 ラ ンチ ェス ター 法則 とい うの は 、F.W.
Lanchesterが 、 第1次 、第2次 世 界 大戦 にお け る数 多 くの戦 闘 を研 究 し、 総合 戦 に お け る兵力 数 や 損 失 数 な どにつ いて 計量 的 分析 を行 っ て見 つ け た法 則 で 、 それ を概 略 す る と、第1法 則 と第2の 法 則 が あ る。
第1の 法 則 は 、 い わ ゆ る3:2の 法 則 で 、 一騎 打 ち の局 地 戦 で 、武 器 性 能 が 同 じな らば、 味方3人 に対 して 、敵 が2人 な ら確 実 に そ の戦 闘 には勝 て る とい うもので あ る。 第2の 法 則 は、 広域 戦 で よ り近代 的 な武 器 を使 用 す る確 率 戦 で は、武 器 の性 能 が 同 じな らば 、戦 闘 力 は兵 力 数 の二乗 とな る とい うもので あ る。 この よ うに、 ラ ン チ ェス ター 法 則 とい うの は、 勝 敗 は敵 と味方 の力 関係 で決 ま り、兵 力数 と兵器 の性 能 で大 き く変 わ る とい う法則 なの で あ る。
この 法則 性 か ら導 き出 され る基本 的 な戦 略 は 、弱 者 は、一 騎 打 ち型 の戦 闘が望 ま しく、狭 い範 囲 の接 近戦 で戦 うこ と、そ して一 点集 中 に よ る狙 い 撃 ち を行 うこ とで あ り、 強者 は広 い範 囲 の総 合 戦 、広域 戦 で戦 うこ とが望 ま しい とい うこ とで あ る9。
ラ ンチ ェ ス ター 法則 を企 業 間競 争 に適 用す る と、 自社 お よび 相 手 の 条件 に基づ き、
自社 が も っ とも有 利 に競争 を展 開 で き る次 元 へ 競 争 の 焦点 を持 ち込 む こ とで あ り、
そ の よ うな 競争 の焦 点 を意 図 的 に作 り上 げて 競争 す る こ とが 有効 で あ る とい うこ と で あ る。 この よ うに 、 自社 が意 図的 に作 り上 げた 競争 の焦 点 とそ こで の競争 の展 開
を、本 稿 で は戦 略 次 元 とい う。
2戦 略次 元 とは
上 記 で説 明 した よ うに 、競 争 次 元 とは、企 業 の 戦 い方 に重要 な影 響 を及 ぼす 変数 で あ る。 これ に対 して 、戦 略 次 元 とは 、 「どこで 何 を持 って い か に戦 うか 」 を示 す
aバ ー ニ ー は
、 価 値 の あ る 希 少 で 模 倣 の 難 し い 経 営 資 源 お よ び そ の 組 織 的 活 用 能 力 を リソ ー ス 、 も し く は ケ イ パ ビ リテ ィ(capability)と し て 用 い て い る 。J.B.Barney,"lstheResource‑based
ViewaUsefulPerspectiveforStrategicManagementResearch?Yes,"Academyof Management1ぞ θレプθ耳〜VoL26,2001,PP.41‑56.
sラ ン チ
ェ ス タ ー 戦 略 の 体 系 と 詳 細 な 内 容 に 関 し て は 、 田 岡 信 夫 著 『総 合 ラ ン チ ェ ス タ ー 戦 略 』 ビ ジ ネ ス 社 、1986年 を 参 照 さ れ た い 。
道筋 で あ る と言 え る。 言 い換 えれ ば 、現 時点 にお い て勝 敗 を決 め る重 要 な変 数 と し て 自社 の統 制外 に あ る もの が競 争 次 元 だ とい うな らば、 戦 略次 元 とは 、市 場 条 件 、 競合 相 手 の動 き 、 自社 の リソー ス(ラ ンチ ェス ター が い う味 方 の兵 力数 や 武器 性 能) の条件 を総 合 的 に考慮 して意 図 的 に作 り上 げた 「競 争 の舞 台」 で あ り、他 社 か らす れ ば 、新 しい競 争 次 元 が生 成 す る こ とで あ る。
図表1を 参 考 に、競 争 次元 と戦 略 次元 の 関係 につ い て よ り具体 的 に考 察 して み よ う。 競 争 次元 は企 業意 識 の外 に あ り、現 在 の市 場 競 争 を決 定づ ける諸 変 数 で あ る。
そ こに は競 争 の 勝 敗 を決 め る影 響 力 の非 常 に強 い もの か ら、 それ ほ ど影 響 力 を及 ぼ さない もの まで 多様 な もの が あ る。
これ に対 して 、戦 略 次 元 は、 自社 の条 件 、相 手 や外 部 環 境 の条 件 な どを考 慮 して 、 自社 が 焦 点化 し、集、中的 に狙 い を定 め る1つ 以 上 の競 争 の 次元 を意 図的 に作 り上 げ る こ とで あ り、 自社 が 選択 した次 元 に競 争 の焦 点 を持 ち込 む こ とで あ る。 そ の 意 味 で、 戦 略 次元 は 、 自社 が もっ と も有利 に競 争 を展 開で き る 「戦 い の舞 台 」 を創 造 す る こ とで あ り、 自社 が意 図 的 に作 り上 げ 、策 定 した競争 の焦 点 な ので あ る。 そ して 、 競争 次 元 と戦略 次 元 に位 置す る 自社 の条件 や外 部環 境 条件 は、競争 次元や 市 場 の ニー ズお よび シー ズ を濾 過 す る フ ィル タ の役 割 を果 た して い る と言 える。
そ れ で は 、企 業 は戦 略 次 元 をい か に創 造 す る こ とが で き るの か。 戦 略 次 元 の創 造 に は、 次 の3つ の方 法 が あ る。
第1に 、既 存 の競 争 次 元 を そ の ま ま焦 点 化 し、 そ れ を 自社 の リソー ス や 組 織 能 力10と融 合 す る こ とで あ る。 端 的 な例 として 、化 粧 品 市 場 の場 合 、 多 くの企 業 が イ メー ジ の差別 化 に注力 して お り、 自社 も他 社 と同様 にマ ス メデ ィア に よ る公 告 ・宣 伝 な どを通 じて 、 イ メ.̲̲̲.,ジ差別 化 を積 極 的 に図 っ て い く場 合 、 この範 疇 に属 す る と 言 える。 た だ、 この場合 、競争 の焦 点が競 合 相 手 に よって も十 分 に察 知 され てお り、
同 じ競 争 次元 上 で複 数 の企 業 が戦 うこ とに な るた め、 か な り激 しい競 争 が予想 され 、 そ こで優 位 性 を発 揮 す る こ とが なか な か難 しい と考 え られ る。
第2は 、全 く新 しい 市場 の ニー ズ や シー ズ を キ ャ ッチ して 、 それ を 自社 の リソー スや組 織 能力 と融 合 して新 しい戦 略 次元 を創 造 す る こ とで あ る。 例 え ば、 田 中氏 の 研 究 で取 り上 げ られ て い る 日本 の金 型 メ ー カ ーS社 は 、切 削 や 焼 結 で しか対 応 で き な かっ た複雑 な形 状 の 自動 車部 品 を、金 型 に よ りプ レスで加 工す るこ とが で きれ ば 、
z。 ここでいう組織 能 力 というの は
、組 織 間 に散在 している知識 や能 力を融合 す る能力 として用 いら れている。 詳細 は 、慶応 戦 略経営研 究グル ープ 『組織 力 の経 営一 日本 のマネジメントは有効 か一 』 中央経 済社 、2002年 を参照されたい。
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コス トを大 幅 に削減 で き る とい うシー ズ をキ ャ ッチ してい た。 しか し、従 来 の プ レ ス順 送(1っ の金 型 で順 送 に何 工程 か加 工 し、1つ の プ レス機 を通 過す れ ば、複雑 な形 状 の部 品 の金 型 が で き る)で は 、打抜 き 、 曲 げ な どを1っ の金 型 で行 え るが、
板 の厚 み は 変 わ らな い とい う制約 が あ った。 それ で 、冷 却鍛 造 順 送 型 とい う、板 の 厚 み を変 化 させ る製 法 を利 用 して 、板圧!mmか ら5mmま で の様 々 な加 工 に対応 す
る こ とがで き、 自動 車 部 品 生 産 に大 きな革 新 を もた ら したll。
この よ うに、革 新 的 な戦 略 次元 の創 造 の場 合 、既 存 の競 争 次 元 で は、競争 の変数 と して識別 され て い なか った 新 しい競争 の領 域 を 開拓 した こ とに な るた め、競 合相 手 が簡 単 に模 倣 す る こ とが で きな く、 そ の戦 略 次 元 での差 別 的優 位 性 は非 常 に強 い
もの に な る と言 え る。
図表1競 争次元 と戦 略次元の創造
一一一 チ ャ ネ ル 既存の競争次元
デ ザ イ ン 広 告
1灘
1 ・順1
シ ー ズ ・ニ ー ズ
∠月 価格1
1
; L/
1
‑ 1.
内部条件
一'1響
外部環境条件
}、 ;‑
∠
/▼
■
チャネ2) 巴 貝
/石 τ,斤社 内で の 融合 と活 用 の プ ロセ ス
i
新 し い 競 争 次 元 機能 一\)
∠ 戦 略 次 売 /
1'田 中美 和 『日本金 型 産業 の競争 力の源泉一 知識 集 約型 産業 の競争 力 を 目指 して一 』2005年 度神 奈川 大学博 士論 文
第3は 、既 存 の競争 次元 を複 数 ミ ックス させ た り、新 しい 市場 の ニー ズや シー ズ を既 存 の競 争 次 元 に追加 した り、 あ るい は これ らを 自社 の リソー スお よび 組 織 能 力 と融合 させ て、 質 的 に異 な る戦 略 次 元 を創 造 す る こ とで あ る。 例 えば 、本 稿 で 事 例 と して取 り上 げ て い る大 阪 の フ ァス ナー 専 門 の 商社W社 は 、十 分 に市 場 性 の あ る製 品 に もか か わ らず 、 メー カ ー が そ の販 売先 の選 定 を 間違 って い るた め 、売 れ 行 きが 悪 い製 品を拾 い 上 げ、 自社 の販 売 経 験 か ら して最 適 な販 売 先 に提 案 してい く こ とに よって 、 当該 製 品の 市場性 を 高 め、 高収益 源 と して活 用 してい る。 この戦 略次 元 は 、 全 く新 しい製 品技 術 を創 造 す るわ け で はな く、 日々小 さな発 見や 的確 な ニー ズ の吸 い 上 げ 、そ して それ に適 合 した販 売 方 法 を提 案す る こ とに よ って 、 自社 独 特 の戦 略 次 元 を構築 して い る。
以 上 の よ うに 、 戦略 次 元 の 選択 の 問題 は、 結 局 、企 業 の競争 戦 略 を ど う定義 す る か の問題 に もつ な が っ てい る。 ポ ー ター は5つ の外 部 環 境 要 因 の 分析 に基 づ き 、最 適 な事業 ポ ジシ ョンを選 択 す る こ とが戦 略 とい い12、バ ー ニ ー は、 「企 業 が考 え た競 争 に成 功 す るた め のセ オ リー 」 で あ る とい う13。しか し、本 稿 は競 争 戦 略 を、 「ど こ で何 を持 って い か に 戦 うか 」、 とい っ た戦 略 次 元 の選 択 と創 造 と考 え る。 つ ま り、
事 業 部 での競 争 戦 略 は、 どこでい かに ライバ ル と戦 うかを描 いた シナ リオで あ り、言 い換 えれ ば 、様 々 な製 品 ・市場 の東 の 中で 、 どの製 品 ・市 場 に狙 い を定 め 、 そ して 的 を絞 った製 品 ・市 場 でいかな る方 法 で戦 うかを選択 とす るこ とで あ る と考 えて いる。
この よ うに戦 略 次 元 とは、競 争 次 元や 内外 的 な競 争 要 因 を総 合 して 、 自社 が有 利 に戦 え る よ うに領 域 を作 り上 げ 、そ こで 自社 の資 源 や 経 営 の努 力 を集 中す る こ とで あ り、有利 に競 争 を展 開 す るた め に 、 自社 に とっ て最 適 な競争 の焦 点 を構 築 す る こ
とで あ る。
3戦 略展 開 にお ける戦 略次 元 の 意義
こ こで は、競 争 戦略 の展 開 にお いて戦 略 次元 が持 つ意 義 につ い て 考察 して み たい。
第1に 、 戦略 次 元 は 、事 業 の方 向性 を示 す もので あ る。 企 業 が組 織 的 に事 業活 動 を 展 開 し、そ の掲 げ て い る 目的 を達 成 す るた め に は 、組 織構 成 員 の努 力 を結集 し、何 らか の形 で 、方 向性 を示 さな けれ ば な らな い。 この意 味 で 、戦 略 次 元 は 「どこで何 を持 っ てい か に 戦 うか」 とい う、今 後 の道 筋 を示 す もので あ る。
'ZM .E.Porter,CompetitiveStrategy:TechniquesforAna/yzingIndustriesandCompetitors,
TheFreePress,1980.
13J .B.Barney(2002),oP.cit.,岡 田 正 大 訳 、 前 掲 書 。
133
国 際 経 営 フォ ー ラムNo.17
第2に 戦 い方 を示す 。上 記 で指 摘 した よ うに戦 略次 元 とは、競 争 次元 を 自社 に とっ て有 利 な方 向へ変 更 す るか 、新 しい競争 次 元 を作 る こ とか ら始 ま る。 つ ま り、競 争 の勝 敗 を決 め る既 存 の要 因か ら、 自社 に と って 有利 な競 争 の焦 点 を創 造す る戦 略 次 元 は、 競争 相 手 との戦 い方 を示す シナ リオ と して の役割 も果 たす ので ある。
第3に 、 自社 が現 在 強 み と して持 って い る リソー ス 、今 後 開発 す べ き リソー ス な どを含 めて 、 い か に 自社 の リソー ス を活 用 す るか を方 向付 け る役 割 を果 たす 。 戦 略 次 元 を創 造 す る とい うこ とは 、 自社 の現 在 の戦 略 次 元 を強化 す るか 、 また は ライ ベ ル とは違 う競 争 次 元 を発 見 し、そ こで 自社 が有利 に戦 え る舞 台 を作 り上 げ る こ とで あ る。 した が って 、企 業 は 自社 に とっ て、 強 み のあ る固有 の リソー ス と、戦 略 次 元 の創 造 にお いて 重 要 で あ るが現 時獲 得 して い ない リソー ス を確 認 す る ことを可 能 と
し、 さ らにそ れ らをい か に活 用 す るか も示 して くれ る。
第4に 事 業 シス テ ム の設 計 や オペ レー シ ョンの努 力 の方 向性 を示 す。 事 業 シ ステ ム とは 、製 品や サ ー ビス を顧 客 に提 供 す るた め に経 営 資源 を一 定 の仕 組 みで シ ステ ム化 した もの で あ る14。戦 略次 元 に お い て い か に事業 シ ステ ム を設 計 す るか は 、 そ の戦 略 次 元 の 特徴 に よって 変 わ っ て くる。 この意 味で 事業 の方 向性 を示 す戦 略次 元 は 、事 業 シス テ ム の設 計 の 指針 とな る。 ま た 、詳 細 は後 述 す るが 、 戦略 次元 で は戦 略 とオ ペ レー シ ョン との相 互作 用 、戦 略 とオペ レー シ ョン との フ ィー ドバ ック ・プ ロセ スか ら競 争 力 が 具 現化 され る と考 え て い る。 した が って 、 戦 略次 元 の創 造 は、
業 務活 動 の あ り方 を示 す役 割 とな る。
第5に 競 争 戦 略 に お け る理 論 的 問題 で あ る。 前稿 で指摘 した よ うに、 ポ ジ シ ョニ ン グ とRBVが 持 っ てい る問題 点 と して次 の点 を取 り上 げ る こ とがで きる。1つ 目に、
い か に精 緻 な戦 略 を策 定す るか の政 策決 定 の 問題 に重 点 をお い てお り、そ れ は 、外 部 環 境 を重 視 す るか 、 それ とも 自社 の能力 条件 を重 視す るか とい う、 互い が相 容 れ な い理 論 的構 造 とな っ てい る。
2つ 目に、 ポ ジ シ ョニ ン グ とRBVは 戦 略 とオペ レー シ ョンの有 機 的 関連 付 け に関 す る認 識 が低 い。 この 問題 の根源 に は ポ ジ シ ョニ ン グ とRBVが 戦 略 とい う政 策 決 定 プ ロセ ス に大 き な関 心 を払 っ てい るた め、 あ くま で も戦 略 とい う上 位 の政 策決 定 が オ ペ レー シ ョン を制約 し、 オペ レー シ ョンか ら創 発 され た戦 略 の策 定 や戦 略 の修 正 はそれ ほ ど興 味 を示 して い ない か らで あ る。
3っ 目に、 競争 優 位 とそ の持続 に 関す る問題 点 で あ る。 この 問題 は、一度 確 定 さ
14加 護 野 忠 男 ・ 井 上 達 彦
、 前 掲 書 。
れ た ポ ジシ ョン で最適 な業 務 活 動 の配置 を主 張す る ポ ジ シ ョニ ン グや 、企 業 が獲 得 して い る リソー ス をい か に最適 に活 用 す るか に焦 点 を合 わせ て い るRBVの 論 理構 造 は、激 しく変化 す る外 部 要 因 に対 して 、一 時 的 で 固定 的 な フ レー ム ワー ク とな りや す い。
しか し、戦 略 次 元 で は 、 内外 環境 要 因 の統合 的 アプ ロー チ に よ る事 業 の 方 向性 を 示 して い る こ と、 オペ レー シ ョンは 、 当然 戦 略 に規 定 され る こ とを前提 と しな が ら も、戦 略 とオペ レー シ ョン の相 互 作用 が、 戦 略 の 修 正 ・強化 、 あ るい は変 更 の 土台 を提供 す る こ と、 そ して 、戦 略 次 元 の継 続 的 な創 造 に よ る競 争優 位 の持 続 性 を説 明 して い るこ とな ど、既 存 の理論 的 問題 に対 して新 しい分 析 の フ レー ム ワー クを提 示 して い る と言 え る。
4戦 略 次元 の 構築 プ ロセ ス
図表2を 参 照 しな が ら、 企 業 が有 効 な戦 略次 元 を創 造 す るた め に 、焦 点 とな る競 争 の場(競 争 次 元)を い か に具 現化 して い くの か 、 そ の プ ロセ ス を見 て い き たい。
図 表2を 図表1と 関連 付 け て い うな らば 、 フ ィル タ の役 割 を果 たす 内部 条件 お よび 外 部条 件 が い か に相 互 作 用す るか を表 す動 態 的 な プ ロセ スで あ る。
図表2で 描 い てい るよ うに、企 業 は決 して 、ポー ターが い うよ うに業 界分析 とい っ た 外部 環 境 のみ に よ って 、 戦 う舞 台 を選 択 す る わ け で は な い15。外 部 環 境 要 因分 析 と 自社 の リソー ス の特 質 を有機 的 に 関連 付 け て 、有 効 な競争 の領 域 を代 替案 と して 選 択す る こ とが で き る。 無論 、 こ こで は、 当該 製 品市 場 にお い て 、既 存 の競 争 次 元 が大 きな制約 要 因 とな り、 あ るい は 、逆 に機 会 要 因 と して働 い て い る こ とはい うま で もない 。
そ して、 も う1つ は 、 ポー ター とは全 く逆 の発 想 で 、 自社 の リソー ス ・スペ ク ト ル(自 社 の リソー ス分 析 チ ャー ト)に 基 づ き、競 争 す る次 元 を選 択 す る方 法 も しば
しば あ る。例 え ば、長 野 県 の シナ ノケ ン シの 多角 化 が このケ ー ス に該 当す る と言 え る。そ もそ も同社 は、長 野 の伝 統 産業 で あ る絹 糸紡 績 を手掛 け る一 方 で 、モ ー ター 、 印刷 機 、CD‑ROMな どの駆 動 措 置 ま で 製 造 して い る。 これ らの 製 品 に共 通 して い
るの は、 「回転 させ る技術 」 で あ り、 こ うした 回 転 させ る技 術 の リソー ス を活 用す る形 で 、 同社 は 新 し く戦 う舞 台 を作 り上 げて い るの で あ る16。
15M .E.Porter(1980)}op.cft.
16原 田 勉
、 前 掲 書 。
135
国 際 経 営 フ ォ ー ラムNo.17
こ の点 に お い て、 ポ ー ター の ポ ジ シ ョニ ン グ と戦 略 次元 との 間 に大 きな相 違 が あ る。 実 際 に 、 「ど こで 何 を持 って い か に戦 うか 」 とい う戦 略 次 元 の選 択 の問 題 に対 して 、 ビジネ ス現 実 を 見 る と、 ポー ター が い うよ うに、競 争 業 者 分析 、新規 参 入 の 脅 威 、供 給 業者 の交 渉 力 、買 い 手 の交渉 力 、 お よび代 替製 品 の脅威 な どの産 業 構 造 分 析 を 通 して 、 自社 に とって 最適 な競 争 的位 置(competitiveposition)を 確 定 す る と
い うよ りも、む しろ企 業独 自の リソー ス に基 づ い て確 定 され る場 合 も多 い。例 えば 、 前 述 した金 型 メ ー カ ー のS社 は 、衰 退 して い る 日本 の金 型 産 業 にお い て 、独 自の技 術 資 源 の開発 を通 じて 、今 ま で 不可 能 だ っ た複 雑 な形 状 の 自動 車 部 品 を金型 で製 造 す る こ とに成 功 し、今 ま で存在 しなか っ た新 しい戦 略 次 元 を 自社 の リソー ス に よ り 創 造 した典 型 的 な例 で あ る と言 える'7。
一 方 、外 部環 境 要 因 分析 と、 自社 が保 有 して い る リ ソー ス ・スペ ク トル の有機 的 な関連 付 け を通 じて 、 自社 に とっ て有利 に 競争 を運 べ る競 争 の焦 点 を複 数選 択 す る こ とが で き る。 この競 争 の焦 点 は 、前述 した よ うに、既 存 の競 争 次 元 か ら競 争 の焦 点要 素 をそ のま ま 引 き継 ぐ形 もあれ ば、新 た に競 争 の焦 点 を構 築 す る こ とも可能 で あ る。 そ して 、選 択 した競 争 の焦点 は、企 業 の戦 略的 意 図 に よ り選 択 の プ ロセ ス を 経 て 、社 内 の組 織 的 な 活用 との融合 を通 じて 、 自社 が も っ と も有 利 に戦 え る戦 略次
元 を創 造 す る こ とに な るので あ る。
ところが 、 こ こで指 摘 して 置 か な けれ ば な らな い の は、 それ が外 部環 境 要 因分 析 か らに しろ、 また は 自社 の リソー ス ・スペ ク トル 分析 か らに しろ 、制約 され た合 理 性 の元 で戦 略 次元 が構 築 され る とい うこ とで あ る。 つ ま り、 い く ら精 密 な戦 略策 定 を して も不確 実性 の高 い現 実 の ビジネ ス世 界 で は 、戦 略 自体 の修 正 ・強化 ・変 更 の 可能 性 が常 につ き ま と うとい うこ とで あ る。
例 え ば、 田中氏 の研 究 で登 場 す る 日本 の 金 型 メ ー カ ー1社 は 、競 争 次 元 を職 人 の 技 に 求 め 、職 人 の技 をIT技 術 やCAD/CAMな どの技術 に置 き換 え る こ とに よ って 、 新 しい戦 略 次 元 を作 り上 げ よ うと した。 そ して 、 その代 替 的 な戦 略次 元 を可能 とす る もの と して 、 「光 造 形装 置」 に よ り金 型 製 造 を行 うと、試 作 品や 金 型 を作 る時 間 が これ まで の10分 の1に 短 縮 され 、職 人 の技 が近 代 的 な光 造 形 措 置 に取 って代 わ る と考 え た。
しか し、 実 際 は、1社 の 思 惑 通 りに行 か ず 、技 術 開発 力 の行 き詰 ま りか ら、他 の 金 型 メー カ ー と提 携 を持 ち掛 け るな ど、新 しい方 向性 を模 索 して い る とい う。 この
17田 中 美 和
、 前 掲 論 文 。
1社 の行 き詰 ま りに は色 ん な要 因 が取 り上 げ られ る だ ろ うが 、m大 きな 要 因 は 、 現 在 日本 で金 型 を発 注 して い る発 注元 は 、金型 メー カ ー に製 品 の技術 力 は も とよ り、
提 案 力 に大 き く期 待 して い る とい う点 で あ る18。つ ま り、発 注 元 が 困 っ て い る問題 に対 して 、 問題 解 決 に役 に立 て る よ うな技 術 的 提 案 能 力 が 、競 争 の焦 点 とな って い るの で あ る。 しか し、1社 は こ う した提 案 力 とい う競 争 の 焦 点 よ りも、 納 期 短 縮 、 職 人 の技 の代 替 とい う次元 に競 争 の焦 点 を選 択 し、 そ れ が 現 時点 で は 、 日本 で 生 き 残 りをか け る金 型 メー カー の条件 と して はrう ま く適 合 して い な い よ うに思 われ る。
図表2競 争 次元 の 選 択 プ ロセ ス
供給 者の 交渉力
需 要 者 の 交 渉力
自 社 の リ ソ ー ス ・ ス ペ ク ト ル
▲
▼
ノ 峰 の焦 占1
▲
▼
竜筆 の 焦 占2
19同 上 論 文
。
X37
国 際 経 営 フォ ー ラムNo.17
この よ うに戦略 次 元 の 選 択 は不 確 実性 下 で制 約 され た合 理 性 に基 づ いて行 われ る もので あ り、戦 略 実行 の途 中でい か に戦 略 を修 正 して適合 してい くか とい うこ とが 、 現 代 企 業 に課 され て い る重 要 な戦 略 上 の課 題 で あ る こ とを指 摘 して お きた い。 そ し
て 、 こ うした 見 直 しのプ ロセ ス を可 能 とす る こ とが、本 稿 で 取 り上 げ る戦 略 とオ ペ レー シ ョンの相 互 作 用 、 フ ィー ドバ ック ・プ ロセ ス を内在 した マネ ジ メ ン ト ・シス テ ム で あ る。
5戦 略 次元 とオ ペ レー シ ョンの 相互 作 用
以 下 で は 、戦 略 次 元 に お い て、 オペ レー シ ョンの重 要性 を考 察 し、戦 略次 元 とオ ペ レー シ ョンの相互 作 用 を通 じて 、企 業 が 競争 力 を獲 得す る構 図 を考察 してみ た い。
第1は 、 先 ほ ど指 摘 した よ うに、 戦 略 次 元 の選 択 は 、制 約 され た合 理 性 の 元 で有 効 で あ る とい うこ とで あ る。 今 まで の多 くの研 究 は、 いか に失 敗 しない政 策(戦 略) を策 定す るか とい う、 い わ ゆ る戦 略策 定 の 問題 に非 常 に限 定 してお り、戦 略 を決 定 す る人 間 に対 して も、合 理 的 で理 性 的 な人 間観 に基 づ い て い る。 した が って 、正 確 な要 因分 析 さえで きれ ば 、絶 対 に失 敗 しない 政策 を策 定す る こ とが で き、そ れ は優 れ た 結果 につ なが る とい う暗 黙 の前 提 に立 って い る。 しか し、環境 変化 の激 しい今 日の 競争 にお い て は 、理 想 的 な戦 略 策 定 が そ の ま ま実行 で き る とは限 らな く、戦 略 自体 も実 行 のプ ロセ ス で 、そ の変 更 を余 儀 な くされ るな ど、不確 実性 が常 につ き ま と う。
第2に 、戦 略 次元 は 、戦 略 とオ ペ レー シ ョンにつ い て、 戦 略 が オペ レー シ ョン を 制 約 し、規 定す る とい う一方 通 行 的 な思 考 で は な く、戦 略 とオペ レー シ ョンが相 互 作 用 を持 ちな が ら、 互 い に影 響 しあっ て い る と考 えて い る。 図表3で 示 して い る通 りに 、今 ま で の戦 略 論 は、 ユ ニー クで 、簡 単 に模 倣 の で きな い政 策 をい か に精 緻 で 間違 い の な い よ うに策 定す るか に焦点 を合 わせ て きた。 そ こで 、オ ペ レー シ ョンの 問題 は事 後 的 で 、戦 略 に よ り規 定 され 、 そ して、 そ の 内容 も戦 略 を遂行 す る単 な る 道 具 と して位 置 づ け られ て きた19。
しか し、本稿 で提 示 して い る戦 略 とオペ レー シ ョンの相 互 作 用 の 関係 は、 戦 略 を 実行 す る過 程 で得 られ る外 部 との反 応 が 、 オペ レー シ ョンや 戦 略 の 内容 に反 映 され 、
19典 型 的 な 研 究 者 が ポ ー タ ー で あ り
、 戦 略 が オ ペ レ ー シ ョン を 規 定 し 、 オ ペ レ ー シ ョン は 戦 略 と整 合 性 を 持 っ て 従 わ れ る も の とし て 位 置 づ け られ て い る 。M.E.Porter,"WhatisStrategy?"Harvar
ゴBusinessReview,November‑December,1996,M.E.Porter・ 竹 内 弘 高 著 『日 本 の 競 争 戦 略 』 ダ イ ヤ モ ン ド社 、2000年 。
戦略 自体 も修 正 ・強 化 され 、 さ らに は新 しい戦 略 次 元 を創 造 して い く循 環 的 プ ロセ ス と して 考 え て い る。 こ う した プ ロセ ス を通 じて外 部 の環境 条件 と 自社 の現 状 との ギ ャ ップ を素早 くキ ャ ッチ し、 そ の ギ ャ ップ を戦 略 の修 正 、 オ ペ レー シ ョンの対 応 につ な げて い く こ と も、競 争 力 を発 揮 す る重 要 な源 泉 と して 考 え られ るの で あ る。
図表3戦 略 とオ ペ レー シ ョンの相 互 作 用 と戦 略 へ の フ ィー ドバ ック 肝存 の 戦略 の老 戴 片
戦 略
規 定 ・制 約
オ ペ レ ー シ ョ ン
例 え ば 、 ホ ン ダ が ア メ リカ の 二 輪 車 市 場 に 参 入 した の は 、1960年 代 で あ り、 最 初 の 参 入 戦 略 は 、 ハ ー レー ダ ビ ッ ドソ ン な ど の よ うな 大 型 で 馬 力 の 大 き い 二 輪 車 市 場 に焦 点 を 定 め た 。 しか し、 ア メ リカ 消 費 者 は 当 初 ホ ン ダ か ら大 型 バ イ ク を 買 お う と
しな か っ た た め 、 ホ ン ダ はや む を 得 ず 戦 略 を 修 正 し、 小 型 の ス ク ー タ ー を 市 場 投 入 して 、 そ れ が 市 場 で ニ ッチ を形 成 して 、 ホ ン ダ は ア メ リカ の 二 輪 車 市 場 で 成 功 を収 め る こ とが で き た の で あ る20。 こ の ホ ン ダ の 事 例 は 、 オ ペ レー シ ョ ン過 程 に お い て 、 戦 略 の ミ ス や 問 題 を素 早 く キ ャ ッチ し、 戦 略 を 軌 道 修 正 した こ とが 成 功 の 要 因 で あ
り、 戦 略 次 元 の 創 造 に お い て 、 オ ペ レー シ ョ ン との 相 互 作 用 の 重 要 性 を 物 語 っ て い る もの で あ る。
ミ ン ツ バ ー グ は 、 意 図 され た 戦 略 が 常 に 実 現 され る わ け で は な く 、 ま た 、 実 現 さ れ た 戦 略 は 常 に 意 図 され た も の で も な い 、 と い う問 題 に着 目 して 、 創 発 戦 略(eme rgentstrategy)と い う コ ン セ プ トを 提 示 して い る2'。 これ は 、 意 図 的 に 計 画 され た 戦 略(intendedstrategy)も さ る こ と な が ら、 実 行 中 に 大 き く軌 道 修 正 され 、 新 た に 政 策 変 更 され た 戦 略 に よ り 、競 争 優 位 の 構 築 が 可 能22と い う こ と を 物 語 っ て い る 。
aoJ .B.Barney(2002),op.cit.,岡 田 正 大 訳 、 前 掲 書 。 21ヘ ン リー ・ ミン ツ バwグ
、 ブ ル ー ス ・ ア ル ス トラ ン ド&ジ ョセ ブ ・ ラ ン ペ ル 、 斎 藤 嘉 則 監 訳 『戦 略 サ フ ァ リ』 東 洋 経 済 新 報 社 、1999年
139
国 際 経 営 フ ォ ー ラ ムNo.17
こ う した 創 発 戦 略 を可 能 とす る も の は 、戦 略 とオペ レー シ ョン の 相 互 作 用 、 オ ペ レー シ ョン を 通 じた 学 習 の 促 進 と戦 略 へ の フ ィ ー ドバ ッ ク に他 な ら な い。
第3に 、 戦 略 次 元 で は 、 オ ペ レー シ ョ ン を所 与 の も の で は な く 、企 業 の競 争 力 を 決 定 す る 重 要 な プ ロセ ス と して 位 置 づ け て い る。 ポ ー タ ー は 、 日本 企 業 に は戦 略 が な く 、 オ ペ レー シ ョン 効 率 の 追 求 が あ る だ け と厳 し く批 判 して お り、 オ ペ レー シ ョ ン効 率 は 、 い ず れ ライ バ ル に模 倣 され る だ け とい う。 そ して 、 ポ ー タ ー は 、 一 貫 し て 「相 手 と違 う活 動 を 行 う とか 、 同様 の 活 動 を違 う方 法 で 行 う」 こ と こそ が 戦 略 で あ り、 「同 様 の 業 務 活 動 を相 手 よ り も うま く遂 行 す る こ と」、 い わ ゆ る オ ペ レー シ ョ ン効 率 化 は 、 戦 略 に よ り規 定 され 、 か つ 大 き な 障 壁 や 実 行 の コ ス トも な く、 遂 行 で き る とい う、 視 点 を 貫 い て い る23。
し か し、 オ ペ レー シ ョン は 、 ポ ー タ ー が 考 え て い る よ うに 単 純 で 簡 単 に模 倣 され る も の で も な く、 最 初 か ら実 行 す べ き 目標 や 方 法 が 明 確 に 規 定 され て い る も の で も な い 。 確 か に 、 企 業 努 力 の 大 き な 方 向 性 を 定 め る とい う意 味 で 、 戦 略 が 非 常 に 重 要 で あ る こ とは い うま で もな い が 、 オ ペ レー シ ョン 的 な 課 題 の 策 定 、 そ の た め の 組 織 的 な 取 り組 み 、 そ れ ぞ れ の 職 能 部 分 に お け る 専 門 性 の 追 求 、 日 々 の 効 率 ア ッ プ 、 品 質 追 及 、 そ して 、 部 門 間 の 横 断 的 な 交 流 と相 互 作 用 な どの オ ペ レー シ ョン機 能 も 、 戦 略 に 決 して 勝 ら な い ほ ど重 要 で あ る。 ま た 、 オ ペ レー シ ョン 的 な課 題 が 最 初 か ら 明 確 に 規 定 され て い る わ け で も な い 。 そ して 、 この オ ペ レー シ ョ ン 問 題 が 複 雑 に 絡 み 合 っ て い れ ば い る ほ ど、 そ の 企 業 の 戦 略 は 優 れ た も の で あ り、 模 倣 は 難 しい も の
と な る と言 え る。
土 屋 ・関 町 氏 は 、 今 ま で の 戦 略 研 究 は 、 企 業 の ビ ジ ョ ン(vision)、 戦 略 策 定 (strategy・狭 義 の 戦 略 策 定)、 実 行(execution)、 そ して 戦 術(tactic)と い う流 れ の 中 で 、 企 業 の 政 策 策 定 の み に 焦 点 が 合 わ せ られ て き た 、 と指 摘 し、VSETの 戦 略 思 考 法 を提 示 して い る。 そ して 、 そ れ ほ ど優 れ て い な い 戦 略 で も 実 践 が よ け れ ば 、 い い 結 果 を導 く こ とが 可 能 と し、 プ ロセ ス の 重 要 性 を 主 張 して い る24。言 い 換 え れ ば 、 優 れ た 戦 略 だ け で は 競 争 力 は 生 ま れ な く、 い か に そ れ を 実 践 す る か の プ ロセ ス で 競 争 優 位 が 具 現 化 され る と い う こ とを 示 して い る の で あ る。
第4は 、 学 習 の 場 と して オ ペ レー シ ョ ン機 能 の 重 要 性 で あ る。 前 述 した よ うに 、
zzM .E.Porter・ 竹 内 弘 高 著 、 前 掲 書 。
23M .E.Porter(1996),op.cit.,M.E.Porter・ 竹 内 弘 高 著 、 同 上 書 。 24土 屋 守 章 ・ 関 町 肇 『実 践 ・VSET経 営 戦 略 策 定 法 』 同 友 館
、2005年 、 関 町 肇 「VSET戦 略 の 思 考 法 と策 定 法 」 『国 際 経 営 フ ォ ー ラム 』 神 奈 川 大 学 国 際 経 営 研 究 所 、No.16,2005年 。
戦 略 次元 の創 造 プ ロセ ス は、 外 部 環境 要 因 よ りも 、企 業 の 内部 条 件 や 能 力 に よ り作 られ る場 合 が多 く、 オペ レー シ ョン過 程 で蓄 積 され た技 術 、 ノ ウハ ウ、情 報 な どが 新 しい戦 略 次元 の創 造 に大 き な原 動 力 にな る。 ま た 、市 場 の ニ ー ズや シー ズ を戦 略 次 元 の創 造 に結 び 付 け る こ とは、 日々の オペ レー シ ョン遂行 に お い て意 図的 な 目的 を持 って 実施 され る時 こそ 、一 層 そ の獲i得チ ャ ン ス が大 き くな り、 この意 味 で、 戦 略次 元 の創 造 は 、意 図 され た知 識 創 造 の場 とも言 える ので あ る。
企 業の知識 資源 の創 造 に競 争優 位 の源泉 を求 めて い る野 中氏 は、企 業 の長 期 ビジ ョ ン と、そ れ を実行 す る ミ ドル ・マ ネ ジ メ ン ト ・レベ ル にお け る職 務 機 能 間 の相 互 作 用 を非 常 に重視 す る。 い わ ゆ る機 能 間 のオ ー バ ー ラ ップや 、職 能横 断 的 な プ ロジ ェ ク トチー ム に よ り、 それ ぞ れ の知 恵 を結集 して組 織 的 に新 し く知識 を創 造す る こ と が競争 優位 につ な が る とい うの で あ る25。
以 上 の よ うに、 戦 略次 元 の創 造 は絶 えず オ ペ レー シ ョン的 な課題 と相 互作 用 を持 ち なが ら形 成 され 、修 正 、強 化 、 変 更 の 中で 新 しい 戦 略次 元 が創 造 され る継 続 的 な プ ロセ ス で あ る。 ま た 、戦 略 とオ ペ レー シ ョン との相 互作 用 は、組 織 に学習 の場 を 提 供 し、競 争 企 業 よ りも先 に新 しい 戦 略次 元 の創 造 を可能 とす る。 この よ うに企 業 の戦 略 次 元 の創 造 力 は 、 日々の オ ペ レー シ ョン努 力 の 蓄積 を通 じて 可 能 で あ り、戦 略次 元 とオペ レー シ ョンの相 互 作 用 はr市 場 の機 会 を素 早 くキ ャ ッチ し、 自社 が 有 利 に競争 を展 開す る こ とを可 能 とす る、競 争優 位 の原動 力 にな る と言 え るので あ る。
皿 線 形反応 モデル と競 争優 位 の持続性
1線 形 反 応 モ デ ル
前 稿 で 指摘 した よ うに、 ポ ジ シ ョニ ン グお よびRBVは 、 持続 的競 争 優 位 を論 じて い な が らも、経 営 環 境 の変 化 を ほ とん ど不 変 の もの と仮 定 してい る。 ポ ジ シ ョニ ン グは 、一 度確 立 され た ポジ シ ョンを経 営環 境 の変 化 に対 して 、 い か に改 善 ・向 上 し て い け ばい い のか に関す る動 態 的 視 点 を欠 如 してお り、RBVは 、 現 在 競 争優 位 を発 揮 して い る リソー ス が環境 条件 の変 化 に対 して も、 そ の まま有 効 な の か とい う問題
を説 明 で き ない 。
そ こで 、前 稿 で は競争 優 位 の持続 に 関す る ビジネ ス の実 態 を よ り現 実 的 に反 映 す るため に、 時 間的経 過(内 外 環境 変 化)を 軸 に した線 形反 応 モ デル を提 示 してい る。
25野 中 郁 次 郎 ・竹 内 弘 高
r前 掲 書 。
141
国 際 経 営 フォ ー ラムNa.17
あ る一 定 の 時 点 にお い て 競争 優位 を獲 得 して い るポ ジ シ ョンや 企 業 の リソー ス は 、 環 境 条件 の変 化 、 ま た は 自社 の戦 略 的意 図 の変 化 に よ り、 戦 略 と現実 との 間 に不 均 衡 が 生 じ、今 まで 有 効 だ っ た ポ ジシ ョンや リソー ス も、新 しい 競争 環 境 下 で そ の優 位 性 が薄 れ て い くこ とに な る。 そ こで、 企 業 は内外 環 境 要 因 との 不均衡 を解 消 す る
方 向 ヘ ポ ジ シ ョンを移 動 す るか 、新 しい リソー ス を獲 得 しな けれ ば な らな い。 この よ うな一 時的 均衡 と長 期 的 不 均衡 に対 して 、企 業組織 を絶 えず 適 応 させ てい く努 力 が な けれ ば、持 続 的競 争優 位 は実 現 され る こ とが な く、 時 間軸 を 中心 に継 続 的 に適 合 してい くこ とに よ り、 競争 優 位 を持 続 で き る とい うこ とが、 線 形反 応 モ デル の 内 容 で あ るas。
図表4線 形 反応 モデ ル と循 環 的 マネ ジメ ン ト ・シス テ ム
阜 万
1ノ/反 応
図表4は 、前稿 の線 形 反 応 モデ ル の概 念 を、 戦略 次 元 の創 造 と関連 付 けて 表 した もの で あ る。 一 時点 の戦 略 次 元(戦 略 次 元1)で 競 争優 位 を獲 得 して い る企 業 が 、 外 部 の刺 激 に対 して有 効 な反 応 を送 り出 し、既 存 の戦略 次 元 を強化 す る か(戦 略次 元1の 強化)、 あ るい は新 しい戦 略次 元 を創 造(戦 略次 元2の 創 造)す るか に よって 、 戦 略 次 元1の 競 争優 位 を戦 略次 元2に お い て も維持 す る こ とが で き、 全体 的 に は、
戦 略 次 元1→ 戦 略 次元24戦 略 次元3と い う長 期 スパ ンで競 争 優 位 を持続 す る こ と が で き る。
と ころ が 、図表4の よ うに外 部 刺 激 の 素 早 い キ ャ ッチ 、 内部 の処 理 プ ロセ ス 、 そ して有 効 な反応 とい うサ イ クル を繰 り返 しなが ら、 実質 的 に線 形反 応 モデル を支 え て い るの は、 マネ ジ メ ン ト ・シ ステ ム に他 な らない。 つ ま り、 内外 環 境 要 因 と現 在
zs金 宇 烈(2004)
、 前 掲 論 文 。
の戦 略 次元 との均 衡 、不均 衡 を素 早 くキ ャ ッチ し、迅 速 にそ の不均 衡 を調 整 で き る、
オー プ ンで かつ 循 環 的 なマ ネ ジメ ン ト ・シス テ ム の構 築 こそ 、 持続 的競 争 優 位 を実 現す る重 要 な条 件 で あ る と言 え るので あ る。
2線 形反 応 モ デ ル にお け る循 環 的 マ ネ ジ メ ン ト ・シス テ ム の 意義
原 田氏 が指 摘 して い る よ うに27、本 稿 で は あ る一 時 点 の 戦 略 次 元 にお い て獲 得 さ れ た競 争 優 位 が 、そ の ま ま持 続 す る こ とは ほ ぼ不 可 能 に近 い と考 え てい る。 この こ
とは 、 競争 優位 の源 泉 を戦 略 次 元 に求 め る視 点 で はな く、 ポ ジ シ ョニ ン グやRBVの 分析 視 点 にお い て も同様 で あ る と考 え られ る。 あ る企 業 に競 争 優位 を もた ら して い
る技術 力 も、 時 間の経 過 と共 にそ の価 値 が 低 下 し、 あ るい は代 替 技 術 の 開発 に よ り 一 気 に そ の優 位 性 が失 われ る場合 も しば しば あ る
。
端 的 な例 と して 、韓 国の 触 媒 市場 を取 り上 げて み よ う。 そ もそ も光触 媒 とい うの は、 日本 で開発 され た技 術 と して 、紫 外線 と反 応 して空 気 浄化 、 消 臭 、汚 れ 防 止 な どの効 果 を持 ち 、家 具 、 トイ レ、建 物 の外 壁 な ど、様 々 な とこ ろに応 用 され て い る。
しか し、 この光 触 媒 に対 して 、最 近 紫外 線 が な くて も反応 す る新 しい触 媒 が 日本 で 開発 され 、 この新 製 品が 韓 国 市場 に参入 した こ とに よ り、韓 国 の光 触 媒 産 業 は非 常
に厳 しい 状況 に追 い込 まれ て しま った。
また 、 一 時点 の競 争優 位 を持 続 的 に享 受 す る こ との困難 さは 、世 界 的 な巨 大企 業 を見 て も例 外 で は ない 。 か つ て 大型 機 の特 化 して い たIBMの 低 迷 と復 活2s、最 近GM の業績 悪化29、エ レク トロニ ク ス部 門 にお け る ソニ ー の不 振30など、世 界 的 な 巨 大企 業 さえ も栄枯 盛 衰 の波 を繰 り返 しなが ら存 続 して きて お り、企 業 が一 度確 立 した ポ ジシ ョンや企 業 固有 の リ ソー ス基 盤 で持 続 的 な競 争 優位 を維 持 す る こ とはほ ぼ不 可 能 に近 い と言 っ て も過 言 で は な い。 この よ うな事 実 を踏 ま え、本 稿 で は、 あ る時 点 にお い て競争 優 位 を もた らす 戦略 次 元 を、継 続 的 に創 造 で き る能 力 に持 続 可能 な競 争 優位 の源 泉 が ある と考 えて い るので あ る。
ところが 、戦 略次 元 を次 々 と創 造 し うる能力 とは、単発 で、 かっ 一時 的 なプ ロジェ ク トチ ー ム に よ る製 品 開発 お よび 市 場 開発 や 、戦 略 担 当部 門 に よる戦 略企 画 に基 づ
27原 田 勉
、 前 掲 書 。 ZSル イ スV
.ガ ー ス ナ.̲....Jr著/山 岡 洋 一 ・ 高 遠 裕 子 訳 『巨 象 も 踊 る 』 日本 経 済 新 聞 社 、 2002年 。
29『 毎 日 新 聞 』2006年
、1月27日 付 。
30「 トップ の 技 術 軽 視 が 招 い た 電 機 メー カ ー の 凋 落 ソ ニ ー
、 三 洋 、 富 士 通 … … ・ な ぜ 道 を 誤 っ た の か 」 『WEDGE』Vol.17No.7、2005年7月 、10ペ ー ジ 〜12ペ ー ジ 。
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国 際 経 営 フォ ー ラムNo.17
き、上 意 下 達 され る こ とを意 味 す る もの で は な い。 前 述 した よ うに 、戦 略次 元 とい うの は、 戦 略 とオペ レー シ ョンの相 互 作 用 を通 じて創 造 され る もの で、戦 略 を実 行 す る過 程 で得 られ る外 部 との反応 が 、オペ レー シ ョンや戦 略 の 内容 に反 映 され な が ら具現 化 され る。 そ して、 場 合 に よって は 、 戦 略 自体 も修 正 ・強化 され 、 さ らには 新 しい戦 略 次 元 を創 造 して い く循 環 的 プ ロセ ス と して考 えな けれ ば な らな い。
した が っ て、 日々 の業 務 にお い て 、構造 的 には 戦略 と業務 活 動 が常 に連 動 す る よ うに組 織 が設 計 され 、機 能 的 に は、戦略 とオペ レー シ ョン、そ して戦略 とア ウ トプ ッ トとの ギ ャ ップ を素早 くキ ャ ッチ し、戦 略策 定 とオペ レー シ ョンに フィ.̲̲̲ドバ ック で き る よ うなマ ネ ジ メ ン ト ・シス テ ムが企 業 の 中に体 化 され て い る こ とが求 め られ
る と言 え る。
マネ ジ メ ン トをシ ス テ ム と して とらえ る考 え方 に は 、組 織 目的 を達 成す るた めの 諸機能 が互 い に有機 的 に結 合 され 、経 営 資源 や企 業 内 の各 組 織 が整 合 性 を持 って結 合 され て い る状 態 を表 して い る。 ま た、 シス テ ム とは 、そ の シ ス テ ム を構 成 す る下 位 シ ステ ム で成 り立 っ てお り、1つ の影 響 が他 の システ ム、 あ るい は全体 の シス テ ム に影 響 し変化す る相 互 関連性 を持 つ もの で 、イ ンプ ッ ト、処理 、そ してア ウ トプ ッ
トの サイ クル を繰 り返 す 循 環 シ ステ ム と して と らえ る こ とも可能 で あ る3'。
した が っ て、 オ ー プ ンで循 環 的 マネ ジ メ ン ト ・システ ム とは 、 業務 活動 の単位 と な る資源 や組 織 、そ して諸 活動 が互 い に有機 的 に結合 され た状 態 にあ り、 さらにオ ー プ ンで柔 軟 性 を持 たせ る こ とに よ り、外 部 の 刺激 を迅 速 に吸収 し、 それ を内部 の処 理 プ ロセ ス を通 じて 、 ア ウ トプ ッ トと して送 り出す とい う有 機 的 なサ イ クル と して 表 す こ とが で き る。 この よ うに、 オー プ ンで循 環 的マ ネ ジメ ン ト ・シス テ ム を構 築 す る こ とに よ り、 常 に外 部 との適 合 を前提 と して い る戦略 策 定 の プ ロセ ス にお い て は 、マ ネ ジ メ ン トの有 効性 が 一層 高 くな り、効 果 的 な もの に な る と考 え る こ とが で
き る。
以上 の よ うに、競 争 優位 の 獲得 は、 戦 略次 元 とい う自社 に とっ て有利 な競 争 の舞 台 を創 造 す る こ とで あ り、 戦 略 の一 過性 の代 わ りに継 続 性、一 時 的 で 静態 的 競争 優 位 か ら継続 的 な飛 躍 に競争 優 位 の持 続性 が あ る と言 え る。 した が って 、継 続 的 な飛 躍 を通 じて 競争 優 位 を持続 す るた め には 、戦 略 目標 との ギ ャ ップ を素 早 く認 知 し、
戦 略や 実行 の修 正 ・強 化 、 あ るい は新 しい戦 略次 元 の創 造 につ な げ られ る、 オー プ
3Lこ の ような 自 己 循 環 シ ステ ム の 考 え 方 は
、 海 老 澤 栄 一 『地 球 村 時 代 の 経 営 管 理 』 文 眞 堂 、 2000年 、 を 参 照 され た い 。
ンで循 環 的 マ ネ ジメ ン ト ・シス テ ム を構 築 し、 外 部 刺激 に対 して有 効 な反 応 を持 続 的 に送 り出 す こ とが重 要 な要件 で あ る。
3競 争 優位 の持 続 性 と循 環 的 マ ネ ジ メ ン ト ・シス テ ム の有 効 性
オー プ ンで循 環 的マ ネ ジ メ ン ト ・シ ステ ムが 、 競 争優 位 の持 続 性 を もた らす理 由 と して、 次 の点 を取 り上 げ る こ とが で き る。
第1に 、 戦 略 策 定 にお け る循 環性 を取 り上 げ る こ とが で き る。 ポ ジ シ ョニ ン グお よびRBVは どち らか い うと、 戦 略 とい う政 策 策 定 の フ レー ム ワー ク を詳 細 に 分析 ・ 考 察す る もので あ る。 しか し、現 実 の企 業 経 営 の 多 くは 、大 き な政 策 の方 向性 を決 め る とい う意 味 合 い で 、一 時 的 に戦 略 の不 変1生を想 定 して い る と言 え るが 、 そ の プ ロセ ス は一 過 性 の もの で は な く、企 業 の政 策 決 定 → 実行 → 戦 略 の見 直 しとい う循 環 的 な プ ロセ ス を繰 り返 しな が ら、微 妙 に修 正 して い く。 つ ま り、一 時 的 な不 変性 の 元 で策 定 され た 戦 略 は 、 それ で終 わ りで は な く、 内外 か らの刺 激 を通 じて、 新 た な 戦 略策 定 の過 程 を繰 り返 す こ とにな る。
一度 確 定 され た 戦 略 が永 遠 に続 く とい う考 え方 は、現 実 の激 しい 企 業 間競 争 の 実 態 を正確 に反 映 して い る もの では な い。 周 知 の よ うに、企 業 は絶 え 間 な く、 戦 略 と オペ レー シ ョン、 そ して ア ウ トプ ッ トに対 す る循 環 性 の 中で 、経 営 活 動 を行 って い る。 した が っ て 、外部 刺 激 に素 早 く反 応 で き 、そ の刺激 を戦 略 や オペ レー シ ョン に 円滑 フ ィー ドバ ックで き るマ ネ ジ メ ン ト ・シ ステ ム は、 ライベ ル よ りも素 早 く機 会
と脅威 を キャ ッチ し、 よ り有 効 的 な対応 を施 す こ とが可 能 とな るの で あ る。
第2に 、 フ ィー ドバ ック ・プ ロセ ス を通 じて 、戦 略 や オペ レー シ ョン の強 化 お よ び修 正が 可能 で あ る とい う点 で あ る。 関 町氏 は 、戦略 の実行 は予測 でき ない オペ レー シ ョン の 問題 や 外 部 環 境 要 因 の変 化 な どに よ り、修 正 を余 儀 な く され る場 合 が あ る とい う。 この よ うな 問題 が本 質 的 な もので あれ ば 、 戦 略 自体 を修 正 変 更 しな けれ ば な らな い が、 短 期 的 で実 践 上 の 工 夫 に よ り乗 り切 る こ とが で きれ ば、 実行 の プ ロセ ス を修 正 し、 バ リュー チ ェー ンや組 織 の再 構 成 、 リ ソー ス の獲 得 な どを通 じて推 進 してい くこ とが必 要 であ る とい う32。この よ うに戦 略的 目標 とア ウ トプ ッ トとのギ ャ ッ プ を常 に知 らせ 、そ れ を実行 プ ロセ スや 戦 略 策 定 自体 の修 正 に変 更 で き る よ うな プ ロセ ス が フ ィー ドバ ックで あ り、本稿 で 、戦 略 次 元 の創 造 に お け る戦 略 とオ ペ レー シ ョンの 相互 作 用 を重視 して い る理 由 も こ こに あ る。
:32関 町 肇
、 前 掲 論 文 。
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国 際 経 営 フ ォ0ラ ムNo.17
今 ま で の研 究 はい か に失 敗 しない戦 略 策 定 に重 点 を置 くあ ま り、企 業 現実 で行 っ て い る戦 略 の修 正 プ ロセ スや オペ レー シ ョンの 見 直 しな ど、 い わ ゆる フ ィー ドバ ッ ク ・プ ロセ ス につ い て は そ の 関心 を置 くこ とが あま りなか った 。 しか し、企 業 の現 実 にお い て 、 この フ ィ・一 ドバ ック を通 じて 、 戦 略や オペ レー シ ョンを修 正 し、持 続 的競 争 優 位 を実 現 して い る企 業 の例 は数 多 くあ る。
例 え ば 、今 や 日本 一 の流 通 企 業 と して成 長 したセ ブ ンイ レブ ンの 出店 戦 略 の形 成 過 程 を見 てみ よ う。 問屋 は あ る程 度 ま とま っ た 量 で しか小 売 業 に卸 さな い。 と ころ が 、 この よ うな 卸売 の慣行 で は、店舗 規 模 か ら して販 売 量 に 限界 が あ る コン ビニ エ ンス ・ス トア に とっ て 、売 れ 行 きがそれ ほ どよ くない 商 品 の場 合 、過 剰 在庫 を抱 え や す い。 そ して 、 この在 庫 問題 を解 消す るた め に は、 ど う して も小 ロ ッ ト ・多 頻度 発 注 の事 業仕 組 みが 必 要 で あ る。 しか し、 当 時 の 問屋 の慣 行 か らすれ ば、 この よ う な注 文 には応 じて くれ な か った。 そ こで着 目 したの が 、 い わ ゆ る ドミナ ン ト型 の 出 店 戦 略 で 、一 店舗 で は な く、近 隣の複 数 の 店舗 を束 に して 発 注 すれ ば、 それ ぞれ の 店舗 には少 量 ず つ 卸 して も、全 体 的 に は ま とま った 量 で問屋 に発 注 で き るよ うに な り、過 剰 在 庫 の解 決 や物 流 の大 幅 な効 率化 を も図 る こ とが で きた。 この ケー ス は 、 オペ レー シ ョン上で の 問題 が新 たな戦略 的 な代 替案 を生み 出 し、戦 略 とオペ レー シ ョ ンの ギ ャ ップ を、 フ ィー ドバ ック ・プ ロセ ス を通 じて乗 り越 えた端 的 な例 で あ る。
第3に 、 プ ロセ ス として のマ ネ ジ メ ン ト ・シス テ ムで あ る。 企 業 に とって の競 争 優 位 は、 ポ ジ シ ョン の構 築 や リ ソー ス の獲 得 とい うス トック か ら生 まれ るの で はな く、 それ を実行 す る プ ロセ スか ら生 まれ 、具 現 化 され る。 つ ま り、競 争優 位 は、何 を持 っ て い る とか(RBV)、 あ るい は ど こで戦 うか(ポ ジ シ ョニ ン グ)に よっ て 具 現 化 され るの で はな く、 それ ぞれ の条 件 で いか に戦 うか に よ って 具現 化 され る。
関町 氏 は 、戦 略 策 定 の完 了 は終 わ りで は な く、始 ま りと指 摘 して い る。 そ して 、 戦 略 の 質 が 同 じな ら優 れ た実 行 計 画 と実行 の あ る方 が 当然成 果 を挙 げ、戦 略 の質 が 劣 っ て も実 行 計 画 や 実 行 が優 れ て い る方 が 成 果 を上 げ る場 合 が あ る とい う33。この よ うに プ ロセ ス か ら競 争優 位 が具現 化 され る とい う考 え方 の背 景 には 、実 は戦 略 と い う政 策 の問題 も さ る こ となが ら、実行 上 の不 確 実 性 や 臨機 応 変 的 な対 応 な ど、状 況適 合 的 なオ ペ レー シ ョンの修 正 が 、企 業 間 競争 を左 右 す る場 合 が 多い か らで あ る。
しか し、前 述 した よ うに、 ポ ジシ ョニ ン グやRBVで は、オ ペ レー シ ョン とい うの は 、 戦略 に厳格 に規 定 され 、制 約 され た機 能 と して しか位 置 づ け られ て い ない機 械 的結
33同 上 論 文
。
合 を前 提 と して い る。 とこ ろが 、戦 略 次 元 の創 造 とそ こでの オペ レー シ ョンは 、マ ネ ジ メ ン ト自体 を外 部 刺激 一→反 応 → 結果 、 そ して フォー ドバ ック とい う循 環 的 シ ス テ ム と して とらえて い るた め、柔軟 なオペ レー シ ョン、 オー プ ンな シス テ ム と して 、 不確 実性 や 臨機 応 変 的 な事 象 に素 早 く反 応 で き る体 質 が必 要 と され る。 ま た 、 シ ス テ ムは 、 それ 自体 がス トッ クで は な く、 フ ロー と して のマ ネ ジ メ ン ト体 制 を意 味 す る もの で あ る。
この よ うに、戦略策 定 の循環 性 、外 部刺 激 に対 して素 早 い対応 を可能 とす る フ ィー ドバ ック とプ ロセ ス と して のマ ネ ジ メ ン ト ・シ ステ ム は、 フ ィー ドバ ック に よ りも た ら され た情 報 や 知識 の循 環 性 を通 じて 、戦 略 や オ ペ レー シ ョン の修 正 や 強 化 を可 能 とす るた め 、一 度獲 得 した競 争優 位 が 、一 層 長 期 的 に持 続 す る こ とを手 助 けす る
重要 な機 能 を果 た して い る と考 え られ るの で あ る。
それ で は 、持 続 的 な競 争 優位 の実現 を可 能 とす る有 効 なマ ネ ジ メ ン ト ・シス テ ム とは何 か につ い て 、 マネ ジ メ ン ト ・シ ステ ムの 設 計 にお け る要 件 を 中心 に整 理 して お きた い。
1つ 目は 、マ ネ ジメ ン ト ・シス テ ム のオ ー プ ン性 で あ る。 外 部 の刺 激 に対 して素 早 く反 応 し、そ れ を社 内 の処 理 プ ロセ ス を通 じて 、有 効 な ア ウ トプ ッ トと して変 換
で き る能 力 が必 要 で あ る。
2つ 目は 、内部 の処理 プ ロセ スが有 効 で 円滑 に働 くた めに は、部 門 間の相 互 作 用 、 横 断 的 な コ ミュニ ケー シ ョン ・シス テ ムが 恒 常化 され 、実 質 的 に機 能 して い な けれ
ば な らない 。
3つ 目は 、組 織 デ ザ イ ンにお い て 、外 部 か らの 刺激 に対 して 、 そ の 情報 が ライ ン お よび 横 断 的 な コ ミュ ニ ケ ー シ ョン ・シス テ ム の 中 に 、歪 曲 され る こ とな く伝 達 され 、議 題 化 で き る よ うに組 織 が デ ザイ ン され な けれ ば な らない。
4つ 目は 、実 行 の結 果 で あ るア ウ トプ ッ トに対 して 、実 際 の 目標 との ギ ャ ップ が バイ ア ス な しに社 内 に フ ィー ドバ ック され 、 さ らにそれ を再 処 理 で き る内部 処 理 の プ ロセ ス が整 備 され て い な けれ ばな らな い。
5つ 目は 、 これ らの プ ロセ ス を通 じて 、戦 略 策 定 部 門 ま で を動 かせ る柔 軟 な組 織 構 造や 、意 思決 定 の仕 組 み が で きて い る こ とな どで あ る。
4戦 略次 元の 創 造 にお ける循 環 的 マネ ジ メ ン ト ・システ ムの フ ロー
以上 の議 論 に基 づ き、戦 略 次 元 の創 造 にお け る循 環 的 マネ ジ メ ン ト ・シス テ ム の フ ロー につ い て考 察 して み る。
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