神奈川大学大学院経営学研究科 『研究年報』第8号 2004年3月 87
■ 修士論文要 旨
中国企業競争優位維持戦略の事例研究
CaseStudytoCompetitiveStrategyAdvantageRetentionofChineseCo叩Orations
神奈川大学大学院 経営学研究科 国際経営専攻 博士前期課程
李 鉄 男
YinanLee
1キーワー ド
中国流通業 、競争優位、競争戦略、差別化、集 中管理 、チェーンオペ レーシ ョン、中国国有企業 、当 代商城、‑強四新、経営情報 システム、百貨連鎖公司、経営革新
国有企業 (国営企業)の問題 は中国の改革 にとっ て、 もっとも大 きな難関である。新規企業、個人 企業 、外資系企業 などの企業 と比べ ると、競争力 は きわめて低 く、国営企業 自体がいろいろな改革 を しなければならない現状である。生産規模 は小 さく,経営効率が低 い。た とえば中国では2000ぐ らいの自動車生産工場 があって、軍関係の自動車 工場 も含めれば3000ぐらいの工場がある。
しか し年間生産台数 は前回全体の2%に しか過 ぎない。90年代では中国国内で もっとも実力があ る自動車業の
「 ‑
汽」 と 「二汽」で も年間20‑30 万台 しか生産で きなかった。中国国有企業の生産 効率 も非常に悪い とい うの も現状である。長 い間 中国では企業 に対す る評価の手法 として、投資 と 関係 な く、売上 あるいは産出 しか評価 しない手法 で評価 を して きた。 このよ うな中で、国の膨大 な 資金 は失われつつ ある。中国の人々は国有企業 に対 して、非効率的なイ メージをもっている。国有資産の使用率 をいかに
高めるかは、企業の経営者 たちを悩 ませている問 題である。
だが、中国では、い くつ かの国有企業 は 目の前 の危機 を意識 し、改革 を し始 めた。国有企業 の優 位 を利用 して市場での競争優位 を確保 した企業 を 研究す るために北京 と上海 の二つの小売業企業 を 実際 に訪問調査 をおこない、事例 を通 した研究 を 行 うことによって競争戦略への中国企業の取 り組 みに関す る問題点 と中国企業の可能性 、将来 を展 望す るのが本論文の趣 旨である。
まず、中国国有小売企業の内部管理 システム改 革の一つの典型例 と して当代商域の改革 を一章 に 記 した。実務的な側面 を含め、情報 システムをは じめ とす る管理 システム、経営 システムを整理 し、
国有企業 の効率化 を検証 した。次 に、上海B股集 団有限公司の改革事例 につ いて記 した。B集団の 紹介 か らは じめ、経営革新 、経営改革の内容 を検 討 した。従業員の認識 やバ イヤー育成 の リスク、
内部の機能分担による問題 、情報 システム構築 を
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は じめ とす るものである。そ うした経営改革の具 体的な内容 を紹介 し、そ して、経営改革の背景 に ついて検証 した。
中国企業の経営改革 は多 くの困難 に直面 し、将 来 に対す る不透 明 さも有 してい るが、果断に改革 を行 な うことは有益 なことである。たとえば事例 のよ うな改革 が成功 を収めるな らば、それは中国 国有企業 も競争優位 に立 ち得 るとい うことである。
そのような動 き一即 ち経営改革‑ を広 げてい く展 開の本格化 とともに中国国有企業の経営活動 は新 たな段階 に入 ってい くことが展望 で きよう。