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弾性波検層法によるフラクチャー開口幅の評価手法 に関する研究

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

弾性波検層法によるフラクチャー開口幅の評価手法 に関する研究

菊地, 恒夫

https://doi.org/10.11501/3123161

出版情報:Kyushu University, 1996, 博士(工学), 論文博士 バージョン:

権利関係:

(2)

物 理 探 査 第 43巻 第 l349

BUTSURI ANSA  Vol. 43  No. 1 (1990 p34 49 

音 波 検 層 波 形 シ ミ ュ レ ー ションによる フ ラ グ チ ャ ー 開 口 幅 の 推 定 *

菊 地 恒 夫 料

Estimation of Fracture Aperture using Synthetic Acoustic Log‑By Tsuneo KIKUCHI 

Recently it  has been recognized that fractures are not only conduits of the hot water but a1so reservoirs  themselves

The f1wave acoustic log is  one of the most useful methods to  detect fractures in  the borehole  CPAlLLET, 1980), but more studies are required to understand the propagation of the acoustic waves around  fractures. Therefore, the simulation of the acoustic log, in case where a horizontal fracture intersects auid

filled borehole, was carried out to answer the following two questions.  1.  What is  the state ofewave propagation around the fracture ? 

2.  Is it  possible to estimate the fracture apeurefrom the amplitude of waves crossing the fracture ?  The finite difference method proposed by STEPHEN (1985is used to solve wave equations, by taking in to acount of boundary conditions between the borehole, the fracture water and formation. 

Horizonta1 and vertica1 displacements in the ca1culation area and pressure waves on the hole axis con verted by the displacements are obtained by the simulationAs the result, it  iclarified that the attenuation  of the Stonely wave crossing the fracture is  proportional to the fracture apertureThe relationship between 

efracture aperture and the Stoneley wave energy crossing the fracture is  expressed in the function eA W

Here isefracture aperture, A is  the constant. 

1 . は じ め に

近年,地熱開発において, フラクチャーの重要性がま

が求められてし、る (Burnsea .l 1988;  Cheng et  al.,  1987; Cheng and Toksoz, 1981Paillet, 1980)

このように弾性波を用レてフラクチャーを検出する手 すます深く認識されつつある。フラクチャーは熱水の通 法 の 研 究 は 進 ん で い る 。 し か し フ ラ ク チ ャーの関口幅 路のみならず,熱水匹胎の場ともなるからである。フラ や,透水係数と言った物性値を求める研究は,実験的l

クチャーを検出する手法として,種々の方法が考えられ るが,坑井内におけるもとして,音波検層は最も有効な ものの lつである。最近では,音波波形をすべて記録す るfullwaveform sonic logが実施されるようになり, P初 動の解析 の み な ら ずS波 やStoneley波の解析 か

ら フ ラ グ チ ャ ー を 検 出 し た り , 地 層 のbulkの 透 水 係 数 198994日原稿受付, 199028日受理

* 第79回(昭和63年度私季)学術講棋会にて一部を発表 村地質調査所

はいくつかの例があるが (Poeter1987Zlatev  et  al..  1988,十分とは言えない。

また,数値計算手法を用 L、た例として, Bouchon and  Schmitt  (1989)は坑径が不規則に変化する場合の音革 検層の理論波形を求めている。さらにStephen  et  al

(1985)は,泥水のインページョンソーンがない場合と あ る 場 合 , 坑 壁 にwashoutが あ る 場 合 お よ びぷ平フ

クチャーが存在する場合などについて,坑井内外の波動 方程式を差分法によりき 弾性波 の 伝播状況を求めて

音波検層波形シミ ュレーションによるフラクチャー開υ幅の推定 菊地恒夫 35  いる。ただフラクチャーにつレては,開口幅10cmのl を 波動方 程 式 (付録A参 照 ) を 差 分 法 で解いて求めた。

例のみである。 モ デ ル の 大 き さ はrに1.0m, z向に3.0mであ そこでStephenet  al.  (1985)の計算手法に基づいて る。坑井の半径は0.1mとした。坑内水の弾性波速度は プログラムを作成し,フラクチャーの開口幅を種々変え 1830 m/s,密度は1200kg/m3とした。 地層のP波およ た場合に,弾性波の伝播状況からフラクチャーの開口 びS波 の 速 度 は各々4570m/s, 2740 m/sと し , 密 度 幅を定量的に推定 す る こ と が 可能かどうかを検討した。2300kg/m3とした。以上のノミラメータをまとめて

このプロクグ,ラムは'均一な固体媒質中に液体で れた円筒状の坑井があり'その坑井を水平なフラクチャ

ーが横切っている場合に,水中および固体媒 質中の波 2.2  差 分 計算について

方程式およびその境界条件 を 差 分化し,解を求めるもの 使 用 し た 座標系は,点 振 源 の 位 置 を 原 点Oとする円 である。 筒座 表 系 で ある。z軸は 坑軸と一致させ 深 度 方向を正

2. 方 法 とした。変位は領 域の上側はr軸に関して対称とした。

差 分 は上述 の領 域 を0.01mの格子 に 分 け, 時間ステ ップ110secとして2000ス テ ッ プ210 sec  まで計算した。 境 界および坑壁では,前方および後方差 分を一部用いたが,それ以外は中央 差 分 を 使用した。

今回の差分計算では,原 点 ( 点 振 源)は 特異点となる ので,特別な取り扱いが必要である。その取り扱いとしAltermanand  Karal (1968)に従い,原点を取り囲 むような徴少な領 域を考え,その領 域の内外で点振源に 2モデルについて

今回の報告では, Fig.l に示したようなモデルを想定 し計算を行った CStephenet a .l1985)

すなわち,鉛直で水に満たされた坑井が,坑軸に関し て対称な一様媒質に取り囲まれていて,坑軸上の任意の 点 に 点 振 源 が 存 在 す る 。 こ の 点 振 源 か ら 発 生 し た 波 動 が,坑井内および周聞の媒質を 伝播 する。その伝播状況

fluid fi 11 ed  bo re hole 

4

solid 

fractu re  E 0. mv

マー‑  

C

0.1 

0.9m  z 

Fig.1  Schematic diagram of model. 

Length is 3.0 m and width is 1.mRadius of fl.uid.filled borehole is 0.1 m. Pressure source is located at origin O.  Distance from source to  lower surface of fracture is  fixed to  0.m. Fracture extends 0.7 m into form~tion.

Calculation is  done in cases of no fracture, 0.02 m, 0.04 m, 0.06 m, 0.08 m and 0.1 m fracture aperture, respec tively. Other pametersare listed in  Table 1. Symbols X indicate locations where pressure responses are  calculated from horizontal and vertical displacements. Interval of X is 0.1 m 

(3)

37 j{fi)

̲  . .

  47L  F ̲ . .  

ρcoo d  T

¥  ,."¥  ・ . 。 、

ダ 守

・ ¥

1

・ ¥ ̲ r   ¥ 

̲r  ¥ ¥ 

J ‑ a E P  

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‑ = .  

..1 

.6. ・ . 。

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a a ‑ ‑ ' . E E ̲...c

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・ ・ ・ ・ ・ ・ ・千 四 国 ・ . . . . . . . . . . 理 坦 ? … … γ

n'd主検問波形シiュレー・/ヨンによるフ JクチぃーImlJ帽の惟4

, l 43ff

月.

Parameters of finite difference calculations. 

Parameter  wave velocity (formation wave veJocity (water wave velocity (formation Density  formation 

Density (water Borehole radius  Grid interval  Time step 

Value  4570 m s  1830 m I2740 m s  2300 kg/m 1200 kg m 0.1 m  0.01 m  10 

36  Table 1 

0.1  0.05 

Time(msec) 

0.41 

̲

.

<

1.2m 

, 

0.37 

1.0 m 

.

‑ ‑ .

0.33  Time(msec) 

J0.8m 

0.29 

t : 

P arrival  calculated 

by ray theory  0.25 

Fig. 3 CaJculated waveforms around P wave first arrivalin case of NF model 

0.8, 1.and 1.m ardistance from source to points wherwaveform are calculated. Black arrows are P first  arrivalcalcuJated by ray theory. 

ts・タイムシフトパラメータ (s),  R= (r2Z2)12(m

また, t震源の波形を圧力で友すと次のように長される。

(4) 

ρ(r, z, t) = Ag" (tR/α)/4πα2  u(r, z, t)(r/R)(‑A) [g(t‑R/a)/R2 

+g'(t‑RαRαJ

4πρa

(a) 

2.5  点振源について

点 振 源 と し て(2)お よ び(3)式 て 長 さ れ る も の を 仮 定 した (Stephenet a .,l1985, Kel1et a1., 1976)

ここで

u:水平変位 (m)l再変位 (m)7・r}j向の距 (m) z : z万向の距 離 (m), t :時間 (s), 

A:単位定数 (kg'm2/s),  g(t) =2cTexp(‑c1'2),  g'(tl=‑2と(1ー2c1'2)exp(

T=t‑ts, 

ソースパルスの卓越周波数を決めるノ:ラメータ (l S2)  , 

Fig.2(a)に.(4)式より求めた原点における正jJ波形,

Fig.2(b)に そ の フ ー リ エ 振 幅 ス ベ ク ト ル 乞 ポ し た 。 JP

同 は , フ ー リ エ ス ベ ク ト ん の 中 心 周 波 数 が 約15kHzと なるように, c=14.8 108(1/S2) と し た 。 こ の 理由と して 青i度検層てーはこの周波数 帯がよく使用されるから である。またん=0.089410 3(S)とした。

(2) 

(3

3.差分 計 算 結 果 の 事 前評価 について

差分法による偏微分万群式の解法では.i皮動速度に対 して,不適当な時間ステッフや絡子間隔を選択すると,

不安定現象会起こす。

そこで・時間ステッブの{直や, PSi度および地 層 密

度ーなどを挿奇変えてムて,結果が安定していることを確 認した。

ま た , 得 ら れ たP波 初 動 が 波 線 理 論 か ら 求 め たP

2= 41  3. 

2.3 7ラクチャーについ

フラク手ャ-~工, Fig.lにぷしたように.r軸からフ ラ ク チ 十 一 ド 面 ま で の 距 離 が0.9mで, 奥行 き を0.7 mの 水 平 フ ヲ ク ヂ ャ ー と し た 。 そ し て,そ の 開rJ幅 を 0.02 m, 0.04 m, 0.06 m, 0.08 mおよひ0.1m5通り に変えて計n~fJ った。この際. フラクチヤード面の深 度!主聞定した。また,比較のためにフラクチ十ーが存在 しないモデルもu十算した。今後,フラクチ十ーが存自:し ないモデルをNFモデル.フラクチャーが仔千五するモデ ノしでは,その開11幅をcm単位で長した数子:を先頭につ (ナ,例えは関口幅0.02mの モ デ ル で あ れ,;J:.2FモデノL

と称する。

[1幅をこのような大きさに仮定したのは, GF 2

)

1二 の ホ ア ・ ホ ー ル テ レ ヒ ュ ア ー 倹 府n己録(街地ほか,

1987)に お い て , 数cm程 度の 水 平 フ ラ ク チ ャ ー が 多 く 見られたためである。

ω(Z,t) = (z/R) (‑A[g(tRα) Rg'(tR/α)/RαJ/4πρα2

50  25 

Frequency(kHz) 

(Pressure source waveform  and (bits  Fourier spectrum. 

起肉する変{立と.坑時からの反射などの原閃による変位 を.再々独,'r..に;,j算L.l:EL合わせた。

このようにして,原点における変位を計算する代わり に,微小領域ての変位を求めた。

また,右および下側の境界は.Clayton and Engquist  1977), Emerman and Stephen (1983), Fuyuki  and  Matsumoto (1980  およびReynolds(1978)L、わ中

absorbingboundaryを 係 用 し , 境 界か ら の 反 射 を抑 えた (Stephenet a, .l1983, 1985)

(b) 

Fig.2 

を点す。

変(立とJ.fjJの 関 係 は 以 下 の よ う に な る (Stephen et  a .,11985)

cT2), 

(1) 

?官度 t=a2div 

ここで¥

T : JE (Pa)α:水中のP波 速 度 (m/s)ρ (kg/m3) u:変 位 (m)である。

2.4 変位から力 へ の 変換について

今回(主,音波検憎のンミュレーシゴンなのて¥差分計 算から得られた各グリッドの水平およひ鉛l貞変位のうち,

z(r=O)上 の 変{立を圧力lこ変換して,その後の解析 を 行 っ た 。 今 後 , 特 に 断 わ ら な い 限 [ 久 保 ! 主x.xmの 波形とは, z軸 上の原点からx.x mド側の点のJE力記録

(4)

3 物 理 探 査 第 43巻 第 l号 音波検層 波 形γミ ュ レ ー シ ョ ン にる フ ラ ク チ ャ ーυ幅の推定 菊地恒夫 39 

ω  1

+l  ω 

7

:

l ω 

1

刊 し J~しい

‑0→.一5 一一一一

‑ 1 .

l

a

一 一 一 1.5  2↓ 0  (a) 

。 。

0. (c)  T1m巴(引sec)

。 コ

11

~

~V ~--~-一一 '-"""-~V""---"" '01  ふ」

ω 

ω 

ωL 

( d )  

0.0  0.5 

Tim巴(ms巴c)

1.5  2.0 

0.5  ~ .0  fl引巴 (msec)

?O 

︑ ︑

E︐ ︐

k υ  

Fig.4  Pressure responses calculated at various source receiver offset. 

(ashows no fracture model, (bshows result of model which there is 0.02 m wide fracture 0.88 m below  source. (cshows 0.06 wide fracture model and (d0.1 m wide fracture model, respectively. Horizontal axis 

IS time in msec and vertical axis is  distance from sourceIn figure of fracture model, fracturposition and its  aperture is  shown at right side of figure. PseudoRayleigh and Stoneley wave are included in section between  hollotriangles. Dashed portions are P wave section where Fourier transform is  performed. Solid circles In dicate reftections from fracture

参照

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