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Academic year: 2021

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論文内容要旨

Prediction of fetal growth restriction by analyzing the messenger

RNAs of angiogenic factor in the plasma of pregnant women

(母体血漿中 Flt-1

遺伝子発現量を用いた

FGR

発症予知の検討)

Reproductive Science

22

2015 Jun;22(6):743-9

外科系 産婦人科学専攻 竹中 慎

胎児発育不全(以下

FGR)は児の予後に重大な影響を及ぼす可能性の

ある疾患であるが、妊娠の早期に

FGR

の発症予知ができれば、適切な周 産期管理が可能になり、周産期予後の改善につながる可能性がある。しか し、これまでに妊娠早期の発症予知マーカーについての報告はない。

FGR

の主な原因の一つに胎盤機能不全があり、胎盤機能は妊娠初期に完成する。

FGR

は妊娠中期から後期に診断されることが多いが、仮に妊娠初期の胎 盤形成期に、その病態変化を捉えることができれば、妊娠初期に

FGR

予 知ができると推測される。我々は妊娠高血圧症候群において妊娠初期の母

体血漿中

Flt-1 mRNA

発現量が予知マーカーとなることを報告している

が、今回、同マーカーが

FGR

発症前にも利用できるかについて検討した。

2011-12

年に出生し妊娠高血圧症候群の合併がなく、出生体重が

-2.0S.D

以下であった

FGR11

(FGR

)

と、児の性別、経産数、分娩週数を

1:8

でマッチさせた正常コントロール

88

例(CT群)を対象とした。全ての症例 において母体血漿を妊娠初期(

8-14

週)、中期(

22-26

週)、後期(

32-38

週)に採取した。母体血漿中から

mRNA

を抽出し、TaqMan RT-PCR法

Flt-1

発現を定量して縦断的コホート解析を行った。ロジスティックモ

デルを用いて

ROC

カーブを作成し、採血時期ごとの

ROC

カーブから検 出率を算出し

FGR

発症予知効率を検討した。本研究は倫理委員会の承認 の下、妊婦の同意を得て行った。

妊娠中期までに経腹超音波検査にて

EFW

が-1.5SD以下で

FGR

と診断 された症例は無かった。

FGR

群は

CT

群に比して胎盤重量は小さかった。

Flt-1

発現量は第

1

三半期以降、全期に渡り

FGR

群で高値を示した(p<

0.05)

10

%偽陰性率水準での

FGR

の検出率および

AUC

は、妊娠初期

(2)

30%; 0.73、中期 50%; 0.77、後期 50%; 0.88

であり、妊娠の後期ほど発 症予知精度は上昇した。超音波での

FGR

診断前にあたる妊娠初期と中期 を組み合わせた場合の検出率は

60%、AUC

0.79

であった。

1

三半期からすべての時期において

FGR

を発症する群の母体血漿中

Flt-1

遺伝子発現量はコントロール群に比して高値を示し、

FGR

発症前

の妊娠初期、中期の母体血漿中

Flt-1

遺伝子発現量は

FGR

発症予知マー カーとなることが示された。胎盤形成期の血管新生関連因子が妊娠高血圧 症候群のみではなく胎児発育不全の病態形成においても重要な役割を果 たしていることが示唆された。

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