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空港舗装巡回等点検システムの開発

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Academic year: 2022

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空港舗装巡回等点検システムの開発

国土交通省国土技術政策総合研究所 伊豆 太 同 藤 隼人

(財)港湾空港建設技術サービスセンター 幸田 毅彦 同 フェロー会員 八谷 好高

1.はじめに

空港舗装には,設計対象たる航空機の荷重が大きい,高速走行すること等により高い走行安全性能が求めら れる.供用開始後の航空機荷重ならびに自然環境の作用により劣化,破損が生ずること,それによる性能の低 下は避けられないことから,国土交通大臣の管理空港については,性能を保持するため「空港土木施設管理規 定」に基づき管理を行っている.しかし,空港舗装はその面積が広大であることから,特にこの業務の前段部 分をなす点検作業における破損(異常)の特定,記録は容易ではない.このような空港舗装の点検作業の効率 化ならびに高度化を図ることを目的として,今回空港舗装巡回等点検システムを開発したので,その概要につ いて報告する.

2.空港舗装巡回等点検システムの概要

空港舗装の点検方法は,現状では,異常箇所の把握→異 常の評価・処置→平面図(紙)・野帳への記録・写真撮影

→点検図・記録簿の作成・写真整理という紙ベースによる 一連の処理の流れになっている.これに対して,今回開発 したシステムはモバイル PC と DGPS (Differential Global Positioning System)を用いたPC ベースによるものであり,

大きく異なっている.その構成は次のようなものである

(図-1 はこのシステムを用いた空港舗装の点検の実施状 況).

 モバイルPC:全天候型,携帯性と耐久性に優れる,タ

ッチペンで操作が可能,昼夜問わず画面が鮮明

 DGPS:比較的高精度,経済的と携帯性に優れる

このシステムによる巡回点検の流れを図-2に示す.

3.空港舗装巡回等点検システムの内容

今回開発した空港舗装巡回等点検システムの内容は次 のようにまとめられる.

 異常箇所位置の把握・登録

従来,異常箇所の位置の把握は,舗装に埋め込まれてい る滑走路中心線灯等からの距離を巻尺で計測するなどに より,平面図や野帳に記録し,実施してきた.これに対し て,今回開発したシステムは,DGPS と連携することによ り,現在位置をPC 画面上に表示させるとともに,簡単な ボタン操作により,異常箇所の座標と施設名称,異常の種 類,規模が登録可能になっている.また,運輸多目的衛星 キーワード 空港舗装,破損(異常),点検,モバイルPC

連絡先 100-0013 千代田区霞が関3丁目31号 (財)港湾空港建設技術サービスセンター TEL 03-3503-2801 図-2 システムによる巡回点検の流れ 図-1 システムを用いた空港舗装巡回点検の状況 土木学会第65回年次学術講演会(平成22年9月)

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Ⅴ‑009

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用衛星航法補強システム(MSAS)からの GPS 補強情報を受信し,3回測定した平均値を用い ることによって,異常箇所の座標の誤差をほ ぼ1m以内に収めることが可能になっている.

異常箇所の範囲は,「ポイント」,「ライン」,

「エリア」として登録可能である(それぞれ,

座標として,1点,2点,4点を入力する).

 異常の評価・処置

異常の形態と規模を入力すると,その評価 と取るべき処置が自動的に示される,異常の 評価,処置の判断に対する支援機能を付加し ている.この機能は,過去の補修事例ならび に点検に精通した空港技術者の経験等に基づ いて構築したものであり,この機能を使用す ることにより経験の浅い点検者でも異常に対 して適切に対応することが可能となるととも に,点検者間の判断の違いをより少なくする ことが可能となる.図-3 はアスファルト舗装 のひび割れを対象にした異常の評価・処置方 法である.

このシステムにおいては,舗装の異常とし て評価・処置の判定が可能なものはアスファ ルト舗装,コンクリート舗装のそれぞれで,

10種類,12種類となっている.表-1にアスフ ァルト舗装の場合を示している.

 PC図面の管理

地理情報システム (GIS)を活用して,空港基本図,施設名称図,路面性状調査ユニット図,点検経路,過去 の点検履歴等をそれぞれ別の画層で管理しているため,これらの画面上への表示・非表示が任意に選択できる.

これらは言うまでもなく,現地において閲覧可能である.

 点検記録簿の作成

点検記録簿は,現在空港土木施設管理業務記録作成要領に基づいて紙ベースで整理されているが,帳票を半 自動で作成する支援機能を有している.

4.空港への適用状況

今回開発した空港舗装巡回等点検システムは,いくつかの空港における試行,現地検証を経て,国土交通大 臣が管理している空港(施設)に順次導入される予定となっている.

5.まとめ

空港舗装の破損(異常)の,位置の特定,記録,評価・措置の判断といった一連の点検作業の効率化ならび に高度化を図ることを目的として,空港舗装巡回等点検システムを開発した.今後このシステムを現地で実際 に使用し,その結果を踏まえ,使い勝手の向上,機能の高度化等に向けた改良を図って参りたい.平成21年 度は,ナビゲーション機能,過去記録した異常への追従機能,点検帳票への写真選択自動貼付機能,画面表示 機能等の追加・改良を行った.今後もユーザーの要望等を踏まえ所用の機能の追加・改良を重ね,システムの 完成度を高め,多くの空港への導入を図って参りたい.

図-3 アスファルト舗装のひび割れの評価・処置方法

表-1 アスファルト舗装の異常の種類と指標 異常の種類 異常の指標

異物 異物

油汚れ 油汚れ

ゴム付着 ゴム付着

標識の異常 マーキングの不鮮明 表面の異常

マーキングのめくれ,きず,

ブリージング・フラッシュ,

ブリスタリング

グルービングの異常 グルービングの角欠け・つぶれ 崩壊 ポットホール・剥離

摩耗 ラベリング・ポリッシング 変形 わだち掘れ,コルゲーション,

くぼみ,タイヤ痕 ひび割れ ひび割れ

土木学会第65回年次学術講演会(平成22年9月)

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参照

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