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アスファルト舗装の耐水性に関する評価方法の検討

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Academic year: 2022

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全文

(1)

表-2 水浸マーシャル安定度試験の方法・条件 表-1 耐水性評価試験に使用した粗骨材

表-3 修正ロットマン試験の方法・条件

図-1 バインダの種類と剥離面積率

キーワード:耐水性評価,ポリマー改質アスファルト,剥離面積率,残留安定度,圧裂強度比

連絡先:〒182-0036 東京都調布市飛田給2-19-1 鹿島道路㈱技術研究所 TEL:042-483-0541,FAX:042-487-8796

17

0 0

57

46

0 0 10 20 30 40 50 60 70 80

St.As60/80 改質Ⅲ型 改質Ⅲ型-W

バインダの種類

離面積率(%) 粗骨材A(硬質砂岩)粗骨材B(石英斑岩)

アスファルト舗装の耐水性に関する評価方法の検討

鹿島道路 技術研究所 正会員 ○西島 克治,岡部 俊幸 独立行政法人 土木研究所 正会員 寺田 剛 ,久保 和幸

1.はじめに

加熱アスファルト混合物の耐水性の評価として,水浸マーシャル安定度試験による残留安定度や水浸ホイールトラッ キング試験による剥離率の測定が行われている.しかし,ポリマー改質アスファルトにおいては,その差が明確にあら われない.そこで本報では,ポリマー改質アスファルトを用いた加熱アスファルト混合物の耐水性評価方法の提案を目 的に,剥離しやすい粗骨材を使用した剥離抵抗性試験,高温水浸養生による水浸マーシャル安定度試験および修正ロッ トマン試験により検討を行ったので,その結果について報告する.なお、本検討は,(独)土木研究所と(社)日本道路 建設業協会および(社)日本改質アスファルト協会との共同研究「舗装及び舗装用バインダの性能評価法に関する共同 研究」の一環で実施したものである.

2.耐水性評価試験の概要

耐水性評価試験には,研究用に試作したストレートアスフ ァルト

60/80(以下,St.As60/80

と称す),ポリマー改質アス ファルトⅢ型(以下,改質Ⅲ型と称す)およびポリマー改質 アスファルトⅢ型-W(以下,改質Ⅲ型-Wと称す)を用いた.

2-1 粗骨材の剥離抵抗性試験

耐水性に優れたバインダの効果確認のために,表-1 に示す 剥離面積率の異なる

2

種類の粗骨材

A

および

B

を使用し,バ インダの違いによる剥離面積率を確認した.剥離面積率の測定 は,「舗装調査・試験法便覧

A017

」に従って実施した.

2-2 水浸マーシャル安定度試験

水浸マーシャル安定度試験を密粒度アスファルト混合物

(13)(粗骨材 A

使用)で実施し,水浸温度を

60,70,80℃と変

化させることにより,バインダの違いによる残留安定度を確認 した.残留安定度の測定は,「舗装調査・試験法便覧

B001

」 に従って実施し,試験方法および条件について表-2に示す.

2-3 修正ロットマン試験

修正ロットマン試験1)は一種の圧裂試験であり,標準供試 体と,強制的に浸水させ剥離を促進させた水浸供試体の圧裂 強度の比で剥離抵抗性を評価するものであり,密粒度アスフ ァルト混合物

(13)

(粗骨材

A

使用)で実施した.修正ロットマ ン試験の方法および条件を表-3に示す.

3.試験結果

3-1 粗骨材の剥離抵抗性試験の結果

剥離面積率測定結果を図-1に示す.

St.As60/80

では,粗骨材

A

17%

,粗骨材

B

57%

であり,剥離抵抗性が異なる.

粗骨材 岩質 見かけ密度

(g/cm3)

吸水率 (%)

A 硬質砂岩 2.689 0.76

B 石英斑岩 2.737 0.73

試験項目 試験方法 試験条件 水 浸 マ ー シ ャ

ル安定度試験

舗装調査・

試験法便覧

(B001)

・水浸時間:48時間

・養生温度:60℃,70℃,80℃

試験項目 試験方法 試験条件

修 正 ロ ッ ト マ ン試験

AASHTO T 283

・空隙率: 7±1%

・水浸条件

標準供試体:25℃,20 水浸供試体:60℃,24時間

25℃,1時間 土木学会第66回年次学術講演会(平成23年度)

‑737‑

Ⅴ‑369

(2)

【参考文献】

1)

東,篠塚,坂本,金井:アスファルト混合物の剥離抵抗性評価方法に関する研究,道路建設,pp.32-38,2004.1 2) Transportation Research Record 1454; Field and Laboratory Investigation of Stripping in Asphalt Pavements: State of the Art

Report

図-2 各試験温度と安定度 0

5 10 15 20

50 60 70 80 90

試験温度(℃)

安定度(kN)

StAs60/80 改質Ⅲ型 改質Ⅲ型-W

40 50 60 70 80 90 100

50 60 70 80 90

試験温度(℃)

留安定度(%)

StAs60/80 改質Ⅲ型 改質Ⅲ型-W 規準値 75以上

図-3 各試験温度と残留安定度

図-4 修正ロットマン試験の結果(圧裂強度比)

0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

空隙率(%)

圧裂強度

改質Ⅲ型 改質Ⅲ型-W

危険領域

剥離面積率が小さい粗骨材

A

においては,改質Ⅲ型と改質

Ⅲ型-Wは剥離面積率

0%と差異は認められない.剥離面積率の

大きい粗骨材

B

においては,改質Ⅲ型

:46%

,改質Ⅲ型

-W:0%

で あり,耐水性に優れたバインダの効果が認められた.

3-2 水浸マーシャル安定度試験の結果

標準安定度と残留安定度の試験結果を図-2,3 に示す.標準 安定度は,試験温度が高くなるほど強度低下し,改質Ⅲ型のバ インダが最も安定度が高いものであった.残留安定度は,試験 温度

60

℃においては,改質Ⅲ型

(89.0%)

St.As60/80(86.3%)

の 差が

2.7%

と小さいが,試験温度を

10

℃上げた

70

℃で行うと両 者の差が

8.6%

となることが確認された.

また,耐水性用の改質Ⅲ型-Wは,一般の改質Ⅲ型よりも残 留安定度が大きく,かつ試験温度が高くなるほど低下する傾向 を示し,その差異が僅かに大きくなることがわかった.

3-3 修正ロットマン試験の結果

修正ロットマン試験の結果について,圧裂強度比と東らが設 定した基準1)との対比を図-4に示す.なお,海外文献2)によ ると,空隙率

7%

の供試体で圧裂強度比が

0.7

以上であれば,

剥離抵抗性に問題がないとされていることおよびこれまでの 実験結果を勘案し,図中の網掛けで示した部分を危険領域(剥 離抵抗性が小さい領域)としている.

4.まとめ

これまでの結果をまとめると以下のとおりである。

①粗骨材の剥離抵抗性試験でバインダの相違を比較する際 は,剥離面積率が大きい粗骨材を使用することにより,耐 水性の評価が可能であると考える.

②水浸マーシャル安定度試験で加熱アスファルト混合物の 耐水性の相違を顕著に表すには,試験温度を高くするこ とが望ましいが,一般の

St.As60/80

との対比を得るため には,試験温度を

70

℃で実施することが望ましい.

③修正ロットマン試験による圧裂強度比(水浸/標準)は,

改質Ⅲ型よりも改質Ⅲ

-W

型の方が大きく,改質Ⅲ型は 危険領域に近いものであった.なお,本試験は評価とし て問題ないが,一部,専用の機器が必要となる.

今後は,データの蓄積による更なる検討を進めるほか,実 路での剥離現象との関係を明らかにすることで,評価基準等 を決定することが望まれる.

土木学会第66回年次学術講演会(平成23年度)

‑738‑

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参照

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