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レール継目板折損時の安全性評価 鉄道総合技術研究所

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Academic year: 2022

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(1)土木学会第67回年次学術講演会(平成24年9月). Ⅵ‑507. レール継目板折損時の安全性評価 鉄道総合技術研究所. 正会員 ○西田 博貴. 鉄道総合技術研究所. 正会員. 片岡 宏夫. 鉄道総合技術研究所. 正会員. 本野 貴志. 1.まえがき レール継目板の折損やき裂を発見した際の列車の運行(抑止,徐行など)に関しては,判断基準に明確な指 標はなく,過去の経験等に頼っているのが実情である.そこで,レール継目板が折損した場合における列車の 走行および部材強度について安全性評価を行ったので報告する. 2.レール継目板損傷時の継目部変形特性 表1 レール継目板の状態. 2.1 レール継目板の状態 レール継目板の状態は表1に示す6パターンが考 えられ,③~⑥の状態にある場合,レール継目板の 交換や,当該箇所の監視といった処置が行われる. 本研究では,試験条件のばらつきや安全側の余裕を 考慮して③を対象とし,③の状態を模擬した試験用. ① ② ③ ④ ⑤ ⑥. レール継目板状態 両側ともに健全 片側が折損までは至っていないがき裂が発生 片側が折損 両側ともに折損までは至っていないがき裂が発生 片側が折損までは至っていないがき裂が発生し、反対側が折損 両側ともに折損. 半軌きょう(以下,「試験軌きょう」という)に対し静的載荷試験を実施した.その際に,軌間内側のレール 継目板が折損した場合(以下,「軌間内折損」という),軌間外側のレール継目板が折損した場合(以下, 「軌 間外折損」という)を設定するとともに,比較として両側とも健全な場合(以下, 「健全」という)について も実施した. 荷重. (まくらぎ押さえ治具取付時). 2.2 静的載荷試験. PC まくらぎ. レール継目板折損時の継目部変形特性を把握するため,まくらぎ 9本分の試験軌きょうを構成し(図1),表2の試験条件のもと, 静的載荷試験を実施した.試験軌きょうは実軌道における敷設状況 を勘案し,支え継ぎ法とした.荷重条件は,輪重を 75kN とし,横. ゴムパッド. 圧 Q と輪重 P の比(以下,「Q/P」という)を Q/P=0,0.5,0.8 と した.測定項目は,レール継目板応力変動,レール頭部左右変位お. A 間隔:503mm B 間隔:638mm C 間隔:909mm. よびレール上下変位とした.レール継目板応力はレール継目板中央 底部側面を測定位置とし(図2),レール継目板が両側ともに健全. 図1 試験軌きょう概要. な条件では両側のレ 表2 試験条件. ール継目板を,片側 のレール継目板折損 を想定した場合は, 健全なレール継目板. 木まくらぎ. ※50kgNレール使用. レール継目板条件 ① 健全 ② 軌間内折損 ③ 軌間外折損. Q/P 0 0.5 0.8. 載荷荷重 載荷角度 (kN) (度) 75 90 83.9 63.2 96 51.4. のみ測定した.. 輪重 (kN) 75 75 75. 横圧 (kN) 0 37.5 60. 測定位置 ※レール継目板 中央. 図2 応力測定位置. 2.3 試験結果 レール継目板が健全な場合と軌間内折損の場合の軌間外側レール継目板,および軌間外折損の場合の軌間内 側レール継目板の応力変動を比較した結果を図3に,継目板条件別のレール左右食違い量を比較した結果を図 4に示す.図3から,軌間内折損の場合のレール継目板応力変動は,輪重のみの場合はレール継目板が健全な キーワード 継目板折損,安全性評価,列車走行 連絡先. 〒185-8540 東京都国分寺市光町 2-8-38. 鉄道総合技術研究所 軌道技術研究部 軌道構造 TEL 042-573-7275. ‑1013‑.

(2) 土木学会第67回年次学術講演会(平成24年9月). Ⅵ‑507. Q/P=0. 場合とほぼ同程度だが,横圧載荷時には約2~3倍大きくなっていた.. Q/P=0.5 Q/P=0.8. 健全. また,軌間外折損の場合は横圧により圧縮側に推移していた.. 軌間内折損. 一方,レール左右食違い量については,図4から,横圧が加わるこ レール継目板条件の違いによる差異は小さく, さらにレール頭部左右 変位もレール継目板条件の違いによる影響をほとんど受けていなか った. レール左右食違い量の結果から,継目部のまくらぎ支持方法が支え. 80 荷重 (kN). とで若干増加するものの,今回の荷重条件下では 0.3mm 以下であり,. 軌間外折損. 100. 60 40. 20. (圧縮) (引張) 0 -300 -200 -100 0 100 200 300 レール継目板応力変動 (N/mm 2 ). 継ぎ法の場合,片側のレール継目板が折損したことによるレール変位 への影響は少なく,レール変位のみに対する列車の走行安全性は問題. 図3 レール継目板の応力変動比較. ないと考えられる.ただし,レール継目板に発生する応力変動は,折. レール左右食違い量(mm). 損による影響を受けるため検討が必要であることが分かった. 3.継目板折損時の部材評価 片側のレール継目板折損時を想定した継目部に対し,3点曲げによ る曲げ疲労試験を行い,レール継目板底面中央の応力変動 (以下,「レ ール継目板底面応力変動」という)について評価した. 3.1 試験条件 軌道の線形条件は,試験軌きょうの試験結果よりレール継目板応力. 1.0 健全 軌間内折損 軌間外折損 0.5. 0.0 0. 0.5. 変動が大きくなる曲線とし,急曲線への適用を勘案し曲線半径 600m. 0.8. Q/P. 図4 レール左右食違い量の比較. 未満を想定した.輪重は,静止輪重を 85kN,列車走行速度を 90km/h. として速度衝撃率の式を用いて 1.45 倍の割り増しを行った 123kN,横圧は締結装置の設計A荷重である 60kN と設定した.これらの条件に対し,試験軌きょうの試験結果を用い,3点曲げの曲げ疲労試験で同等のレール 継目板応力変動が発生するよう繰返し載荷荷重を 5~90kN に設定し,載荷繰返し数を上級線区の線路巡回周 期を考慮し 22 万回とした. 3.2 試験結果 600. 曲げ疲労試験で得たレール継目板底面応力変動を JIS で規定. レール継目板底面応力変動 継目板底面応力変動 22万回時間強度 22万回時間強度 耐久限度 耐久限度. る構造炭素鋼 S45C(焼き入れ,焼きもどし)の耐久限度線図に より照査した結果,22 万回時間強度の下限値を下回っていたが, 余裕度が小さかった.しかし,載荷繰返し数 22 万回の曲げ疲労 試験後,健全なレール継目板に折損やき裂の発生がなかった.こ れらより,今回想定した列車通過条件内であれば,レール継目板. 応力振幅 σa(N/mm 2). されている2種(熱処理)の普通レール継目板と同等の材料であ 400. 疲労限度(上限) 降伏限度(上限). 200. 疲労限度(下限) 降伏限度(下限). の部材強度に関して実用上問題はないと考えられる. 0. 4.まとめ. 0. 継目部における試験軌きょうの静的載荷試験および3点曲げの 曲げ疲労試験結果より,レール継目板が片側折損しもう一方が健. 200 400 平均応力 σm(N/mm 2). 600. 図5 耐久限度線図による照査結果. 全な状態である場合,今回想定した条件内であれば,列車の走行および部材強度に問題はないと考えられる. ただし,軌道およびレールの状態によっては著大な輪重または横圧が発生する可能性があるため注意が必要で あり,レール継目板内側にき裂が発生した場合は,目視による確認が困難であることに留意が必要である. 参考文献 1) 金属材料疲労強度の設計資料Ⅰ,社団法人 日本機械学会,1982 年 2 月,p.48 2) 線路工学,日本鉄道施設協会,1987 年 2 月. ‑1014‑.

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