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Freeter (=freelance part-time worker) -related Attiitude フリーターに対する大学生の意識と態度

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(1)

フ リー ター に対 す る大 学 生 の 意識 と態 度

杉 山 成 ・神 田信 彦

Freeter (=freelance part-time worker) -related Attiitude

in University Students

Shigeru Sugiyama, Nobuhiko Kanda

問 題

Havigurst(1953)の 発 達 課 題 やErikson(1959)に よ る ラ イ フ サ イ ク ル の概 念 に依 らず と も、

現 代 社 会 にお い て 学 業 を終 え た 若 者 が 自分 の 定 職 を決 め て社 会 の 一 員 に な る こ と を多 くの 人 々が 当 然 の こ と と考 え て きた 。 ま れ に そ れ に従 わ な い 者 が い て もそ れ は例 外 と考 え られ 、社 会 的 に 問 題 視 さ れ る こ とは なか っ た 。 と こ ろ が 、 こ の15年 余 の 間 に"フ リ ー タ ー"と い う言 葉 で 形 容 さ れ る 一群 の若 者 の存 在 が 社 会 的 に注 目 され 、 そ の 急 激 な増 加 が社 会 問題 の 一 つ と な っ て い る 。

フ リ ー タ ー とは1987年 、 就 職 情 報 誌 『フ ロ ム ・エ ー 』 で 使 用 さ れ は じめ た 言 葉 で あ る 。 名 づ け親 で あ り当 時 同 誌 の 編 集 長 で あ っ た 道 下(2002)は 、 増 加 しつ つ あ っ た 無 業 者(学 業 を終 え て も進 学 も就 職 も し ない 者)の う ち 、 将 来 の職 業 に対 し 自分 の 明 確 な 目的 や 夢 を持 ち努 力 を し暫 時 ア ル バ イ トを行 って い る 若 者 を応 援 す る意 味 で 命 名 した 、 と説 明 して い る 。 つ ま り、 当 初 は ブ リ ー タ ー とい う言 葉 はか な り限 定 的 に、 それ も肯定的 な意味 を持 つ概念 であ った とい える。 しか し、

今 日で は この 言 葉 は、 無 業 の 若 者 一 般 を意 味 す る よ う に変 化 して きて い る。

こ の よ う な経 緯 が あ り、 フ リー タ ー とい う言 葉 の定 義 は ま だ定 ま って お らず 、 幾 つ か の 定 義 が 混 在 して い る状 態 とい え る 。 平 成12年 度 労 働 白書(厚 生 労 働 省,2000)に お い て は,"フ リー タ ー"を 「15〜34歳 で

,(1)現 在 就 業 して い る者 につ い て は勤 め 先 の呼 称 が 『ア ル バ イ ト』 又 は

『パ ー ト』 で あ る被 雇 用 者 で,男 性 につ い て は 継 続 就 業 年 数 が1〜5年 未 満 の者,女 性 に つ い て は 未 婚 で 仕 事 を主 に して い る 者,及 び(2)現 在 就 業 を して い な い 者 につ い て は 、 家 事 も通 学 も し て お らず 『ア ル バ イ ト ・パ ー ト』 の仕 事 を 希 望 す る 者 」 と定 義 して い る 。 ま た 赤 堀(2002)は 、 フ リー タ ー を 「15〜34歳 で 、 在 学 中 の男 性 ・女 性 と配 偶 者 の い る女 性 を含 め ず 、(1)非 『正 社 員 』 と して(就 業 年 数 を 問 わ ず に)働 い て い る 者 と、(2)『 夢 』 の 内 容 を 問 わ ず 失 業 状 態 にあ る 者 」 と定 義 して い る 。 両 定 義 で 一 致 して い るの は15歳 〜34歳 とい う年 齢 の 範 囲 で あ る。15歳 は 義 務 教 育 を修 了 した年 齢 とい う こ とで 理 解 で き る が 、 上 限 の34歳 とい う 区分 は明 確 な根 拠 が あ る の か 定 か で な い 。 本 研 究 で は研 究 の 性 格 か ら年 齢 を含 め た 明 確 な定 義 を行 う必 要 は な い が 、 フ

(2)

リー ター と は 「学 業 を 終 え た に もか か わ らず 定 職 を持 た な い 若 者 の うち 、 ア ルバ イ トや パ ー トを 専 ら とす る者 あ る い は現 在 は働 い て い ない が パ ー トや ア ル バ イ トと して働 くこ とを希 望 して い る 者 」 と して 検 討 を進 め る 。

そ れ で は フ リー ター の 数 は どの 程 度 で あ ろ うか 。 先 の 平 成12年 度 労働 白書 で は1997年 にお け る フ リ ー タ ー の 数 を約151万 人 で あ る と推 計 し、1982年 の 約3倍 に な っ て い る と指 摘 して い る 。 一 方、赤 堀 は、 総 務 省 『労 働 力 調 査 特 別 調 査 報 告 』 各 年 度 版 と総 務 省 『労 働 力 調 査 年 報 』 各 年 度 版 を基 に推 計 を行 い 、1997年 に は308万 人 、2001年 に は409万 人 とな って い る と して い る 。 定 義 の 違 い もあ っ て両 推 計 に は相 当 の差 が あ る が 、 か な りの 数 の 若 者 が フ リー ター と して生 活 し、 さ ら に増 加 の 傾 向 に あ る こ とは 間 違 い な い 。

こ う した フ リ ー ター とい う生 活 ス タ イ ル に対 す る意 識 に 関 して 、 小 杉 ・堀 有 ・上 西 ・中 島 ・耳 塚 ・本 田(2001)は 、 若 者2000人(自 称 フ リー ター1000人 、 学 生 ・社 会 人1000名)を 対 象 に調 査 を行 な っ て い る。 そ れ に よ る と、 フ リー タ ー は経 済 的 に 不 利 で あ る と考 え る 一 方 で 、 「若 い う

ち は 自分 の や りた い こ とを優 先 させ た い」 や 「や りた い 仕 事 な ら正 社 員 で も フ リ ー タ ー で も こ だ わ ら な い 」 と考 え る 者 が6割 を越 え 、 フ リ ー タ ーへ の 共 感 を示 し、 ま た 、 「働 き口 が 減 っ て い る の で(フ リ ー ター 選 択 も)し か た な い 」 「誰 で も フ リー タ ー に な る か も しれ な い 」 と考 え る 者 が 6〜7割 、「『自分 探 し』の た め にい い こ とだ」 「夢 の た め に フ リー タ ー を して い る人 は か っ こ い い」

と考 え る 者 が5〜6割 で あ っ た 。 こ の こ と は フ リー タ ー を容 認 す る意 識 が 現 代 の 若 者 に広 く共 有 され て い る こ と を示 唆 す る と して い る。

ま た 、 日本 労 働 研 究 機 構1の 「若 者 の就 業 行 動 研 究 会 」(2000)は 、 調 査 時 点 で フ リー タ ー で あ る者80名 と フ リー タ ー経 験 の あ る 専 門学 校 生17名 、 合 計97名 を対 象 に 聞 き取 り調 査 を行 い 、 ブ リー タ ー を3類 型(細 分 化 す る と7類 型)に 分 類 して い る。 類 型 化 は 「フ リー タ ー とな っ た契 機 」 と 「フ リ ー ター と な っ た 当 初 の意 識 」 を基 準 に行 わ れ 、"モ ラ トリ ア ム型""夢 追 求 型"及 び"や む を得 ず 型"の 類 型 を提 案 して い る 。"モ ラ トリア ム 型"は 明確 な将 来 展 望 、 職 業 展 望 を持 た ず 学 業 を修 了(あ る い は 退 学)や 離 職 し フ リ ー ター とな っ た タ イ プ で あ る。"夢 追 求 型"は 、 芸 能 人 、 職 人 や フ リ ー カ メ ラマ ン な ど フ リー ラ ンサ ー を志 向 して フ リー タ ー と な っ た タ イ プ で あ る。

さ らに"や む を得 ず 型"は 正 規 に就 職 す る意 思 が あ っ た が就 職 で きな か った 者 、何 らか の トラ ブ ル で就 職機 会 を 逸 し フ リー タ ー とな った 者 な どを含 む タ イ プで あ る と され る。 ま た 、 フ リー ター 生 活 を 送 る若 者 の 心 理 的側 面 につ い て 、 調 査 に参 加 した フ リー タ ー青 年 達 は、 フ リー タ ー生 活 一 般 に つ い て は 、 世 間 の 厳 しい 目 を 指 摘 す る と同 時 に 、 彼 ら 自 身 か な り否 定 的 な 発 言 を して い る 。

た だ し、 「や りた い こ と」 が あ る か ど う か とい う点 につ い て の 強 い こだ わ りが み られ 、 「や りた い こ と」 が あ る フ リー タ ー は 認 め 、 そ れ が ない フ リー ター は認 め ない 、 とい う内 的 な志 向 性 に基 づ く二 分 法 的 な捉 え方 を して い る 点 が 注 目 され る 。 こ う した 傾 向 は高 校3年 生 の 進 路 意 識 を調 査 し た 下 村(2000)に お い て もみ られ て お り、 卒 業 後 の予 定 進 路 別 に進 路 に つ い て の意 見 を分 析 した 結 果 に お い て は 、 フ リ ー タ ー を予 定 し て い る 生 徒 は 、 他 の 進 路 を 予 定 して い る 生 徒 に 比 べ て 、

「自分 にあ わ な い 仕 事 は した くな い」 「有 名 に な りた い」 等 、 内 的 ・主 観 的 な 希 望 へ の志 向 を示 す 傾 向 が 強 か っ た 。

フ リー ター 青 年 の こ の よ うな 「や りた い こ と」 を極 端 に重 視 す る価 値 観 に対 して 、 これ を 内 的 な 志 向 性 を 生 か し た主 体 的 ・積 極 的 な 選 択 と肯 定 的 に 評 価 す る立 場 もあ る が 、 下 村(2002)は 、

フ リー タ ー を予 定 して い る高 校 生 が 学 業 成 績 や 欠 席 日数 にお い て不 利 な条 件 を持 っ て い る こ とが 多 い こ とを指 摘 し、 フ リ ー タ ー の 職 業 意 識 の あ る部 分 は 、 自分 に と っ て可 能 な 進 路 選 択 肢 を弁 別

(3)

で き な くな っ た た め に 内 的 な 志 望 や希 望 を過 度 に強 調 せ ざ る を得 な い こ と に起 因 し て い る と推 測 し、 心 理 的不 適 応 や 未 来 展 望 の 乏 し さ と の 関 わ りを示 唆 して い る。 社 会 全 体 の マ ク ロ な観 点 か ら み て も、 安 定 した 生 活 基 盤 を持 たず 年 齢 を重 ね る こ とは 、社 会 的 に生 活 弱 者 を増 大 させ る だ け で な く、 一 個 人 と して 社 会 の 指 導 的年 代 に さ しか か っ た場 合 で もそ の 自覚 や 責 任 あ る行 動 の遂 行 が 困 難 で あ る こ とが 懸 念 され る 。 こ れ ら を考 慮 す る と、 青 年 が フ リー タ を選 択 す る まで の過 程 や 心 理 的 メ カ ニ ズ ム を明 らか に し、 教 育 場 面 で考 慮 す べ き要 因 を検 討 して い くこ とは 、 青 年 の生 活 感 情 や 進 路 指 導 を考 え る上 で の 急 務 で あ る とい え よ う。

これ らの諸 点 を踏 ま え 、 本 研 究 で は、 青 年 が フ リー タ ー生 活 を選 択 す る過 程 を探 る た め の端 緒 と して、 一般 の 大 学 生 が フ リ ー タ生 活 に対 して どの よ う に考 え て い る か とい う 「フ リ ー タ ー 生 活 へ の 態 度 」 を対 象 と した 調査 を行 う。 そ して 、 フ リー タ ー の置 か れ て い る条 件,具 体 的 に は そ の 目標 の有 無 や 生 活 の 自立 とい う条 件 に よ っ て 、 そ う した 態 度 が どの よ う な影 響 を受 け る の か を検 討 す る。 被 験 者 と な る 大 学 生 は 、 高校 卒 業 後 、 進 学 とい う選 択 肢 を と っ て は い るが 、 卒 業 に 向 け て 再 び進 路 選 択 に直 面 す る こ とに な る。 近 年 で は、 大 学 を卒 業 して フ リ ー タ ー に な る者 も多 い こ とか ら、 フ リ ー タ ー とい う選 択 肢 を考 慮 に 入 れ て い る こ と も推 測 され 、 そ う した被 験 者 の フ リ ー タ ー生 活 へ の 親 和 一拒 否 的 態 度 に関 わ る 条件 を把 握 す る こ とは 、 フ リー タ ー生 活 選 択 の過 程 を探 る手 が か りと な る と考 え られ る 。

調 査 にお い て は、3種 類 の 条 件 を 組 み 合 わ せ た8種 の フ リ ー ター 生 活 の 形 式 の い ず れ か 一 つ を 被 験 者 に提 示 し、 そ の 生 活 に つ い て の態 度 を測 定 す る と い う方 法 を と り、 フ リー タ ー生 活 へ の 態 度 と、生 活 にお け る 条 件 や 被 験 者 の パ ー ソナ リテ ィ との 関連 を検 討 す る。

方 法

調 査 対 象 一 般 教 育 の 心 理 学 を受 講 中 の 大 学 生403名(男 子232名,女 子171名)を 対 象 と した 。 調 査 方 法 授 業 時 間 の 一 部 を使 い 集 団実 施 した 。

ビ ネ ッ トの 構 成 フ リ ー タ ー 生 活 を記 述 す る ビネ ッ トの構 成 は 、 自 由記 述 に よ る予 備 調 査 を参 考 に行 っ た 。 フ リー タ ー生 活 へ の 態 度 に深 く関 わ る要 因 と して 、① 性 別(男 性 の フ リー ター 女 性 の フ リ ー タ ー)、 ② 目標 の 有 無(将 来 的 に か な え た い 目標 が あ る 目標 が な い)、 ③ 生 活 の 形 態(親 と 同居 し、 生 活 費 を依 存 一 親 と別 居 し、 生 活 費 も 自立)と い う3要 因 を 選 出 し、 そ れ らを Table1の よ う に組 み 合 わ せ て、8種 類 の 短 い 文 章 を構 成 した 。 た とえ ば 、 《男 性 ・目標 あ り ・生 活 自立 》 《女 性 ・目標 な し ・同居 》 の 条 件 の ビ ネ ッ トは そ れ ぞ れ 次 の よ う に な る 。

Table1実 験条 件 の内容 と被 験者 の人 数

目標 の有 無 目標 あ り 目標 な し

生活 の形 態 同居 自立 同居 自立

人物 の性 別 男性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 女性

実験条件 i 2 3 4 5 6 7 8

人 数 5151305652525351

《男 性 ・目標 あ り ・生 活 自立 》 条件:"23歳 の男 性 、Aく ん は今 春 大 学 を卒 業 した の で す が 、現 在 は定 職 には つ かず 、 ア ル バ イ トで 生 活 を して い ます 。Aく ん は 経 済 学 部 に所 属 して い ま した が 、

あ る き っ か け か ら、 全 く畑 違 い の 仕 事 に 関 心 を持 つ よ う に な り、 そ の 方 面 に進 み た い と思 う よ う

(4)

に な り ま し た 。 現 在 は 自宅 を出 て 、1人 暮 しを して い ます 。 自分 の ア ルバ イ トで生 活 費 や 小 遣 い 、 そ して進 学 の 学 費 を ため て い ます 。 将 来 は 専 門 の大 学 を卒 業 して 、 資 格 を得 て 、 そ の仕 事 に就 き た い と考 え て い ます 。"

《女 性 ・目標 な し ・同居 》 条件:"23歳 の 女 性 、Aさ ん は 今 春 大 学 を卒 業 した の で す が 、 現 在 は 定 職 に は つ か ず 、 ア ルバ イ トで 生 活 を して い ます 。Aさ ん は 経 済 学 部 に所 属 して い ま した が 、 将 来 の 目標 が 定 ま らず 、 自分 に適 して い る と思 え る仕 事 を見 つ け る こ とが で き ませ んで した 。 現 在 は 自宅 に親 と一 緒 に 住 み 、 生 活 費 や 家 事 の 面 で 支 え て も らい なが ら、 と りあ え ず ア ルバ イ トを し て 、 自分 の小 遣 い を稼 い で い ます 。 将 来 の こ と は考 え て お らず 、 や りた い こ とが 見 つ か る まで こ の 生 活 を続 け て い きた い と思 っ て い ます 。"

パ ー ソ ナ リテ ィ尺 度SD法 の 形 式 に よ っ て 未 来 へ の イ メ ー ジ を 測 定 す る 都 筑(1994)の 時 間 的 態 度(未 来 版)、 お よび 、 将 来 の 成 果獲 得 につ い て の統 制 感 の 個 人差 を測 定 す るLocusofControl 尺 度(LOC:鎌 原 ・樋 口 ・清 水 、1982に よ る 日本 語 版)、 自分 自身 の どの 側 面 に 注 意 を 向 け や す い か とい う 自意 識 特 性 を測 定 す る 自意 識 尺 度(SCS:菅 原 、1984に よ る 日本 語 版)を 使 用 した 。 質 問 紙 の 構 成 ビ ネ ッ トに記 述 され て い る 生 活 につ い て 、 被 験 者 の 態 度 を4つ の側 面 か ら測 定 し た 。 まず 、 そ の 生 活 を どの 程 度 認 め る か(共 感 一非 共 感)、 フ リー ター の登 場 人 物(Aさ ん)が 幸 福 に な れ る と考 え る か 否 か(成 功 予 測 一失 敗 予 測)、 そ う した 生 活 を送 る こ と に対 して どの 程 度 賛 成 か(賛 成 一反 対)、 そ して 、 同 じ よ う な状 況 に な っ た と き に 自分 は そ の 生 活 を 望 む か ど う か(希 望 一拒 否)で あ る 。 こ れ ら の側 面 に つ い て 、 「とて も共 感 す る」 か ら 「全 く共 感 しな い 」

(共感 一非 共 感 の場 合)ま で の5件 法 に よ って 測 定 した 。

各 質 問 紙 に は8種 類 の ビネ ッ トの うち 、 ひ とつ だ けが 掲 載 さ れ て お り、 そ れ らは ラ ン ダ ム に被 験 者 に配 布 さ れ た 。 よ っ て 、8種 類 の ビ ネ ッ トの うち 、 被 験 者 は配 布 さ れ た い ず れ か 一 つ に対 し て だ け 回 答 した 。 他 方 、 上 述 の パ ー ソ ナ リ テ ィ尺 度 は全 員 に対 し実 施 され 、LOC尺 度 は4件 法 、 そ の他 の 尺 度 は7件 法 に よ っ た。

結果の整理

被 験 者 の 属 性 に つ い て 検 討 した と こ ろ、 被 験 者 とな っ た 大 学 生 の 中 に常 勤 の 仕 事 を持 っ て い る 学 生 が7名 存 在 して い る こ とが 判 明 した 。 こ う した 社 会 人 学 生 は 職 業 観 につ い て 一 般 学 生 と は異 な る こ とが 推 測 さ れ る 。 今 回 の研 究 目的 の 一 つ は一 般 の 学 生 の フ リ ー タ ー に対 す る態 度 の 一 般 傾 向 を知 る こ と に あ る の で 、 こ の7名 は分 析 か ら外 す こ と と した 。 そ の結 果 、 合 計396名(男 性 227名 、 女 性169名)の デ ー タが 以 下 の 分 析 で は 用 い られ た 。 年 齢 の平 均 は19.88(標 準 偏 差1.54)、

ア ル バ イ トの 経 験 率 は89.6%で あ っ た。 ま た 、 各 パ ー ソ ナ リ テ ィ変 数 につ い て は 、 そ れ ぞ れ 得 点 が 高 い ほ ど外 的 統 制 傾 向 、 自意 識 傾 向 、 未 来へ の 肯 定 的 な イ メ ー ジ が 高 くな る よ う得 点 化 し、 合 計 得 点 を算 出 し、 α係 数 を求 め た(Table2)。 い ず れ の 尺 度 も以 後 の 分 析 に足 る 内 的 整 合 性 を有

して い る と判 断 さ れ た 。

フ リ ー タ ー に対 す る4つ の 態 度 につ い て は 、 得 点 が 高 い ほ どそ の 生 活 に共 感 し(共 感 度 得 点)、

幸 福 に な れ る と予 測 し(成 功 予 想 得 点)、 そ う した 生 活 に賛 成 の 気 持 ち を持 ち(賛 成 度)、 そ して 、 同 じ よ う な状 況 に な っ た と きに 自分 はそ の生 活 を望 む(同 調 性 得 点)と い う方 向 に得 点 化 を した 。 こ の4得 点 に 関 し男 女 別 に平 均 値 を 求 め た とこ ろ 、 共 感 性 、 成 功 予 測 、賛 成 度 に有 意 差 が 確 認 さ れ 、男 性 に較 べ 女 性 が ビ ネ ッ トの生 活 に肯 定 的 な態 度 を 示 してい る傾 向 が み られ た(Table3)。

(5)

Table2各 尺 度 の平均値 と標 準偏 差

尺 度 名 最小値 最 大値 平 均値 標 準偏 差 α係 数

外的統制性 22 58 39.34 .: 0.78

公 的 自己 意識 13 77 54.99 10.33 1:・

私 的 自己 意識 16 70 ,.. 10.27 0.85

未来へ の肯 定 的態度 18 135 73.26 14.03 0.91

Table3被 験 者 の性 別 に よ る フ リー タ ー 態 度 得 点 の 平 均 値

態 度 性別 人数 平均 値 標準偏 差t(393)

男性 共感性

女性

227 169

3.26 3.78

1.26 2.51

2.68**

男性 成功予想

女性

227 169

3.00 3.37

o.g2 1:1

4.52**

男性 賛成度

女性

227 169

2.73 3.08

1.20 1.12

2.91**

男性 同調度

女性

227 169

2.44 2.61

1.21 1.14

1.42

男性 態度合計

女性

227 169

11.45 12.86

3.36 4.05

3.63**

**p< .Ol

フ リー タ ー 生 活 の 条 件 に よ る差 異

フ リ ー タ ー に対 す る態 度 につ い て 、4つ の 態 度 得 点 、 お よび そ れ らの 合 計 得 点(以 後 、 態 度 合 計 得 点 と呼 ぶ)の 平 均 値 を実 験 条 件 ご と に示 した もの がTable4で あ る 。

こ れ ら5変 数 を従 属 変 数 、 フ リ ー タ ー 生 活 を構 成 す る3条 件(登 場 人 物 の 性 別 、 目標 の 有 無 、 生 活 形 態)と 被 験 者 の 性 別 を独 立 変 数 と した4要 因分 散 分 析 を行 っ た と ころ 、 成 功 予 想 にお い て は 目標 の 有 無 と生 活 形 態 に1次 の 交 互 作 用 が み ら れ 、 さ ら に被 験 者 の 性 別 お よ び 目標 の 有 無 と生 活 形 態 の 主 効 果 が 確 認 さ れ た(Table5)。 共 感 度 、 賛 成 度 、 態 度 合 計 に お い て は、 目標 の 有 無 、

Table4実 験 条 件 別 に み た フ リー タ ー に 対 す る 態 度 の 平 均 値

実験条件 人数 共感度 成功予想 賛成度 同調度 態度得点

平均値 標準偏差 平均値 標準偏差 平均値 標準偏差 平均値 標準偏差 平均値 標準偏差 対 象の性別 男 性1853.331.223.040.872.781.112.461.2011.623.60

女 性2113.481.193.260.802.961.242.581.1712.283.70

り1873.891。053.570.693.391.142.971.2613.823.26 目 標 の 有 無

し2092.981.182.790.782.411.022.121。0010.313.21

同居 ・単 独 の別

同 居2083.171.253.110.842.581.152.331,1911,193.68 単 独1883.671.103.220.833.211.132.741.1812,813.47

合 計 3963.411.213.160.842.881.182.521.1811.973.67

(6)

Table5実 分 散 分 析 の 結 果(有 意 差 の み られ た もの の み)

従属変数 共感度 成功期待 賛成度 同調度 態度得点

独立変数 自由度F値 有意確率 自由度F値 有意確率 自由度F値 有意確率 自由度F値 有意確率 自由度F値 有意確率

対象 の性 別

目標 の有無 156.190.00196.690.00149.28.0.00149.280.001105.870.00

同 居 ・自立 の 別 117.480.0013.37.0.07 110.870.00110.870.00126.050.00

被験者 の性 別 1 4.630.03116.960.0014.950.03 1 6.670.01

目標 × 同 居 ・単 独 15.050.03

LOC 18.580.0014.740.0315.970.021 8.630.00

目標 ×未来へ の

肯定的態度 16.380.0115.140.0214.110.041 6.720.01

生 活 形 態 と被 験 者 の性 別 の主 効 果 が そ れ ぞ れ確 認 さ れ 、 同 調 性 に つ い て は 目標 の 有 無 と生 活 の形 態 の 主 効 果 が確 認 され た(Table5)。

こ こで 成 功 期 待 にお い て 確 認 され た 交 互 作 用 を検 討 す る た め に、 目標 の有 無 の2水 準 と生 活 形 態 の2水 準 を 組 み合 わ せ(目 標 あ り一 同 居 、 目標 あ り一 自立 、 目標 な し一 同居 、 お よ び 目標 な し 一 自立) 、そ の4条 件 に対 して成 功予想 を従属変 数 とす る1要 因4水 準 の分散分析 を行 った ところ、

主 効 果 が 確 認 さ れ た(df=3,f=39.31,p<.001)。 さ らに これ につ い てTamhaneの 方 法 に よる 多 重 比 較 を行 っ た と こ ろ(Table6)、 《目標 あ り一 自 立 》 条 件 と 《目標 あ り一 同 居 》 条 件 との 間 に有 意 差 が み ら れ 、 目標 が な い 場 合 に は生 活 形 態 に よ る成 功 予 測 に差 は な い が 、 目標 が あ る 場 合 に は 、 親 元 を離 れ て 自 立 して い る 方 が 親 と同居 して い る 場 合 よ り も成 功 す る と期 待 され る こ とが 示 され た 。

なお 、共 感 度 、 賛 成 度 、 お よ び態 度 合 計 にお け る 目標 の有 無 、 生 活 形 態 お よ び被 験 者 の性 別 の 主 効 果 に つ い て は、 い ず れ も、 目標 あ り条 件 〉 目標 な し条 件 、 自立 条 件 〉同 居 条 件 、被 験 者 が 女 子 〉被 験 者 が 男 子 と い う方 向 で 肯 定 的 な態 度 を持 た れ る傾 向 が あ っ た 。 ま た、 同調 度 にお い て も、

目標 あ り群 が 目標 な し群 よ り も、 また 、 自立 条 件 が 同居 条 件 よ り も、肯 定 的 な態 度 を持 た れ る傾 向 が あ る こ とが 示 さ れ た 。

Table6目 標 の有無 と生 活形 態 の組 み合 わせ に よる 成 功 予想 の平均 得点 と多 重比 較

度 数 平均値 標準偏差

① 目標 有 り ・同 居 102 3.43 0.74

② 目標 有 り ・別 居 85 3.73 0.60

③ 目標 無 し ・同 居 106 2.79 o.s2

④ 目標 無 し ・別 居 103 2.79 0.75

合 計 396 3.16 0.84

※有 意 差 は以 下 の 通 り(α=.05):② 〈①<③ ④

(7)

パ ー ソ ナ リテ ィ に よ る差 異

フ リー タ ー 生 活 へ の 態 度 に パ ー ソ ナ リ テ ィ変 数 が どの よ う に 関 わ っ て い る か 検 討 す る た め に、

パ ー ソ ナ リテ ィ変 数 で あ るLOC得 点 の 高 低 、 自意 識 得 点(私 的 自意 識 得 点 と公 的 自意 識 得 点) の 高 低 お よび 未 来 イ メ ー ジ の 高 低 をそ れ ぞ れ 別 々 に独 立 変 数 と して 、 さ らに、 そ れ ぞ れ に 目 標 の 有 無 、 生 活 形 態 お よび被 験 者 の 性 別 を独 立 変 数 と して加 え て4要 因 と し、 フ リー タ ー 生 活 へ の 態 度 の5変 数 を そ れ ぞ れ 従 属 変 数 とす る4要 因 分 散 分 析 を行 っ た 。

各 パ ー ソナ リ テ ィ変 数 の 高 低2群 の 共 感 度 、 成 功 予 想 、 賛 成 度 、 同調 度 お よび 態 度 合 計 の 平均 値 はTable7の 通 りで あ る 。 分 散 分 析 の 結 果 、 公 的 自己 意 識 の 高 低 と私 的 自己 意 識 の 高 低 を独 立 変 数 と して含 む 分 析 で は 、 い ず れ も両 変 数 が 有 意 な効 果 を持 つ 交 互 作 用 お よ び主 効 果 は得 られ な か った 。 次 に 未 来 イ メ ー ジ をパ ー ソ ナ リ テ ィ変 数 と して含 め た分 析 で は 、 成 功 予 想 、 賛 成 度 、 同 調 度 お よ び 態 度 合 計 を 従 属 変 数 と した 場 合 、 目標 の有 無 と未 来 イ メ ー ジ との1次 の 交 互作 用 が有 意 で あ っ た(Table5)。 さ らに 、LOC得 点 の 高低 を含 む 分 析 で は 、 成 功 予 想 、 賛 成 度 、 同 調 度 お よび 態 度 合 計 そ れ ぞ れ にお い て 、LOC得 点 の 高 低 の主 効 果 が 有 意 で あ っ た(Table5)。 な お 、 目 標 の 有 無 、 生 活 形 態 お よ び被 験 者 の性 別 の効 果 につ い て は 、 先 に述 べ た フ リ ー タ ー 生 活 の 条 件 に

よる 態 度 の差 異 の 分 析 と概 ね 同 様 の結 果 で あ った 。

Table7各 パ ー ソ ナ リテ ィ変 数 の 高 低 に よ る フ リ ー タ ー に対 す る 態 度 の 平 均 値

共 感 予 想 賛 否 自 分 態度得点

平均 標準偏差 平均 標準偏差 平均 標準偏差 平均 標準偏差 平均 標準偏差

時 間的展 望 氏1963.371.283.190.922.831.292.521.2611.904.02 高2003.451.133.130.762.931.072.531.1512.053.32

LOC

{氏2193.471.213.230.862.931.212.641.2212.283.82 高1773.331.203,070.792.811.162.401.1311.613.48

公 的 自己意識 低1973.311.213.180.832.941.172.521.1912.033.72 高1993.441.213.140.852.821.202.531.2011.933.64

私的 自己意識 氏2003.491.163.160.802.881.152.491.1412.033.48 高1963.321.253.160.882.871.222561.2411.913.87

合 計 3963.411.213.160.842.881.182.531.19‑11.973.68

そ こで 、 未 来 イ メー ジ を独 立 変 数 と して含 む分 散 分 析 に お い て 確 認 され た 交 互 作 用 につ い て詳 し く検 討 す る た め に、 成 功 予 想 を 従 属 変 数 と し、 交 互 作 用 の あ る2要 因 の 組 み合 わ せ に よ る4水 準 を独 立 変 数 と し た1要 因 分 析 を 行 っ た 。4群 の 主 効 果 は 有 意(df=3,f=39.35,p<.001)で あ り、

Tamhaneの 方 法 に よ る多 重 比 較 を行 った 結 果 《目標 あ り一 未 来 イ メ ー ジ低 》 群 は 《目標 あ り一 未 来 イ メ ー ジ 高 》 群 に比 し、 有 意 に高 い 成 功 予 想 を行 っ て い た(Table8)。 賛 成 度 につ い て も ま た 、 上 と同様 の1要 因 分 散 分 析 を行 い 、 有 意 な 主 効 果(df=3,f=29.44,p<.001)を 得 、Tamhaneの 方 法 に よる 多 重 比 較 を行 っ た結 果 《目標 な し一 未 来 イ メ ー ジ高 》群 は 《目標 な し一 未 来 イ メ ー ジ低 》 群 に比 し、 有 意 に高 い 賛 成 度 を示 した(Table9)。 さ ら に 、 同 調 度 を従 属 変 数 とす る 同様 の 分 析 にお い て もま た 、 有 意 な主 効 果(df=3,f=20.75,p<.001)を 得 た 。 多 重 比 較 の 結 果 はTableIOの 通

りで あ る が 、 目標 あ りな し と も に 未 来 イ メ ー ジ の高 低 に よ る有 意 差 は み られ な い 。 見 方 を 変 え 、 肯 定 的 未 来 イ メ ー ジ高 群 と低 群 とで 目標 の有 無 で 同 調 度 得 点 を比 較 す る と、 未 来 イ メ ー ジ 高 群 は

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,・一:成 功予 想得 点 の比 較成 功

(目標 の有 無 ×未来 へ の肯 定 的態度)

Table9 賛 成度 得点 の比 較

(目標 の有無 ×未 来 への肯 定 的態度) 度 数 平均値 標準偏差 度 数 平均値 標準偏差

① 目標 有 り ・肯 定 低943.70 0.70 ① 目標 有 り ・肯 定 低943.48 1.22

② 目標 有 り ・肯 定 高943.44 0.66 ② 目標 有 り ・肯 定 高943.30 1.07

③ 目標 無 し ・肯 定 低1022.72 0.84 ③ 目標 無 し ・肯 定 低1022.23 1.04

④ 目標 無 し ・肯 定 高1062.86 0.74 ④ 目標 無 し ・肯 定 高1062.60 0.94

合 計 3963.16 0.84 合 計 3962.88 1.18

※ 有 意 差 は 以 下 の 通 り(α=.05):① 〉② 〉④ ③ ※ 有 意 差 は 以 下 の 通 り(α=.05):① ② 〉④ 〉③

Table10同 調 度得 点 の比 較

(目標 の有無 ×未 来 への肯 定 的態度)

Table11態 度 得点 の比 較

(目標 の 有無 ×未 来 への肯 定的態 度) 度 数 平均値 標準偏差 度 数 平均値 標準偏差

① 目標 有 り ・肯 定 低943.09 1.24 ① 目 標 有 り ・肯 定 低9414.22 3.35

② 目標 有 り ・肯 定 高942.86 1.19 ② 目 標 有 り ・肯 定 高9413.41 3.14

③ 目標 無 し ・肯 定 低1022.00 1.04 ③ 目 標 無 し ・肯 定 低1029.76 3.35

④ 目標 無 し ・肯 定 高1062.25 1・ ④ 目標 無 し ・肯 定 高10610.83 3.00

合 計 3962.53 1.19 合 計 39611.97 ・:

※ 有 意 差 は 以 下 の 通 り(α=.05):① ② 〉④ ③ ※有 意 差 は以 下 の 通 り(α=.05):① ② 〉④ ③

低 群 に比 較 し、 目標 の有 無 で の変 化 が 少 な くな っ て お り、 この 傾 向が 交 互 作 用 と して 現 れ た と考 え られ る。 ま た 、 態 度 合 計 に つ い て はTable11の 通 りで あ り、 賛 成 度 得 点 と 同様 の傾 向 が 示 され て い る 。

LOCの 主 効 果 に つ い て み る と、 い ず れ も外 的 統 制 傾 向 が 低 い群 は高 い 群 に比 較 し、 成 功 予 想 、 賛 成 度 と も に 高 く、 肯 定 的 に フ リー タ ー の生 活 態 度 を と ら え 、 高 い 同調 度 も示 して い た 。 ま た 、

そ れ らの 合 計 得 点 で あ る 態 度 合 計 に もそ れが 反 映 され て い る(Table7)。

ア ル バ イ ト経 験 に よ る差 異

アル バ イ ト経 験 の有 無 と フ リー ター 生 活 へ の 態 度 との 関 連 を検 討 す る た め に、 ア ルバ イ ト経 験 が あ る群(354名)と アル バ イ ト経 験 の ない 群(42名)の フ リー タ ー生 活 へ の 態 度 につ い て 平 均 値 の検 定 を行 っ た(Table12)。

す べ て の従 属 変 数 に お い て 、 ア ル バ イ ト経 験 群 の方 が 未 経 験 群 に比 して フ リ ー タ ー 生 活 に対 す る 肯 定 的 な 態 度 を示 して お り、賛 成 度 と態 度 合 計 得 点 に関 して は 両 群 の 問 に有 意 な差 が確 認 さ れ た 。

考 察

フ リ ー タ ー に対 す る 態 度 に つ い て の全 体 的 傾 向 と して 、 共 感 度 と成 功 予 測 につ い て は 目標 な し 条 件 以 外 は 肯 定 の方 向 に平 均 得 点 が 分 布 して い た。 しか し、 賛 成 度(目 標 あ り条 件 と独 居 条 件 を

(9)

Table12ア ル バ イ ト経 験 有/無 群 に お け る フ リー タ ー 態 度 得 点 の 平 均 値 態 度 アルバ イト経 験 人 数 平 均 値 標 準 偏 差t(393)

共感性 あ り

な し

354 42

3.54 3.07

1.97 1.23

1.48

成功 予想 あ り

な し

354 42

3:19 2.93

0.83 0.s2

1.92

賛成度 あ り

な し

354 42

2.93 2.49

1.20 1.03

2.28**

同調度 あ り

な し

354 42

2.56 2.24

1.20 1.09

1.62

態度合計 あ り

な し

354 42

12.22 10.73

3.94 3.29

2.33**

*p< .OS

除 く)と 同調 度 にお い て は否 定 の方 向 に平 均 得 点 が 分 布 して い た。 フ リ ー タ ー の 心 情 は理 解 で き る もの の 、 そ の 生 活 を肯 定 し た り、 さ ら に は 自分 が フ リー タ ー を選 択 す るか しな い か とい う立 場 に お か れ た と した ら、 そ れ に は た め らい を持 つ と い う こ と を こ の結 果 は 示 して お り、 本 実 験 の被 験 者 が フ リー ター と は別 の 選 択 肢 を考 慮 し選 択 す る可 能 性 を示 して い る と考 え られ る。 す な わ ち、

目標 は 目標 と して 持 つ が と りあ えず 何 らか の 安 定 した 立 場 を選 択 した い か 、 ま た は 、 何 が 向 い て い る か あ る い は や りた い こ とが 明確 で な く と もや は り安 定 した立 場 を選 択 した い とい う方 向へ の 志 向 性 が 推 測 され る。

ビ ネ ッ トの 人 物 の 性 別 は フ リー ター へ の態 度 に影 響 す る こ とは な か っ た。研 究 にあ た っ て 、 男 性 優 位 が 続 い て い る社 会 状 況 で は 、 女 性 は就 職 に 関 して 高 い 期 待 が 持 た れ に くい傾 向 が あ り、 そ の こ とか ら、 男 性 が フ リー タ ー で あ る よ り も、 女 性 が フ リ ー タ ー で あ る こ とが 許 容 され る と予 想 した 。 しか しな が ら大 学 生 にお い て は 、 そ れ ま で経 験 して きた学 校 教 育 で ジ ェ ン ダー に よ る差 異 は 排 除 さ れ て きた こ とが 推 測 さ れ 、 そ れ が 結 果 に も反 映 した もの と考 え られ る 。

目標 の有 無 に関 して は 、 目標 が あ っ て フ リ ー タ ー で あ る者 が 目標 な しで フ リー タ ーで あ る者 よ り、 共 感 され 賛 成 さ れ て い た。 同 調 度 は わ ず か に否 定 の 方 向 に あ っ た も の の、 目標 あ りの方 が 目 標 な しよ り高 い 数 値 を示 した。 目標 無 しは 明 らか に 否 定 的 に捉 え られ て い る こ と、 言 い 換 え れ ば 受 動 的 に フ リー タ ー を選 択 す る こ と は歓 迎 さ れ な い とい う こ と を示 す も の で あ る 。 生 活 形 態 、 つ ま り親 と同居 して い る か 単 独 で 生 活 し経 済 的 に も 自立 して い る か とい う要 因 に つ い て も、 目標 の 有 無 と同様 の 結 果 で あ っ た。 自立 して い る 方 が 共 感 され 賛 成 され て い た。 同調 度 はい ず れ も否 定 の 方 向 に あ った が 、 自立 の方 が 肯 定 方 向 に 近 い数 値 で あ っ た。 不 安 定 な生 活 で は あ っ て も親 が か りで な い こ と は、 多 少 と も安 易 さが 割 り引 か れ評 価 され る の で あ ろ う。 登 場 人 物 で あ る フ リー タ ー の 成 功 予 測 に 関 して は、 目標 の 有 無 と生 活 形 態 との 交 互 作 用 が み ら れ 、 目標 の あ る場 合 は な い 場 合 よ り も成 功 を高 く予 測 され るが 、 目標 の あ る 場 合 は 自立 して い る場 合 が親 と 同居 して い る ば あ い よ り も さ らに成 功 す る と予 測 さ れ て い た 。 一 方 、 目標 の な い 場 合 は生 活 形 態 にお け る 差 は見 ら れ な か った 。 経 済 的 に 自立 しなが ら 目標 の 実現 を図 る こ とは 、 相 当 に 強 い 覚 悟 と意 思 をそ の 背 景 に読 み と らせ る の で あ ろ うか 。 一 方 、 親 と 同居 しなが ら 目標 の 実 現 を 図 る とい うの は安 易 で 甘 い と受 け 取 られ て い る の か も しれ な い 。 目標 の な い 場 合 、差 が 見 ら れ な か っ た 。 こ れ らの こ と か

(10)

ら成 功 予 測 に関 して は 目標 の有 無 が 生 活 形 態 に先 行 して 判 断 され る こ と を示 す もの と考 え られ る 。 小 杉 ら(2001)の 調 査 で は 、 調 査 対 象 の 若 者 の60〜70%が フ リー タ ー に 共 感 し好 意 的 で あ っ た 。 しか し、 今 回 の調 査 は単 に フ リー タ ー とせ ず 、3つ の 要 因 を介 在 させ た 。 そ の結 果 、 本 研 究 の サ ン プ ル で あ る大 学 生 は 、 フ リ ー タ ー を単 一 の もの と して認 識 して い る の で は な く、 そ の 生 活 の 条 件 に よ っ て 評 価 も変 化 させ る こ とが 明 らか に な っ た 。

他 方 、 パ ー ソ ナ リ テ ィ変 数 の う ち フ リー ター へ の 態 度 に 影 響 を与 え た の は 、LOCだ け で あ っ た 。LOC低 群 は 高 群 よ り も成 功 予 測 、 賛 成 度 、 同 調 度 そ れ ぞ れ 肯 定 的 で あ っ た 。 つ ま り自分 の 行 動 が 期 待 す る結 果 を も た らす と期 待 す る 内 的 統 制 期 待 の 高 い群 は低 い 群 よ りも フ リー ター を肯 定 的 に評 価 して い た 。 た とえ受 動 的 で あ っ て も集 団 に 明確 に は所 属 せ ず フ リー タ ー と して独 力 で 働 くこ とが 評 価 され る の で あ ろ う か 。 ま たLOCは 自分 の 行 動 と結 果 の 問 の 関係 に対 す る期 待 を 扱 う概 念 で あ るが 、 この 期 待 が他 者 の行 動 の 評 価 に も反 映 す る こ と を示 す もの で あ る 。

成 功 予 想 、 賛 成 度 、 同調 度 お よ び態 度 合 計 に関 して 、被 験 者 の 未 来 イ メ ー ジ は ビ ネ ッ トの 目標 の有 無 と交 互 作 用 を持 っ て い た 。 数 値 の 出 方 に注 目す る と、 成 功 予 想 、 賛 成 度 と も に 、 目標 あ り の場 合 と 目標 な しの場 合 の評 価 に関 し、 未 来 イ メ ー ジ低 群 は高 群 に 比 べ 傾 きが 大 き く、 目標 あ り に つ い て は よ り肯 定 的 に、 目標 な しにつ い て は よ り否 定 的 に捉 え て い た 。 な お 、 同調 度 と態 度 合 計 につ い て もそ の傾 向 は見 られ た が 、 多 重 比 較 の 結 果 は そ れ を保 証 す る もの で は な か っ た 。 未 来 イ メ ー ジ の低 群 の方 が 高 い 成 功 予 測 を して い る 点 は予 測 と は異 な る 結 果 で あ った が 、 こ の 結 果 を 考 え る に あ た っ て は 、 こ の実 験 の デ ザ イ ンが対 人 認 知 の枠 組 み を と り、 そ れ に対 して未 来 の イ メ ー ジ は個 人 内 要 因 で あ る こ とに 留 意 す る必 要 が あ る よ う に思 わ れ る。 この 点 を考 慮 す る と、 未 来 イ メ ー ジ の低 い(つ ま り自 身 の 未 来 が 暗 い と考 え る)個 人 は 、 自身 を基 準 と した 対 比 効 果 に よ っ て 、 目標 を持 っ て い る 登 場 人 物 の 成 功 可 能性 を よ り高 くと ら え て い る とい う可 能 性 が 考 え られ よ う。 こ の未 来 の イ メ ー ジ に つ い て 、VanCalster,Len&Nuttin(1987)は 、 こ れ を未 来 に起 こ る で あ ろ う さ ま ざ ま な 出 来 事 の価 値 を反 映 した もの と考 え 、動 機 づ け 要 因 と して検 討 して い る が 、 他 者 の 認 知 等 、 対 人 的分 野 で の研 究 は ほ とん ど成 され て お らず 、 そ の 点 で 興 味 深 い 結 果 とい え る。

ア ル バ イ ト経 験 の有 無 との 関 連 につ い て は 、 フ リー ター 生 活 へ の 態 度 す べ て にお い て 、 ア ルバ イ ト経 験 群 の 方 が 未 経 験 群 に較 べ フ リ ー ター 生 活 に対 す る肯 定 的 な 態 度 を示 して い た が 、 こ れ に つ い て は2つ の 可 能 性 が 考 え られ る 。 一 つ は 「大 学 生 が アル バ イ トをす る こ と」 につ い て ど う考 え る か 、 と い う一 般 的 な態 度 が 、 フ リ ー ター 生 活 へ の態 度 お よ び ア ル バ イ ト経 験(ア ル バ イ トを す る か 否 か)と い う両 変 数 に影 響 を与 え 、 よ っ て こ の2変 数 間 に擬 似 的 な相 関が み ら れ て い る と い う可 能 性 、 も う一 つ は、 ア ル バ イ トに携 わ っ た経 験 が フ リ ー ター 生 活 へ の 態 度 に直 接 影 響 を与 え 、 そ の 結 果 、 態 度 が よ り肯 定 的 な方 向 ヘ シ フ ト した と い う可 能 性 で あ る 。 特 に 後 者 の 見 解 は 、 フ リー タ ーへ の 態 度 の 形 成 過 程 を考 え る上 で 大 変 興 味 深 い が 、今 回 の 実 験 か らそ れ を結 論 づ け る こ と はで きな い 。 今 後 、 新 入 生 の(ア ルバ イ トや サ ー クル 活 動 を含 め た)大 学 生 活 へ の 適 応 過 程 を 時系 列 的 に 調 査 して い くこ とで 、 よ り精 密 に検 討 す る必 要 が あ る 。

最 後 に、 今 回 の 研 究 にお い て は 、 フ リー ター に至 っ た 理 由 に 関 して 目標 の有 無 に 限 っ て 検 討 を 行 っ た が 、 昨 今 の 雇 用 情 勢 は若 者 に依 然 と して 厳 しい もの が あ り、 就 職 した くて もで きな い 状 況 下 で や む を得 ず 暫 時 フ リ ー タ ー に な る者 も相 当 数 あ る と考 え られ る 。 就 業 行 動 研 究 会(2000)に

よる 類 型 化 に よ っ て も"や む を 得 ず 型"が 多 く存 在 し、小 杉 らの 調 査 は フ リ ー ター の う ち40%

程 度 が そ れ に あ た る と して い る 。 この 後 、 こ う した点 も勘 案 して フ リー タ ー を取 り巻 く心 理 的環 境 を 明 らか に して い く こ とが 求 め られ る 。

(11)

引 用 文 献

赤 堀 正 成2002フ リ ー タ ー 新 自 由 主 義 改 革 の 落 と し子 労 働 の 科 学,57,2,4‑9.

Erikson,E.H.!9591dentityandtheLifeCycle.psychologicalIssuesI.1.,MonographInternationalUniversity Press,Inc,NewYork.(小 此 木 啓 吾 訳 編1973自 我 同 一 性 誠 信 書 房)

Havaighurst,R.J.1953HumanDevelopmentandEducation.NewYork:Longmans,Green&C().,INC.(庄 司 雅 子 訳1958人 聞 の 発 達 課 題 と教 育 幼 年 期 か ら 老 年 期 ま で)

廣 瀬 英 子1998進 路 に 関 す る 自 己 効 力 研 究 の 発 展 と 課 題 教 育 心 理 学 研 究,46,343‑355.

鎌 原 雅 彦 ・樋 ロ ー 辰 ・清 水 直 治LocusofControl尺 度 の 作 成 と,信 頼 性,妥 当 性 の 検 討 教 育 心 理 学 研 究,1982,30,302‑307

厚 生 労 働 省2000平 成12年 労 働 白 書

小 杉 礼 子 ・堀 有 喜 衣 ・上 西 充 子 ・中 島 史 明 ・耳 塚 寛 明 ・本 田 由 紀2001大 都 市 の 若 者 の 就 業 行 動 と 意 識 広 が る フ リ ー タ ー 経 験 と 共 感 日 本 労 働 研 究 機 構 調 査 研 究 報 告 書No.146.

下 村 英 雄2002進 路 を 決 め る 松 井 豊 編2002対 人 心 理 学 の 視 点 ブ レ ー ン 出 版.

菅 原 健 介1984自 意 識 尺 度(self‑consciousnessscale)日 本 語 版 作 成 の 試 み 心 理 学 研 究,55,184‑188.

都 筑 学1994自 我 同 一 性 地 位 に よ る 時 間 的 展 望 の 差 異 梯 子 評 定 法 を 用 い た 人 生 イ メ ー ジ に つ い て の 検 討 青 年 心 理 学 研 究,6,12‑18.

若 者 の 就 業 行 動 研 究 会2000フ リ ー タ ー の 意 識 と 実 態97人 へ の ヒ ア リ ン グ 結 果 よ り 日 本 労 働 研 究 機 構 調 査 研 究 報 告 書,No.136.

道 下 裕 史2002若 者 に 「働 く 」 こ と を ど の よ う に 伝 え る か1丿 ク ル ー ト ワ ー ク ス 研 究 所Special Thema,新 世 代 の 就 業 観 イ ン タ ビ ュ ーhttp:〃www.works‑i.com/special/freeter.html.

VanCalster,K.V.,Lens,W.,&Nuttin,」.1987Affectiveattitudetowardthepersonalfuture:Impacton motivationinthe‑highschoolboys.AmericanJournalofPyschology,100,1‑13.

参照

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