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小 中 学 生 の学 級 集 団 内 の 友 人 グループに関 する研 究

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Academic year: 2022

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(1)博士学位申請論文. 小 中 学 生 の学 級 集 団 内 の 友 人 グループに関 する研 究. 2016年 度. 武 蔵 由 佳 早稲田大学. 1.

(2) 目 次 第一章. 問題の所在と研究の目的・・・・・・・・・・・・・ 1. 第一節. 小中学校期における学級集団内の友人関係の形成 ・維持を促進する支援の必要性・・・・・・・・・ 2. 第二節. 理論と先行研究・・・・・・・・・・・・・・・・ 8. 第一項. 友人関係に関する理論の概要・・・・・・・・・ 8. 第二項. 学級集団内における友人関係および友人グループ 関 係 に 関 す る 文 献 研 究 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 11. 第三項. 本 研 究 に 関 す る 先 行 研 究 か ら 抽 出 さ れ た 課 題 ・ ・ 46. 第三節. 基 本 概 念 の 定 義 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 59. 第四節. 本 研 究 の 目 的 と 構 成 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 62. 第二章. 児 童 生 徒 の グ ル ー プ の 様 相 に 関 す る 研 究 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 66. 第一節. グ ル ー プ の 状 態 認 知 尺 度 の 検 討 【 研 究 1 】・ ・ ・ ・ ・ 6 7. 第二節. グループ状態認知尺度によるグループタイプの分類 【 研 究 2 】・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 8 1. 第三節. 第三章. 本 章 の ま と め ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 93. グ ル ー プ に 所 属 す る 児 童 生 徒 の 内 面 に 関 す る 研 究 ・ ・ 95. 第一節. グ ル ー プ タ イ プ と 欲 求 の 関 連 の 検 討 【 研 究 3 】・ ・ ・ 9 6. 第二節. グ ル ー プ タ イ プ と 行 動 の 関 連 の 検 討 【 研 究 4 】・ ・ ・ 1 0 8. 第三節. グ ル ー プ タ イ プ と 感 情 の 関 連 の 検 討 【 研 究 5 】・ ・ ・ 1 3 4. 第四節. 本章のまとめ・・・・・・・・・・・・・・・・・. 2. 146.

(3) 第四章. 学 級 集 団 の 状 態 像 と 児 童 生 徒 の グ ル ー プ の 様 相 の 関 連 151. 第一節. 学級集団の状態像とグループタイプの関連の検討 と の 関 連 【 研 究 6 】・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 5 2. 第二節. 学級集団の状態像と学級機能およびグループタイプ 【 研 究 7 】・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 7 2. 第三節. 学級集団の状態像と学級適応および学校生活意欲, グ ル ー プ タ イ プ と の 関 連 【 研 究 8 】・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 9 5. 第四節. 第五章. 本 章 の ま と め ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 213. 研 究 の ま と め と 今 後 の 課 題 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 217. 第一節. 本 研 究 の ま と め ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 218. 第二節. 総 合 的 考 察 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 234. 第一項. 学級集団の類型と児童生徒のグループタイプと の 関 連 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 234. 第二項. 学級集団の発達と児童生徒のグループタイプと の 関 連 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 242. 第三節. 今 後 の 課 題 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 253. 引 用 文 献 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 254. 3.

(4) 第 一 章 問 題 の所 在 と研 究 の 目 的 第一節. 小 中 学 校 期 における学 級 集 団 内 の友 人 関 係 の形 成 ・維 持 を促 進 する支 援 の必 要 性. 第二節. 理 論 と先 行 研 究. 第一項. 友 人 関 係 に関 する理 論 の概 要. 第二項. 学 級 集 団 内 における友 人 関 係 および友 人 グループ関 係 に関 する文 献 研 究. 第三項. 本 研 究 に関 する先 行 研 究 から抽 出 された課 題. 第三節. 基 本 概 念 の定 義. 第四節. 本 研 究 の目 的 と構 成. 1.

(5) 第一章. 第一節. 問 題 の所 在 と研 究 の目 的. 小 中 学 校 期 における学 級 集 団 内 の友 人 関 係 の形 成 ・維 持 を促 進 する支 援 の必 要 性. 文 部 科 学 省 ( 2 0 1 1 ) は ,「 2 1 世 紀 は 『 知 識 基 盤 社 会 』 の 時 代 で あ る と ともに,グローバル化が一層進む時代である。それは,多様な価値観が 存在する中で,自分とは異なる文化や歴史に立脚する人々との『多文化 共 生 』の 時 代 で も あ る 。こ の よ う な 2 1 世 紀 を 生 き る 子 ど も た ち は ,積 極 的 な 『 開 か れ た 個 』, つ ま り , 自 己 を 確 立 し つ つ , 他 者 を 受 容 し , 多 様 な 価 値 観 を 持 つ 人 々 と 共 に 思 考 し ,協 力 • 協 働 し な が ら 課 題 を 解 決 し ,新 た な価値を生み出しながら社会に貢献することができる個人であることが 求 め ら れ る 」, と 指 摘 し て い る 。 さ ら に , こ の よ う な 「 開 か れ た 個 」 で あ る こ と が 求 め ら れ て い る と い う 認 識 は , 経 済 協 力 開 発 機 構 ( OECD : Organisation for Economic Co-operation and Development ) が 子 ど も たちに必要な能力の一つとして「多様な社会グループにおける人間関係 形 成 能 力 」 を あ げ て い る こ と や , 日 本 経 済 団 体 連 合 会 ( 2014) が 学 生 を 採 用 す る に あ た り 企 業 が 重 視 す る 観 点 と し て「 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 」 が 1 0 年 連 続 1 位 に な っ て い る こ と な ど か ら も 明 ら か で あ る( 文 部 科 学 省 , 2 0 1 1 )。 よ っ て ,「 多 文 化 共 生 」 の 時 代 の ニ ー ズ で あ る 「 開 か れ た 個 」 を 育成するために,子ども達は児童期や青年期に様々な他者と交流する中 で,自己の価値観や人格を形成し,かつ他者の価値観や人格を認める力 を身につけることが重要であり,結果としてそのような態度や行動が身 についている個人を企業や社会は求めていると考えられる。 この背景には,現代の児童生徒の人間関係に関する現状や課題として, 「子どもたちは気の合う限られた集団の中でのみコミュニケーションを. 2.

(6) と る 傾 向 が 見 ら れ る 」,「 相 互 理 解 の 能 力 が 低 下 し て い る 」,「 自 分 の 思 い を 一 方 的 に 伝 え て い る に す ぎ な い 」,「 同 意 や 反 対 の 意 思 を 伝 え る だ け で 対 話 に な っ て い な い 」 な ど が あ げ ら れ る ( 文 部 科 学 省 , 2 0 1 1 )。 加 え て , 子どもたちが自ら仲間やコミュニティを形成する機会が不足しており, 等質的なグループや人間関係の中でしか行動できず,異質な人々による グループ等で課題を解決することが苦手で,回避する傾向にある(文部 科 学 省 , 2011) と い う 指 摘 も あ る 。 従来,児童期のギャングエイジと言われる徒党を組んで群れる時期に, 閉 鎖 性 ・ 凝 集 性 の 強 い 同 性 の 小 集 団 を 形 成 し( 田 丸 ,2 0 0 9 ), そ の 中 で の 活 動 体 験 を 通 し て ,子 ど も は 社 会 的 能 力 を 高 め る( 畠 山 ,2 0 0 9 )。た だ し , 近年では少子化の影響で子ども同士の仲間集団自体が形成できなくなっ て き て お り( 秋 山 ,2 0 0 9 ),学 校 に お い て も 児 童 生 徒 の 人 間 関 係 の 固 定 化 や小規模化,異年齢集団の減少,仲のよい友人とのみ交流しようとする 傾向の増加などが指摘されている。そのような関係の中では,自分とは 異なる他者の存在を理解し,他者の権利を承認し,自己中心性を減少さ せていくことへとつながりにくいこと,また善悪の判断や規則の遵守, 自 己 の 行 動 の 統 制 な ど 規 範 の 内 面 化 が 促 さ れ に く い ( 藤 井 , 1999) こ と が危惧されている。これらの指摘から,グローバル化の現代において児 童生徒は様々な他者との交流体験による自己の価値観や人格の形成,自 他の認め合いや協働が以前と比較して格段に求められているのに対して, 現状は異質性を持つ多様なメンバーとの交流は実現されておらず,同質 性のあるメンバーとのみ交流しており,社会が求める対人関係能力やコ ミュニケーション能力に達していない様相も以前に増して指摘されてい る。すなわち,社会的要請は「開かれた個」を志向しているのだが,現 状 は 逆 に「 閉 じ た 個 」の 形 成 に 向 か っ て い る 様 相 が 考 え ら れ る の で あ る 。. 3.

(7) したがって,現代の子ども達に対して「多文化共生」の時代要請を受け た「開かれた個」を育成するためには,多様な人々との人間関係や集団 活動を通した体験学習が求められ,その前提として,建設的で相互的な 友人関係の形成や維持を,積極的に支援することが必要になってくると 考えられる。 子ども達の対人関係能力やコミュニケーション能力の育成の機会と な る 時 期 に つ い て は 先 行 研 究 で も 多 く の こ と が 指 摘 さ れ て き た ( H a v i g h u r s t , 1 9 4 3; P i a g e t , 2 0 0 5; S u l l i v a n , 1 9 5 3 )。 清 水 ( 1 9 6 9 ) お よ び 住 田 ( 1999) は , 個 人 は 家 族 集 団 - 遊 戯 集 団 ( 仲 間 集 団 ) - 隣 人 集 団(近隣集団)-学校集団-職業集団-基礎的集団(国家)を時間的順 序性にしたがって所属し,各々の通過集団の集団的価値や規範を内面化 させ,成長していく,と指摘する。つまり,幼児期には家族集団が準拠 集団となり,児童期青年期には仲間集団や学校集団が準拠集団となり, 成人すると職業集団が準拠集団となり,この準拠集団の移行により,社 会化されていくのである。この中で特に,幼児期の通過集団である家族 集団は準拠集団内のメンバーが親や兄弟で受容,援助,庇護してくれる 身内であるが,児童期の通過集団である仲間集団は準拠集団内のメンバ ーが対等な他人となり,他人と人間関係を取り結ぶ現実の社会生活の縮 図 に 近 づ い て く る も の と な り ,重 要 で あ る( 住 田 ,1 9 9 9 )。し か も 幼 児 期 の家族集団内では子どもたちは各々の家族の中で社会化された価値や思 考・行動様式を持つが,児童期になり仲間集団内で求められるそれとは 必ずしも一致しておらず,異なる価値や思考・行動を持つ他人と折り合 っていく経験をはじめてすることになる。よって,他人と上手に関係を 取り結ぶためには,自己中心性を減少させ,互いに他人の存在を認め, 他 人 の 権 利 を 認 め る こ と が 必 要 で あ る こ と を 学 ん で い く の で あ る( 住 田 ,. 4.

(8) 1 9 9 9 )。し た が っ て ,他 者 と の 関 わ り を 経 験 し 始 め ,か つ 仲 間 集 団 を 形 成 する体験を積み重ねる小学校および中学校の時期に,まずは様々な他者 と関わる体験を持つことが重要になり,その中では各々が持つ異なる家 庭集団の価値や思考・行動様式をより仲間集団や学校集団に受入れられ る価値や思考・行動様式に変化させるような経験が必要となると考えら れる。またこのような違いを認め合いながら折り合う経験が対人関係能 力やコミュニケーション能力の育成につながると考えられる。 このように小学校および中学校の時期に様々な他者と関わる体験を 持つことの重要性が指摘されている一方で,現代の児童生徒の友人関係 については以下のことが指摘されている。児童生徒が普段よく一緒に遊 ぶ 友 達 と し て 「 同 じ ク ラ ス の 友 人 」 と 回 答 す る 割 合 ( 小 学 生 で 84.5% , 中 学 生 で 7 0 . 7 % ) が 最 も 高 い ( 厚 生 労 働 省 , 2 0 0 9 ), 中 学 生 の 友 人 グ ル ー プ へ の 所 属 は 9 0 % 程 度 と 高 く ( 幸 本 , 2 0 0 9 ; 武 内 , 1 9 9 3 ), 友 人 グ ル ー プ は 同 じ ク ラ ス 内 で 構 成 さ れ ( 小 学 生 男 子 の 84.5% , 女 子 の 87.9% , 中 学 生 男 子 の 6 0 . 5 % , 女 子 の 6 6 . 1 % ), 構 成 メ ン バ ー は い つ も 同 じ で あ る ( 小 学 生 男 子 の 56.4% , 女 子 の 65.3% , 中 学 生 男 子 の 61.5% , 女 子 の 7 6 . 7 % )( 藤 田 ・ 伊 藤 ・ 坂 口 , 1 9 9 6 ) な ど で あ る 。 こ の こ と か ら , 児 童生徒の友人関係は,同じクラス内の友人メンバーおよびグループとの 関わりが主であり,学校や学級を基盤として形成されると考えられる。 また,現代の友人グループは,メンバーの流動性が少なく,小規模化し ており,グループの境界が明瞭かつ固定的になってきている(藤田ら, 1996) と の 指 摘 や , グ ル ー プ が 固 定 的 か つ 排 他 的 に な る と い じ め が 生 じ や す い ( 藤 田 , 1 9 9 7 ; 三 島 , 1 9 9 7 ; S i m m o n s , 2 0 0 2 ), ス ク ー ル カ ー ス ト (学級集団内の生徒の相対的な地位が同性や異性からの人気やコミュニ ケーション能力の高さで表される階層関係)が低いグループ内にいじめ. 5.

(9) が 発 生 し や す い ( 森 口 , 2007; 鈴 木 , 2012) と の 指 摘 も あ り , 看 過 で き な い 問 題 で あ る 。 つ ま り , 文 部 科 学 省 ( 2011) の 「 子 ど も た ち は 気 の 合 う限られた集団の中でのみコミュニケーションをとる傾向が見られる, 等 質 的 な グ ル ー プ や 人 間 関 係 の 中 で し か 行 動 で き な い 」, と い う 指 摘 は , 児童生徒は同じ学級集団内の,さらに気の合う限られたグループの中で のみコミュニケーションをとる傾向があり,学級集団の中で対人関係が 開かれない傾向が強まると,いじめなどの問題にも発展する可能性があ ると考えることができる。 児童生徒にとっての準拠集団は,一日の大半を過ごす学級集団の中の 気の合う限られたグループが最も身近であり,その友人との関わりが, 個人の思考や態度,価値観や規範を形成する際に大きな影響を及ぼすも のとなると考えられる。もちろん,学級集団内の気の合う限られたグル ープでの友人関係は,そのグループが所属する学級集団の影響を多分に 受けると推察される。したがって教員は,個性ある児童生徒たち一人ひ とりの心理社会的発達を促進するために,児童生徒同士の友人関係の形 成や維持に寄与する教育活動を展開したり,児童生徒の学級集団の一員 としての相互交流を促すなど,グループや学級集団の両方に効果的な支 援を展開する必要があると考えられる。 その際,考慮しなければならないのは日本の学級集団の特性である。 現代の日本の学校教育は,第二次世界大戦後にアメリカ教育使節団の指 導を受けてアメリカの学校教育のシステムをモデルとして成立した。こ の と き「 生 徒 指 導 」の 概 念 も 日 本 の 学 校 に 導 入 さ れ た の で あ る 。た だ し , アメリカの学級集団は生徒個々の学習の定着に主眼がおかれ学習する場 としての学級集団という機能体の特性が強いのに対し,日本の学級集団 は,最低一年間構成されるメンバーが固定され,そのメンバー集団を単. 6.

(10) 位にして,生活活動と学習活動が統合的に実施されるのである。日本の 学級集団は単に児童生徒個々の学習の定着だけに主眼をおいて組織され ているわけではなく,班活動や係り活動,給食や清掃などの当番活動, 様々な学級行事,学校行事への学級集団としての取り組みなどが設定さ れている。つまり,日本の学級集団は,児童生徒たちの学校生活・活動 におけるベースとしての共同体の面が基盤にあり,その上に学習集団と し て の 機 能 体 の 特 性 を 有 し て い る の で あ る ( 河 村 , 2 0 1 0 )。 し た が っ て , 「開かれた個」を育成するために,学級集団全体や学級集団内のグルー プの両方に支援を展開する必要がある教員は,日本の学級集団の特性を 考慮して,効果的に実施していくことが求められるのである。 次節では,児童期・青年期の学級集団内で展開される友人関係への支 援について検討を行うために理論と先行研究を整理し,その上で本研究 における課題を抽出する。. 7.

(11) 第二節. 理 論 と先 行 研 究. 本節では,学級集団内での児童生徒の友人関係への支援について本研 究の方向性を明確にするため,児童生徒の友人関係についての理論と日 本の学級集団の特性を踏まえた先行研究を整理し,本研究における課題 を抽出する。 第一項. 友 人 関 係 に関 する理 論 の概 要. 友人関係の形成や維持の重要性については古くから指摘されてきた。 代 表 的 な 理 論 の 提 唱 者 と し て , Sullivan と Piaget が あ げ ら れ る 。 Sullivan ( 1953 ) は 8 歳 半 か ら 12 歳 頃 に 親 友 ( chum ) と の 協 力 ( c o l l a b o r a t i o n )関 係 が 出 現 し , 同 性 の 友 人 ・ 仲 間 関 係 に 見 ら れ る 「 親 密 性 」 が 重 要 と な る こ と を 指 摘 し て い る 。 Sullivan ( 1953 ) に よ る と c h u m s h i p と は「 同 性 の 仲 間 の 中 で 特 別 に 親 し く ,そ の 子 ど も の も の の 見 方やその子に必要なものやその子の願いなどが心底大切に思え,その子 は自分と全く同等に大切な存在となる」ものである。また,このような 心性が現れることにより「 ,満足欲求や安全欲求を経験する重要な他者と して,仲間が親と同等かそれ以上に大きな存在となり,真の意味での対 人関係の親密さが現れる」とされている。さらに,この時期に親友を得 ることは,対人的成熟に至る大きな転換点となるが,この移行をうまく 経験していない人は他者を「満足または欲求不満をもたらす存在」とし てのみ見続け,一方でうまく経験できた人は,安全や親密性,性愛の満 足 を 含 め て ,青 年 期( e a r l y a d o l e s c e n c e ),後 期 青 年 期( l a t e a d o l e s c e n c e ) に か け て 成 熟 し た 対 人 関 係 を 持 て る よ う に な る ( 須 藤 , 2010) な ど , そ の後の対人関係を暗示する報告もある。加えて,この時期は「協同作業 や,競争,妥協の才能が大きく伸びる時期である」など,仲間集団を通 して社交的な技術や社会生活の基本的な態度を獲得していくことも述べ. 8.

(12) て い る 。 こ の よ う に , Sullivan( 1953) は 個 人 の 発 達 の 視 点 か ら 仲 間 集 団が児童生徒たちにとって大きな役割を持つものであることを指摘した。 一 方 , Piaget は 認 知 発 達 の 視 点 や 知 識 の 獲 得 に お い て 「 個 人 」 と 「 集 団 ( グ ル ー プ )」 の 相 互 作 用 が 不 可 欠 で あ る こ と を 示 し て い る 。 P i a g e t ( 2 0 0 5 )は ,知 識 は 与 え ら れ る も の で も 単 純 に 伝 達 さ れ る も の で も な く , 個人的または集団的な構成物であり,新しい行動の構成によって引き出 さ れ る も の で あ る こ と を 示 し た 。そ し て 知 識 構 成 の た め に ,視 点 の 変 更 , 葛藤,異なる立場に視点を置くことを可能にするような集団が必要であ ることを指摘している。さらにそのための教員の役割として,単に生徒 を導き,刺激し,質問に答えさせるだけでなく,撹乱が生じ,さらにそ の解決への挑戦を引き起こすような状況を生み出すように生徒を誘導し なければならず,そのために教室内の様々な相互作用を引き起こす必要 性 に つ い て も 指 摘 し て い る 。 つ ま り , Sullivan( 1953) の 指 摘 す る 学 校 教育における個人と集団の相互作用は情緒面の発達に寄与するだけでな く,知識の獲得や認知の側面における発達にも寄与することを指摘して いると考えられる。 S u l l i v a n( 1 9 5 3 ) も P i a g e t( 2 0 0 5 ) も 年 齢 の 問 題 に つ い て 言 及 し て い る 。 Sullivan( 1953) は , 8 歳 以 前 ま で の 児 童 期 に は , 自 分 と 同 じ よ う な仲間を求め,遊び友達から受け入れられることを望む「仲間による受 容 欲 求 」 が , 8~ 12 歳 の 前 青 年 期 は 同 性 の 特 定 の 友 人 と 親 密 な 関 係 を 持 つことを望む「親密欲求」が出現し,それぞれ重要であることを指摘し て い る 。P i a g e t( 2 0 0 5 )は ,子 ど も は 7 ~ 8 歳 以 前 の 前 操 作 期 よ り 他 者 と の接触を好むが,そのことが子どもの個人的態度を変えることはないと 指摘する。それは組織された集団が少しも問題にならないからであり, この第一の時期を通じて,子どもの知的な自己中心性が,まだ思考の社. 9.

(13) 会化より優位を占めていることを示している。具体的操作期に移行する 8~ 10 歳 頃 は 集 団 を つ く る こ と へ の 欲 求 が 増 大 し , 第 一 の 時 期 よ り も 進 歩する。例えば,この時期の子どもの遊びの規則は勝負を通して統一さ れ,他者との対話は系統的になり,初期の自己中心性が減少していく。 1 0 ~ 1 1 歳 頃 に は 抽 象 的 思 考 が 始 ま る 質 的 転 換 期 を む か え ,対 人 認 知 構 造 の観点から見てもこの時期の子どもの認知は大きく変化があることが指 摘されている。例えば,遊びの規則の意識に方向の逆転が示され,外的 に求められる内容と内的で自律的な価値の関係の判断が可逆的になる。 よ っ て ,集 団 で の 作 業 が 最 も 実 り あ る も の に な る の は 1 0 ~ 1 5 歳 頃 で あ り , この時期に子どもの社会的発展と知能的発展が示されると指摘されてい る 。 し た が っ て S u l l i v a n( 1 9 5 3 ) と P i a g e t( 2 0 0 5 ) の 指 摘 か ら , 小 学 校 中 学 年 か ら 中 学 生 の 8 歳 半 ~ 15 歳 の 時 期 は 親 し い 同 性 友 人 関 係 の 形 成 や 集団との相互作用を通して,個人の情緒面および認知面が著しく発達す る時期であると考えられる。 そ し て さ ら に , Piaget( 2005) は 学 校 教 育 に お け る 教 員 や 集 団 と の 関 係についても言及している。具体的には,子ども達自身の集団生活に基 礎 を 置 く 教 育 制 度 は そ の 固 有 の 効 果 を 発 揮 し ,教 員 の 前 で 問 題 の 生 徒( 怠 惰や消極的など,劣等感や幼児期の精神生理学的構築に起因する欠陥な どの問題を持つことにより,周囲の人々から理解されず自信が欠如して いるもの)は作業の集団の中に置かれると,①劣等感や自尊心の抑制が 徐々に減少すること,②それは同年齢集団の方が容易に起こること,③ 平均より下に位置する生徒にとっては集団における協力が自己教育の場 となり,個別の作業によって構築される場よりもはるかに優れているこ と,など様々な効果をもたらすことが指摘されている。ただしこのこと は,集団と教員との間の関係が,純粋な服従の関係または協力の関係で. 10.

(14) あるかに応じて,そこに機能する力は強化されたり,妨害しあったりす ると指摘されている。つまり,教員が示す目的が記憶や試験の準備など で構成するならば集団は 1 つの障害となるが,個人の活動的探求が促進 される集団は刺激剤にもなり得ると指摘されている。したがって,学級 集団内で展開される知的作業活動は,教員の指導行動のあり方や集団の 雰囲気と関連することが示されていると考えられる。 以 上 ,代 表 的 な 理 論 の 提 唱 者 と し て S u l l i v a n と P i a g e t を 取 り 上 げ た 。 結果,学校教育の中で児童生徒が健全な発達を支援していくためには, 次の 2 点が必要条件になることが示された。 ① 小 学 校 中 学 年 か ら 中 学 生 の 8 歳 半 ~ 15 歳 の 時 期 は 親 し い 同 性 友 人 関 係 の形成や集団との相互作用を通して,個人の情緒面および認知面が著 しく発達する時期であり,そのプロセスを保障することである。 ②①は教員の指導行動のあり方や学級集団の状態に影響を受けること, そのため個人の情緒面および認知面が発達を促進する教員の指導行 動のあり方と学級集団の形成が求められることである。. 第二項. 学 級 集 団 内 における友 人 関 係 および友 人 グループ関 係 に関 する文 献 研究. 学級集団内の友人関係およびグループ関係の研究を概観するために, 友 人 , 友 達 ( 友 だ ち ), 仲 間 , グ ル ー プ , 学 級 集 団 を キ ー ワ ー ド に 1 9 7 0 年 か ら 2 0 1 6 年 ま で の 学 会 論 文 を 検 索 し た 。文 献 研 究 の 対 象 と な っ た 日 本 の研究雑誌は,心理学研究,教育心理学研究,発達心理学研究,カウン セ リ ン グ 研 究 ,青 年 心 理 学 研 究 ,パ ー ソ ナ リ テ ィ 研 究 ,性 格 心 理 学 研 究 , 社会心理学研究,対人社会心理学研究,実験社会心理学研究,教育カウ ンセリング研究,学級経営心理学研究であった。また,これらの研究雑. 11.

(15) 誌に掲載されていた論文中で頻繁に引用されている知見は,大学紀要や 図 書 等 も 抽 出 し た 。 結 果 , 友 人 関 係 に 関 す る 日 本 の 文 献 は 200 件 以 上 抽 出 さ れ た ( 武 蔵 , 2 0 1 6 a , 2 0 1 6 b )。 さ ら に , 海 外 の 文 献 に つ い て も オ ン ラ イ ン デ ー タ ベ ー ス PsycINFO を 用 い て 1970 年 か ら 2016 年 の 文 献 を 検 索 し た 。文 献 収 集 の 手 続 き は ,英 語 の 査 読 付 き 論 文 を 対 象 に , “ friendship” “ classroom” “ peer” “ group” “ relationship” の キ ー ワ ー ド を 用 い て 検 索 し た 。 結 果 115 件 ヒ ッ ト し た 。 さ ら に , こ れ ら の 研 究 論 文 に 掲 載されていた論文中で頻繁に引用されている知見は,大学紀要や図書等 も抽出した。抽出された文献から,①児童期から青年期までを対象とし ている,②友人関係あるいは友人グループに関連している,③一般の児 童 生 徒 学 生 を 対 象 と し て い る( 特 別 支 援 が 必 要 な 児 童 生 徒 で は な い ),④ 展望論文でない,という 4 つの基準を用いてその後の分析の対象とする 研究を選択した。この基準にて各研究を検討した結果,幼児や高齢者の 友人関係に関する研究,親子関係や恋愛関係に関する研究,非行少年や 特別支援児童生徒の友人関係に関する研究,グループアプローチに関す る研究,電子媒体を活用した友人関係に関する研究,展望論文などが対 象外となった。 そ し て さ ら に , 第 一 章 第 一 項 で 取 り 上 げ た ,「 ① 小 学 校 中 学 年 か ら 中 学 生 の 8 歳 半 ~ 15 歳 の 時 期 は 親 し い 同 性 友 人 関 係 の 形 成 や 集 団 と の 相 互 作 用 を 通 し て ,個 人 の 情 緒 面 お よ び 認 知 面 が 著 し く 発 達 す る 時 期 で あ り , そ の プ ロ セ ス を 保 障 す る こ と で あ る 」,に 関 連 す る 視 点 を 明 ら か に す る た め に , 1. 友 人 関 係 お よ び 友 人 グ ル ー プ の 発 達 的 変 化 , 2. 友 人 関 係 お よ び 友 人 グ ル ー プ の 男 女 差 , 3. 友 人 関 係 お よ び 友 人 グ ル ー プ 関 係 の 影 響 , 4 .友 人 関 係 お よ び 友 人 グ ル ー プ と 適 応 ,ま た「 ② ① は 教 員 の 指 導 行 動 の あり方や学級集団の状態に影響を受けること,そのため個人の情緒面お. 12.

(16) よび認知面が発達を促進する教員の指導行動のあり方と学級集団の形成 が 求 め ら れ る こ と で あ る ,の 視 点 と の 関 連 が 想 定 さ れ る 」,に 関 連 す る 視 点 を 明 ら か に す る た め に , 5 .友 人 関 係 お よ び 友 人 グ ル ー プ と 学 級 集 団 , の枠組みで文献研究を実施することとした。 1.友 人 関 係 および友 人 グループの発 達 的 変 化 Sullivan や Piaget よ り , 小 学 校 中 学 年 か ら 中 学 生 の 8 歳 半 ~ 15 歳 の 時期は親しい同性友人関係の形成や集団との相互作用を通して,個人の 情緒面および認知面が著しく発達する時期であることが明らかになった。 そこでまずは年齢や学年の増加や学校段階の移行に伴う発達的変化に注 目 す る こ と と し た 。 そ の 際 , 榎 本 ( 1999, 2000) は 友 人 関 係 を 「 欲 求 の 側 面 」「 活 動 ( 行 動 ) 的 側 面 」「 感 情 的 側 面 」 の 3 側 面 か ら 明 ら か に し て い る た め ,発 達 的 変 化 に お い て も 3 側 面 に 分 類 し て 検 討 す る こ と と し た 。 なお,3 側面が混在している場合には主要な結果をもとにいずれかに分 類した。 1)欲 求 の発 達 的 変 化 保 坂 ・ 岡 村( 1 9 8 6 )は ,友 人 や 仲 間 関 係 の 発 達 段 階 と し て ,g a n g - g r o u p ( 外 面 的 な 同 一 行 動 に よ る 一 体 感 な ど を 求 め る 関 係 ),c h u m - g r o u p( 内 面 的 な 互 い の 類 似 性 を 言 葉 で 確 か め 合 う 関 係 ),p e e r - g r o u p( 内 面 的 に も 外 面的にも互いに自立し,互いの相違性を認め合う関係)の 3 段階の位相 が あ る こ と を 提 起 し て い る 。 そ し て さ ら に , 保 坂 ( 1998) は peer-group に 至 る 以 前 の g a n g - g r o u p や c h u m - g r o u p に お い て は ,p e e r - p r e s s u r e( 仲 間 か ら の 圧 力 , 同 調 圧 力 ) が 生 じ る こ と も 指 摘 し て い る 。 武 蔵 ( 2014) は,他者との閉鎖的な関係を希求する「固定した関係欲求」は,小学校 4 年 生 で 高 く ,中 学 2,3 年 生 に な る と 低 く な り ,他 者 と の 心 理 面 に お け る 深 ま り を 希 求 す る 「 内 面 共 有 欲 求 」 は , 小 学 6 年 生 と 中 学 1, 2, 3 年. 13.

(17) 生において得点が高く,様々な他者との関わりを希求する「開かれた交 流欲求」は,中学 3 年生で得点が高いことを明らかにした。さらに武蔵 ( 2 0 1 5 )は ,友 人 関 係 に 対 す る 欲 求 の 持 ち 方 の 類 型 を , 「 a.固 定 し た 関 係 欲 求 」「 b . 内 面 共 有 欲 求 」「 c . 開 か れ た 交 流 欲 求 」 の 高 低 の 組 み 合 わ せ に よ り 抽 出 し ,b . c . の 欲 求 が 共 に 高 い 場 合 に 受 容 感 ,効 力 感 ,対 人 積 極 性 , 向 社 会 性 が 高 く ,小 学 生 よ り も 中 学 生 で b . c . 高 群 の 出 現 率 が 増 加 す る こ と を 示 し て い る 。 Buhrmester & Furman( 1986) は Sullivan( 1953) の 指摘について検討し,親密さへの欲求は中学生以上に顕著となることを 指 摘 し て い る 。 榎 本 ( 1999, 2000) は 友 人 に 対 す る 欲 求 の 側 面 を 「 相 互 尊 重 欲 求 」「 親 和 欲 求 」「 同 調 欲 求 」 の 3 側 面 か ら 捉 え て お り , 1 3 ~ 2 2 歳 までの青年期にはどの学校段階を通しても親和欲求が高く,同調欲求は 低く,相互尊重欲求は学校段階とともに高まっていくと指摘している。 落 合 ・ 佐 藤 ( 1996) は , 友 人 と の 関 わ り に 対 す る 姿 勢 と 関 わ る 相 手 の 範 囲 を 「 積 極 的 関 与 ( 深 い ) - 防 衛 的 関 与 ( 浅 い )」「 選 択 的 ( 狭 い ) - 全 方 向 的( 広 い )」の 2 つ の 軸 で 捉 え ,発 達 的 変 化 を 検 討 し た 。中 学 校 で は「 広 く 浅 く 」, 高 校 で 「 深 く 広 く 」, 大 学 で 「 深 く 狭 く 」 へ と 移 行 す る こ と を 明らかにしている。 以上から,友人関係への欲求の発達的変化について,先行研究では友 人関係の広がりと深まりの視点で捉えようとした試みが主流になってお り,次のように見解を整理することができる。 ① 年 齢 の 上 昇 と と も に ,広 が る ・ 深 ま る 方 向 に 発 達 的 変 化 が み ら れ る こ と。 ② 小 学 生 と 比 べ て 中 学 生 段 階 か ら ,広 が る 方 向 へ の 発 達 的 変 化 が み ら れ ること。 ③ 中学生段階から,内面を共有するようになること。. 14.

(18) ④内面の共有と開かれた交流の友人関係の形成は,受容感や効力感,向 社 会 性 ,対 人 積 極 性 な ど の 心 理 社 会 的 に 発 達 し た 特 性 を 形 成 す る こ と 。 その他にも,学校差だけではなく学年ごとに詳細にカテゴライズして 発達的変化の検討を試みた研究があり,全体的に上記の見解を支持して いた。さらに学年差に踏み込んでその差異を指摘していた点があり,今 後の知見の積み重ねが待たれるところである。具体的には以下の点であ る。 ・ ② に 関 し て , 中 学 生 の 1, 2 年 生 と 比 べ て , 3 年 生 で は よ り 自 立 し た 上 での関係の広がりを志向する可能性があること。 ・③に関して,小学校 6 年生から中学生と同レベルで内面を共有する発 達的変化がある可能性があること。 2)活 動 (行 動 )の発 達 的 変 化 Gottman & Mettetal( 1986) や Parker & Gottman( 1989) は , 子 ど も 達の友人との会話に関する活動場面の観察を行い,幼児期には遊びを通 して会話を楽しみ,児童期には自己表現の問題や,仲間入りや拒絶を回 避することなどが子ども達の会話に含まれ,青年期には自己探索や他者 への自己開示,個人的問題の解決について焦点が当てられていくことを 指 摘 し た 。 Mathur & Berndt( 2006) は 友 人 と の 活 動 を , ① Socializing ( 社 会 的 活 動 へ の 参 加 ),② S c h o o l( 学 校 へ の 関 与 ),③ M a i n t e n a n c e( 維 持 ,支 持 ),④ P l a y a n d g a m e s( 遊 び や ゲ ー ム ),⑤ M e d i a( 映 像 を 楽 し む ), ⑥ Sports( ス ポ ー ツ す る ) の 側 面 に 分 類 し , 4 年 生 よ り も 8 年 生 で ① ② ③ ⑤ を 行 っ て お り ,ま た 男 子 は 女 子 よ り ⑤ ⑥ を 行 っ て い る こ と を 示 し て い る 。藤 井( 1 9 9 9 )は 友 人 グ ル ー プ が 活 動 集 団( 野 球 や か く れ ん ぼ な ど , あ る 特 定 の 集 団 的 遊 戯 活 動 を 目 的 に 形 成 さ れ た 仲 間 集 団 )と 交 友 集 団( 親 密な仲間との交流自体を目的に形成された仲間集団)の 2 つのタイプに. 15.

(19) 分かれることを指摘し,学年があがるに従い,交友集団が増加すること を 指 摘 し て い る 。 榎 本 ( 1999, 2000) は 友 人 と の 活 動 ( 行 動 ) 的 側 面 を 「相互理解活動」 「親密確認活動」 「共有活動」 「 閉 鎖 的 活 動 」の 4 側 面 で 捉 え て お り ,1 3 ~ 2 2 歳 ま で の 青 年 男 子 は 友 人 と 遊 ぶ 関 係 か ら 互 い を 尊 重 する関係へと変化し,女子は友人との類似性に重点をおいた関係から他 者を入れない閉鎖的な関係となり,その後互いを尊重する関係へと変化 していた。 以上から,友人と遊ぶという活動は幼児から中学生のどの時期におい ても取り上げられており重要であるが,活動の発達的変化について,先 行研究では活動が目的になっているのか手段になっているのかという視 点で捉えようとした試みが主流になっており,次のように見解を整理す ることができる。 ①小学生では活動する内容を目的として友人関係が形成されており,中 学生では友人との交流自体が目的になっていくこと。 ②活動の発達的変化については,男女差があること。 3)感 情 の発 達 的 変 化 田 中 ( 1975) は 友 人 の 選 択 理 由 に は 席 や 列 が 近 い と い う 相 互 的 接 近 , なんとなく好きなどの同情愛着,相手を尊敬する尊敬共鳴,助け合うな ど集団的協同の 4 側面を指摘し,友人選択理由において年少では相互的 接 近 ,年 長 で は 尊 敬 共 鳴 が 重 要 で あ る こ と を 示 し て い る 。B i g e l o w( 1 9 7 7 ) は,最も親しい友人に対する期待には 3 つの発達段階があることを指摘 し て い る 。第 一 段 階 は 7 ~ 8 歳 で 報 酬 と コ ス ト の 段 階 と さ れ ,友 人 は 近 く に住み,自分と一緒に遊んだり,興味深いおもちゃ等を持っている人と 捉 え ,共 行 動 と 近 接 が 重 要 で あ る 。第 二 段 階 は 1 0 ~ 1 1 歳 頃 で 規 範 的 段 階 とされ,価値や規則,規範の共有が重要となり,友人には忠誠が期待さ. 16.

(20) れ , 助 け 合 い や 共 に 何 か を す る こ と が 求 め ら れ る 。 第 三 段 階 は 11 ~ 13 歳で,共感的段階とされ,相互理解や受容,親しさや自己開示が期待さ れ る 。S t e p h a n i e( 1 9 8 3 )は ,児 童 期 初 期 に お い て 友 情 は 共 有 活 動 や 相 互 好意に基づいて発展し,児童期後期は忠誠や相互扶助を含みながら発展 し,青年期は自己開示が友情の機能となり,成人期には類似性,能力, 受 容 性 の 重 要 性 が 減 少 し て い く と 指 摘 し て い る 。F u r m a n & B i e r m a n( 1 9 8 3 ) は ,4 ~ 7 歳 の 友 人 関 係 の 特 徴 は ,好 意 ,共 行 動 ,サ ポ ー ト ,近 接 で あ り , 徐々に友情における好意やサポートに対する期待が増加することを明ら か に し て い る 。 さ ら に Furman & Bierman( 1984) は , 小 学 校 2, 4, 6 年 生のすべての年齢群で友人に対する期待として援助や共行動が最も強く, 年齢とともに信頼や忠誠,重要性などの内面的特徴が増加することを明 ら か に し た 。 Berndt( 1986) は 友 人 関 係 に 関 す る 児 童 の コ メ ン ト を ① 遊 びまたは連合,②向社会的行動,③攻撃的行動,④親密性と信頼,⑤忠 誠,⑥忠実性,⑦明言化,⑧人格的帰属,の 8 つに分類し,①はすべて の 年 齢 群 で 多 く み ら れ ,④ と ⑤ が 年 齢 と と も に 増 加 す る こ と を 指 摘 し た 。 和 田 ( 1996) は , 大 学 生 よ り も 中 学 生 と 高 校 生 の 方 が 「 共 行 動 」 を , 高 校生より中学生の方が「自己開示」を,中学生よりも高校生と大学生の 方が友人との関係における「自己向上」を,中学生よりも大学生の方が 「 真 正 さ 」 を 期 待 し て い た こ と を 指 摘 し た 。 岡 本 ・ 上 地 ( 1999) は , 男 子は中学生から高校生にかけて,同性友人に対する緊密感や信頼感が増 加 す る 傾 向 が 見 ら れ た と 指 摘 し て い る 。 大 嶽 ・ 多 川 ・ 吉 田 ( 2010 ) は , 「ひとりぼっち回避行動」の捉え方の変化を検討し,青年期前期にはグ ループ成員が互いに束縛し合う傾向をもち,一緒にいることで得られる 安心感と,形として群れている状態への漠然とした不安感とが共存して いたことを示した。青年期後期になると,ほどよいゆるやかな友人関係. 17.

(21) を習得し,情緒的にも道具的にも満たされた主観的な満足感を獲得する ことが示唆された。 以上から,友人関係の感情として信頼感や忠誠,好意や受容,共行動 や援助への期待,尊敬の念などの感情が注目され,その発達的変化につ いて先行研究の見解を次のように整理することができる。 ①小学校低学年は近接性から生じる好意から始まり,小学校中・高学年 では相手への忠誠や相互扶助が重要となり,中学生では自己開示にと もなう受容や尊敬の念などの感情が重要視されること。 この点は,友人関係への欲求の発達的変化で指摘された友人関係の広 がりと深まりの視点との関連が考えられる。小学校中・高学年での相手 への忠誠や相互扶助が広がりを阻害する行動につながることが想定され, 本研究とも関連があり,詳細な検討が求められる。 4)認 知 の発 達 的 変 化 友 人 関 係 に お け る「 活 動( 行 動 )的 側 面 」 「感情的側面」 「欲求の側面」 の 3 側 面 ( 榎 本 , 1999, 2000) の 他 に , Piaget の 指 摘 す る 認 知 面 か ら 検 討 し た 研 究 も あ っ た 。 Piaget に よ れ ば , 児 童 期 の は じ ま り で あ る 7~ 8 歳頃は前操作期から具体的操作期への移行期として位置づけられている。 前 操 作 期 と 比 較 し て 子 ど も の 思 考 が 論 理 的 に な り , 9~ 10 歳 頃 に は 抽 象 的思考が始まる質的転換期をむかえる。対人認知構造の観点から見ても この時期の子どもの認知は大きく変化があることが指摘されている。こ れ を 受 け て , Livesley & Bromley( 1973) は , 7~ 16 歳 の 子 ど も を 対 象 に好きな人・嫌いな人・自分自身について自由記述をさせた結果,叙述 数が 8 歳前後に著しく増加し,人に関する構成概念が増加することを指 摘 し て い る 。 村 山 ( 1979) は , Livesley & Bromley( 1973) の 研 究 を 追 試し,日本においても 8 歳頃に著しく増加することを確認している。. 18.

(22) Barenboim( 1981) は , 6, 8, 10 歳 の 子 ど も に よ く 知 っ て い る 子 ど も を 叙述するよう求め,得られた言語反応の内,他者間比較を示す反応は 8 ~9 歳に最も多く見られたことから,この頃に他者の具体的な行動に注 目 し や す い こ と を 示 し て い る 。 さ ら に , B e r n d t & P e r r y( 1 9 8 6 ) は , 2 , 4, 6, 8 年 生 の 全 て の 学 年 に お い て “ 友 人 ” は 単 な る “ 知 り 合 い ” と 比 較して支援的な関係であると知覚していたことを明らかにしている。さ らに“知り合い”に関する評価には学年差が見られ,6 年生は知り合い に対して,不親切,利己的,不快であるなど否定的な個人的特質に反応 をする傾向が他の学年よりも高く,対照的に 8 年生では,知り合いは友 だちではないとして関わらなかったり,異なる友人グループに所属して いると認知する傾向が高かった。つまり,8 年生では知り合いを評価す る際に個人的特質よりも状況的な特質や個人と状況の相互作用から説明 す る 割 合 が 高 く ,両 者 の 友 情 の 認 知 に は 差 異 が 見 ら れ た 。さ ら に ,B e r n d t & P e r r y( 1 9 8 6 ) は , 子 ど も 達 は 年 齢 が 高 く な る と サ ポ ー ト や 葛 藤 の よ う な友情の複雑な次元を区別して捉えることが可能になることを指摘して い る 。 Krantz & Burton ( 1986) は , 子 ど も 達 は 年 齢 が 高 く な る と 遊 び 相手の仲間の好みが明確になり,グループのダイナミクスに対する気づ き も 増 す 。 Dunstan & Nieuwoudt( 1994) は 2, 4, 6 年 生 を 対 象 に 仲 間 指 名に関する調査を行ない,年齢が低い子ども達は友人として数人の同一 の者(グループの人気者のような人)を指名する傾向があるが,年齢が 高 く な る と 同 一 の 者 を 指 名 し な く な る 。C l e a r y ,R a y ,L o B e l l o , & Z a c h a r ( 2 0 0 2 )は ,学 級 の 親 友 は 友 達 と 比 較 し て 思 い や り ,親 密 性 ,仲 間 意 識 , 排 他 性 が 高 い こ と を 指 摘 し て い る 。 さ ら に , 難 波 ( 2005) は , 青 年 期 後 期の仲間は互いを認識できる複数の規模での関係であり,親友に次ぐ親 しさであること,青年期後期の仲間関係は,児童期や青年期前期・中期. 19.

(23) の仲間関係とは区別されていたことを明らかにした。また,親密さと, 目的・行動の共有という 2 軸によって,仲間,友だち,親友を布置した ところ,仲間を他の関係から分離する指標として目的・行動の共有があ ることを指摘した。 以上より,友人関係の認知の発達的変化について,先行研究の見解を 次のように整理することができる。 ① P i a g e t が 認 知 的 な 展 開 を 指 摘 す る 8 ~ 9 歳 の 時 期・小 学 校 2 ,3 年 生 に , 友人を多面的側面から見るようになること。 ②全ての学年において“友人”は単なる“知り合い”と比較して支援的 な関係であると知覚されていること。 ③年齢の上昇とともに友人関係は個人の特性に対する好意から,メタ認 知機能の高まりに付随して,自分の所属するグループやメンバーのダ イナミクスも捉えられるようになり,小学校 6 年生頃から状況的な特 質や個人と状況の相互作用から捉えられるようになること。 ② に 付 随 し て ,小 学 校 6 年 生 は 単 な る“ 知 り 合 い ” に 対 し て ,不 親 切 , 利己的,不快であるなど否定的な個人的特質に反応をする傾向があり, 中学校 2 年生では,知り合いは友だちではないとして関わらなかったり する傾向が指摘された点は,検討が求められる点である。 2.友 人 関 係 および友 人 グループの男 女 差 Sullivan や Piaget で は , 同 性 の 友 人 関 係 や 集 団 と の 相 互 作 用 が 重 要 であることが明らかになっているが,友人関係は男女で異なる様相が見 られることも指摘されている。そこで次に友人関係や友人グループの様 相における男女差について整理することとした。 友人関係の男女の質の違いについては以下のようなことが指摘され ている。一般的に子どもの遊びは典型的に親しいグループかペアで行わ. 20.

(24) れ る( Benenson,Apostoleris,& Parnass,1998; Gilligan,1982)が , 男子の特徴としては,活動的で競争的な遊びをする大人数のグループで 集 ま る ( Shrum, Cheek, & Hunter, 1988) , 遊 び を 通 し た 「 共 有 活 動 」が 重 要 で あ る( 榎 本 , 1 9 9 9 ), 大 人 数 の 集 団 内 の 個 々 の 友 情 は そ れ ほ ど 親 し い わ け で は な い ( E r w i n , 1 9 9 3 ), 仲 間 関 係 に お い て 誰 が 誰 よ り も 強いかとい うこと に関心を 持ち, 支 配を確立し 維持し ようとす る ( M a c c o b y , 1 9 9 8 ), 支 配 階 層 が 早 期 に 形 成 さ れ , 非 常 に 安 定 し た も の と な る ( P e t t i t , B a k s h i , D o d g e , & C o i e , 1 9 9 0 ), 友 達 に 自 分 の 内 面 を 出 さず,心理的に離れている関係を持ち,親密というより内面を隠した分 離 的 , 防 衛 的 つ き あ い を し て い る ( 長 沼 ・ 落 合 , 1 9 9 8 ), 排 他 的 で あ る ( M a r i o n , 2 0 1 3 ), 共 行 動 を よ り 重 視 す る ( 和 田 , 1 9 9 3 ), 女 子 に 比 べ て 「 不 満 ・ 要 求 の 表 明 」を 多 く 行 い ,そ の 背 景 に は「 支 配 欲 求 」が あ る( 柴 橋 ,2 0 0 1 ,2 0 0 4 ),攻 撃 性 が 仲 間 に 拒 否 さ れ る こ と の 重 要 な 決 定 因 と な る ( Coie, Dodge, & Kupersmidt, 1990) と 指 摘 さ れ て い る 。 対 照 的 に 女 子 は 男 子 に 比 べ て 友 人 や 集 団 と の 類 似 性 が 高 い ( Benenson, 1 9 9 0 ; L a d d , 1 9 8 3 ), 親 密 性 が 高 い ( E r w i n , 1 9 9 3 ), 友 人 と 密 着 し た 関 係 を 好 む( 長 沼・落 合 ,1 9 9 8 ),排 他 性 が 高 い( B e r n d t ,1 9 8 2;F e l d m a n & D o d g e , 1 9 8 7;D a n i e l s - B e i r n e s s ,1 9 8 9 )二 人 組 で の 関 わ り が 多 い( M a c c o b y ,1 9 9 8; Benenson, 1990;Waldrop & Halverson , 1975) と 指 摘 さ れ る 。 ま た 集 団 との関係においては,活動よりも関係性が重要で,友人との類似性に重 点をおいた「親密確認活動」や他者を入れない絆を持つ「閉鎖的活動」 を 好 む ( 榎 本 , 1 9 9 9 ), 自 己 表 明 に お い て は 「 限 界 ・ 喜 び の 表 明 」 を 多 く 行 い ,他 者 表 明 に つ い て は , 「 友 人 の 率 直 な 表 明 を 望 む 気 持 ち 」を 高 く 持 つ ( 柴 橋 , 2 0 0 1 ),「 意 見 の 表 明 」 お よ び 「 不 満 ・ 要 求 の 表 明 」 の 低 さ の 背 景 に 「 ス キ ル 不 安 」 が あ る ( 柴 橋 , 2 0 0 4 ), 強 さ や 相 対 的 な 地 位 に あ ま. 21.

(25) り 関 心 が な い ( W h i t i n g & E d w a r d s ,1 9 8 8 ),集 団 の 境 界 が ゆ る い( T h o r n e & L u r i a , 1 9 8 6 ), 集 団 は 相 互 に つ な が り 合 っ て い る が , 時 に と て も 不 安 定 な 2 人 組 か ら 構 成 さ れ て い る( B e r n d t ,1 9 8 2 ),小 さ な 集 団 を 形 成 す る こ と を 好 み ,よ り 排 他 的 で 新 し い 仲 間 を 受 け 入 れ よ う と し な い( D u r k i n , 1995) 親 密 な 関 係 を 背 景 に , そ の 関 係 に 属 さ な い 第 三 者 に 対 す る 排 他 的 な 考 え 方 や 行 動 傾 向 お よ び 固 定 的 な 集 団 志 向 が 強 い ( 三 島 , 2 0 0 8 a ), 引 っ 込 み 思 案 が 仲 間 に 拒 否 さ れ る こ と の 重 要 な 決 定 因 と な る( C o i e e t a l . , 1 9 9 0 ), 恐 怖 ・ 羞 恥 , 抑 鬱 ・ 不 安 , 幸 福 , 平 静 の 状 態 に な っ た と き に そ の こ と を 友 人 に 打 ち 明 け ,友 人 間 の 自 己 開 示 ,相 互 依 存 を 重 視 す る( 和 田 , 1 9 9 3 ), 友 人 グ ル ー プ の 関 係 性 を 重 要 視 し て い る ( 丹 野 , 2 0 0 8 ), な ど と 指摘されている。また,青年期の女子がグループに所属する理由として 「安全保障の獲得」と「浮いた存在になることへの忌避」の 2 点がある こと,グループに対する志向性として固定的集団志向,閉鎖的集団志向 の 2 つ が あ る こ と ( 佐 藤 , 1995) や , 女 子 に は 仲 良 し グ ル ー プ に 入 り た いという親和傾向の欲求がある一方で,学校内で孤立して「孤独地獄」 を経験したくないために,グループに所属してもなお拒否不安に怯える 様 相 が あ る ( 杉 浦 , 2000) こ と な ど も 指 摘 さ れ て い る 。 さらに,友人関係における男女差に関しては,男女における仲間集団 の大きさや広さと個人の社会的地位や社会的コンピテンスとの関連に着 目 し た 研 究 も あ る 。 Waldrop & Halverson ( 1975) は , 7 歳 半 の 子 ど も を対象に,仲間との相互作用と社会的コンピテンスの検討を行い,同性 のみのグループ内で強く結びついている女子は社会的能力がより高くな り,一方男子ではより緩やかな同性グループにいる方が社会的な能力に 熟達が見られた。また,仲間集団のサイズは男女で異なっており,男子 の仲間集団のサイズは女子より大きく,社会的地位と関連していたこと. 22.

(26) を 示 し た 。 B e n e n s o n( 1 9 9 0 ) は , 9 - 1 1 歳 を 対 象 に , 社 会 的 地 位 ( グ ル ー プからの受容と人気)について検討し,男子の仲間集団の大きさと社会 的地位には高い関連があるが,女子には関連がほとんどなかったことを 指摘している。また,男女ともに学校の仲間集団の中で親友を作り,そ の 数 に 男 女 差 は な か っ た( B e n e n s o n ,1 9 9 0 ; C a i r n s ,P e r r i n ,& C a i r n s , 1985; Ray, Cohen, & Secrist, 1995) が , 友 情 の 親 し さ の レ ベ ル が 男 子 よ り も 女 子 で 高 か っ た ( B u h r m e s t e r , 1 9 9 0 ; E r w i n , 1 9 9 3 )。 仲 間 集 団 内 の 相 互 作 用 に 関 し て は , 幼 稚 園 か ら 1, 3, 4 年 生 を 対 象 に し た 研 究 で , 女子は幼稚園での活動開始当初から,グループの受容のレベルが同じ者 同士の相互作用が多く見られた。つまり,高受容の女子はその子たちで 関わり,低受容の女子はその子たちで関わっていた。一方,男子にはそ の傾向は 4 年生まで見られなかった。よって,女子は早い年齢で社会的 地 位 に 気 付 き ,同 じ 地 位 の 仲 間 と の 相 互 作 用 を 促 進 す る( G o t t m a n ,1 9 8 6 ) こ と が 示 唆 さ れ て い る 。 Benenson( 1998) は , 男 子 と 比 較 し て , 女 子 は 仲間関係において大きな仲間集団内の社会的地位の力学を意識しながら, より親しい友情と小さなグループでの相互作用に焦点をあてて関係を維 持するという,2 つの機能を同時に果たしていることを指摘している。 以 上 よ り , Sullivan や Piaget は 同 性 の 友 人 関 係 や 集 団 と の 相 互 作 用 が重要であることを指摘したが,先行研究でもその指摘にそって検討が なされていることが主流で,その見解を次のように整理することができ る。 ①男子は,共行動と内面を隠した分離的つきあいを好み,仲間集団内の 多くの成員がつながり,支配と服従という構造が変化しにくく安定し ていること。 ②女子は,活動よりも関係性が重要で,友人や集団との類似性や親密性. 23.

(27) の高さ,内面の自己開示と密着した関係を好み排他性が高いこと。 ③女子は早い年齢で社会的地位に気付き,同じ地位の仲間との相互作用 を促進すること。 さらに,本研究との関連で,次の点の指摘は,詳細な検討が求められ る。 ・支配欲求がある男子において,攻撃性が仲間に拒否されることの重要 な決定因となること,そして女子は,引っ込み思案が仲間に拒否され ることの重要な決定因となること。 ・男子の仲間集団の大きさと社会的地位には高い関連があるが,女子に は関連がほとんどなかったこと。 ・男子ではより緩やかな同性グループにいる方が社会的な能力に熟達が 見られ,女子は同性のみのグループ内で強く結びついているほど社会 的能力がより高くなること。 3.友 人 関 係 および友 人 グループ関 係 の影 響 Sullivan や Piaget で は , 親 し い 同 性 友 人 関 係 の 形 成 や 集 団 と の 相 互 作用が重要であることを示している。よって,友人や友人集団を持つこ との影響について下記に整理することとする。 1)友 人 を持 つことの影 響 Bukowski, Hoza, & Newcomb( 1991) は , 4~ 5 年 生 を 対 象 に 友 人 を 持 っ て い る こ と が 自 尊 感 情 に 関 連 し て い る こ と を 示 し た 。同 様 に V a n d e l l & H e m b r e e( 1 9 9 4 )も 3 年 生 を 対 象 に 調 査 を 行 い ,友 人 を 持 っ て い る こ と が 自尊感情に関連していることを示している。反対に,友人がいない子ど も は 孤 独 で あ る ( P a r k e r & A s h e r , 1 9 9 3 ), 友 人 が お ら ず , 集 団 か ら も 受 容 さ れ て い な い 場 合 は 最 も 孤 独 で あ る ( R e n s h a w & B r o w n , 1 9 9 3 ), 学 校 へ の 適 応 が 難 し く な る ( L a d d & P r i c e , l 9 8 7 ), 親 と の 絆 も 弱 い 場 合 に 精. 24.

(28) 神 的 な 兆 候 が 多 く 報 告 さ れ る( B a c h a r ,C a n e t t i ,B o n n e ,D e - N o u r ,& S h a l e v , 1997) こ と が 示 さ れ て い た 。 Liu & Chen( 2003) は , 友 人 グ ル ー プ に 所 属している生徒は,社会的な適応,情緒的な適応,学校適応のいずれに おいても良好で,孤独感や学習の問題を抱えることが少なかったが,行 動面や学習面の困難さを抱える子どもは,グループのネットワークに関 与しておらず,クラス内での相互的な友人関係も持つことができていな かったことを明らかにしている。 ま た , Sullivan( 1953) の 指 摘 す る chumship を 持 つ 児 童 と 持 た な い 児 童 と の 違 い を 比 較 し た 研 究 も あ る 。M a n n a r i n o( 1 9 7 8 )は 6 年 生 の 男 児 を 対 象 に ,c h u m s h i p を 持 つ 児 童 は 持 た な い 児 童 と 比 べ て 肯 定 的 な 自 己 概 念 を 持 っ て い た こ と を 指 摘 し て い る 。H i a t t ,L a u r s e n ,M o o n e y , & R u b i n ( 2015) は , 質 の 高 い 友 人 関 係 は 6 年 生 か ら 7 年 生 に 定 着 す る 傾 向 が あ り ,質 の 高 い 友 人 関 係 を 持 つ 者 は 自 己 価 値 の 感 覚 や 行 動 の 実 行 性 が 高 く , 問 題 行 動 が 最 も 少 な か っ た こ と を 指 摘 し て い る 。 同 様 に , Bishop & Inderbitzen( 1995) は 9 年 生 を 対 象 に , chumship を 持 つ 児 童 は 自 尊 心 がより肯定的であり,また友人は人数が多ければ多いほどよいというわ けではなく,少なくとも 1 人の友人を持つことが重要であることを指摘 している。このように思春期や前青年期に多くの研究では,友人を持つ ことがよりよい自己概念を持つことにつながっているということはかな り 一 貫 し た 見 解 と な っ て い る( B i s h o p & I n d e r b i t z e n ,1 9 9 5 ; B u k o w s k i e t a l . , l 9 9 1 ; M a n n a r i n o , 1 9 7 8 )。 た だ し , Clark & Drewry( 1985) は , 3 年 生 と 6 年 生 を 対 象 に , 友 人 のいる児童と友人がいない児童を比較したところ自己概念の差異は見ら れず,さらに仲間グループからの受容も自己概念に差異がないことを指 摘 し , ま た Vandell & Hembree( 1994) も , 友 人 を 持 っ て い て 拒 絶 さ れ. 25.

(29) ている子どもは,友人を持っていない子どもよりも自己概念が低いなど の報告もある。このことは,友情が単独で自己概念と関連しているとい う 結 果 ( Bishop & Inderbitzen, 1995; Bukowski et al., 1991 ; Vandell & Hembree, 1994) と , 社 会 的 コ ン ピ テ ン ス ( Bukowski et al., 1991) や 所 属 感 ( Bukowski, Hoza, & Boivin, 1993) な ど の 他 の 変 数 の 持 ち 方 によって影響が異なっていることが示されている。さらに,友人を持つ こ と だ け で な く 維 持 す る こ と に つ い て の 知 見 も あ る 。M c C h r i s t i a n , R a y , Tidwell, & LoBello ( 2012) は , 長 期 に わ た る 安 定 的 な 友 人 関 係 を 保 てない児童は,新しく友人関係をつくることにも同様に難しさを抱えて いること,また,長期にわたって関係性を維持できる児童は親友との肯 定的関係の質(例えば,他者に対する配慮など)は変化しないが,関係 性を維持できない児童は関係性の質が低下していくことを明らかにして いる。 以上より,友人を持つことの影響について,先行研究の見解を次のよ うに整理することができる。 ①小学校の中・高学年の児童は,友人を持っていることが自尊感情に関 連していること。 逆に,友人がいない児童は孤独であり,学校への適応が難しくなるこ と。 ②小学校 6 年生頃から内面的交流のできる友人を持つ児童生徒は,肯定 的な自己概念や自尊心を持つこと。 ③よりよい自己概念の形成につながる友人関係は,友人の数ではなく, 友人関係の質が影響を与えること。 さらに,本研究との関連で,次の点の指摘は,詳細な検討が求められ る。. 26.

(30) ・友 人 関 係 か ら 生 じ る 友 情 が 単 独 で 自 己 概 念 に 影 響 し て い る の で は な く , 集団への所属感や社会的コンピテンスを媒介して関連していること。 ・友人関係を形成できても維持できない場合は,友人関係の質の低下な どの問題を抱えること。 2)友 人 グループへの所 属 グ ル ー プ か ら の 受 容 と 自 己 概 念 と に 関 連 が 見 ら れ る ( Bradley & Newhouse,1975; Dunstan & Nieuwoudt ,1994; Mannarino,1978; Vandell & H e m b r e e ,1 9 9 4 ),グ ル ー プ か ら の 受 容 は 学 校 適 応 と 関 連 し て い る( L a d d , 1 9 9 0 ; L a d d & P r i c e , 1 9 8 7 ), グ ル ー プ か ら 受 容 さ れ な い こ と は 孤 独 や 社 会 的 不 満 と 関 連 し て い る ( Asher , Hymel , & Renshaw , l984; Asher & W h e e l e r ,1 9 8 5 ; C r i c k & L a d d ,l 9 8 9 ; D u n s t a n & N i e u w o u d t ,1 9 9 4 ; F r a n k e l , 1990; Parker & Asher , 1993 ) な ど で あ る 。 ま た , Vandell & Hembree ( 1994) は 3 年 生 を 対 象 に , ま た Bukowski et al.( 1991) は 4~ 5 年 生 を対象に調査を行い,グループからの受容は社会的コンピテンスの自己 知 覚 と 特 に 関 連 し て い る こ と を 示 し た 。さ ら に ,B u k o w s k i e t a l .( 1 9 9 3 ) は,友情と孤独感は直接的に,グループからの受容と孤独感は間接的に 関 連 し て い る こ と ,グ ル ー プ か ら の 受 容 は 情 緒 的 な W e l l - b e i n g に 影 響 す るというよりも,社会的な所属や参入の感情に直接的に関連しているこ とを示した。 友人グループとストレスに関する影響について検討した吉原・藤生 ( 2 0 0 5 ) は , 高 校 生 の 友 人 グ ル ー プ 内 の 「 関 係 拒 否 性 」「 親 密 性 」「 依 存 性」 「 無 関 心 性 」が 学 校 ス ト レ ッ サ ー と ス ト レ ス 反 応 に 影 響 を 与 え る こ と を 示 し た 。 さ ら に 吉 原 ・ 藤 生 ( 2012) は 高 校 生 の 友 人 グ ル ー プ の 状 態 を 「 支 援 」「 良 好 さ 」「 居 場 所 」「 不 和 」「 同 調 」「 閉 鎖 」 か ら 捉 え , 学 校 ス ト レッサーとストレス反応に与える影響を示している。所属グループから. 27.

(31) の受容に関する研究も多く見られた。 以上より,友人グループへの所属について,先行研究の見解を次のよ うに整理することができる。 ①友人グループへの単なる所属ではなく,友人グループからの受容が, 間接的にでも,孤独感や学校不適応,社会的不満,ストレスなどの発 現を抑制すること。 4.友 人 関 係 および友 人 グループと適 応 Sullivan や Piaget で は , 友 人 関 係 や 集 団 と の 相 互 作 用 が 重 要 で あ る ことが指摘されているが,個人が友人や集団とどのように関わるのかと いう交流のあり方によって,児童生徒の適応面は異なってくると考えら れる。そこで次に友人関係や友人グループとの関わりと適応との関連に ついて整理することとした。 1)友 人 関 係 の適 応 への影 響 仲間受容と仲間からのサポートは,学校に対する帰属意識の重要な予 測 子 と な る ( B o u l t o n , D o n , & B o u l t o n , 2 0 1 1 ), 友 人 関 係 や 仲 間 関 係 が い じ め を 抑 制 す る( L a d d , K o c h e n d e r f e r ‐ L a d d , E g g u m , K o c h e l , & M c C o n n e l l , 2 0 1 1 ),仲 間 集 団 を 持 つ こ と が 学 校 適 応 を 促 進 し ,孤 立 が 不 適 応 と 関 連 す る ( Henrich, Kuperminc, Sack, Blatt, & Leadbeater, 2 0 0 0 ),友 人 ・ 仲 間 グ ル ー プ が 学 業 成 績 に 関 連 し ,さ ら に そ れ は 仲 間 受 容 や社会的コンピテンスやリーダーシップのような社会的適応に関する側 面 と 関 連 し て い る ( C h e n , C h a n g , L i u , & H e , 2 0 0 3 ), グ ル ー プ の 学 業成績が子ども達の社会的発達に直接貢献し,後の個人の学業成績や社 会 的 適 応 に も 影 響 す る ( C h e n , C h a n g , L i u , & H e , 2 0 0 8 ), 仲 間 集 団 の メ ン バ ー の 選 択 と 学 校 に 対 す る 動 機 づ け と に は 関 連 が あ る ( K i n d e r m a n n ,1 9 9 3 ,2 0 0 7 ),向 社 会 性 の 高 い 友 人 グ ル ー プ は 適 応 性 が 高. 28.

(32) く,被侵害の高いグループと反社会性の高いグループは,友人のいない 児 童 よ り も 適 応 性 が 低 い ( Güroğlu , Van Lieshout ,. Haselager ,. &. Scholte,2007)な ど が 指 摘 さ れ て い る 。 ま た , 榎 本 ( 2003)は 友 人 関 係 の 3 側面の中で最も強く適応感に関連していたのは,感情的側面である ことを指摘している。具体的には,生活への適応感の中で対人関係と関 連が深い「孤独感」は友人に対する信頼の低さと不安の高さが影響する こと,さらに友人への感情は中学生の 1 学期から 3 学期までに変化がな く,1 学期の段階から適応感に影響を及ぼしていると指摘している(榎 本 , 2 0 0 3 )。 以上より,友人関係の適応への影響について,先行研究の見解を次の ように整理することができる。 ①仲間集団を持つことを通しての仲間受容と仲間からのサポートは,学 校に対する帰属意識の重要な予測子となり学校適応を促進すること, 逆に,孤立が不適応と関連すること。 ②友人関係は学校に対する帰属意識の促進,学業成績への貢献,いじめ の抑制などの学校適応に関する領域のみでなく,社会的コンピテンス やリーダーシップのような社会的適応にも貢献すること。 さらに,②に関して,所属する友人グループの状態や質,グループ内 での状況が,個人の学校適応や学業成績,社会的適応にも影響する,友 人への感情は中学生の 1 学期から 3 学期までに変化がなく,1 学期の段 階から適応感に影響を及ぼしている,などの指摘は,本研究との関連す る内容であり,詳細な検討が求められる。 2)友 人 関 係 の長 期 的 な影 響 小学校期や思春期前期に仲間から拒否されてきた子どもは後に深刻 な ネ ガ テ ィ ブ な 結 果 を 生 じ さ せ る ( A s h e r & C o i e , 1 9 9 0 ), 問 題 の あ る 友. 29.

(33) 人 関 係 は 将 来 に 目 立 っ た 問 題 を 起 す“ リ ス ク ”を 持 つ( P a r k e r & A s h e r , 1 9 8 7 ),友 人 や 仲 間 が 個 人 間 の 能 力 の 発 達 に 重 要 な 役 割 を 果 た し ,友 人 と 一緒に社会化する能力は長期間の適応や人生に影響する. ( Cowen ,. P e d e r s o n ,B a b i j i a n ,I z z o , & T r o s t ,1 9 7 3 ; R o f f ,1 9 6 3 ; R o f f. & Golden,. 1972) な ど , 子 ど も 時 代 の 友 人 や 仲 間 関 係 が 一 過 性 の 問 題 で な く , 長 期 に わ た る 深 刻 な 問 題 に つ な が り や す い こ と を 示 す 研 究 が 多 く あ る 。ま た , 友 人 関 係 に お け る 不 適 応 は そ の 後 の 非 行 や 中 退 ,犯 罪 に つ な が る( C o i e , 1 9 9 0 ; P a r k e r & A s h e r , 1 9 8 7 ; W o o d w a r d & F e r g u s s o n , 1 9 9 9 ), 学 業 成 績 が ふ る わ ず , 不 登 校 , 留 年 , 中 退 に つ な が る ( Kupersmidt & Coie, 1990; P a r k e r & A s h e r , 1 9 8 7 ), メ ン タ ル ヘ ル ス の 不 調 に つ な が る ( B a g w e l l , N e w c o m b ,& B u k o w s k i ,l 9 9 8 ; R o f f ,1 9 9 0 ),青 年 や 成 人 の 犯 罪 ,性 的 乱 交 , 青年の妊娠,自殺,統合失調症,薬物使用やアルコール中毒などの予測 因 子 で あ る( M c F a d y e n - K e t c h u m & D o d g e ,1 9 9 8 )な ど も 指 摘 さ れ て い る 。 さらに,仲間集団から嫌われ拒否される児童生徒は固定化することが多 く, “ 拒 否 さ れ る 存 在 で あ る ”と い う 自 己 認 知 が ア イ デ ン テ ィ テ ィ の 一 部 と な る( C o i e ,1 9 9 0 ),仲 間 か ら 受 け 入 れ ら れ な い こ と を 予 期 し て 仲 間 と の 活 動 に 加 わ る の を 躊 躇 す る ( C o i e & K u p e r s m i d t , 1 9 8 3 ), 最 終 的 に は 青 年 期 の よ り 深 刻 な 適 応 上 の 問 題 に つ な が る( C o i e ,L o c h m a n ,T e r r y ,& H y m a n , 1 9 9 2 ; L o c h m a n & W a y l a n d , 1 9 9 4 ), な ど , そ の 後 の 自 我 発 達 の 問 題にも関連することが指摘されている。 以上より,友人関係の長期的な適応への影響について,先行研究の見 解を次のように整理することができる。 ①友人や仲間が個人間の能力の発達に重要な役割を果たし,一過性の問 題でなく,長期間の適応や人生に影響すること。 ②仲間集団から嫌われ拒否される児童生徒は固定化することが多く, “拒. 30.

参照

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