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底曳網の網成りに関する研究 : トロール網の海上実験及び模型実験

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Academic year: 2021

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(1)

底曳網の網成りに関する研究 : トロール網の海上

実験及び模型実験

著者

不破 茂, 肥後 伸夫

雑誌名

鹿児島大学水産学部紀要=Memoirs of Faculty of

Fisheries Kagoshima University

23

ページ

35-43

別言語のタイトル

Studies on the shape of the Trawling net Field

and Model experiments of trawl net

(2)

Mem・Fac・Fish.,KagoshimaUniv、 Vol、23pp、35∼43(1974)

底 曳 網 の 網 成 り に 関 す る 研 究

ト ロ ー ル 網 の 海 上 実 験 及 び 模 型 実 験

不 破 茂 * ・ 肥 後 伸 夫 * *

StudiesontheshapeontheTrawlingNet、

FieldandModelexperimentsofTrawlNet ShigeruFuwA*andNobioHIGo** Abstract Toobtainsomeeffectivesuggestipnsastotheshapeofthetrawlnet,authorscondu-ctedaseriesofEeldexperimentsandmodelexperimentsandonthesix-pieces-net(Fig.1) usedbyKagoshima-Maru(Tablel). Resultsobtainedaresummarizedasfollows. (1)Theheightofnet-mouthwasascertainedtobe5、0-4.0m,providedthat,warplength was300-400m,towingspeedwasl、5-2.0m/sec・Theheightofthenetmouthwasstatio‐ naryespeciallyatcalmsea. (2)Theempirialformulaebetweentheheightofnet-mouth,H(、),andthetowingspeed, V(m/sec),wasexpressedinthefollowing, H=7.64V 1.18 (3)Atroughseasomeextraordinarymotionswereobservedontheheightofthenet‐ mouthandattheotterboard:butthereasonwasunveriiied. (4)Theexperimentalresultsofthemodelnetwiththescaleof(1/21)wereobservedto becorrespondingwiththeresultsoftheiieldexperiments. 緒 巨 目合, 底曳網の網口形状は網口を構成する各部の網口形状,目合,網糸および浮子の浮揚力等によって複 雑に変化するものであり従来より多くの研究がなされている.トロール網の網成りと曳網速度との 関係について谷口ら(1968)'',(1969)2)が2枚網,4枚網について,小山(1965)3),葉室(1962)鋤, (1964)5)が2枚網,4枚網,6枚網について海上実験を行っている.谷口ら')2)は曳網速度と網口高 さには指数関係が成立し水中における綱具類は略直線をなすとし,小山鋤は曳網速度と網口高さは 高速時において直線関係になると報告しているが,これらは網の糸についての研究であり漁具全体 をとりあつがったものではない.そこで筆者らはトロール網をモデルとして網成りと網具の動態と の関係を知るべく実験を行い二三の知見を得たのでその結果につい報告する. 海 上 実 験 及 び そ の 方 法 実験は1974年3月東シナ海(水深90∼132m,海況Calm∼5)で本学練習船かごしま丸 水,**鹿児島大学水産学部漁具学研究室(LaboratoryofFishingGear,FacultyofFisheries,Kagos-himaUniversity,Kagoshima,Japan)

(3)

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*東邦電探KK製 ム 90 72mm −11“い﹃。 85 i n s i d e n e t i n s i d e n e t Fig,1.Planofthetrawlnetusedinexperiments・Numbersin figureshowthemeshnumber. 130 Fと40 42mm Table1.で行った.使用した網はFig.1.に示すような6枚構成網でその概要はTable2.に示 す.曳網速力はKM−2型ノットメーター*で対水速力を網ロ高さ及び網各部の深度はネットグラ 72 一山○ 2mm 75 m 、 P二180 72mm ④﹃。

(4)

不破・肥後:底曳網の網成りに関する研究 Table1.Summaryofexperlmentalgear. Headropelength Groundropelength Floattotalbuoyancy Groundropeweight inwater Otterboardarea Diameterofwarp sepsurfqce 38.7m 47.8m 290kg 330kg 2.8×1.4m 26mm recordingindicqfor e m q r k he口. bo3fom recOrdingPqPer Fig、2.PrincipleandconstitutionofnetgraPh. Table2.SpecificationoftheKagoshima-maru,experimentaltrawler. Lengthbetweenperpendiculars Breadthmoulded Depthmoulded Grosstonnage Mainenginetype Maximumcontinuoushorsepower〔B、H・P.) Maximumenginespeed(R、P.M,) Propellertype Numberofblades Diameter×Pitch Trawlwinchcapacity Trawlingtype 60.50m 10.80m 5.40m 1038.14ton HansinT6TS2cyclediesel l700ps 275 Fixed 3 2700×1885mm 6.2ton22m/min∼3.5ton38.5m/min Sidesystem フ**及び自記式深さ計***で,ワープ狭角は特製の分度器で測定した. *燕海上電機KK製,*:!:*柳計器製作所製. 37

(5)

NC 38 Depth 海 上 実 験 結 果 ( 1 ) 網 口 高 さ かごしま丸での操業結果及び網高さと曳網速力との関係をTable3,Fig3に示したがワープ長 350∼400m,曳網速度1.4∼2.0m/secでは5.0∼4.0mの範囲でほぼ一定の値をとる.Fig.4

は曳網速度を1.0∼2.0m/secの範囲で変えた場合の網高さの観測結果を示す.1.5m/sec付近を

境として網口高さの低下はゆるやかになりほぼ一定値5∼4mに落ちつき網口高さH(、)を曳 網速力y(m/sec)との間にほぼ H=7.64'1.18 の関係が成立した.

Fig.5∼8は網口前縁中央に装着したネットグラフの記録例である.海況静隠時Fig.5(ピュー

階風力1,波高0.5m)における網高さは非常に安定しているが荒天時Fig.8(ビュー階風力5, 波高3m)の場合は約3∼5分周期で1.0∼1.5m巾の上下運動が観測された.一方オッターボー

ドに取りつけた深さ計記録Fig.9(ピュー階風力5,波高4m)からはオッターボードが不規則な

運動をしているのが認められる. Table3.Resultsoffeld. げぴp嫁鼻も 5う442 1111−1︷1111︷11111○1﹃上0012、︶000qごqジュQ三91009qジ。︾9Qジ999。]q︾9q︾9qプ9 00000000000505500500000000005000O①早■p●■●。●p■●、pG●■●●■■巳■●●9●。■●巳。、 Hoighto垂 netmouth (、) d e e b1J B0戸、戸フデフFフFフ〆。吟フ戸フ02︵UワIFフFフ0FフFっFフ︻フ00O芦フPっO︵U000戸つくUO︵U m2つ−2222112つ﹄2222﹃。2222﹃ファ、222222221222 e’1111﹃上1111,人11111︷1︷1︽1﹃上﹃上111−﹃上111111﹃上﹃上1 ,p今t ・鐸型”ん唖学すし〃。〃咋中さ令命今令・か守勿年や¥今幸辱”今。。今寿、 恥rk鋤 Crosgangユe

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(6)

【 0 ; 不 破 ・ 肥 後 : 底 曳 網 の 網 成 り に 関 す る 研 究

39 5 −E一室一コ。E↑の匡半。↑エ、﹄①工 (1934)6)により大型模型(1/21)を ('′)の縮尺の各比は次の通りであ 5 −E一望↑。。E↑①匡宰。↑二mP①工 模 型 実 験 及 び そ の 方 法 (1)実験網と実験方法 海 上 実 験 に 用 い た ト ロ ー ル 網 を モ デ ル と し て 田 内 の 比 較 法 則 製作し本学回流水槽にて実験を行った.模型網(′),(実物網 る. 仕立上り長さ(ス)の比:スノ/ス'ノー1/21 網糸の径(D),目合(L)の比:D'/、''=Z//L''=0.167 函 o−mo 函 函 ■ ● 1 2 3 4 IknofI mVsec) 2 3 4 Iknofl (mノseE1 0 1 里 ( m / s e c TOwingspeed Fig,4.Relationshipbetweentheheight ofthenetmouthandthetowing speed. 0 1 2 ( m ノ s TovvingsPeed Fig、3.Fieldresultoftramling、Rela− tionshipbetweentheheightof thenetmouth・andthetowing speed.

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hⅡ Fig.5.Recordingsobtainedbynetgraph.

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(7)

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ne谷hedd 照 圏頚 10 50 孟 回 唱 回 蝿 と ⑮ 縄 5 Fig.8.Recordingsobtainedbynetgraph.

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Fig.7.Recordingsobtainedbynetgraph. が 難 3 0 30画 S e q bo廿廿。、 40■

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(8)

不破・肥後:底曳網の網成りに関する研究 11) (ml 堂50 .00 100 0

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ロープの径(D』)の比:D,'/DLノノー,/スノ/ノl′'.(β,''−1)/(β,'−1).(yγ/y7')2=0.281

浮力,沈降力,及び抵抗の比:F,/Fv,=R,/R,=(スノ/ス,')2.(γ′/J'7')2=3.79×10−4

尚網糸には全てナイロン糸を用いた。 41

実験は上述の模型網を水路巾2m,深さ1mの環流式大型水槽の槽底に設置し流速をあてて網各

部の高さを測得し併せて目視および写真撮影により網成りの観察を行った. 模 型 実 験 結 果

Fig.10は袖先間隔12.5∼20.0mまでの場合の網口高さを示したものである.この図より0.5

∼1.0m/secという比較的曳網速度の遅い場合には曳網速度の増大とともに網口高さは急激に低下

している.しかし曳網速度が1.5m/sec以上になるとその低下の割合はゆるやかになり網高さは

略一定値に近づく傾向を承せている.袖先間隔の狭い場合は袖先間隔の広い場合に比して網高さは

高い.Fig.10より実物網通常状態での網高さを求めると4.8∼3.0mとなり海上実験結果5.0∼

4.0mにほぼ一致している. 考 察 ( 1 ) 網 成 り

網口高さの変動の原因として考えられるのは袖先間隔の変化,網自体の揺動があげられる.前者

については張力の伝動の不連続性によるものと考えられるが,そのためにオッターボードがしゃく

(9)

15 42 ○▲×。 IntervoIIgefweenfhewingendsり寄せられて袖先間隔に変化を及ぼすためである o l 2、5m う.後者については模型実験でもかなり短し、周期で 、0, .5m 網口より網尻へ伝わる播動が誤られるが恐らくそう 、0m いった形のものであろう.葉室4〕はオックーポーード が泥の中へのめりこみ蛇行をして網口高さが変動す ることを報告しているが今実験では荒天時の承観測 された現象であり他の要因によるものと考える. 今回の実験で得たオックーボードに取りつけた自 記式深さ計の記録Fig.9より象れぱ約2∼5分で の 波 動 が 認 め ら れ る . 記 録 そ の も の だ け か ら 染 る と オ ッ タ ー ボ ー ド 自 身 が 時 折 ジ ャ ン プ し て い る と し か 考えられない.P.R、Crew7)はオッターボードが 内方傾斜すると同時に上方への揚力を発生し内方傾 斜が大きくなるとその揚力は大きくオッターポード の安定にも影響するとしている.これは横型オッタ ー ポ ー ド に つ い て の 結 果 で あ る が 縦 型 オ ッ タ ー の 場 (knof1 合しこも同様のことがあるといわれている.小山8》は j − 〃 ← 汽 畢 q 17 鹿児島大学水産学部紀要第23巻(1974) 5 1 ︻E︶二や.oEや①匡申o孝二画﹄①亜 0 2 ( m ノ s e 色 ) 吟 』 0 − U h P 一 ・ J , ↓ 剣 、 ‐ 一 ー ー f ¥ し & = ノ ・ C J ー 刊 剥 三 剤 一 一 H ・ ■ ″ J ↓ = v ロ ー 荒天時には海況静穏時の数倍の張力がかかることを TOwingspeed

Fig,10.Relationshipbetweentheheight報告しており瞬間的に大張力がかかりオッターボー

ohthenetmouthandthetowingドをジャンプせしめたのではないかと考えられる. speed、 このオッターポードの時折起こる非定常的な動態が

網成りにどのような影響を与えるか重要な問題だが本実験結果では網成りにも微妙な非定常な動き

がみられる.両者のこの動きが密接に関係するか否かについては判然としないので次の実験に待ち

たい. ( 2 ) 網 口 高 さ

;模型実験での網口高さは4.8∼3.0mと実測値にほぼ一致しているものの多少低目の値となった.

これは模型実験では,田内の比較法則6)により浮子のうける抵抗を無視してあることに起因するも

のと考えられる.しかし実物網における実験の場合は,漁具の限られた一部分しか測定することが

できないが模型実験の場合は網全体の物理的性状を測定観察し漁具の性能を把握できるという利点

がある.今回の実験で認められた網の播動についても模型実験の形で或いは解決できるのではない

かと思料されるところである. 20 1 2 3 4 要 約 6枚構成トロール網について海上実験と模型実験を行い次のような結果をえた. (1)網口高さは曳網速力1.5∼2.0m/sec,ワープ長300∼400mでは5.0∼4.0mであり海況 静穏時には非常に安定している. (2)網口高さH(、)は曳網速力'(m/sec)との間にほぼ H=7.64'一'‘'81 の 関 係 が 成 立 し た .

(10)

43

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(3)荒天時にはオッターポード及び網口高さに非定常的な動きが認められたがこの原因について は判然としない. (4)海上実験に用いたトロール網の1/21の模型網を製作し水槽実験を行い実物網にほぼ一致す る値を得た. 終りに実験を行うにあたり御協力を願ったかごしま丸植田総一船長外乗組員各位に謹しんで感謝 の意を表する. 参 考 文 献 谷口武夫・南四郎・隅川芳雄:日水誌,34(10),889-894(1968) 谷口武夫・陣野鉄朗・大村千之・橋田近雄:水大校研報,17(3),21-36(1969) 小山武夫:東海区水研報,43,13−71(1969) 葉室親正:漁船研技報,16(1),(1962) 葉室親正:漁船研技報,18(8),(1964) M、TAucHI:B"".”Pα"・SOS・ScZ.F酌/z'3(4),171-177(1934) P.R・CREW:ハfo*r〃Fお伽zgG”ノ。q/wie”o”,2,165-181(1963) 小山武夫:日水誌,34(1),903-906(1968) 不破・肥後:底曳網の網成りに関する研究

参照

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