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博 士 ( 工 学 ) 吉 村 誠 一

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Academic year: 2021

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博 士 ( 工 学 ) 吉 村 誠 一

学 位 論 文 題 名

Study on IVIodeling of Operator Team   Behaviorln Nuclear Power Plants

(原 子カ プラ ント の運 転チ ーム 行動モデリングに関する研究)

学 位 論 文 内 容の 要 旨

  

日 本に おけ る原 子力 発電 は電源 供給 の主要部分を占めており、おおむね安全に運転され てい る。 しか し、 放射 性物 質の持 つ社 会的影響の大きさ故、原子カプラントは一層の安全 運転 が求 めら れで いる 。こ のよう な安 全性は、従来よルシステムの自動化や運転員教育に より 実現 され てき た。 原子 カプラ ント の安全性確保を人間側からみると、最大の影響要因 はヒ ュー マン エラ ーで ある 。ヒュ ーマ ンエラーを起こさないためには、運転員教育のみな ら ず 、 そ の再 発を 防止す るた めの ヒュ ーマ ンエ ラー の分 析・ 評価 が必 要不 可欠で ある 。

  

本 論文 は、 原子 カプ ラン トの一 層の 安全性確保のために行った、運転員の理解度に合っ た効 果的 ・効 率的 学習 を可 能にす る運 転員教育システムならびにプラントトラブル時にお ける 運転 チー ムの 行動 を模 擬し、 ヒュ ーマンエラーの発生過程を解明するシミュレーショ ン モ デ ル の 研 究 に つ い て 論 述 し た も の で あ り 、

9

章 か ら 構 成 さ れ て い る 。

  

1

章は 序論 であ り、 本研 究の 背景 なら びに 目的 につ いて述 べて いる。また、本論文の 構成と概要について言及している。

  

2

章で は、 運転 員教 育の 現状 と問 題点 なら ぴに 原子 カプラ ント 運転員と他産業のプラ ント 運転 員と の違 いや 原子 カプラ ント 運転員が求められる知識のレベルなど、運転員教育 全般について論じている。

  

3

章は 、運 転員 教育 シス テム につ いて 論じ てい る。 従来の 運転 員教育システムは、設 備の 構成 や機 能の 解説 に重 点を置 いた ものが多く、トラブル時のプラント過渡応答を扱つ たも のは 少な い。 運転 員に とって 重要 なことは、トラブル時に各パラメータが時系列的に どう 変化 する かを 学習 する ことで ある 。これによルトラブルの原因やプラントが今後、ど う推 移す るか 予想 し、 適切 な対応 操作 を行うことができる。このような教育を実現するも のと して 、本 研究 では 、事 象を原 因と 結果のっながりで表現する教材の構築方法を提案し た。 この よう な教 材構 築方 法を採 用す ることにより、事象全体の中で運転員が理解してい ない 因果 の部 分( 教育 単位 )を抽 出す ることが容易になり、その教育単位だけを教育する ことにより、運転員のレベルに合った効果的・効率的学習が可能になる。また、教育は 事 前評 価( 理解 して いな い教 育単位 を抽 出するために行う質問) ヽ 理解していない教育 単位 の教 育¨ なら びに

  

再評価 の 順に進める。開発した運転員教育システムの有効性 は 、

23

名 の原 子カ プラン ト運 転経 験者 がシ ステ ムを 実際 に使 用す るこ とに より、 因 果 の理 解し 易さ 、 事 前評 価の有 効性 、 教材内容の妥当性 の観点から評価した。そ の結 果、 特に 、因 果の 理解 し易さ 、事 前評価の有効性が示された。これにより、運転員教 育システムの今後の開発方針を明確にした。

  

4

章は 、定 性推 論を 用い た教 材作 成の 基本 フレ ーム につい て論 じている。従来、運転

員教 育シ ステ ム実 用化 にあ たって の最 大のポトルネックは、教材作成に多大の労カを要す

(2)

ることと言われてきた。一方、定性推論は、プラントの過渡変化の理由を運転員に説明す るための非常に有効な手法であるが、原子カプラントのような大規模システムに適用する と、定性方程式の解が不定になるとぃう問題があった。そこで、本研究では、教育システ ムが内蔵するシミュレーションコードの解析結果を制約条件として用いることにより、方 程式の解が不定になるのを防いでいる。定性推論で教材を作成するに当たり、本研究では、

プラント状態フレ を結ぶ直線を定義 の理由説明を要求 過渡応答解説ルー ヨンルールの形で いて解説文を生成 その定性値ならび を検索し、解説文 用の低減の可能性

期待さ に対す エース 答関数 質問歴 ムイン ラーの る。原 がら、

り、ま 互作用 まま適

(原子

(3)

デリングの妥当性が示された。

  

第9 章|よ、本研究の結論であって、得られた結果を総括している。

(4)

I

学 位論文審査の要旨

主 査

  教 授   嘉 数 侑 昇

副 査

  

教 授

  岸 浪 建 史

副 査

  

教 授

  和 田 充 雄

学 位 論 文 題 名

Study on h/Iodeling of Operator Team   Behaviorln Nuclear Power Plants

( 原 子 カ プ ラ ン 卜 の 運 転 チ ー ム 行 動 モ デ リ ン グ に 関 す る 研 究 )

  日 本に おける 原子力 発電は 電源 供給の 主要部 分を占 めてお り, また放 射性物 質の持 つ社 会的影 響の大 きさ 故 ,原子 カプ ラント は一層 の安全 運転が 求め られる .原子 カプラ ント に生じ るプラ ントト ラブル は運 転員の ヒ ューマ ンエ ラー( 誤判断 ・誤操 作)に 起因 するも のが大 きな部分を占めている.したがって,ヒューマンエ ラ ーを低 減す ること が,原 子カブ ラント を安 全に運 用する ための必要な要件であり,そのためには,ヒューマ ン エラー の予 防保全 ・再発 防止の 面から ,プ ラント 運転員 に対する効果的な教育システムの構築およびヒュー マ ンエラ ーの 分析評 価を行 なうこ とが, 最重 要課題 として 上げられている.本論文はこのような問題に対し,

教 育シス テム 構築に 関して ,原子 カプラ ント 特有の 知識レ ベルとそれらの有機的関係が必須であることを明ら か にする とと もに, 評価試 験を通 じてそ の妥 当性を 明らか にしている.またヒューマンエラーの分析評価にお い ては, 従来 手法が 各個人 の心的 ・行動 状況 にのみ 着目し てきた 問題 点を指 摘する ととも に,発 話を 含めた チ ーム活 動と しての 心的・ 行動状 況遷移 に着 目した 運転チ ームの行動モデル構築手法を提案し,その有効性を シ ミュレ ーシ ョンプ ラント の適用 実験に おい て確認 してい る.以上,本論文は,ヒューマンエラーを低減する と い う 目 的 の もと に , こ れ らの 研 究 を ま と めた も の で あ り, そ の 主 要 な成 果 は 次 の4点 に 集 約 さ れる ,   1. 運転 員 教 育 の 現状と 問題点 なら びに原 子カプ ラント 運転員 と他 産業プ ラント 運転員 との 違いを 吟味し た .すな わち ,従来 の運転 員教育 システ ムは 設備の 構成や 機能の解説に重点を置いたものが多く,トラブル時 の ブラン ト過 渡応答 を十分 にあっ かった もの は少な い.運 転員に とっ て重要 なこと は,ト ラブル 時に 各バラ メ ータが 時系 列的に どう変 化する かを学 習す ること である .これによルトラプルの原因やブラントが今後,ど の ように 変化 するか を学習 してお くこと が重 要とな る.以 上のことから,本論では原子カプラント運転貝に特 有 の求め られ る知識 レベル を原因 と結果 との 時系列 的変化 と捕らえた教育教材の作成法を提案している.さら に 学 習 対 象 事 象 の 有 機 的 囚 果 関 係 の 利 用 法 に つ い て 必 要 な 要 件 を 明 ら か に し て い る .   2.知識レ ベルと その因 果関 係の習 熟度に 応じて ,柔 軟に対 応でき る新た な教育 シス テム構 築手法 を提案し ている.すなわち,提案した教材構築方法を採用することによって,学習すべきプラントの事象全体のl・t・1で運 転 貝がま だ十 分に理 解して いない 因果関 係部 分だけ を抽出 し,舛 学習 するこ とが容 易になり運転貝の学Wレベ ル に合っ た効 果的・ 効率的 学習法 を可能 とし ている .本手 法に恭づぃて開発した運|虹貝教育システムにおい て ,熟述 した 述ilほ貝による評価試験を行ない,閃果関係の理鮒しやすさ等に閲して従案した手法の妥当rEが確 かめられている,

  3.ヒューマンエラーの発生過私を鮒IリJし,その再発防1ト.をオテうための分析方法として,運転チーム行動モ デルの必要性をIリJらかにしている.すなわち,ヒューマンエラー分折において,従来からオfわれている們人レ ベルのみのメンタル的モデル化による分析.評fIniでは,役割分jl―I.に舶づぃた槃I川的意心決定過程をfヤう原予カ プ ラント 迎iiriLiの行動分析に不十分であることを指摘している.また秤們人はインタフェースである制御髏に て各純操作を行う.このとき,各操作に及ぼす性格や覚醒度と行った們人特性および制御雛との災iiキt IlJ的杣互 作パjと行った点を考慮に入れる必嬰性を説いている.これらのことから時系列的腱I; ttを持った発1沂hridJ,さ ら には各 側人 繦の心 的特性 を考憊 に入れ たチ ーム行 動モデ ルの必要t[iを導きtnし.プラント運転nの佃々人に 特 有のメ ンタ ルモデ ルに態 づぃた チーム 行動 モデル 化手法 の提案を行っている.その特徴として,プラント環

(5)

I

境,役 割分担 や競 合解消 ならび に合理 的思考に影響するPSF(PerfomanceShapingFactor)や性格のモデル化を含 み.実 際の運 転チ ーム行 動シミ ュレー ショ ンに適 用可能 なモデ ルとして提案されており,このシミュレーショ ンを通 じてヒ ュー マンエ ラーの 分析・ 評価 に適ハJで きるこ とを論 じてい る.

  4. 試作し たチ ーム行 動モデ ルにお いて, シミ ュレー ション プラン トを 対象と した適用実験を通じ,実際の 運転チ ームに よる 実験結 果との 比較検 討を おこな ってい る.こ の結果から適切なメンタルモデルが動的に構成 され, 実験課 題の 解決に 要する 時間及 びそ のチー ム行動 バター ンがほぼ一致することが示さjL,提案したモデ リング 手法の 妥当 性が確 かめら れてい る.

  以上 のよう に本論 文は, 運転員 教育 システ ムや運 転員チ ームのモデリングを展開し,原子カプラントの安全 上有益 な新知 識を 得ており,原子力工学,情報工学の進歩に寄与するところ、が大である.よって著者は,北海 道大学 博士( 工学 )の学 位を授 与され る資 格ある ものと 認める .

530―

参照

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