不同沈下地盤に埋設される管路の力学挙動(遠心実験)
大阪市立大学 学生会員 徳増 健・正会員 東田 淳 中央復建コンサルタンツ 正会員 八谷 誠
ままま
ま ええ がええが きががき 地盤が不同沈下した時の中小口径きき 管路の軸方向挙動を遠心加速度30g場の降下床 実験で調べている。これまでの実験1), 2)は主と して固定地盤側の反力土圧に注目し、降下床の 幅
(
原型で3m)<
固定地盤の幅(
同15m)
の条件で 行ってきたが、今回は、沈下地盤側の管路の上 半分に働く土圧に注目し、降下床の幅(15m)>
固 定地盤の幅(3m)の条件で実験を行い、まさ土地 盤に埋設した模型管路(R
管路)
の土圧と変形が 不同沈下によってどう変化するかを捉えた。実実実
実 験験 方験験方方方 法法法法 実験に用いた硬質アルミ製の模型管(R管路、外径
D=2cm、長さ59cm、原型換算EI=2.31x10
10kgf・cm
2)を図-1に示
す。この模型管を、図-2
に示すように、まさ土(
表-1)
を用いて 作成した模型地盤中に埋め、遠心加速度30g場で実験容器の右側の床
(
幅50cm)
を一定速度で降下させ、床の降下量s
、管路の上半分と下半分に作用する垂直土圧
σ
U・σ
Lとせん断土圧τ
U・τ
L、模型管路の内桁(
幅12mm
×高さh4.5mm)
の曲げひずみε
、管両端の沈下量δ
P*
を測定した。実験条件として地盤 密度ρ
dを1.5、1.6、1.7g/cm3の3通り、土被り高Hを4、6、8cm(H/D=2、3、4)の3通りにそれぞれに変えた。これま での実験と同様に、容器底と管底の距離は5cm
、管路両端の境界条件はたわみ角ゼロで鉛直変位可とし、水平変位 は左端でゼロ、右端で自由とした。床の降下は20mmまで可能であるが、内桁と土圧計のひずみがそれぞれ1500µ
、1800µ
に達した場合、部材の降伏を避けるため、その時点で床の降下を打切った。実 実 実
実 験験験験 結結結結果果果果 以下に示すデータはすべて原型換算で表す。図-3に、
ρ
d=1.7g/cm
3、H=8cmの場合を例にとって、σ(下
向きが正)、測定ε
をD/h=4.44
倍して求めた原型管の縁ひずみε
(上側引張が正)
、管両端の沈下量δ
P*
を境界条件とし てε
を積分して求めた管の変位量δ
P(沈下側が正)の管路軸に沿う分布が、sの増大につれてどう変化したかを示す。
図
-3
の横軸x
は容器左内壁からの距離を表し、図中に破線で示したx=3m
の位置が降下床の左端である。土圧σ
はs
の 増大につれて以下のように変化する。固定地盤側(x<3m): 管の上半分に働くσ
U(+側)は初期にゼロとなり、その後
変化しない。管の下半分に働くσ
L(-
側)
はx=3m
付近に集中し、全体に値が増大する。沈下地盤側: σ
Uは三角形分布 を示し、頂点が値を増しながら右方向へ移動して、σ
Uが増大する範囲が広がる。σ
Lはσ
Uが増大する範囲でゼロと なり、その右側で増える。このようなσ
Uとσ
Lの変化につれて、ε
とδ
Pは増大し、変化領域も広がる。図-4は、床の降下量sが36cmの時点(ρd
=1.6g/cm
3・H/D=4の場合のみ、床降下をストップさせたs=30cmの時点)を 例にとって、実験の全ケースで得られたσ
、ε
、δ
Pを示している。各図の3
本のラインがH/D=2
、3
、4
の場合のデー タである。どの場合も、地盤密度およびH/Dが大きくなるにつれて、σ、ε
、δ
Pは増大するが、変化領域の幅は狭く なる。また、沈下地盤側のσ
Uの分布形は、地盤密度が最小のρ
d=1.5g/cm
3の場合は台形状の分布であるが、地盤密 度が最大のρ
d=1.7g/cm
3の場合は鋭いピークを持つ三角形分布を示し、中間密度のρ
d=1.6g/cm
3の場合は両者の中間 的な分布を示す。実験中と実験後の観察結果から、床の降下に伴って地盤内に降下床左端から右斜上方に延びる 滑り面、および沈下地盤側で管路から斜上方に延びる滑り面が形成され、これらが合成される結果、沈下地盤側 の管路と固定地盤を足とする一対の三次元アーチが生じることが分かった。そして、地盤密度が大きくなるにつ キーワード 埋設管、不同沈下、遠心模型実験、土圧、変形連絡先
:
大阪市住吉区杉本
: 3-3-138
・大阪市立大学工学部・Tel & Fax: 06-6605-2725
図-1 (模型管路R管路)x(cm) 0 10 20 30
図-2実験装置
φd Gs Uc deg
ρ
d max g/cm3ρ
d mim g/cm3ρ
d g/cm3w
% cd tf/m2 2.71 70 1.92 1.37
1.50 1.70
10 10
0.9 2.3
38 38 表-1まさ土の性質
1.60 10 1.4 38 Dmax
mm 2.0
土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月)
‑431‑
III‑216
れて滑り面の傾きがゆるく な り 、 合 成 滑 り 面 が 広 く なっていることから、アー チ作用が地盤密度の増大に つれて強まるため、上記の ような地盤密度の違いによ る
σ
Uの分布形の変化が生 じたものと解釈できた。さ らにρ
d=1.5 g/cm
3の場合、x<3m
のσ
Lには、他の大き な地盤密度の場合のような 集中が見られないが、これ は床降下に伴って生じたす べり面の近傍で、管によっ て 押 付 け ら れ た ゆ る い 地 盤 が 降 伏し た た め と 考 え ら れる。
参 考 文 献: 1 )高 塚 他, 埋 設管路の 軸方向挙 動に関す る遠心実 験, 5 3回 土木学会 年講, pp.
454-455, 19 98 . 2) 高 木 他, 遠心模型 による埋 設管路の 軸方向挙 動 観 測, 56回土木 学 会 年 講, p p . 334-335, 2001. 3)
Hachiya etc., Response of buried pipelines subjected to differential ground settlement, ICPMG '2, 2002 (submitted).
σ (kgf/cm2) ε (µ) δp (cm)
0 1 0 2 0 3 0 4 0
0 3 6 x (m)9 1 2 1 5
(c) δp
-6000
-4000 -2000 0 2000 4000 6000
0 3 6 9 1 2 1 5
x (m) (b) ε
0 3 6 9 1 2 1 5
-5 -4 -3 -2 -1 0 1 2
x (m)
(a) σ
○
●
△
▲
□
■ s (cm)
06 1 21 8 3 643.5
図-3 床降下量sの増大に伴う測定結果の変化(ρ
d=1.7g/cm3, H/D=4)
δp (cm)ε (µ)σ (kgf/cm2) -6 -5 -4 -3 -2 -1 0 1 2
0 3 6 9 1 2 1 5
x (m) ρd=1.5g/cm3
H/D 2 3 4
-6 -5 -4 -3 -2 -1 0 1 2
0 3 6 9 1 2 1 5
x (m) ρd=1.6g/cm3
H/D 2 3
4 (s=30cm)
ρd=1.7g/cm3
-6 -5 -4 -3 -2 -1 0 1 2
0 3 6 9 1 2 1 5
x (m) H/D
2 3 4
-5000 0 5000
0 3 6 9 1 2 1 5
x (m) ρd=1.5g/cm3
-5000 0 5000
0 3 6 9 1 2 1 5
x (m) ρd=1.6g/cm3
-5000 0 5000
0 3 6 9 1 2 1 5
x (m) ρd=1.7g/cm3
0 1 0 2 0 3 0 4 0
0 3 6x (m)9 1 2 1 5
ρd=1.5g/cm3
0 1 0 2 0 3 0 4 0
0 3 6x (m)9 1 2 1 5
ρd=1.6g/cm3
0 1 0 2 0 3 0 4 0
0 3 6 9 1 2 1 5
x (m)
ρd=1.7g/cm3
図-4 s=36cm時点の測定結果 (ρ
d=1.6g/cm3・H/D=4の場合のみs=30cmの時点)
土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月)
‑432‑
III‑216