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積雪寒冷地インターロッキングブロック舗装の基礎研究

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Academic year: 2022

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(1)E-25. 平成25年度. 土木学会北海道支部. 論文報告集. 第70号. 積雪寒冷地インターロッキングブロック舗装の基礎研究 Basic research of interlocking block paving in snowy region 北海道大学大学院工学院 北海道大学大学院工学研究院 北海道大学大学院工学研究院. はじめに 一般車道の主な舗装としてアスファルト舗装および コンクリート舗装などが挙げられるが、これらを比較 した時、アスファルトの利点として走行性や施工性が 良い、維持管理がしやすい、ひび割れが発生しにくい、 製作初期にかかる費用が少ないなどの利点がある。一 方で、材料に要する環境負荷が比較的大きく、維持補 修費用も大きい。 コンクリート舗装の利点として補修や維持管理によ るコストは長期的に見ると少ないことが挙げられる。 また、走行時抵抗が小さく燃費も少なくなる場合もあ る。これらの代替舗装として、コンクリートブロック 舗装の利用は少なく、特に積雪寒冷地における適用性 は、ほとんど研究されていない。 コンクリート舗装の一部であるインターロッキング ブロック舗装については、短所としてブロックの継ぎ 目で段差が生じる、車両走行時の騒音等があるが、長 所として目地により保水性や排水性が高い、景観に優 れている、ブロック自体が再利用しやすい、コンクリ ートブロックは現場施工を省力化できる、等の長所も ある 1~3)。 本研究では、鉄と高強度モルタルで構成された型枠 に敷き砂を敷き、L 字型コンクリートブロックを設置 して、その間隙を目地砂で充填させたインターロッキ ングブロック舗装を模した実験装置を用いて、室温を 変化させながら、変位計によりブロックの鉛直方向の 変位を測定した。また異なる含水量の敷き砂を使用し、 凍結融解時の変位に及ぼす敷き砂の影響を調べた。 2 実験概要. ○学生員 正 員 正 員. 高井康宏 (Yasuhiro Takai) 志村和紀 (Kazunori Shimura) 杉山隆文 (Takafumi Sugiyama). 1.. 2.1 実験装置概要 実験装置の概要を図-1、コンクリートブロックの概 要を図-2、実験装置の写真を写真-1 に示す。コンクリ ートブロックの形状は L 字型である。敷き砂の厚さ は 20mm、目地砂の厚さはブロック同士の間は 2mm、 高強度モルタルとブロックの間は 5mm であり、どち らも同じ含水量のものを使用した。敷き砂は湿潤状態 (表面水率 4.48%)と絶乾状態(105℃の乾燥炉で 24 時間 乾燥させた砂)のものを使用した。 2.2 温度と変位の測定 ブロックの変位の測点を図-3、低温室の温度プログ ラムを図-4 に示す。測点はブロックの角から 20mm の点とした。実験装置を室温の変化する低温室に設置 し実験を行った。実験装置のブロック部分に接触式変 位計を設置しブロックの測点の鉛直方向の変位を、熱. 図-1 実験装置の概要. (mm). 図-2 コンクリートブロックの概要. 写真-1 実験装置の写真. 図-3 ブロックの変位の測点.

(2) 平成25年度. 土木学会北海道支部. 論文報告集. 第70号. 0.4 設 定 室 温 ℃. No.6 No.7 No.8. (. 変位(mm). 0.2 0. ). -0.2 -0.4 -0.6 0. 24. 経過時間(hour). 20. 0.4. 10. 0.2. 0. 変位(mm). 室内温度(℃). 30. -10. 120. No.3 No.4 No.5. 0. -0.2. -20. -0.4. -30 0. 6. 12 18 経過時間(hour). 24. -0.6 0. 24. 図-5 測定開始から 24 時間経過までの室内温度. No.3 No.4 No.5. 0.2 0. -0.2 -0.4 -0.6 24. 48 72 経過時間(hour). 96. 120. 図-6.1 測点 No3,No4,No5 の時間経過に伴う変位 (湿潤状態の場合). 48 72 経過時間(hour). 96. 120. 図-7.1 測点 No3,No4,No5 の時間経過に伴う変位 (絶乾状態の場合) 0.4. No.6 No.7 No.8. 0.2. 変位(mm). 電対を敷き砂、ブロック表面、低温室内に設置しそれ ぞれの温度を、データ・ロガーを用いて 10 分おきに、 120 時間測定を行った。測定開始から 24 時間経過ま での室内温度の変化を図-5 に示す。変位は測定開始 時を 0 とし正の値を変位の上昇、負の値を低下とした。 さらに敷き砂が湿潤状態と絶乾状態の場合を比較し、 敷き砂の含水量の違いによる、温度変化に伴うブロッ クの変位を考察した。 3.実験結果 敷 き 砂 が 湿 潤 状 態 の 場 合 の ブ ロ ッ ク の 測 点 No3, No4.No5 の変位の経過を図-6.1、No6,No7,No8 の変位 経 過 を 図 -6.2 に 示 す 。 同 様 に 絶 乾 状 態 の 場 合 の No3,No4,No,5 の変位を図-7.1、No6,No7,No8 の変位を 図-7.2 に示す。 敷き砂が湿潤状態の場合は時間経過に伴う変位の変 化が見られ、全ての測点において変位が低下した。こ の事からブロック全体が沈んだ事が考えられる。一方、 敷き砂が絶乾状態の場合は湿潤状態の場合と比較して 時間経過に伴う変位の変化がほとんど見られなかった。. 変位(mm). 96. 図-6.2 測点 No6,No7,No8 の時間経過に伴う変位 (湿潤状態の場合). 図-4 低温室の温度プログラム. 0. 48 72 経過時間(hour). 0. -0.2 -0.4 -0.6 0. 24. 48 72 経過時間(hour). 96. 120. 図-7.2 測点 No6,No7,No8 の時間経過に伴う変位 (絶乾状態の場合) 4.温度変化による変位計の測定値 4.1 変位計の測定値と室内温度の関係 接触式変位計をどの物体にも接触させず、低温室内 に置き(写真-2 参照)、室内温度と変位計の測定値を測 定した。室内温度と変位計の測定値の分布と回帰式を 図-7 に示す。図-7 は 2 つの変位計の測定開始時から 36 時間経過までのデータの分布図である。測定値は 室内温度が低いほど大きな値を示し、温度上昇時と低 下時で分布の傾向に違いが見られた。この事から接触 式変位計によるブロックの変位の測定は室内温度の変 化によって誤差が生じると考えられる。 4.2 変位と室内温度の回帰式の算出 温度上昇時と低下時で分布の傾向に違いが見られた ため、それぞれの場合の三次関数の回帰式を、目的変 数を変位、説明変数を室内温度とし、最小二乗法によ り算出した。温度上昇時の回帰式を式-1、温度低下時 の回帰式を式-2 に示す。.

(3) 平成25年度. 土木学会北海道支部. 論文報告集 0.2. 0.2. No.3 No.4 No.5. 0. 変位(mm). 0.15. 変位(mm). 第70号. 温度上昇時. -0.2. 0.1. -0.4. 0.05. 温度低下時. -0.6 0. 0 -30. -20. -10 0 10 室内温度(℃). 20. 30. 24. 48 72 経過時間(hour). 96. 120. 図-9.1 測点 No3,No4,No5 の補正変位 (湿潤状態の場合). 図-8 室内温度と変位計の測定値の分布と回帰式. 変位(mm). 0.2. No.6 No.7 No.8. 0. -0.2 -0.4 -0.6 0. 24. 48 72 経過時間(hour). 96. 120. 図-9.2 測点 No6,No7,No8 の補正変位 (湿潤状態の場合). 写真-2 低温室内の変位計の値の測定の様子 y=8.18*10 -7 x 3-2.89*10 -5 x 2 -3.77*10 -3 x+1.06*10 -1 ------ (1) y=9.07*10 -7 x 3 +9.01*10 -6 x 2 -3.90*10 -3 x+7.73*10 -2 ------ (2) x:室内温度(℃) y:変位計の測定値(mm). No.3 No.4 No.5. 変位(mm). 0.2 0. -0.2 -0.4 -0.6 0. 24. 48 72 経過時間(hour). 96. 120. 図-10.1 測点 No3,No4,No5 の補正変位 (絶乾状態の場合). 0.4. No.6 No.7 No.8. 0.2. 変位(mm). 5.変位計の誤差による測定値の修正 実験で測定された変位の値から、室温の変化による 変位計の測定値を引いて補正した変位の値の経過を図 -9.1,9.2,図-10.1,図-10.2 に示す。図-9.1,9.2 は敷き砂が 湿潤状態の場合、図-10.1,10.2 は絶乾状態の場合であ る。また測定開始 56 時間から 88 時間経過までの変位 と温度(室内温度、ブロック表面温度、敷き砂温度)の 関係を、敷き砂が湿潤状態の場合の測点 No3 を図-11、 絶乾状態の場合の測点 No4 を図-12 に示す。 湿潤状態の補正変位は数カ所の測点で矩形波に近い 形の変化が見られた。また温度低下に伴い変位が上昇 し、温度上昇に伴い変位が低下している。これは敷き 砂に付着された水が凍結した時に敷き砂が膨張し、融 解した時に敷き砂が収縮し変位が低下した事が考えら れる。さらに変位の変化は敷き砂温度の変化に近い形 で変化している様子が見られる。 一方、絶乾状態の場合においては湿潤状態の場合と 比較して、温度変化による補正変位の変化があまり見 られなかった。また一部の測点においては温度低下に 伴い補正変位が低下しているが、これは変位計の測定 値が回帰式によって算出した補正量を下回ったためと 考えられる。. 0.4. 0. -0.2 -0.4 -0.6 0. 24. 48 72 経過時間(hour). 96. 120. 図-10.2 測点 No6,No7,No8 の補正変位 (絶乾状態の場合).

(4) 平成25年度 -0.1. 30. 変位(mm). 10. -0.3. 0. -0.4. 温度(℃). 20. -0.2. No.3(未補正) No.3(補正) 室内温度 敷砂温度. -10. -0.5 -0.6. 土木学会北海道支部. -20 60. 72 経過時間(hour). 84. -30. 図-11 測点 No3 の変位と温度の関係 (湿潤状態の場合) 0.3. 30. 0.2. 10 0. 0.1. 温度(℃). 変位(mm). 20. No.4(未補正) No.4(補正) 室内温度 敷砂温度. -10 -20. 0. 60. 72 経過時間(hour). 84. -30. 図-12 測点 No4 の変位と温度の関係 (絶乾状態の場合) 6.隣接インターロッキングブロックの相互作用 本研究で使用したL型インターロッキングブロック の 側 面 は 、 図-2 に 示 す よ う に 歯 車 型 で あ り 、互 い に 隣り合うブッロクが影響を及ぼし合っている。これは、 個々の独立したブロックが全体的に版として挙動する ように工夫されたものである。 凍結と融解に伴う鉛直変位の挙動を、湿潤状態にお け る 各 測 定 点 で 比 較 す る 。 側 面 が 隣 接 す る No.4 と No.6 の 120 時間後の鉛直変位を比較するとほぼ同程 度であり、相互作用によってお互いに拘束効果が働い ていると思われる。しかし、同様に No.5 と No.8 の変 位を比較すると、大きさに違いが見られた。したがっ て、両者の相互作用は小さいと判断される。これは、 目地幅が比較的大きくお互いの歯車が鉛直方向の拘束 には機能していないことを示している。本研究では水 平方向の変位は測定しておらず、歯車による拘束効果 は水平方向に対して働くものと思われる。今後は、気 乾状態や表乾状態などの含水率変化や目地の影響を詳 細に調べて、歯車型のL型インターロッキングブロッ クの相互作用を調べる必要がある。. 論文報告集. 第70号. 7.まとめ 本研究ではインターロッキングブロック舗装を模し た実験装置を用いて、湿潤状態の敷き砂を使用した場 合と絶乾状態の場合のブロックの変位を比較した。得 られた結果やその考察を以下に示す。 (1)湿 潤 状 態 の 場 合 で は 温 度 低 下 に 伴 い ブ ロ ッ ク の 変 位が上昇し、温度上昇に伴いブロックの変位が低下 した。一方で絶乾状態の場合では温度変化に伴うブ ロックの変位はあまり見られなかった。 (2)湿 潤 状 態 の 場 合 で は 温 度 上 昇 と 低 下 の サ イ ク ル を 繰り返し、凍結融解作用を受ける事により、測定開 始時からブロックの変位が変化した事がわかった。 その変位は測点ごとに異なる値を示しており、この ことから測定開始時からブロックが傾いている様子 が考えられる。 (3)温 度 変 化 に よ る ブ ロ ッ ク の 変 位 の 変 化 の 大 き さ は 敷き砂の含水量により変化し、含水量が多い敷き砂 の方がより大きな変化を示した。. 謝辞: 本研究は、株式会社よねざわ工業(本社:北海道恵庭 市)の協力を受けて実施した研究である。関係者各位 に謝意を表するしだいである。. 参考文献 1)高井康宏、杉山隆文:L型コンクリートブッロクの 積雪寒冷地道路舗装への適用、第 66 回セメント技 術大会講演要旨、pp.82-83、2012. 2)インター ロッキ ングブ ロ ック舗装 設計施工 要領 、 (社)インターロッキングブロック舗装技術協会 、 平成 19 年 3 月 3)唐沢明彦、田中秀和、鳥居南康一、柳沼宏始、畑実 車道におけるインターロッキングブロック舗装の長 期供用性調査とライフサイクルコスト試算、土木学 会舗装工学論文集 第14巻 2009年12月.

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