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2-2 調査内容:調査対象床版の施工前状況を写真-1 に示した

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Academic year: 2022

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本沢橋床版取替え工事に伴う旧床版の切出し調査報告

(三才山トンネル有料道路の橋梁床版長寿命化対策について)

一般社団法人 日本建設保全協会 正会員 ○宗 栄一 長野県道路公社 正会員 手塚 敏徳 九州共立大学 総合研究所長 正会員 牧角 龍憲 矢木コーポレーション㈱ 宮澤 健一 1. はじめに

三才山トンネル有料道路の橋梁床版の長寿命化対策は平成23年度以降、上面はコンクリート脆弱部打替 増厚、床版防水、伸縮装置取替、舗装を施して劣化部および劣化原因を除去して耐久性を図り、下面は、車 両大型化(25t)の補強に加えて上面施工の不測の場合にも備えた型枠を想定したポリマーセメントモル タル下面増厚(エポキシ樹脂注入併用:図-1参照)工法を実施(通称:三才山方式)している。

その対策効果は、実橋載荷試験により確認されており、平成 24 年度土木学会中部支部研究会にて工事報 告している*1。この床版に採用しているエポキシ樹脂注入併用下面増厚工法は、NETIS(CG-110038-A)登録工 法であり土木研究所や山口大学の輪荷重走行試験で曲げ剛度の回復と疲労耐久性を確認された工法である。

本工法は力学的補強効果の確認事例は実橋や試験体として豊富にあるものの、補強した実橋床版の内部 状況は輪荷重走行試験後に切断およびコアのいずれも試験体からの情報しかない状況である。この様な状況 下で、同一路線で床版を取替える計画がある本沢橋の現行床版の一部を活用して実橋床版を補強した内部の 状況を調査する機会を得ることが出来た。

本文は、事前の樹脂注入ではなく、増厚材施工後のエポキシ樹脂注入で鉄筋周囲の空隙ならびに既設床 版のひび割れへの樹脂注入状況についての検証調査報告である。

2. 調査内容

2-1 調査目的:上記方法(エポキシ樹脂併用下面増厚 工法:図-1参照)にて補強された床版内部のエポキシ樹 脂注入状況把握を目的とした。

2-2 調査内容:調査対象床版の施工前状況を写真-1 に示した。この箇所にエポキシ樹脂併用下面増厚工法を施 工し(写真-2参照)、一年経過した床版取替え工事施工時に 補強した箇所の床版を切出して、内部状況を目視にて調査 して写真記録した。調査項目は、①エポキシ樹脂注入状況 と②既設床版と増厚材との付着状況とした。

写真-1 施工前床版の状況

図-1 エポキシ樹脂併用 下面増厚工法 写真-2 増厚補強施工後床版の状況 キーワード 橋梁の長寿命対策、下面増厚工法、エポキシ樹脂注入状況、実橋床版切出し調査

連絡先 〒753-0212 山口県山口市下小鯖645-5 一般社団法人 日本建設保全協会 http://www.hozen.gr.jp/

土木学会第71回年次学術講演会(平成28年9月)

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Ⅵ‑681

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3. 調査試験体採取

調査試験体採取状況を写真-3 に示した。床版取替え 工事の床版解体時に調査対象床版をコンクリートカッタ ーにて切断して、ジャッキビーム工法によりブロック採 取を試みた。しかしながら、部分的に既設鉄筋が完全に 切断されていなかったため、撤去作業時の衝撃で床版が 内部から破損した状態であったが、切断調査可能な箇所 を選別して試験体採取した。

4. 調査結果

調査結果は、以下の通りであった。

① エポキシ樹脂注入状況:図-2~3の解説図および 写真-4~写真-7に示したように、既設床版下面と補強 鉄筋の上面のポリマーセメントモルタルが未充填による 隙間や 0.1mm以下のひび割れにエポキシ樹脂が注入充填 されている状況を確認した。

② 既設床版と増厚材との付着状況:上記同様の写真 に示したように、既設床版と増厚材とは付着切れ等は全

く無く、一体化している状況を確認した。 写真-3 調査試験体採取工程状況

図-2 試験体A 解説図 写真-4 試験体A(紫外線撮影) 写真-5 a 部詳細(注入状況)

図-3 試験体B 解説図 写真-6 試験体B(紫外線撮影) 写真-7 e 部詳細(注入状況) 上記結果から、ひび割れに沿ってシール・注入する従来の低圧樹脂注入工法と同等の効果が確認できた。

また、本工法のひび割れ注入に関しては、従来の 0.2mm以上のひび割れを対象に行う線の対策ではなく、

増厚施工部が全面シールとなり、ひび割れと交差する網鉄筋および樹脂導入路が注入口となる増厚施工部全 面の対策であり、0.1mm未満の微細なひび割れにも注入されていることが確認できた。

5. おわりに

全国で橋梁の長寿命化対策が計画的に行われている現在、損傷に対する対策工法はマニュアル化されてい るが、その効果や構造物内部の修繕状況が紹介されている事例は殆ど無い。したがって適切な情報交換を行 い、経験が共有できる仕組みが求められる。本報告が、今後の長寿命化計画に役立てば幸いである。

a 部

d 部

e 部

①カッター状況

②ジャッキビーム

ブロック採取状況

③撤去床版状況 ④床版搬出状況

⑤観察用床版の採取 (カッター切断)状況 土木学会第71回年次学術講演会(平成28年9月)

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