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転移性肝癌に対する内因性LAK誘導療法の有用性に関する実験的・臨床的研究 第1編 家兎VX-2腫瘍を用いた転移性肝癌モデルによる検討 第2編 ヒト転移性肝癌に対する治療成績

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Academic year: 2021

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Title

転移性肝癌に対する内因性LAK誘導療法の有用性に関する

実験的・臨床的研究 第1編 家兎VX-2腫瘍を用いた転移性肝

癌モデルによる検討 第2編 ヒト転移性肝癌に対する治療成

績( 内容の要旨(Summary) )

Author(s)

金, 成宗

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(医学)乙 第918号

Issue Date

1994-09-14

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/15351

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

氏名(本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 金

景(韓国)

士(医学)

乙第 918 号 平成 6 年 9

月14

学位規則第4条第2項該当

転移性肝癌に対する内因性LAK誘導療法の有用性に関する実験的・臨床的

研究

第1編

家兎VX-2腫瘍を用いた転移性肝癌モデルによる検討

第2編

ヒト転移性肝癌に対する治療成績

審 査 委 員 (主査)教授 佐 治 重 豊 (副査)教授

見 剛 教授 武

泰 敏

容 の 要

患者末梢血リンパ球をrecombinantinterleukin2(rIL-2)添加培地で培養・刺激すると,自己腫動こ対し傷

害性を示す1ymphokineactivatedkiller(LAK)細胞が誘導される。このLAK細胞を用いた癌の養子免琴療法

は大変期待されて登場したが,当初予測された程の治療効果はみられず,種々の改善策が講じられている。しか し,本療法は手技の繁雑さと経費の面で一般臨附こは馴染みがたい。そこで申請者はOE-432とIL-2を癌局所へ 反復投与することにより内因性LAKあるいはcytotoxicTlymphocyte(CTL)様細胞を誘導する方法を考案し, その有用性を家兎あるいはヒトの転移性肝癌を対象に検討した。すなわち,まず中等圭の抗癌剤投与で腫瘍細胞 の抗原呈示能を増強させた後,multi-CytOkineinducerとしてOK-432を肝動注することにより肝類洞内にIL-1,

tumornecrosisfactor(T甲F),interferon(IFN)などの抗腫瘍性サイトカインを誘導し,同時にT前駆細胞

にIL-2レセプターを発現させた上でIL-2の反復肝動注により活性化リンパ球を誘導する方法である。

研究方法と結果 Ⅰ.家兎転移性肝癌を用いた実験的研究 1×10洞(少圭)あるいは2.5×10個(大圭)のⅤⅩ-2腫瘍細胞浮溶液を,家兎(体重2.0∼2.5厄)門脈内へ注 入移植して転移性肝癌モデルを作製した。治療は,まず動注用カテーテルを左胃動脈から肝動脈近傍へ挿入,固 定後,末梢側先端を背部皮下へ誘導し血管造影あるいは色素注入法で肝臓内への流入程度を確認した。次いで腫 瘍移植後に0・5KE/羽のOK-432(priming)を,翌日に100U/羽のrIL-2を,7日目に1.OKEのOK-432(trigger ing)を,8,9日目に100U/羽のrIL-2を追加投与した。なお,対照群としてOK-432単独群,rIL-2単独群およ び生食単独群を作製し,肝転移結節数,生存率および末梢血リンパ球のPHA球幼君化能などから本療法の有用 性を評価した。その結果 1)ⅤⅩ-2隆瘍は移植後2週目で100%肝転移し,肝の転移結節数は移植後細胞数の増加に伴い漸増した。 2)移植後2週目の転移結節数は,治療群(29.6±5.5)が非治療群(305.3±42二3)に比べ有意に低値で,また 対照群間ではOK-432投与群が有意に低値であった。

3)平均生存日数と生存曲線は大王移植轟では対照群に比べ差はみられなかったが,少量移植群では治療群が

50・6±6・8日と非治療群の35.8±3.3日に比べ延長し,50日生存率も良好であった。 4)肝転移程度は大量移植時は全群H,で差がなく,少圭移植時は治療群が有意に軽度であった。 5)末梢血リンパ球のPHA幼若化能は,非治療群で移植後7日目に有意に低下し,以降回復傾向はみられなかっ たが,治療群では7日目に若干低下後14日目には回復傾向が観察された。 6)腫瘍周辺部の細胞浸潤程度はOK-432投与群が治療対照群およぴrIし2単独群に比べ良好で,抗SU抗体もOK-432動注後3時間目で中心静脈や腫瘍細胞周囲の肝細胞や腫瘍細胞の一部に,1誹寺間後には肝類洞内マクロファー ジに,2週後には腫瘍周囲や腫瘍壊死組織内のマクロファージに観察された。 53

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7)細胞膜表面分化抗原は治療群ではRTLAのT細胞優位で,肺腺周辺ではRABELAのB細胞優位であった。 以上の結果,OK-432とrIL-2を反復肝動注すると,肝転移結節数の増加が有意に抑制されたが,延命効果は少 量移植群にのみ観察された。それ故本療法の治療効果は1×10咽の腫瘍細胞を排除する能力と推察された。ま

た作用機序としては腫瘍局所に集積したOK-432により腫瘍浸潤リンパ球が活性化され,同時に併用投与したⅠし

2によりLAK(CTL)様細胞が誘導されるためと推察された。 Ⅱ.ヒト転移性肝癌症例を用いた研究 19お年8月より約4年間に経験した転移性肝癌23例を対象に,肝動注ポートを開腹時あるいはセルージンガ一 法にて固有肝動脈内へ挿入・固定し,末梢側先端を皮下埋め込み型動注用ボートに接続後治療を開始した。投薬 法はmitomycin Cなどの抗癌剤肝動注で導入後,翌日OK-432を0.5-1.OKE,その後rIL-2を1000U(4×105JRU) 3回肝動注する方法を1クールとし,14日日ごとに可及的反復投与した。なお,治療効果はCT所見,腫瘍マー カー,生存日数,免疫および病理組織学的所見などから評価した。 1)症例の内訳は男11例,女12例。年齢は40∼80歳で平均57.7歳。原発臓器は胃10例,大腸7例,膵臓2例,乳 腺2例,胆道2例。肝転移程度(H)はH315例(65.2%),H25例(21.7%),HI3例で,16例(69.6%)に肝 外転移巣の併存がみられた。 2)治療回数は2-24(平均8.6)クール,薬剤総量はOK-432が1.2-24(6.2)KE,IL-2が9-240(57.1)×105JRU, MMCが36.4mg,ADMが92.6mgであった。 3)肝転移巣に対する直接効果は,評価不能2例を除く21例中,PR8例,MR3例,NC8例,PD2例。全体 の奏効率はPR以上で謂.1%.MR以上で52.4%であった。 4)生存6例を除く17例の50%生存期間は349日,1生率は33.4%,2生率は13.4%,平均生存期間は342.8±55.0 日。死亡原因は肝転移8例,腹膜播腫6例,栄養障害と癌性胸膜炎2例であった。 5)腫瘍マーカーで治療後CEAが11例,AFPが2例,CA125が1例で低下し,performancestatusも7例(30.4%) で改善がみられた。 6)副作用:全例に発熱が,7例(30%)に全身倦怠感が,4例(17%)に食欲不振がみられたが,重篤なもの は1例もみられなかった。 7)末梢血のNK活性とLAK活性は治療直後に低下し局所への移行が示唆された。また,CD3+,CD4+,CD8+は 若干増加傾向を示した。 8)病理組織学的所見:HE染色で奏効例では腫瘍の線維性変性や出血壊死像と腫瘍周辺への単核球浸潤像がみ られ,免疫組織染色で腫瘍周辺部に多数のCD4,CD8陽性細胞の浸潤像が観察された。 9)最後に奏効例中,興味ある経過を示した3例の治療経過と画像所見を紹介した。 以上の結果,抗癌剤とOK-432,IL-2を一定の投与スケジュールで肝動注する療法は,ヒト転移性肝癌症例に対 しても安全で,かつ相当程度の治療効果を示す可能性が示唆された。

論文審査の結果の要旨

申請者金 成宗は,OK-432とrIL-2を一定の投与タイミングのもとで肝動注することにより,肝類洞内にLAK (CTL)などの活性化リンパ球を効率よく内因性に誘導する方法を考案し,その有用性を家兎肝転移モデルとヒ ト転移性肝癌症例で明らかにした。本療法は従来のLAK(CTL)細胞を用いた養子免疫療法の手技および経済 面の不利を解決でき,かつ同程度の治療効果を示すものである。したがって,本研究結果は癌免疫療法の分野で 新しい治療法の発展を示唆するもので,腫瘍外科学の進歩に少なからず寄与するものと認める。 [主論文公表誌] 転移性肝癌に対する内因性LAK誘導療法の有用性に関する実験的・臨床的研究 第1編 家兎ⅤⅩ-2腫瘍を用いた転移性肝癌モデルによる検討 岐阜大医案己42(3):304∼315,1994 第2編 ヒト転移性肝癌に対する治療成績 岐阜大医紀 42(3):316-328t1994 54

参照

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