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ラット体性感覚野におけるconnexin36発現抑制性神経細胞の化学的解析

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Academic year: 2021

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(1)Title. Author(s). Citation. Issue Date. URL. Expression of Gap Junction Protein Connexin36 in Multiple Subtypes of GABAergic Neurons in Adult Rat Somatosensory Cortex( Abstract_要旨 ) Ma, Yunfei. Kyoto University (京都大学). 2011-05-23. http://hdl.handle.net/2433/142545. Right. Type. Textversion. Thesis or Dissertation. none. Kyoto University.

(2) 京都大 学 論文題 目. 博士( 医 学 ). 氏 名. 馬 雲 飛. Expression of Gap Junction Protein Connexin36 in Multiple Subtypes of GABAergic Neurons in Adult Rat Somatosensory Cortex (ラット体性感覚野における connexin36 発現抑制性神経細胞の化学的解析). (論文内容の要旨) ギャップ結合(ギャップジャンクション)は、電気的シナプスとも呼ばれ、 神経細胞の同期発火に重要な役割を果たしている。ギャップ結合を構成する基本 分子は、膜蛋白質コネキシン(Cx)であり、Cx が 6 個集まってコネクソンとい うヘミチャネルを形成し、他の細胞が形成するヘミチャネルと結合することで、 ギャップ結合となる。現在までに 20 種を超える Cx が報告されており、分子サ イズによって区別されている。成体ラット・マウス大脳新皮質においては、Cx30.2 と Cx36 が抑制性神経細胞に発現することが知られている。ノックアウトマウス を用いた一連の研究で、皮質抑制性神経細胞間の電気的結合は、主に Cx36 によ って形成されることが分かっている。 皮質抑制性神経細胞は、化学的マーカー・発火特性等から以下の4つに分類 することが可能である。 (1) パルブアルブミン(PV)陽性細胞。 (2) ソマト スタチン(SOM)陽性細胞。(3)LS 細胞(late-spiking cell)と呼ばれ、ニュ ーログリアフォーム細胞がこれに分類される。α-actinin2 が化学的マーカーと して利用される。 (4) 上記に分類されない細胞群。様々な化学的マーカーに陽 性で、ヘテロな集団を構成する(calretinin, CR: vasoactive intestinal peptide, VIP; cholecystokinin, CCK; choline acetyltransferase, ChAT 等)。 Cx36 が PV 陽性細胞もしくは SOM 陽性細胞に発現することはこれまでに報 告されていたが、他の抑制性神経細胞に発現するかについては、形態学的報告は されていなかった。また、大脳新皮質は層毎に異なる情報処理を行っていると考 えられており、抑制性神経細胞における Cx36 の発現を各層毎に詳細に検討する ことは、大脳新皮質の原理を理解する上で重要である。本研究では、 in situ hybridization 組織化学法・免疫組織化学法による2重染色を用い、Cx36 を発 現する抑制性神経細胞の種類・数を皮質の各層毎に解析することを目的とした。 皮質全層に渡って解析を行った結果、約 80%の PV、52%の SOM、37%の CR/VIP/CCK/ChAT 陽性細胞が、Cx36 を発現していた。逆に、64%、25%、9% の Cx36 発現細胞は、PV、SOM、CR/VIP/CCK/ChAT に対してそれぞれ陽性で あった。皮質第 4 層から 6 層においては、ほぼ全ての Cx36 発現細胞が上記化学 的マーカーに陽性だった。一方、90%(1 層)、10%(2/3 層)の Cx36 発現細 胞が、上記化学的マーカーに陰性であった。そこで、LS 細胞のマーカーである α-actinin2 との二重染色を追加しておこなった結果、α-actinin2 陽性細胞の 84%(1 層)、78%(2/3 層)が、Cx36 を発現していることが判明した。逆に、 50%(1 層)、13%(2/3 層)の Cx36 発現細胞が、α-actinin2 に対して陽性で あった。 以上の結果から、ギャップ結合が PV もしくは SOM 陽性抑制性神経細胞だけ でなく、多彩な細胞種で形成される可能性が示唆された。また、皮質表層と深層 では、ギャップ結合を形成する抑制性神経細胞種が異なる可能性も示唆された。. (論文審査の結果の要旨). ギャップ結合は膜蛋白質コネキシン(Cx)によって構成され、現在までに 20 種を超え る Cx が報告されている。成体ラット・マウスの大脳新皮質においては、Cx36 が抑制性神 経細胞間の電気的結合を形成することが知られている。本研究では、in situ hybridization 組 織化学法・免疫組織化学法による2重染色を用い、Cx36 を発現する抑制性神経細胞の種 類・数を皮質の各層毎に解析している。 皮質第 4 層から 6 層においては、ほぼ全ての Cx36 発現細胞が、パルブアルブミン、ソ マトスタチン、カルレチニン、血管作動性腸管ペプチド、コレシストキニン、コリンアセ チルトランスフェラーゼのいずれかに陽性であった。一方、第 1 層では 90%、第 2/3 層で は 10%の Cx36 発現細胞が、上記化学的マーカーに陰性であった。そこで、ニューログリ アフォーム細胞のマーカーであるα-actinin2 との共存をさらに検討した。その結果、50% (1 層)、13%(2/3 層)の Cx36 発現細胞が、α-actinin2 に対して陽性であった。以上の 結果より、ギャップ結合が多彩な細胞種で形成され、皮質表層と深層ではギャップ結合を 形成する抑制性神経細胞種が異なる可能性が示唆された。 以上の研究は、ギャップ結合を形成し得る皮質抑制性神経細胞の種類・数を詳細に解析 したもので、皮質抑制性神経細胞が構成する電気的結合回路の解明に寄与するところが多 い。 したがって、本論文は博士( 医学 )の学位論文として価値あるものと認める。 なお、本学位授与申請者は、平成23年 3月18日実施の論文内容とそれに関連し た試問を受け、合格と認められたものである。. 要旨公開可能日:. 年. 月. 日 以降.

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