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「総合的な学習の時間」における内発的学習意欲の向上を目指した実践研究 : 「未来日記」を活用した課題解決学習を通して

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(1)学位論文 「総合的な学習の時間」における.  内発的学習意欲の向上を目指した実践研究  一「未来日記」を活用した課題解決学習を通して一. 兵庫教育大学大学院 学校教育研究科 修士課程. 教科・領域教育専攻 総合学習系コース.   MO4312E.  首藤博史 主任指導教員  松本伸示 教授. 指導教員 松本伸示教授.

(2) 専一2. 攻スH史. 磐・博. 域習3. 科合o. 教総M首. 継. 攻ス号名. 専コ学氏.     一r未来日記」を活用した課題解決学習を通して一. 濡子4藤. 「総合的な学習の時間」における内発的学習意欲の向上を目指した実践研究. 1.研究の背景 総合的な学習の時間(以下,総合的な学習)が始まっ. 4.研究の目的. て4年目を迎える。現場での実践後の反省としてよくあ. の要素の向上を目指して,「未来日記」を書かせ,それを. げられることのひとつに,課題解決活動をするときに,. 介して児童と教師で検討会を行い,その有効性を検討す. グループのリーダーの後をついていくだけで,意欲的に. ることである。. 自分の学びができていない児童がいるということがある。.  さらに検討会において,3つの要素を向上させるため の有効な手立て(学習状況,教師の指導等)についても. その原因には,r学習方法がわからない。」といった知 識・理解や表現・処理の能力面での問題もあるが,それ. 本研究は,児童の内発的学習意欲を高めるために3つ. 明らかにすることである。. と並行して自分の学びをするために必要な学習意欲が育 っていないということも重大な原因として考えられる。. そこで,課題解決学習を通して,児童の学習意欲を高め. 5.研究の方法. る研究を推進することにした。. 研究1 「未来日記」を用いた実践授業と内発的学習意    欲との関連(量的分析) ①質問紙の作成. 2.内発的学習意欲について.  先行研究(櫻井:1992,櫻井:1993,高野:1993)か. 櫻井(1997)は学習意欲をエネルギーの有無で2つに分. ら児童の有能感,自己決定感,他者受容感を測定するの. け,さらに有るものをその方向(自発性と目標性)で区. に妥当であると判断した質問を各6問,合計18項目選. 別し,次の3つに分類している。 ①内発的学習意欲:自発的な取り組み,学習が目標. 択し質問紙を作成した。. ②外発的学習意欲:外発的な取り組み,学習は手段 ③無気力. 本研究では上記のr内発的学習意欲」に着目した。  同氏は内発的学習意欲の発現を支えているものとして,. ②実践授業. 対象1兵庫県公立0小学校6年A組(31名) 実施時期:2005年5月9日∼7月11日  総合的な学習におけるr奈良・京都で不思議発見」を テーマとする課題解決学習の中でr未来日記」を用いた. 有能感,自己決定感,他者受容感という3つの要素をあ げている。この3つの要素の向上を目指し,総合的な学. ③プリ・ポストテストの実施. 習に実施し,研究するのが,「未来日記」を用いた取り組.  上記の質問紙を使って,単元前にプリテスト,「未来日. みである。. 記」を書いた後にポストテスト1,検討会を行った後に ポストテストHを実施した。. 実践授業を実施した。. 3.未来日記について. く定義>r未来日記」とは.課題解決のためにインタ ビューをしたり,アンケートをとったり,ビデオ撮影を したりする活動をシミュレーションし,まだ起こってい ないことを物語として文章化するものであると定義する。. 研究2 r未来日記」を用いた実践授業と内発的学習意    欲との関連(質的分析) 検討会の様子を録音しプロトコルをおこして分析する ことにより,3つの要素を向上させるために有効な手立 てを明らかにした。.  <r未来日記」を活用した取り組みの流れ>  シミュレーションした活動計画を日記としてr一人称」. で文章化させる行程を取り入れることで自己決定感の向 上を目指している。.  次にr未来日記」を介して児童と教師による検討会を 実施する。ここでは特に他者受容感,有能感を高めるこ とを目指している。児童が提案した課題解決の方法が安 全に実施できるかを話し合うとともに,児童が書いてい る文中の行動の意義を見つけ出し,それを称賛し,期待 することで有能感の向上を目指すものである。また他の 子どもと比べるのではなく,その児童のよさを見出すこ とで他者受容感を高めることを目指している。. 6.結果と分析 研究1一③から (1)プリテストとポスト1の平均値の変化について.  日記を書いた直後に行ったポストテスト1では,自己. 決定感と他者受容感の平均値に有意な差がみられた (Table1)。自分が主人公の日記を書くことで,自己決定. 感が高まったのではないかと思われる。他者受容感につ. いては,友だちに関するものと教師に関するものが3問 ずつある。それぞれについてt検定を行うと友だちに関 するものに有意差がみられた。グループで課題設定や役 割分担などの話し合いを行っていくなかで,友だちに対.

(3) する他者受容感が高まったと考えられる(Table2)。  Table1 プリテストとポストテスト1の平均値の変化(n・31) プリテスト  ポストテストI M    SD     M    SD    tイ直. 洗い出した。. O考察例 抽出児 1児  (他者受容感が低い児童) 二Lニット1  (N23T(イ刈26S). 有能感   16.74. 3.23   . 3、12 1.65n.s..  1児が今までに収集した情報のひとつ(お水取りの意味)に. 自己決定感  15.74. 2.72    16.94. 2.94   2.45 *. ついて尋なその情鞭舌用能力を評価する場面. 他者受容感  16.00. 2.84 16.74. 2.84   3.08 *. 17.45. Table6 情報活用能力を評価する場面.               *P<.05. 発話NO. 教師の発話・f’働(表㈲. TabIe2他者受容感のプリテストとポストテスト1の平均値の変化(n=31). N23T. 先生も「不懇騒やな。1と思ってな。. プリテスト  ポストテストI. (中略)そもそも「お水取り」って何な. M    SD     M    SD   t{直. だ而 友撰 ち. 7.80   . 1.74    8.87    1.45    6.15 *. ラ瞳の発話・行動(表情). んやろな?. N24S. なんか,何人かの僧侶が階段のとこに集. (うなずきながら鷹. 8.26    1.90     7.87    1.98    1.68 n.s.. まっとって,松明をふって,う一ん,(2). 何やったかな,(1)その火の粉がかかっ.                *P<.05. たら,「無病息災」になるっていう行事。. (2)ポストテスト1とHの平均値の変化について N25T. へ一。よう調ぺとんな。すごいな。.  「未来日記」を介しての児童と教師による1対1の検 討会を実施した後のポストテストHでは,他者受容感に 有意差が見られた。また,期待した有能感には有意差が.  (N26S)1児が’1咳曝みに何度もうなずいている。(厳. 見られなかった(Table3)。他者受容感の友だちに関する. 密には3度うなずいている。)教師の問い(N23T)「そも. ものと教師に関するものの結果は,前者では差が見られ. そも『お水取り』って何なんやろな?」という問いは,. ず.後者では有意差が見られた。(Table4)。. 事前に担任が1児のポートフォリオを見て,rこれだけ資.  Table3ポストテスト1と∬の平均値の変化(n=31). 料を集めているのなら,この問いには答えられるであろ. ポストテスト1  ポストテストl M    SD     M    SD   tイ直. 有能感    17.45 3.12 18.00 3.15 1.55n.s. 自己決定感  16.94 2.94 16.87 2.97 1.44n.s.. 他者受容感  16.74 2.84 17.61 2.77 3.39*.               *P<、05 Table4 他者受容感のポストテスト1とHの平均値の変化(n・31). ポストテスト1  ポストテストH M    SD     M    SD   tイ直. だ市 友撫 ち. N26S. うん。(小刻みに何度もうなずく). う。」という推測のもとに質問したものである。それに対. して,児童は答えることでr自分の言葉で言えた。先生 の質間に答えることができた」という自信になり,さら に教師に「へ一。」という感嘆詞で始まる賛辞をもらうこ とで「認めてもらった。」という受容感で,嬉しくなり,. 何度もうなずくという行動となって表れたものと考えら れる(Table6)。. 洗い出した手立て①. 児童が答えられそうなことを問域自分の言葉で発言させる. 8.87   1.45    9.07    1.68   0.96 n.s.. 7.結論 7.87   1.98    8.60    1.94   3.34 *.                *P<.05 (3)プリテストとポストHの平均値の変化について.  プリテストとポストテストHにおいてはすべての項目. で有意な差が確認できた。有能感についてもr未来日記 を書かせる」r検討会をする」という処遇をひとつの活動. とすれば差が認められ,その活動は有効であると考えら れる(Table5)。  Table5プリテストとポストテストIIの平均値の変化(n;31). プリテスト   ポストテストH. 研究1より:r未来日記」を用いた取り組みは3つの要素 を高めるのに有効である。. 研究2より:検討会で3要素を高めるために,有効な手 立てを洗い出した。. ①自分の言葉で発言させる. ②自己愛を高める声かけ③認めて,ほめる ④その児童にあった資料を直接手渡す ⑤評価規準表で,能力を説明しながら評価. ⑥うなずきながら傾聴する   etc. M    SD     M    SD   tイ直. 8.提言 有能感    16.74 3.23 18.00 3.15 2.98*. ①r未来日記」を用いた取り組みを,できれば1学期に. 自己決定感  15.74 2.72 16.87 2.97 2.04*. 実施する。. 他者受容感  16.00 2.84 17.61 2.77 4.70*. ②検討会を中学年から実施する。.                *P<.05. ③学年に応じた評価規準表を作成し,単元はじめに配布. 研究2から. する。.  プロトコル分析で教師のどのような言葉かけや資料の.           主任指導教員 松本伸示. 提示が児童の他者受容感,有能感を高めるのに有効かを.          指導教員 松本伸示.

(4) 次. 目. 目次・………………・贋…………・…・…・…一…………… 1 はじめに…………・・…・・……・……・……9……………… 3 第1章  問題の所在と研究の目的.  第1節. 理論的背景 内発的学習意欲について……………・・●・●・●’。9●90●●”●●.  第1項  動機付けと意欲・・………………・……・…………  第2項  学習意欲の分類と構造…………一……・・…………  第3項  内発的学習意欲を支える3要素・…………・……・一… 「未来日記」について……・…・………・・…………  第1項  文章を書くということ………………・・……・・……  第2項  「未来日記」の定義づけ……・…・………・……・・…  第2節.  第3項.  「検討会」について………・………・・。’●009’90’。900’. 第3章. 研究1 「未来日記」を用いた実践授業と内発的学習意欲を 支える3要素との関連 (量的分析). 第1節 質問紙の作成…一……………・…・…・…………… 第2節 実践授業について・……………・…●○●●●。’。●●。●’●●’。●0●  第1項. 目的及び方法…・…………・…・・……・…………・.  第2項. 指導計画……………。。9”。。’。。●。●。。”●●●”。。●’0”●●.  第3項. 実践内容……・……・……・…・・……………・・… データ収集…………・……・・……………・…・… t検定の結果……・…………・・………………… 一 プリテストとポストテスト1のt検定………………・・ ポストテスト1とポストテストHのt検定・…………… プリテストとポストテスト1のt検定・………・……一・  t検定からの考察………………… ………・……・.  第4項. 第3節  第1項  第2項  第3項  第4項. 1.    04456. 第2章. ﹁D67.  第1節  問題の所在……一…………・・……・…………じ一  第2節  研究の目的一………………・・…………・………  第3節  研究の概要…・……・………・一………………….

(5) 第4章  研究2「未来日記」を用いた実践授業と内発的学習意欲を支える    3要素との関連 (質的分析). 第1節 分析方法の概略一……… 第2節 分析の結果と考察………99・9一・…. ρ・。・。σ・….  第1項1児について………一  第2項S児について…・・…….  σ・・・…  一・9・・…  。・。・・  34.  σ。一・9。・・・…  9。。・・…   38. 一。9・。一。・・。・… ・….  。・。・・。。…  。・・。。  38.  一・・・・…  一・・・・…  一・…  の9・ 46.  9。・・。σ・・・…  。…  。・…   50  第3項K児について・………・ 第3節プロトコル分析の考察…一・・一◎一一一D一・一・・9・・一一・9・一  54 サ9・・・・・….  第2節 本研究から得た提言と課題・…・……………・……….   第1項方略への提言………・………・・…………・……   第2項 今後の課題…・………・……・・……・…………・. 戸D5戸D6.  第1節結果の考察と得られた提言………………一・………. 8990. 第5章  結論. おわりむこ・・一・・・・・・・・・… 一・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… σ・・・・・・・…   62. 2.

(6) はじめに  加藤・安藤(2001)によると我が国の文化,ことに学校教育を取り囲む文化として「減点主. 義」があるという。どこの学校にも校訓があるが,そこに描かれる児童像は100点満点の. 理想の姿である。いわゆる「完壁」を求めているのである。徳目が掲げられ,このような 理想のあり方を前にして,現実の子どもの姿をとらえようとする時,そこにはr減点主義」 が伴う1というのである。.  高い理想を掲げ,それを目指して学習することは,一部の人問を意欲的にするには違い ない。しかし,目標から遠く離れた多くの子どもは,途中で,あるいははじめからあきら. めてしまう。そこには,学習意欲を奪う力がはたらいてしまうのではないだろうか。特に. 高学年を担任すると自己価値が低く,何事にも意欲的に取り組めない児童を何度か目にし てきた。.  筆者が内発的学習意欲をテーマに設定した理由は,自分に自信が持てない児童に,r自分 の良さ」や「存在意義」を感じさせ,少しでも学習意欲を高めることためにはどんな手立. てが必要かというテーマに長年にわたり取り組み,試行錯誤を続けているというのが現状 であった。そんなときに(2002年)r総合的な学習の時問」が創設された。.  2003年12月に一部補訂された学習指導要領の「総合的な学習の時問」のねらいには, 次のようなことがあげられている。. 「総合的な学習の時間」においては,次のようなねらいをもって指導を行うものとす.  2 る。.  (1). 自ら課題を見付け,自ら学び,自ら考え,主体的に判断し,よりよく問題を解決 する資質や能力を育てること。. (2). 学び方やものの考え方を身に付け,問題の解決や探求活動に主体的,創造的に取 り組む態度を育て,自己の生き方を考えることができるようにすること。. (3). 各教科,道徳及び特別活動で身に付けた知識や技能等を相互に関連付け,学習や 生活において生かし,それらが総合的に働くようにすること。. Fig.1−1. 総合的な学習の時間のねらい (小学校学習指導要領 第1章第3の2).  このねらい,特に(1)の「自ら…」や(1)(2)のいずれにも出てくる「主体的」と いうキーワードは学習意欲と深く関係するものである。しかもこの「総合的な学習の時問」. には,従来の教科のような詳細にわたる制約は少なく,児童一人ひとりとゆとりを持って. 1加藤幸次・安藤輝次(2001)『総合学習のためのポートフォリオ評価』p.7(黎明書房). 3.

(7) 向き合える時問ではないかと考えたからである。.  そこで,r総合的な学習の時間」において,内発的学習意欲を高める方略に焦点をあて,. 学習意欲の心理学的な背景を拠りどころとして実践授業を行い,その方略の有効性と検討 したいと考え,本研究に取りかかった。. 4.

(8) 第1章 問題の所在と研究の目的 第1章では,研究の背景となる考え,及び目的について述べる。.  第1節では,問題の所在となる「総合的な学習の時間」の現状と課題,そして今日の児. 童・生徒の実態について述べる。第2節では,研究の目的を,第3節では,研究の概要と して論文全体の大まかな構成を概観する。. 第1節 問題の所在  「総合的な学習の時問」が導入されて5年目を迎えた。.  先の文科省の調査(義務教育に関する意識調査平成16・17年度2)では,保護者は小学 校で76%,中学校の保護者も63%が積極的に「総合的な学習の時問」を評価している。また 小学生の60%(中学生は46%)が好きな教科としてあげている。その理由としては次のよう なことがある。. ○普段体験できないようなことが体験できる。(小学生78% 中学生72%). Oいろいろな人と話したり活動したりできる。(小学生76% 中学生70%). ○学校の勉強がふだんの自分の生活や将来の進路にも関係あるものとわかる。                         (小学生73% 中学生68%). O自分の興味や疑問をもった点を自分のやり方で,とことん学習できる。                         (小学生66% 中学生55%). 上記のように子どもたちの総合に対する想いは熱い。.  しかし,2000年と2003年に,国際教育到達度評価協会(IEA)と経済協力開発機構(OECD). が行った国際比較調査で,日本の子どもたちの学力が低下したことで様々な意見が交わさ. れている。その中で「昨今の『学力低下論争』において,親の教育的意識の高い子どもた ちと低い子どもたちとの問で,学習時間や学習意欲への二極分化が見られると指摘されて いる。このため,生活科や「総合的な学習の時間」などよりも,もっと各教科の時間を増 加させる必要があるという主張になる。3」と藤井(2002)は述べている。.  だがr学力低下論」において最も大切にすべき論点は,どうすれば子どもたちを進んで 学習に向かわせることができるか,つまりどうすれば子どもたちの学習に対する意欲が形 2http://www.mext.gojp/b_menu/houdou/17/11/05112502/houkoku.pdf. 3藤井千春(2002)総合学習13「子どもの問題解決をどう支援するか」p.11(黎明書房). 5.

(9) 成・向上されるかということではないだろうか。現に前述の調査でも「学習意欲」が先進 国の中で最低水準であることも報告されている。.  確かに授業時数は少ないよりは多い方がよいのかもしれない。しかし学習意欲は,単に 授業時数を増やすことによって形成されるというものでない。「根本的には,『能動的な学 び手』としての自己有能感を形成することが不可欠な前提である。4」と藤井は続ける。.  「総合的な学習の時間」のねらいである「自ら課題を見つけ,自ら学び,自ら考え,主 体的に判断し,よりよく問題を解決する資質や能力を育てること。」に何度も繰り返される 「自ら…」の源(みなもと)となるものは学習意欲であると考える。.  学校現場で「総合的な学習の時問」後の反省事項としてよく出てくることのひとつに,. グループで課題解決学習をするとき,リーダー的な子の後を着いていくだけで自分の学び. ができていない子がいるということがあげられる。実はそんな児童にこそ,このr総合的 な学習の時間」に,自分というものの存在感を感じ,積極的に課題に取り組める意欲を高 めて欲しいと願っている。.  現在,文部科学省が強調している「確かな学力」について梶田は「ペーパーテストで成 果が測れる知識や技能に加え,子どもたちが自ら学び,主体的に判断し,よりよく問題を. 解決する資質や能力などを含むものである.5」と述べている.これはまさに,前述のr総 合的な学習の時間」のねらいそのものである。これを見ても「総合的な学習の時間」とい うものが,「今求められている学力観」に大きな影響を持っているか,「学習意欲」に密接 に関係しているかということが伺える。.  本研究では,児童の学習意欲というものに焦点を当て,「総合的な学習の時間」における 実践研究を通してその向上に有効な手立てを検証することにした。. 第2節 研究の目的  本研究の目的は内発的学習意欲を焦点とし,その源となる3要素r有能感」r自己決定感」 「他者受容感」を高める実践とその効果,さらに有効な手立てについて考察するものであ る。「総合的な学習の時間」の課題解決学習において,解決方法をシミュレーションし,そ. れを文章化するという「未来日記」を用いた実践をとおして,その取り組みの有効性を検. 4前掲書3 p.11 5梶田叡一(2005)r学力低下を招いた背景と内面性の教育の必要性」p.7教育子午線. 6.

(10) 討することである。加えて,その「未来日記」を介しての教師と児童により,実施したr検 討会」のプロトコルを分析することで,より有効な手立てを洗い出すことである。以上を まとめると研究目的は以下の2点になる。 (1)児童の内発的学習意欲を高めるために,その源となる3要素「有能感」「自己決定感」.    「他者受容感」の向上を目指して,「未来日記」を書かせ,それを介して検討会を行    うという実践を行い,その有効性を検討することである。. (2)検討会における教師と児童の対話をプロトコル分析することで児童の「有能感」「他.   者受容感」を高めるのに有効な手立てを洗い出すことである。. 第3節 研究の概要 本論文における研究を概説すると,以下のような流れになっている。. 第1章では,研究の目的とその背景を述べる。.  第2章では,研究の基盤となる理論的背景からr内発的学習意欲」について述べ,実践 する「未来日記」というものを文章心理学の観点から,r検討会」を対話での評価という観 点から述べ,その実践によって期待できる効果と内発的学習意欲の関連について述べる。.  第3章では,まずデータ収集のために使用する質問紙の作成について述べる。続いて実 践授業の流れを説明した後,前述の質問紙を使って実施したプリ・ポストテストの結果か ら量的に分析し,考察したことを述べる。. 第4章では,実践授業の検討会において収録した対話をプロトコル分析し,考察したこ とを述べる。.  第5章では,本研究から得られた内発的学習意欲を高めるための有効な手立てについて. の結論をまとめ,提言を述べる。また本研究を批判的に考察し,今後の課題について述べ る。. 7.

(11) 第2章 理論的背景 第2章では,研究の基盤である内発的学習意欲並びに実践研究する「未来日記を書く」 とr検討会をする」ということの理論的背景について述べる。. 第1節内発的学習意欲について. 第1項動機づけと意欲  心理学の世界では「動機づけ」という用語がある。動機づけに関しての研究は数多く行 われている。ここで,本研究で取り上げるr学習意欲」というものを明確にするために,r意 欲」とr動機づけ」の違いを明らかにしていきたい。.  辰野(1979)は「我々を内からゆり動かして,ある行動に向けるもの,あるいは行動に向け る状態をr動機』(motive)といい,このような状態になること,あるいはこのような状態に しむけることをr動機付け』(motivation)と呼んでいる。つまり,動機づけとはこのような 動機を引き出すことである。6」と述べている。.  次に意欲については,r意欲(volition)は,欲望,欲求,興味,動機,動因,意志,やる気 などとほぼ同じ意味で用いられ,意欲を引き起こすこと(意欲の喚起)は,動機づけと同じ意 味で用いられている.」とした後,rあることをしようとする動機(欲求)が幾つかあるときに,. その中のひとつを選択し,その動機(欲求)の目指す目標を実現しようとする意志の働きであ る。」とし,r学習意欲とは,学習動機を選択し,それを実現しようとする心の働きである。 7」と定義している。ほぼ同義語としながらも「動機」の方がやや広義にわたるものであり,. 「意欲」はその動機を選択しようとする心の働きと定義し,範囲を絞り込んだものとして 捉えている。.  また櫻井(1997)は,動機づけという用語は,喉が渇いたからジュースを飲む,眠くなった. から睡眠をとるというように,広い範囲で何かを達成しようとする行動に対して使う。一 方,意欲という用語は,勉強や仕事といった,どちらかと言えば知的なことを達成しよう とする行動に対して使うことが多い。r動機づけ」という用語は広い範囲の行動を,r意欲」 という用語はそれに比べてやや狭い範囲の行動を対象として用いる8と述べている。. 辰野千壽(1979)『学習意欲の高め方』pp.20−21(図書文化社) 前掲書6 pp.54・55 櫻井茂男(1997)『学習意欲の心理学』p.2(誠信書房). 8.

(12)  辰野,櫻井の主張は,ほぼ同じような内容で,「動機」または「動機づけ」というと範囲. が広く,その中にr意欲」というものが包括されているといった内容である。そこで本研 究では,今までの動機づけに関する研究も参考にしながら,前述のr知的なことを達成し ようとする行動」を行うための「学習意欲」というものに焦点をあて,研究を推進した.. 第2項学習意欲の分類と構造  学習意欲については,心理学者を中心にそれぞれの理論で定義づけがされている。その 中で辰野(1981)は,r学習意欲とはr学習動機(欲求)を選択し,それを実現しようとする. 心の働き』である。」とし,その欲求を分類して次の6点をあげている。.  Table 2−1 学習動機の分類 ①愛情の欲求:人から愛情を受けるとともに,人にも愛情を与えたい. ②集団所属の欲求:一定の集団または仲問の一員として受け入れられ,  安定した位置を与えられたい。. ③独立の欲求:他人に頼らず,独立したい。. ④社会的承認の欲求:他人から承認され,認められることを求める。 ⑤新しい経験を求める欲求:珍しいもの,新しいものを求める。  好奇心,好奇動機とも呼ばれる。. ⑥成就の欲求:価値のあることを成し遂げたい。.  さらにその欲求を「直接学習意欲をひき起こすもの」とr間接的に学習意欲に関係する もの」の2つに分けている9。.  また櫻井(1997)は学習意欲をrエネルギー」があるかないかで2つに分け,エネルギー があるものをその方向でまた2つに分類している。そして「自発的な取り組み,学習が目 標」であるものを「内発的学習意欲」,「外発的な取り組み,学習は手段」であるものを「外 発的学習意欲」,エネルギーがないものを「無気力」としているIo。.   これは上記の辰野が唱えるr直接学習意欲をひき起こすもの」と「間接的に学習意欲 に関係するもの」という欲求(動機)の分類と同じような考え方であるといえる.. 学習指導要領に「総合的な学習の時間」のねらいとして記されている「自ら課題を見付 9辰野千寿(1981)『学習指導の心理学』P.128(大日本図書) lo前掲書8 p。5. 9.

(13) け,自ら学び,自ら考え・9」で児童につけたい資質,能力のひとつである学習意欲は,前 述の学習すること自体がその目標である内発的学習意欲であると考えられる。.  それでは,この内発的学習意欲を高めるためにはどのようなことに留意した取り組みが 必要なのであろうか。そこで櫻井の提唱する「内発的学習意欲発現のプロセス」を例に述 べてみたい。我々はよく「あの子は意欲的な子だ。」などと表現するときに,その児童が積. 極的に課題を追求している姿や次々に新しい課題を見つけていくような様子を見て判断し ている。櫻井はそれを「内発的学習意欲の現れ」と定義し,それを支えているものとして 有能感(sense of competence),自己決定感(sense of self−detemination),他者 受容感(sense of acceptance by signi ficant others)の3要素をあげている11。. 楽しさ・満足. 知的好奇心’挑戦・達成. 内発的学習意欲の現れ. ,. 他者受容感. 有能感・自己決定感. 内発的学習意欲のみなもと. Fig.2−1 内発的学習意欲の発現プロセス. 第3項内発的学習意欲を支える3要素  ここでは,前項で述べた3つの要素「有能感」「自己決定感」「他者受容感」について詳 しく述べることにする。. ○有能感について White,R.W(1959)は「有能さ(competence)とは,自己の環境を効果的に処理するこ. ll前掲書8 pp.19・20 10.

(14) とのできる人の能力(ability)もしくは力量(cap段city)を指している12。」と定義している。自. 己の環境とは,児童にとって「勉強すること」「運動すること」あるいは,r友だちと遊ぶ こと」であり,それを効果的に処理するとは,「算数の計算が速く正確にできる。」「鉄棒で. 逆上がりができる。」「友だちと楽しく仲良く遊べる。」ことであると考えることができる。 つまり,有能感とは「ある状況において,ある結果を達成するために必要な行動を自分がうまく できるかどうかを予期することである。」といえる。.  本研究で取り上げる内発的学習意欲においての有能感というものを櫻井はrr自分は勉強が できるんだ。』『自分はやろうと思えば勉強ができるんだ。』という気持ちである13。」と述べ ている。. ○自己決定感について  Deci,E.L(1985)は自己決定というものをr自己の意志を活用する過程である。これは,自己の限. 界と制約を受容し,自分に働いている諸力を認識し,選択能力を活用し,各種能力の支持を得て, 自己の要求を満たすことを意味している14。」と定義している。さらに「内発的動機づけ,っまりは環. 境との関連において有能で自己決定的でありたいとするかの人間の要求が,人びとの意志をエネ ルギー化するのである15。」と述べている。つまり人間が行動するための原動力的なものとして自己 決定というものを位置づけていることになる。.  また碓井は,自己決定感がなければ,有能感があっても,内発的動機づけは高まらないことを実 験によって示している16。櫻井がいう自己決定感「自分のことは(好んで)自分で決めているんだ。」 という気持ちを持たせることは,「総合的な学習の時間」のねらいの「自ら課題を見つけ,自ら学び, 自ら考え・・。」に必要不可欠な学習意欲を高めることであると言える。.  さらに前述のDeci,E.Lは「自己決定された行動には,自己の欲求の充足をいかに達成すべき かに関する己の期待にもとづく,いか行動すべきかという人びとの決定かふくまれている17。」として いる。つまり人間は,他人から与えられたことをしているよりも,自分で決定したことをベースに活動 するときのほうが行動するエネルギーが増すということである。. 最後に,Deci,E.Lは「人びとは有能さと自己決定の意識を感得せんがために,多くの行動にた. 12White,R.W(1959)Competence and the psychosexu&1stages of development. 漉わ盟誼∂ 琢躍ρ05ゴ〃盟 oη〃b帥3面o刀, P。8. 13前掲書8 p.19 14Deci,E.L(1985)『自己決定の心理学』石田梅男訳 P.34(誠信書房). 15前掲書14 p.34 16 http:〃www。n。一seiryo.acjp1〈usui/sigoto/gakkai/nhgata97.5.31.html. l7前掲書14 p.64 11.

(15) ずさわるのである18。」と述べている。っまり人間が生きることそれ自体の目的が,この二つを感得す るためのいとなみと言っても過言ではないということである。. ○他者受容感にっいて  他者受容感は,Deci&Ryan(1985)によって内発的な学習意欲の源としては学問的には有能 感や自己決定感よりも遅く認められた。櫻井は「自分はまわりの大切な人から受容されているん だ。」という気持ちであると述べている19。人は,まわりの人から受容されていればこそ,ビクビクせず. 安心レて生活することができる。子どもたちは,学校においてまわりの人,教師や友だちに受容され ていればこそ,安心して勉強できる。自分を見守ってくれる人がいれば,たとえ勉強していてつま. ずいても,もう一度やりなおしてみようという気持ちになれる。Deci&Ryanは他者受容感のことを 関係性(relatedness)と呼んでいる。有能感,自己決定感が自分の中のものであるのに対し,これ. だけは対人関係の要素であり,櫻井は「3つの要素の中ではもっとも大切な要素であると感じてい る20。」と述べている。.  またここで注目したいことは,Deci,櫻井ともそれぞれ,「重要な他者からの受容感」,「自分はま. わりの大切な人から受容されているんだ。」というようにその相手が誰でもよいのではなく,当事者 にとって「大切な人」であることを指摘している。後でも述べるが本研究での児童にとっての「他者」. は,学校生活でもっとも身近な存在のひとりである担任教師である。この担任教師への受容感が高 まれば,学校が,そして教室が,その児童にとって「安心して勉強できる場」となる第一歩となりうる のである。.  辰野は,学習意欲の起こらない原因について①知能・学力に原因がある場合②性格に原因が. ある場合③家庭環境に原因がある場合④学校環境に原因がある場合の4点をあげ,そのうち④の 学校環境に原因がある場合の大きな要因として「先生がきらいだ。」という教師に対する受容感の 欠如を要因としてあげている21。.  この実践授業を実施する以前に,すでに児童にとって担任教師が大切な人であれば,より受容 感は高まり,この研究の有効性は証明されるであろうし,まだしっかりとした信頼関係ができていな ければ,この実践がそのきっかけとなり,担任と児童の人間関係を構築する足がかりとなり,よりよい 学級経営の基盤となりうる可能性があると考える。. 18前掲書14 p.63 19前掲書8 p.19 20前掲書8 p.21 21前掲書5 pp.71・74 12.

(16)  それではこの3要素を高めるためにはどんなことに留意した取り組みが必要なのであろうか。櫻 井が前書の中で述べていることを抜粋し,まとめたのが次の表であるg.  Table2−2  内発的学習意欲を支える3要素を高めるための指導上の留意点 有能感. r応答的な環境を用意する。」r学習内容を理解させる。」r自信を持た せる。」r成功体験を多く持たせる。」「称賛する。」rうまく期待する。」. r努力ができるよう援助する.」r適切な評価を用いる.」. 自己決定感. rできるだけ子どもの決定にまかせる。」r子どもの決定したことがう まく運ぶようにお膳立てする。」「過干渉,過保護にならない。」r外的 報酬に依存させない。」. 他者受容感. r失敗してもみんなの前でしからない。」r子どもと一緒に遊ぶ.」r他 の子どもと比べない。」「よき話し相手になる。」.  上記の留意点を念頭に置きながら,r総合的な学習の時問」に行う課題解決学習において 解決方法をシミュレーションするという取り組みを工夫し,研究するのが「未来日記」を 用いた実践である。.   O先行研究  課題解決方法をシミュレーションするという取り組みの先行研究は,多くは見当たらな いが,今村・今井・村山(2004)22のr意思決定過程にもとづく小学校環境教育の指導の研究」. 一プログラムの作成と実践に関して一がある。この研究は,グループで課題解決方法をい くつかあげ,それぞれの方法を実施した場合に起こることをシミュレーションし,それを. 図に表すというものである。その図を見ながら,それぞれの方法のメリット,デメリット を話し合い,最善の方法を決定するという実践研究である.活動方法にビジョンを持たせ,. 友だちとの討論をしながら,学習を進めるという点でコミュニケーション能力や課題解決 能力などを高めることのできる研究と言える。ただ,児童一人ひとりと教師(特に担任)がど. のようにかかわったかということは,この研究では見えにくい。そこで対話による人間関 係の構築や学習意欲の向上を目指した本研究を推進することにした。. 22今村・今井・村山(2004)「意思決定過程に基づく小学校環境教育の指導の研究」日本理 科教育学会全国大会発表論文集第2号,p.326 13.

(17) 第2節 「未来日記」について. 第1項 文章を書くということ.  本研究の特長は,シミュレーションした課題解決方法を日記として文章化するというこ とにある。今までにも,解決方法を箇条書きにするという作業は行ってきたが,それを一. 歩進んで,まだ起こってないことをすでに起こったことのように過去形で日記に書くとい うのが本研究のテーマである.そこでこの項では,まず文章を書くということについて述 べ,次に課題解決方法を文章化することの意義について考察することにする。.  吉沢によるとヘイズとフラワー(Hayes,J.R.&Flower,L.S.)は,文章を書くときに,人間は次の3. つの過程を経ると考えられるということを指摘している23。. 1.これから書く文章の計画を立てるr構想」(Planning). 2.構想を参照に書こうとする素材を文字言語に置き換えていく「言語化」(Translating) 3.それまで書き上げた文章の質を向上させる「推敲」(Reviewing)  、,.  また文章全体を監視する装置としてのrモニター」(Monitor)の存在も指摘している。. ヘイズらの仮説モデルは,上述の文章産出過程が,書き手の記憶(The Writer’s Long Term. Memory)と彼が置かれた状況(Task Environment)との相関関係の中に成立する構造であるとした 点に価値があるとされる24。.  上記の1(Planning)は文字通り,課題解決への活動を計画することから始まる。それをシミュレー ションし,時系列にそって文章化することであるである。.  そこで大切にしたいことのひとつに目記を書くことで養われる能力のひとっに「ゲシュタルト化」. (物事の全体的把握)というものがある。筆者である児童を中心に,その物語は展開されるのだが,. その活動は自分だけの世界で行われるのではない。特にフィールドワークの場合は,生活社会の 中で行われる。当然その中では,物事(社会)全体の動きを頭に置きながら,それに対応した自分 の行動をシミューレーションすることに大きな意義があると考えられる。.  課題解決の活動計画をするとき,特にフィールドワークなどの際には,ただ,「ゲストティーチャー. に質問する」とか「OOを測定する」という限られた一場面だけを想定するのではなく,それに至る までの自分を取り巻く活動空間の全体図というものをイメージすることも大切な活動であり,「社会の. 中の自分」というものを見つめることも総合的な学習の時間に培いたい能力のひとつである。. 23吉沢規克(1990)r文章産出過程の追求」旭川国文Vb1.12 pp.24・33. 24前掲書23pp.24・33 14.

(18)  安西(2003)は,文章を書くということについて次のように述べている。r作文を書くと. いうことは,立派な問題解決プロセスであって,あなたの心の中にもいろいろな目標が浮 かんでくるはずだ。文章全体の構想,いま書いている文がこれまで書いた文と意味的にち. ゃんとっながっているか,次にどんな文を書くか,言葉の使い方は適当か,文の形式は適 切か,などなど。25」。.  つまり,rいま書いている文がこれまで書いた文と意味的にちゃんとつながっているか。」. というのは,生活社会の中で今,自分がしようとしている行動は,ちゃんと前の行動とつ. ながっているか,そのための準備ができているかなどを考えながら書いているということ. である。またr何をどう書くかについての全体的なプランによって書き方をコントロール しながら,文をひとつずつ書き進めるレベルでは,そのときどきの意味のつながりに応じ て細かいプランをたてて書くことが,小学生でもすでに可能なのである。26」と続けている。. r何をどう書くか」ということは,課題解決計画という視点で見れば,r何をどうするか」 という計画を立てるということになる。.  以上のようなことから,シミュレーションしたことを「文章化するということ」は,よ りより課題解決学習をするため,自己決定感を高めるために意義があることと考えること ができる。. 第2項 r未来日記」の定義づけ  今までの課題解決学習においても,活動計画を立てそれに沿って活動をするということ は行ってきた。その能力の重要性については,安西が,「プランをたてる能力」というものについ て「私たちは,問題を解くために手間のかかる探索をいつもしているわけではないが,かといって状. 況の変化に身をまかせて,波にもてあそばれる木の葉のようなその目暮らしをしているわけではな い。未来のことを考え,そこへ向かってどう進むかの指針を与えるプラン,そのプランをたてる能力 こそ,目的に向かう問題解決者を特徴づける基本的な能力なのである。27」と述べている。.  しかし,実態として「OO屋の店員さんにインタビューする。」「福祉会館でOOたいけ んをする。」という計画を立てても,活動日の翌日,児童に聞いてみると「OO店へ行った けど『今,担当の者がいないのでまた来てください。』と言われた.」とか,r福祉会館へ行. くバスがなかなか来ないのでまた次回にした。」などの答えが返ってくることがしばしばあ った。「前もって店に電話をしてお願いしておく。」といったことや,「バスの時刻表をチェ 25安西祐一郎(2003)『問題解決の心理学』p.133 (中公新書). 26前掲書25 p.172 27前掲書25 pp.163・164 15.

(19) ックしておく。」といった準備段階のことができていないことが多かった。この「店に連絡 をとる。」r時刻表を読む。」ということもr総合的な学習の時問」に培いたい能力である。. そこで,活動のメインとなるシーンに至るまでのその日の自分の活動をシミュレーション し,時系列に文章にしていくことで,そのためにしておかなくてはならないことが見えて くるのではないかという視点から,このr未来日記」というものを考案した.  また,そのメインの活動だけが学習として意味があるのではなく,それに至るまでの諸々. の活動の意義を教師と共に検証し,「日々の生活そのものが,生きていくための学びであ る。」ということに気づかせたいというねらいも包括している。そこで「未来日記」という ものを次のように定義した。.  r未来日記」とは,課題解決のためにインタビューをしたり,ビデオ撮影をしたり,ア ンケートをとったりする活動をシミュレーションし,文章化するものと定義する.. 第3項検討会について  今回実施する検討会には大きく分けてふたつのねらいがある。ひとつは課題解決学習が よりよいものになるよう,児童の「めあて」と教師の「ねらい」のすり合わせの場として. 評価と指導を行うということ。そしてもうひとつは,それをすることで,本研究の目的で ある児童のr有能感」r他者受容感」を高めるためによき話し相手になるということがある。.  西岡(2003)によると検討会はその対話の進め方で次の3つのタイプに分けることができ る。28. ①教師によって主導されるもの ②教師と子どもが対話する中で,その後の展開を柔軟に考えていくもの. ③子どもによって主導されるもの  本研究のねらいの一つである児童の他者受容感を高めるためには,教師と子どもの「対 話」を用いた検討会が最も適するものであると考え,②の形態の検討会を実施することに した。. 28西岡加名恵(2003)『教科と総合に生かすポートフォリオ評価法』PP.68・69(図書文化社). 16.

(20)  また西岡は検討会の行われる時期と目的について次のように分類している。29. Table2−3 検討会の時期と目的 ①単元の初め…子どもにポートフォリオの趣旨を説明したり,子どもの学習状  況をつかみ学習課題を把握したりするために行われる。. ②単元の途中…学習の進展状況を見て,その後の展開を必要に応じて修正する  ために行われる。. ③単元の最後…学習の成果と残された課題を確認するために行われる。  本研究の検討会での「対話」は,上記の②に該当する.課題解決計画を児童が立てた時 点で,その解決方法が児童の「めあて」に適しているかどうかを「未来日記」という課題 解決方法を文章化した「学習物」をもとにその時点で学びのよさや伸びを確認するととも に,児童の学びの状況に応じた支援を与え,修正すべき点は改良するというものである。. 特に,フィールドワークでおいては常に安全に配慮する必要がある。その活動に危険が伴 う場合はしっかりとして指導が必要となる。.  次に先に揚げた櫻井が提唱する児童のr他者受容感」を高めるために留意すべきことの 中にrよき話し相手になる。」ということがある。つまり,一対一で教師が児童と対話する. こと自体がまず,受容感を高めるための第一歩であると言える。またその児童が書いた未. 来日記の内容について対話をするので,他の子と比べるのではなく児童のよさを絶対評価 でき,児童の教師に対する受容感の向上に適した取り組みであると言える。.                                0  また,嶋野(2003)は「子どもは何気なくした自分の行為に意味付けや価値付けをしてもら. ってやる気になる。30」と述べている。児童が,日記に何気なく書いている直接,課題解決. 行動には関係ないような行動にも,教師が意味付けをしてやり,評価規準表に基づき,価 値付けをしてやることで児童のやる気を高めるというねらいもある。.  一方,「有能感」に関しては,r適切な評価を用いる。」ということが揚げられている。こ. の検討会は,児童が書いた「未来日記」の内容を「評価規準表」に照らし合わせて,具体 的でわかりやすい評価を中心に対話をしたいと考えている。その評価規準表についても,. 今まで教師だけが活用していたものを児童配布用として中学年用・高学年用評価規準表を 作成し,単のはじめに配り,それぞれの評価能力について説明することにした。そして, その検討会の中で「称賛する。」「うまく期待する。」r自信を持たせる。」ことができるよう. な評価,言葉かけを行い,r成功体験を多く持たせる。」ことができるようにアドバイスを 与えられる機会にしたいと考えている。. 29前掲書28 p.69 30嶋野道弘(2003)『子どもの心を動かす親と教師の語りかけ』p.84 (明治図書) 17.

(21)  以上のようなことを踏まえ,検討会の留意点をまとめることにした。.  参考資料として,西岡(2003)31がポートフォリオ検討会における留意事項をまとめたも. のを本研究の検討会の趣旨と照らし合わせ,修正したり,新たなものを加えたりしてr未 来日記における検討会の留意点」を作成することにした。.  Table2−4  検討会での指導のポイント. ①検討会は,なるべく子どもたちが主導する形で進める.まず,子どもが言いたいこ   とに耳を傾ける。. ②そこでrこの作品のどんなところが良くできたと思う?」,rこの作品のどこがもっ   と良くすべきところ?」といったオープン・クエスチョンを投げかける。. ③ 最初子どもは,なかなか自分から語り始めないかも知れないが,しばらく辛抱強く.   待つ。また子どもが話し始めたら,途中でさえぎったり,すぐ良し悪しを決めつけ   たりしないようにする。. ④子どもが指摘したポイントを,板書やメモ用紙などに整理していく.. ⑤子どもが自慢した点については,しっかりとほめる。また子どもが問題に感じてい   るところについては,解決に向けた具体的な手だてを一緒に考える.. ⑥子どもが気づいていない問題点については,教師の方からrこの点についてはどう   思う?」といった形で問いかけ,気づかせるという指導も考えられる。. ).  上記の留意点を本研究でのまず,①については,初めての検討会ということもあり,な かなか児童主導で進めることは難しいと思われる。そこで子どもの良さを見つけ出し,そ. れを価値付けると言う点から教師主導で対話を進めることにした。そして子どもの発話は さえぎらず,傾聴したい。.  ④に関しては,理想論では児童に自分が書いた「未来日記」を朗読させ,それに教師が 微笑みながら耳を傾けるというのが理想である。また児童がなかなか喋らないときには,. 辛抱強く待っというのが望ましい。しかし現実問題として授業中にクラス35人全員の検討 会を行うと,長くとも一人3分間の時問をとるのが精一杯である.ゆえに,児童が喋りに くい場合には「じゃまた休憩時間に聞かせてね。」などの方法で時問内に終わらせることも 考慮に入れざるをえない。.  ⑤のポイントは,児童の有能感他者受容感を高めることを目指す本研究の留意点とし ては欠くことができない点である。また時間を有効に使うため,児童の評価項目を一覧表 にまとめておき,それに基づいて対話を進めたい。. 31前掲書28 pp.70・71 18.

(22) ⑥については,児童が調べていることを自分の言葉で語らせることで自信をっけさせる という点で留意したいことである。.  また,平野(1995)は,r総合的な学習の時間」での教師のかかわり方にっいていくつ述べ. ているが,その中の一つに「子どもの自己決定を支え,促す32」ということをあげている。. 自己決定の経験を重ねることによって,自ら追求する力がさらに育つことになると主張し. ている。そこで児童が書いた未来日記の文章の流れは基本的には変えないということも心 がけたい。. 以上のようなことを踏まえながら「未来日記を介した検討会の指導ポイント表」を作成 した。. Table2−5 未来日記を介した検討会 指導ポイント ①最初に,r未来日記」が書けたことを喜び合う。. ②教師主導で対話を進める.あらかじめ作成しておいた評価項目一覧表にそって良い点を  ほめ,教科規準表でその能力について具体的に説明する。 ③児童が喋るときには,口をはさまず傾聴する。. ④児童の課題を共有し,解決に向けてその活動方法を支援し,適切でないときは助言する。. ⑤基本的に日記(活動予定)の大枠は変えず,特に危険を伴うおそれがある点だけを指摘す  る。.  最後に西岡は,「たとえ1学期に1回でも,教師と子どもが一対一で,あるいはグループ 別で対話できる機会があれば,理想的である。そのような対話は,一人ひとりの子どもの. 成果や課題を評価する上で有効であるのみならず,教師と子どもの人間関係を改善する上 でも大きな意義がある。33」とその意義について述べている。.  しかし,1クラスあたりの人数が多い学校では,教師と子どもが一対一の対話をする時 問の確保は難しい。特に各教科においては,決められた授業時間内に,検討会の時問を確 保するのは困難である。だからこそ,カリキュラムをそれぞれの学校において余裕を持っ. て組むことができる「総合的な学習の時間」に,検討会の時間を設け,担任と児童が一対 一で対話ができる場を取りたいと考えるのである。. 32平野朝久(1995)『子どもが求め,追求する総合学習』pp。46・47(学芸図書〉. 33前掲書28 p.124. 19.

(23) 第3章研究1. r未来日記」を用いた実践授業と内発的学習意欲との関連 (量的分析).  ここでは,第2章の理論的背景を受けて実践した授業と,内発的学習意欲を支える3要 素との関連について検討する。.  第1節では,3要素を測定する質問紙の作成について述べ,第2節では実践授業につい て述べる。第3節では,集計した質問紙のt検定を行った結果を述べそれについて考察す る。. 第1節 質問紙の作成 【目的】. 小学校児童の内発的学習意欲を支える3要素r有能感」r自己決定感」r他者受容感」を測 定するための質問紙を作成する。 【方法】.  質問紙の作成については,鎌原ら(2003)34を参考にして以下のように手順,留意点を設定 し,実施した。.  作成の手続き ①測定内容の明確化99何を測定する項目であるのかを明確にする. ②項目作成の方法一先行研究から候補を収集する。. ③内容的妥当性の検討・・3∼4人に,測定内容や概念の定義を明示し,作成した項目のお  のおのがその定義に合致しているか否かを判定してもらう。.  作成にあたっての留意点 ①調査対象者の年齢(発達段階)を考慮した項目作成・・作成した項目群を,実際にその段階.  の子どもにみせて,読みにくい漢字やわかりにくい表現などを指摘してもらう。 ②分量を考慮した項目作成・・小・中学生であれば,15∼20分程度が適当である。 上記の手続きに基づき,質問紙を作成した。. 作成の手続き.  ①測定内容の明確化   本研究の主目的である内発的学習意欲発生の源となる3要素r有能感」r自己決定   感」「他者受容感」を測定する。. ②項目作成の方法   質問項目の候補となる先行研究(櫻井1992 櫻井 1993 高野1992ら)を収集   し,一覧表にした。. 34鎌原雅彦・宮下一博・大野木裕明・中澤潤(2003)r質問紙法』pp.10−13(北大路書房). 20.

(24) Table3−1 r有能感」測定尺度項目の候補 <学習領域> 勉強は、クラスの中で、できる方ですか。 勉強は、にがてですか。(R). 頭は、よい方だと思いますか。 せいせきは、悪い方だと思いますか。(R). 宿題は、短い時間でやり終えることができますか。 じゅぎょうが、よくわかりますか。 先生のしつもんには、答えられないことが多いですか。(R). むずかしい問題にも、ちょうせんしてみますか。 テストでは、たいてい良いせいせきを取れますか。. じゅぎょう中、自分の意見を、自信を持って、発表できますか。. <社会領域> 友だちは、たくさんいますか。. クラスの中では、にんきものだと思いますか。. 友だちに、よくいじわるをされますか。(R〉. 自分が学校を休んでも、みんなは、あまりしんぱいしてくれないだろうと思いますか(R) あたらしい友だちをっくるのは、かんたんですか。. 友だちは、よくあそびにさそってくれますか。. クラスの中で、自分は、いなくてはならない人だと思いますか。 友だちには、すかれていると思いますか。 クラスの人は、あまり自分をあいてにしてくれないですか。(R). もし、転校することになったら、クラスの人はかなしんでくれると思いますか。(R) <運動領域> 運動はとくいな方ですか。. はじめてのスポーツでも、うまくできる自信がありますか。 運動の大会では、よく選手にえらばれますか。 運動は、さんかするよりも、見ている方がすきですか。(R). あたらしいスポーツは、すぐやってみたくなりますか。. 体育の時間は、きらいですか。(R) スポーツは、にがてですか。(R). 運動では、友だちにまけないと思いますか。 クラスの中でも、運動ができる方だと思いますか。. 運動をしているところを、あまり人に見られたくないですか。(R). <自己価値〉 自分に、自信がありますか。. たいていのことは、人よりうまくできると思いますか。. 自分には、人にじまんできるところがたくさんあると思いますか。 何をやってもうまく行かないような気がしますか。(R). 今の自分に、まんぞくしていますか。. 自分はきっと、えらい人になれると思いますか。 自分は、あまり役に立たない人間だと思いますか。(R). 自分の意見は、自信をもって言えますか。 自分には、あまりいいところがかいと思いますか。(R). しっぱいするのではないかと、いつも心配していますか。(R). 21.

(25) Table3−2  r自己決定感」測定尺度項目の候補 自分の生き方は自分で決めている。. 自分ですることでも他人に決めてもらうことが多い。(R) 自分の思いどおりに行動している。 自分に関わる大切なことほど、他人に決めてもらうことが多い。(R). 何かやりたいときには、他人に頼らず自分の判断で決めている。. 自分がやりたいと思うことでも、他人からやめろと言われたら、やめている。 他人の考えにこだわらず、自分の考えどおりに行動している。. グループ活動で何をするか決めるときは、誰か他の人の意見にしたがっている。(R〉 どんな勉強をするかは先生が決めればよい。(R). 次に何をしたらよいか、自分で計画する方が好きです。. 自分はどんな勉強をしたいのか、先生に言う方がよいと思います。 先生に、次に何をしたらよいかを決めてほしいです。(R). Table3−3 「他者受容感」測定尺度項目の候補 クラスの友だちから、たよりにされていると思う。 先生と気軽に話をすることができると思う。. クラスの人から、相手にされないことが多いと思う。(R) 自分がいなくなっても、悲しむ人はいないと思う。(R). 先生は、わたしにやさしいと思う。. 何か失敗しても、家の人(お父さん、お母さんなど)は、温かく見守ってくれると思う。 先生に信頼されていると思う。. 何か失敗しても、先生は温かく見守ってくれると思う。 困ったとき、話を聞いてくれる人はいないと思う。(R). わたしの気持ちをわかってくれる人はいないと思う。(R) いつもたくさんの友だちといっしょに活動する。 もっとたくさんの友だちが自分を好きになってくれたらいいと思う。(R). ③内容妥当性の検討      兵庫県H大学において複数の目で検討してもらい(参加人数8人、 大学教授1     名、現職教員大学院生6名、大学院生1名)、各項目6問ずつ計18問を選定し、     質問紙の原案を作成した.. 22.

(26) 作成にあたっての留意点の考慮.    ①調査対象者の年齢(発達段階)を考慮した項目作成.     小学6年生が読める漢字,理解できる文章に言い換え,15分程度で回答可能な.     分量として各項目6問ずつ候補を選択した.その際,有能感に関しては「学習     領域」r社会領域」r運動領域」r自己価値」の4領域から構成されている。まず     分量を考慮として各6項目に設定した。そして今回の課題解決学習においては,      「運動領域」は特に影響しないものと考え,「学習領域j「社会領域」「自己価値」.     の3観点6項目を選定した。また他者受容感においては,教師とのr検討会」     の有効性と課題解決学習を協力して行っていく友だちとの人間関係に注目する.     ため,教師に対する受容感と友だちに対する受容感を各3問ずつ選定すること     にした。.    ②分量を考慮した項目作成.     それを実際に0小学校6年生3人に見せ,文章を読んでもらったところ,特に.     わかりにくい点はないというということで最終的に3要素測定の質問紙を作成     した。(巻末資料参照). 第2節 実践授業について. 第1項目的及び方法 【目的】.  「総合的な学習の時間」に実施する課題解決学習において,児童の内発的学習意欲を高. めるために,その源となる3つの要素(有能感,自己決定感,他者受容感)の向上を目指 して,「未来日記」を用いた方略が,効果的かどうかを検討する。 【方法】. 第2項指導計画 1 テーマ 奈良・京都で不思議発見. 2 総時問数 38時問 3 目標. ○オリエンテーションの内容や今まで調べてきたこと,経験したことをもとに課題を設. 23.

(27)   定することができる。. O自分の課題解決に合った活動計画を考え,その行動をシミュレーションすることがで   きる。. ○自分がまとめたことを伝えるのに適したプレゼンテーションの方法を考え,5年生に   伝えることができる。. 4 活動計画  (38時問) 事前  大仏の大きさ体験 …運動場に実物大の大仏の絵を石灰を使って描く。(2時間).    社会科の授業(飛鳥時代,奈良時代,平安時代) 第一次  オリエンテーション(2時問).    今回の総合では特に修学旅行でのフィールドワークで,出会った人との触れ合い,インタビュ    ーでの課題解決に重点を置くこと知る。    奈良公園を中心に見学する場所を撮影したビデオを視聴する。. ○評価規準表を児童に配布する。 第二次. 自分の課題を設定する。(6時問). まず,個人で課題を設定し,同じような内容で一緒に活動したい児童はグループを作る。 第. 一一. 次. 個人またはグループで活動計画をたてる。(6時間). rインタビューする」やr図書館の本で調べる」などの課題解決の方法を考えワークシートに まとめた上で,当日(奈良公園でのフィールドワーク)の自分の動きをシミュレーションする。. O「未来日記」を書く. 課題解浜のメイン(山場)ごなるような場面を中心に日記こしτ文章化する。. O「未来日記」を介しτの話し台い(検討会)をする. 児童ご教師τ若の活動の意義についτ話し合う。 第四次 自分の課題を解決するために活動する。(10時問).    書物,インターネット,聞き取り,インタビュー 第五次 収集した情報を処理し,まとめる。(8時間).    模造紙,画用紙,パソコンなどを使ってまとめ,プレゼンテーションの方法を考える。 第六次 五年生にプレゼンテーションする。(2時間).    クラスごとに兄弟学級の5年生にプレゼーテーション 事後  (2時間).     ○「過去日記』を書く.     修学旅行中の課題解決活動を日記に書く     ○「過去日記』を介しτ話し合いをする「未束日記』ご比較しながら.自分の活動の後を振り返り,.      自己評価をする。. 24.

参照

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