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巻頭言―データサイエンスを担う人材を育成する

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日本ソーシャルデータサイエンス論文誌 第 3 巻 第 1 号(2019 年 3 月) 1

巻頭言―データサイエンスを担う人材を育成する

生田目 崇

†1 a 本論文誌第3 巻の特集として「データサイエンスを担う 人材を育成する」をお送りします.2010 年以降のビッグデ ータやその利活用への期待は現在においても色あせないば かりか,データサイエンティスト,ビジネスアナリティク スなど実ビジネスにおけるデータ活用の役割はますます増 しているといえます.その基礎となるデータサイエンス教 育の重要性についても急激に問われるようになりました. データ活用の際にはもちろん対象となるデータの収集や蓄 積だけでなく,活用の方法の検討や実際の分析が必要であ り,そうした活用を支える人材の育成は特に日本において は喫緊の課題とも言えます. データ活用においては統計学がその基礎の一つとなる のは自明ですが,欧米と異なり統計学を専門とする学部や 学科が日本には長年にわたりありませんでした.もちろん 現在のデータサイエンスは統計学だけではなく,情報学や 経営学など多岐にわたる知識が含まれます.様々な分野が 複雑に絡み合っていることで,全容がわかりづらくなって いる面もあるようにも思います.こうした流れもあって, ここ数年のうちに第1 巻でご寄稿いただいた滋賀大学をは じめ,複数の大学でデータサイエンスを主領域とする学部 や学科が登場するようになりましたが,伝統的な学問と異 なり目指す方向やカリキュラムなどはいまだまちまちな状 況かと思います.本特集では,こうした状況も踏まえなが ら,今後のデータサイエンスを支えていく人材をどのよう に育てていくかについて5 編の貴重なご寄稿をいただきま した. 統計数理研究所の神谷,宮園両氏からは,同研究所で開 催されたデータ分析ハッカソンの概要並びに開催を通じて 得られた考察についてまとめていただきました.ご存知の 通り,統計数理研究所は1944 年に設立された統計調査,理 論研究両輪を長年にわたって担ってきた唯一の国の機関で, 総本山ともいえる存在です.データサイエンス人材の育成 の端緒としての考え方や今後の課題についてまとめていた だきましました. 2 編目の橋本氏はデータサイエンティスト協会で設立以 来事務局運営を務められた後,現在のGA technologies でデ ータサイエンティスト育成のための様々な事業に携わられ ております.企業として主催しているハッカソンについて 詳細に論じていただきましたが,産学の違いなども大変面 白く感じます. 3 編目は静岡理工科大学水野教授による学内のデータサ イエンティスト育成プログラムに関する紹介です.先ほど データサイエンスに関する学部が複数設立されたというこ とに触れましたが,どのようなカリキュラムを置くかは各 大学で相当に異なっています.水野先生は産学両方で豊富 なデータサイエンス教育を行ってきており,その中での教 育面でのスキルセットについてまとめていただきました. 他大学でもデータサイエンス教育に強い関心がもたれてい ると方々で聞きますので,どのような教育プログラムを設 計すべきかについての良いお手本になるかと思います. 4 編目の岩永氏は長年,分析ツールのシステム開発とデ ータ分析コンサルティングの両輪で活躍されてきた逸材で すが,より現場に近いポジションである Retty でデータサ イエンティストとして活躍されています.長年にわたるデ ータサイエンティストとしての活動に基盤を置いた「こう あるべき」という姿が大変明確に述べられております. 最後の佐藤氏は,大学院修了後にデータ分析コンサルタ ントとしてご活躍の後,一念発起してカルフォルニア州立 大学アーバイン校にてコンピュータ科学を専攻する学生と して現在勉学に励まれています.日米での高等教育の相違 点について紹介いただきました.日本の教育があながち遅 れているわけでも間違っているわけでもないと書いていた だいたので,教育業界にいるものとしては実はホッとして おります.反面で,アメリカの大学の方法に学ぶべきとこ ろも多いかとも思っております. それぞれの寄稿が異なる視点から論じられており,ご一 読いただければ様々な方法や目的をもってデータサイエン スの人材育成がなされていることを理解いただけるかと思 います. 私自身がデータサイエンスの真っただ中で日々悪戦苦 闘している中で,産学両方での取組みやその成果,将来の 方向性を示していただいたことは励みにもなり,また更な る勉強が必要であると痛感するよい材料にもなりました. 著者の皆様には,大変貴重な情報を提供いただきました. ここに感謝申し上げます. †1 中央大学 理工学部 (連絡先:[email protected]

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