はじめに
本 報 告 書『 資 源 メ ジ ャ ー・ 金 属 部 門 の 動 向 2017』 は、 特 に 注 目 さ れ る“ 資 源 メ ジャー”の2016年度の動向をまとめたものである。
いわゆる“資源メジャー”には明確な定義はないが、本報告書においては次のような事 項に該当する資源会社 5 社を選定した。
( 1 )鉄及び非鉄鉱物資源のうち複数鉱種にわたりグローバルに生産事業を展開してい る。
( 2 )且つそれらの世界生産において上位を占めている。
従い、単一鉱種における上位生産者やトレーディング事業のみを行う企業は対象として いない。
・BHP ・Rio Tinto ・Vale
・Anglo American ・Glencore
2015年は右肩下がりの資源価格下落を主因に資源メジャー各社はそろって赤字決算を 記録、従い2016年は各社とも支出を抑制し資産売却にて財務状況の改善を狙う緊縮路線 の経営であった。
上述のとおり、そもそも各社の事業領域及び注力度合いは必ずしも一様ではなかった が、斯様に身を縮こめつつ歯を食い縛って事業の選択と集中を進めていく過程でそれぞれ の戦略・方針がより明確に打ち出されることとなった。それを整理すると以下のように言 えるかと思う。
・BHP:鉄鉱石、銅、原料炭
・Rio Tinto:鉄鉱石、ボーキサイト、銅 ・Vale:鉄鉱石、ニッケル
・Anglo American:ダイヤモンド、PGM、銅 ・Glencore:銅、亜鉛、石炭
斯かるリストラが粛々と進められる中、資源価格は2016年11月の米国大統領選挙結果 や減産及び各国政府による環境対策の強化の影響を受け、各鉱種とも2013年以来の下降 局面を脱し2016年初に上昇に転じ、その後もその傾向の継続が見られた。筋肉質に体質 改善された状況下での追い風を受け、今後の各社の具体的な施策にこれまで以上に注目し たい。
尚、本報告書の対象期間は決算期の関係上、BHPを除く 4 社は2016年 1 ~12月、BHP のみ半期遅れの2016年 7 月~2017年 6 月となる。
目 次
はじめに
1 .資源メジャー 5 社の動向
... 11 .1 資源メジャー 5 社の決算比較 ... 4
売上高 ... 4
利益 ... 6
配当 ...10
資産及び負債 ...13
設備投資【CAPEX】について ...14
設備投資の原資 ...14
投資【M&A】 ...15
キャッシュフロー分析 ...19
1 .2 資源メジャー大手 5 社の生産量と世界シェア ...23
バルクミネラル ...23
ベースメタル ...24
レアメタル ...26
貴金属及びダイヤモンド ...27
その他の鉱物 ...28
2 .資源メジャー 5 社の個別動向
...292 .1 BHP Billiton Ltd / BHP Billiton Plc ...29
2 .1 .1 企業概要 ...29
2 .1 .2 個社概況 ...31
2 .1 .3 BHP Billitonの鉱種別アセット所在地 ...32
2 .1 .4 オペレーション別の生産量...34
2 .1 .5 主なトピックス ...36
2 .1 .6 経営者のメッセージ ...42
2 .2 Rio Tinto ...46
2 .2 .1 企業概要 ...46
2 .2 .2 個社概況 ...48
2 .2 .3 Rio Tintoの鉱種別アセット所在地 ...50
2 .2 .4 オペレーション別の生産量...52
2 .2 .5 主なトピックス ...54
2 .2 .6 経営者のメッセージ ...62
2 .4 Anglo American ...82
2 .4 .1 企業概要 ...82
2 .4 .2 個社概況 ...84
2 .4 .3 Anglo Americanの鉱種別アセット所在地 ...86
2 .4 .4 オペレーション別の生産量...88
2 .4 .5 主なトピックス ...90
2 .4 .6 経営者のメッセージ ...95
2 .5 Glencore International ...104
2 .5 .1 企業概要 ...104
2 .5 .2 個社概況 ...106
2 .5 .3 Glencoreの鉱種別アセット所在地 ...108
2 .5 .4 オペレーション別の生産量...110
2 .5 .5 主なトピックス ...111
1 .資源メジャー 5 社の動向
まず各社の株価推移を見ると、程度の差はあるものの、各社いずれも2016年を通じ一 律に右肩上がりで上昇、年初からの伸び率が最も低いRio Tintoでも30%以上、最も高い 伸びを見せたAnglo Americanに至っては一時 4 倍を超える株価を記録した。
図 1 株価推移(2016年 1 月 1 日の株価を100として指数化)
その要因は、前年の年初よりほぼ一貫して下落を続ける資源価格への対策として取られ た減産、コスト削減、資産売却等の緊縮策にて各社とも体を絞ったところに、2016年初 に価格が反転、程度の差はあれ、主要鉱種は年間を通じ上昇、それを享受したことによ
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図 2 資源価格推移(2016年 1 月 1 日の価格を100として指数化)
これまでも各社独自の歴史、内部事情、取り巻く環境等の属性により各社の特徴が見ら れていたが、斯かる厳しい時期を耐え忍び持続的に活動するため、下記のとおり各社の方 向性がより明確に打ち出され顕現した 1 年であった。見方によっては各社にとっても、余 裕があれば伸び切りがちな兵站を検証し整理するよい機会であったとも言えるのではなか ろうか。
【BHP】
自社保有の大型優良案件を推進(既存/新規の別に拘らず)
【Rio Tinto】
事業の選択と集中を戦略的に推進
【Vale】
財務体質改善を主目的とした事業/資産売却
【Anglo American】
財務体質改善を主目的とした積極的な事業/資産売却
【Glencore】 1.
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用語
紙面やグラフ等のスペースの都合により、商品名や事業名に略語を用いる場合もある。 下記はその一覧である。
【略語一覧】
O&G ... Oil/原油、Gas/ガスのどちらか、もしくは両方
Coal ... 以下のどちらか、もしくは両方
Thermal Coal/一般炭もしくは燃料炭(発電用) Metallurgical Coal/原料炭(製鉄原料)
Mn ... Manganese/マンガン(鉱石をさす場合もある)
Al ... 以下のどれか、もしくは全て Bauxite/ボーキサイト Alumina/アルミナ
Aluminium/アルミニウム(米国表記ではAluminum)
Cu ... Copper/電気銅(銅地金)もしくは銅精鉱
Zn+Pb ... Zinc/亜鉛地金及びLead/鉛(ともに精鉱を含む)
Ni ... Nickel/ニッケル及びその鉱石
PGM ... 以下の貴金属及びその他の総称 Pt :Platinum/プラチナ Pd :Palladium/パラジウム Rh :Rhodium/ロジウム
Au+Ag ... Au:Gold/金、Ag:Silver/銀
Ind.Minerals ... Industrial Minerals
ホウ素、ミネラルサンドなどの工業用原料
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1 .1 資源メジャー 5 社の決算比較
■売上高出所:SPEEDA(以下、注記がない場合は同様)
図 1 - 1 - 1 企業別売上推移(2012~2016年度)
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出所:各社アニュアルレポート
(注)Glencoreはトレード部門を除いた、生産部門のみの売上である。
図 1 - 1 - 3 事業セグメント別売上比率(2016年度)
アルミニウムのプレミアムが低迷したRio Tintoを除き各社とも前年比増を記録。中で もBHPの増加率が高いが、同社は他社と決算期が半期後ろにずれているため、より資源 価格の上昇の恩恵を享受したことが理由と考えられる。また、2016年は鉄鋼原料である 鉄鉱石及び原料炭の価格回復が顕著で、ポートフォリオの構成比率が各社の数値の違いと して反映されている。
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■利益
出所:各社アニュアルレポート
(注 1 )Glencoreはトレード部門を除いた、生産部門のみの値である。 (注 2 )Valeは2016年より事業セグメントの内訳を開示せず。
図 1 - 1 - 4 事業セグメント別EBIT(2016年度)
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出所:各社アニュアルレポート
(注 1 )Glencoreはトレード部門を除いた、生産部門のみの値である。
(注 2 )EBITは負となることもあるため、絶対値の合計が100%となるよう指数化した。 (注 3 )Valeは2016年より事業セグメントの内訳を開示せず。
図 1 - 1 - 5 事業セグメント別EBITのシェア(2016年度)
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2016年は各社そろって減損計上が前年に比し減少、特にBHPとRio Tintoは90%以上の 改善が見られ、各事業のEBIT(Earnings Before Interest and Tax/金融収支前・税前 の営業利益)がそれぞれの実力を表していると言える。そんな両社においては鉄鉱石がい ずれも50%以上と最大の貢献度を記録した。前項の売上においても鉄鉱石は両社で最大 の売上を誇る商品ながら、売上比率以上の利益貢献度を達成しており、中核事業として確 固たる地位を築き上げている。
一方、Anglo American及びGlencoreも上記 2 社程ではないが、それでも前年比70% 以上の減損計上にとどめるも、EBITに対する割合が大きく、2016年ではまだ足を引っ張 られている状況から抜け出しきれていない。Anglo Americanは豪州の原料炭鉱が対象 で、長期的な原料炭価格見通しの下方修正がその理由。同炭鉱はスーパーサイクル前の 2000年に買収した資産で、開示されている生産コストは他社と遜色のないレベルゆえ、 ひとえに品位及びそれに伴う期待価格の差が顕現したと思われる。
Glencoreは主に石油関連と豪州の原料炭鉱でAnglo Americanと同規模の減損を計上。 その後原料炭鉱は売却するも、石油はチャドの案件で国営石油会社との交渉が順調ではな いとの報道も見られ、油価の動向次第で再燃の余地のある緊張した状況が続く。
Valeは2016年よりEBITの事業毎の内訳を開示しなくなったため詳細は不明ながら、前 項の売上で顕著なとおり鉄鉱石の比率が飛び抜けて高いため、EBITにおいても圧倒的な 貢献度を誇ると思われる。実際、EBITは同じく鉄鉱石を中核事業とするBHP及びRio Tintoに匹敵するレベルで、そうでないAnglo American、Glencoreとは 1 桁異なる数値 を記録している。他社同様、減損は前年比90%弱まで縮小するも、ニッケルにおいて近 年、 設 備 投 資 を し た ば か り の と こ ろ に 長 期 価 格 見 通 し の 下 方 修 正 が 加 わ り、Anglo AmericanやGlencoreと同規模の金額を計上することとなった。
売上高当期利益率はGlencoreが極端に低い数値となっている。これは売上高にトレー ド事業分が含まれていることもあるが、トレード事業分を除いた生産部門分のみの売上高 で計算しても2.9%とそれでも 1 桁異なる値にとどまる。開示されている情報からは同社 の減価償却費が売上に比し大きいことまでは確認できるも(特に銅及び石炭)、更なる分 析のために生産部門の売上原価の具体的な数値を見たいところである。
資産売却額もGlencoreが突出しているが、そのうち、農産物事業の50%権益の売却が 3.1bUS$と 2 / 3 以上を占めている。Anglo Americanも金額規模はGlencoreの半分程度 ながら、ブラジルのニオブ・リン事業を中/洛陽モリブデン社に1.5bUS$で売却し同事業 からの撤退を決めた。
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出所: EBIT、減損はSPEEDA及びUZABASE提供資料、資産売却はSNL、各社HP、JOGMECニュースフラッシュ を基にJOGMEC試算
図 1 - 1 - 7 EBIT、資産売却額、及び減損(2016年度)
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■配当
図 1 - 1 - 9 配当金、EPS、及び配当性向(2016年度)
2016年 1 ~ 6 月期は前年の厳しい状況の延長線上且つまだ市況の回復も不十分であっ たため、Vale、Anglo American、Glencoreの 3 社が中間配当を見送った。うち、Vale とGlencoreの 2 社は2016年 7 ~12月期の期末配当で復配を果たすも、Anglo American は復配できず、 5 社中唯一、年間を通じての無配となった。
斯かる事態はここ数年来赤字を計上している同社にとっても初めてのこと。さらに同社 は、復配は早くても2017年の期末配当とこの時点で既に宣言しつつ、復配の暁には市況 低迷時でも十分な手元資金を残した上で、市況回復時の利益を享受する様な配当性向の導 入を検討したいとし、現状につき株主の理解及び協力を求めた。
中間配当と期末配当の合計である年間配当は、BHPのみ他 4 社と異なり 6 か月遅れた 決算期ゆえ、市況の回復による利益をより享受しており、唯一、前年の倍以上となる株主 還元を果たした。Glencoreも前年比30%弱の増加となる年間配当を実施、Rio Tintoを含 め、その他 3 社はいずれも前年比減となった。
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図 1 - 1 -10 配当金の推移(2012~2016年度)
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(注) 一般に、配当性向は配当金を当期純利益で除した値であることから、分母が負の場合(=当期純損失の場合) はこの値は計算されない。
図 1 - 1 -12 配当性向の推移(2012~2016年度)
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■資産及び負債
図 1 - 1 -13 総資産、自己資本、有利子負債、及びDER(2016年度)
各 社 と も DER の 改 善 が 見 ら れ、 特 に Anglo American と Glencore に お い て は 前 年 比 30%の大幅改善を達成した。両社とも積極的な資産売却でキャッシュを創出し、債務削 減に努力した結果である。Valeは債務残高に大きな変化はなかったものの黒字転換によ る資本増で10%強の改善が見られた。
総資産はBHPが微増なるも、総じて各社とも前年比微減。売却は決定しているものの まだ完了していない肥料事業関連資産等を計上したValeのみ10%弱の増加となった。 CAPEXは、前年の厳しい決算を受け各社ともできる限り抑制、例外なくいずれも前年 比40%前後の大幅削減を記録した。
いずれの動きも各社が直面する現況下、至極真っ当で、特筆すべきサプライズも見られ ず、打ち出された方針に沿った結果であった。
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(注)
設備投資【CAPEX】について
生産設備は時間が経過するにつれて、機械的な劣化や技術の陳腐化が不可避的に進行す るため(資産価値の減少)、そこから生み出される生産量も漸減していく。従い、資源企 業が業界でのポジション(生産量)を維持・拡大するためには、継続的な設備投資(有形 固定資産の取得)が不可欠となる。一般的に、減価償却費程度の設備投資では生産能力の 維持にしかならず、減価償却費以上の設備投資によって生産量の拡大が初めて達成され る。逆に言えば、減価償却費を割り込むような設備投資額が長く続く場合、そうした企業 はいずれ衰退すると考えられる。
設備投資の原資
企業活動は「設備投資が生み出したキャッシュ(単年度の営業CF)を再び設備投資に 回すことでキャッシュの規模(FCFの累計)を拡大していくサイクル」と解釈できる。 従い、製造設備が新たに獲得したキャッシュである営業CFが設備投資の原資のベースと なる。理想的なサイクルは、既存の事業が十分な営業CFを生み出しており、当該事業の 維持に必要な設備投資(減価償却費相当)に加えて、事業の拡大に必要な新規の設備投資 (既存事業の拡大、もしくは新規事業への参入)までも負担できる状態である。逆に、営 業CFが減少すれば、既存事業の維持に必要な設備投資が優先され、事業規模の拡大への 設備投資は抑制される。
図 1 - 1 -15 CAPEXと減価償却費、営業CF(2016年度)
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■投資【M&A】
業界のリーダーとも言える資源メジャー各社だが、市況低迷下、2016年は財務体質改 善のための資産売却が業界メディアを賑わした。
その中には前年には見られなかった 1 bUS$を超える以下の大型案件の成約も含まれ、 各社の懐事情の改善に大きく貢献した。
(一部、入金が2017年に期を跨ぐものあり)
・Glencore:加/年金基金への農業事業の50%権益売却( 3 bUS$超)
・Vale:肥料事業における同社持分のパートナーの米/Mosaic社への売却(2.5bUS$) ・Anglo American: ニオブ及びリン事業の中/洛陽欒川モリブデン(チャイナ・モリブ
デン)社への売却(1.5bUS$)
その後2017年に入り、Rio Tintoも豪/石炭子会社のCoal & Allied社を中/兖州煤業系
のYancoal Australia社に 3 bUS$弱での売却を発表。これら一連の大規模資産の整理は、 各社の選択と集中の対象事業領域に関する具体的な意思表示として、単なるキャッシュ創 出の手段にとどまらない、意義深い決断と捉えられよう。
また、資源でありつつ非資源事業に連なる次代のコモディティとして注目を集めた肥料 原料向けカリウム及びリン鉱石事業からValeとAnglo Americanの 2 社がそろって撤退を 決定したことは、世の中の風潮・トレンドの影響を改めて考えさせるきっかけの 1 つとな り得るのではと思う次第である。一方、Glencoreは今後の注目事業領域の 1 つとしてあ えて農業事業を挙げ、機会があれば業界再編への積極的関与までも示唆しており、事業や 商品のシフトだけでなく、事業体制や方針のシフトでの対応を表す同社の機動的な姿勢が 窺え興味深い。
(尚、上記にてGlencoreが言及する農業事業は穀物等農産物関連との理解である) 尚、事業買収CFは買収に伴う支払を意味するため、通常、負の値での表示となるが、 2016年のGlencoreによる豪/QLDの石炭関係資産であるNCA JV権益取得では受取を伴っ たため、その他案件と合算しても正の値となっている。
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図 1 - 1 -16 事業売却CF、事業買収CF、及び減損額のメジャー 5 社合計(2012~2016年度)
図 1 - 1 -17 BHPの事業売却CF、事業買収CF、及び減損額推移(2012~2016年度)
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図 1 - 1 -18 Rio Tintoの事業売却CF、事業買収CF、及び減損額推移(2012~2016年度)
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図 1 - 1 -20 Anglo Americanの事業売却CF、事業買収CF、及び減損額推移(2012~2016年度)
図 1 - 1 -21 Glencoreの事業売却CF、事業買収CF、及び減損額推移(2012~2016年度)
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■キャッシュフロー分析
事業活動等から生み出され、自由に分配可能な金額を意味する重要な指標であるフリー キャッシュフロー(=営業CF+投資CF)は各社とも改善が見られ、 5 社合計では前年の 倍以上に増加した。
Glencoreのみ営業CFが前年より大きく減少しており、その理由として期末である2016 年12月末時点の市況好転による正味運転資本の増加を挙げているが、同社は他社と異な りトレード事業を手広く展開しているため、同事業関連の運転資本/在庫が大きく影響し たためと考えられる。
また本年において特徴的なこととして、財務CFの支出が前年に比し倍以上の増加を記 録したことが挙げられよう。これはひとえに各社の債務削減努力の賜物と言える。
各社で経営方針は異なり、従い成長・拡大・発展に向けた活動/手段も自ずと異なろう が、ポートフォリオ中の案件推進にせよ、“ディスラプション(disruption:破壊的革 新)”の創造にせよ、それら目的実現のための具体的なアクションは投資CFに反映され る。足元の投資CF中、事業売却CF>事業買収CFか、事業売却CF<事業買収CFでもその 金額規模は限定的と各社横並びの状況だが、どこがいつ行動を起こし始めるのか、本指標 でも追い掛けることができよう。
図 1 - 1 -23 メジャー 5 社の各種CF合計(2012~2016年度)
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図 1 - 1 -24 BHPの各種CF(2012~2016年度)
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図 1 - 1 -25 Rio Tintoの各種CF(2012~2016年度)
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図 1 - 1 -26 Valeの各種CF(2012~2016年度)
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図 1 - 1 -27 Anglo Americanの各種CF(2012~2016年度)
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図 1 - 1 -28 Glencoreの各種CF(2012~2016年度)
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1 .2 資源メジャー大手 5 社の生産量と世界シェア
●バルクミネラル
図 1 - 2 - 1 資源メジャーの生産量【鉄鉱石】 (出所:USGS MCS等より作成)
図 1 - 2 - 2 資源メジャーの生産量【原料炭】 (出所:IEA Coal Information 2016等より作成)
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●ベースメタル
図 1 - 2 - 4 資源メジャーの生産量【銅】 (出所:USGS MCS等より作成)
図 1 - 2 - 5 資源メジャーの生産量【亜鉛】 (出所:USGS MCS等より作成)
図 1 - 2 - 6 資源メジャーの生産量【鉛】 (出所:USGS MCS等より作成)
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図 1 - 2 - 7 資源メジャーの生産量【アルミニウム】 (出所:USGS MCS等より作成)
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●レアメタル
図 1 - 2 - 8 資源メジャーの生産量【ニッケル】 (出所:USGS MCS等より作成)
図 1 - 2 - 9 資源メジャーの生産量【コバルト】 (出所:USGS MCS等より作成)
図 1 - 2 -10 資源メジャーの生産量【モリブデン】 (出所:USGS MCS等より作成)
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図 1 - 2 -11 資源メジャーの生産量【マンガン】 (出所:USGS MCS等より作成)
●貴金属及びダイヤモンド
図 1 - 2 -12 資源メジャーの生産量【金】 (出所:USGS MCS等より作成)
図 1 - 2 -13 資源メジャーの生産量【銀】 (出所:USGS MCS等より作成)
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図 1 - 2 -14 資源メジャーの生産量【プラチナ】 (出所:USGS MCS等より作成)
図 1 - 2 -15 資源メジャーの生産量【ダイヤモンド】 (出所:USGS MCS等より作成)
●その他の鉱物
図 1 - 2 -16 資源メジャーの生産量【ウラン】 (出所:World Nuclear Association HP等より作成)
(図 1 - 2 - 1 ~図 1 - 2 -16:Annual Report等をもとに株式会社クラリテ作成)
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2 .資源メジャー 5 社の個別動向
2 .1 BHP Billiton Ltd / BHP Billiton Plc
2 .1 .1 企業概要
設立: 2001年
(前身のBHPは1885年、 Billitonは1860年)
本社:ロンドン(英国)・
メルボルン(豪州) 上場先: ASX / LSE / NYSE / JSE
決算期:6月末 CEO:Andrew Mackenzie
(13年5月~) 連結従業員数:60,644名
主な生産鉱種
F e C u P b
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A l
C o T i
K P 石 炭
石 油
A g ガ
ス
P t P d
M o U
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■経営数値■
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図 2 - 1 - 2 BHP利益 図 2 - 1 - 1 BHP売上
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図 2 - 1 - 3 BHP資産 図 2 - 1 - 4 BHP負債
図 2 - 1 - 5 BHP収益性 図 2 - 1 - 6 BHP配当
図 2 - 1 - 7 BHP内部留保
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2 .1 .2 個社概況
世界最大の資源会社と自他共に認める同社だが前年の2015/2016年度は2001年の合併 後、初の赤字決算を計上。その結果を受けてAndrew Mackenzie CEOは、更なるコスト 削減等を通じた生産性の向上及び有利子負債の削減を重視することを宣言し、同社の経営 に当たった。
生産面では低操業コストの優良大型案件での生産量拡大を狙い、銅で 5 %、鉄鉱石で 4 %以上、原料炭で 3 %のそれぞれ前年度比の増産目標を年度初めに掲げた。
しかしながら、銅においては2017年 2 ~ 3 月に発生した世界最大の銅鉱山であるチリ のEscondidaにおける 1 か月以上にわたるストライキと、2016年 9 ~10月に掛けて豪州の SA州で発生した大規模停電の影響によるOlympic Damの操業停止があり、結果として前 年度比16%の減産となった。
鉄鉱石は豪/WA州のJimblebarでの鉱石処理設備の設置による能力アップ等が貢献し、 過去最高の生産量を記録、当初の目標値を達成した。一方、原料炭は豪/QLD州のPeak Downs及びSarajiにおいて過去最高の年産量を記録するも、2017年 4 月に東海岸を襲っ たサイクロン・デビーにより鉄道輸送網がダメージを受け、全体としては前年度比 6 %の 減産となった。
従い、豪州の鉄鉱石事業のキャッシュコストは前年度比 3 %の改善が見られるも、生産 が低迷したEscondida銅鉱山は前年度並み(ただしストライキの影響を控除すれば17%の 改善)、豪/QLD州の原料炭事業は前年度比 8 %のコスト増となった。
しかし、決算期間を通じた資源価格の上昇基調、特に鉄鉱石と原料炭価格の追い風を受 けて収益は大幅に改善、一昨年度を上回る好決算を記録した。
同社は今回の2016/2017年度の決算発表時に、米国の陸上石油資産は非中核資産と整理 したことを発表、その後の中核事業領域での優良案件の拡張/開発の報道(豪/Olympic Dam銅・ウラン鉱山の拡張、豪/South Flank鉄鉱石鉱山の開発等)と併せて解釈するに つけ、「鉄鉱石」「銅」「原料炭」のとりわけ「大型案件」への優先的な取組姿勢が鮮明に わかる。
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2 .1 .3 BHP Billitonの鉱種別アセット所在地 United Kingdom Production Unit United Kingdom Production Unit Algeria Joint Interest Unit Algeria Joint Interest Unit Corporate Office Corporate Office Australia Production Unit Australia Production Unit Australia Joint Interest Unit Australia Joint Interest Unit Mt Arthur Mt Arthur Area C Area C Nickel West Nickel West Global Headquarters Global Headquarters Olympic Dam Olympic Dam Onshore US Onshore US Offshore Gulf of Mexico Offshore Gulf of Mexico
Trinidad and Tobago Production Unit Trinidad and Tobago Production Unit Antamina Antamina Pampa Norte Pampa Norte Escondida Escondida Samarco Samarco Cerrejón Cerrejón
Marketing Head Office Marketing Head Office
United Kingdom Production Unit United Kingdom Production Unit Algeria Joint Interest Unit Algeria Joint Interest Unit Corporate Office Corporate Office Australia Production Unit Australia Production Unit Mt Arthur Mt Arthur Area C Area C Nickel West Nickel West Global Headquarters Global Headquarters Olympic Dam Olympic Dam Onshore US Onshore US Offshore Gulf of Mexico Offshore Gulf of Mexico
Trinidad and Tobago Production Unit Trinidad and Tobago Production Unit Antamina Antamina Pampa Norte Pampa Norte Escondida Escondida Samarco Samarco Cerrejón Cerrejón
Marketing Head Office Marketing Head Office
2 .1 .4 オペレーション別の生産量
図 2 - 1 - 9 鉄鉱石 図 2 - 1 -10 銅
図 2 - 1 -11 鉛 図 2 - 1 -12 亜鉛
図 2 - 1 -13 アルミナ 図 2 - 1 -14 アルミニウム
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図 2 - 1 -16 原料炭 図 2 - 1 -15 ニッケル
(図 2 - 1 - 9 ~図 2 - 1 -16:Annual Report等をもとに株式会社クラリテ作成)
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2 .1 .5 主なトピックス(16年会計年度:2016年 7 月 1 日~2017年 6 月30日)
月日 鉱種 ニュース
2016年 8月1日
ニッケル BHP Billiton、WA州Nickel WestのVenusニッケル鉱床の開発開 始を決定
2016年8月1日、ニッケル価格が40%回復したことにより、BHP Billiton(BHPB)がWA州Nickel WestのVenusニッケル鉱床の開 発開始を決定したことを地元紙が報じた。
ニッケル価格は2016年2月中旬に7,595US$/tまで下落したが、 インドネシアからの未加工鉱石輸出禁止、豪州QLD州のYabuluニッ ケ ル 製 錬 所 の 閉 鎖 等 に よ り、 ニ ッ ケ ル 価 格 が 上 昇 に 転 じ て 現 在 10,695US$/t ま で 回 復 し て い る。 ニ ッ ケ ル 価 格 の 回 復 に よ り、 BHPB の Nickel West の 収 益 も マ イ ナ ス か ら プ ラ ス に な る た め、 BHPBは既に開発しているPerseverance鉱床から坑道を延長して Venus鉱床の開発を開始することを決定した。
Venus鉱床は2012年中頃に発見され、資源量740万t(品位:Ni 2.6%)が確認されていたが、2014年にNickel Westの事業見直し により、開発が中断されていた。BHPBにとってNickel Westは非中 核事業に位置付けられているが、直ちに同事業を終了させるよりも、 既存のインフラを利用して10年間Venus鉱床の採掘を行い、10億 A$以上が必要となるNickel Westの原状回復費用を得ることが適切 だとBHPBが判断したことを地元紙が伝えている。
(シドニー事務所 矢島太郎) 2016年
8月23日
鉄鉱石 Minas Gerais州裁判所、Samarco鉄鉱石鉱山の環境ライセンスを 停止
2016年8月22日付けメディア報道によると、Minas Gerais州裁 判所はSamarco鉄鉱石鉱山の環境ライセンスを停止した。ブラジル公 共 検 察 Minas Gerais 支 部 か ら の 要 請 に も と づ く 措 置 と さ れ る。 Samarco鉱山は今後、環境ライセンスの再取得に必要な文書の提出の ほ か、Minas Gerais 州 の COPAM(Conselho Estadual de Política Ambiental、州政府環境政策審議会)の承認を受ける必要 がある。
2015年11月の廃さいダム決壊事故に伴い停止した操業の再開をめ ざすSamarco鉱山は、操業ライセンスの再取得を進めており、6割操 業に関するライセンスについて地元政府の承認を得たものの、連邦政 府及び州政府での審査は継続中のままとなっていた。2016年7月、 BHP Billiton(50%権益)は、Samarco鉱山の操業再開に向けた ライセンスの年内取得は困難との見通しを発表していた。
(サンティアゴ事務所 山本邦仁)
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月日 鉱種 ニュース
2016年 9月6日
その他 BHP Billiton、CEOや上級幹部へのボーナスを削減
2016年9月1日付けの地元紙によれば、BHP BillitonのAndrew Mackenzie CEOは自分自身への短期ボーナスを支給しないことと し、同社報酬委員会はこの申し出を承認した。これは2015年11月に 発生し19名が死亡したブラジルのSamarco鉄鉱石鉱山の尾鉱ダムの 決壊事故やコモディティ価格の下落により2015/16年度の決算で過 去最大の63.9億US$の損失を計上したことを受けた措置である。 同CEOの年間の基本給は170万US$であるが、直近の報酬報告に よれば同CEOには最大で400万US$の短期ボーナスが支払われるは ずであった。また、他の上級幹部のボーナスも減額される予定である。 2015/16年度においてBHP Billitonの株価は32%下落し、また、 通年での配当は前年度比76%減の30US¢とし、従前続けていた毎年 の配当の増額を取り止めている。
(シドニー事務所 山下宜範) 2016年
10月14日 銅 金 銀
SolGold社、Cascabel銅・金・銀プロジェクトを巡るBHP Billiton の提案を拒否
2016年10月10日、SolGold社(本社豪ブリスベーン)は、同社 株 式 の 10% を 30 百 万 US$ で 買 収 し、 取 締 役 会 に 役 員 を 派 遣 す る BHP Billitonグループの10月8日の提案を拒絶すると発表した。ま た、同社の進めるCascabel銅・金・銀プロジェクト(Imbabura県) に関しBHP Billitonが提示した、SolGold社の持つ85%権益のうち 70% を 275 百 万 US$ で 買 収 す る 案 に つ い て、SolGold 社 取 締 役 会 は、 同 社 及 び 同 社 株 主 に と っ て 最 善 の 提 案 で は な く、Newcrest Mining 社( 本 社 豪 州 メ ル ボ ル ン) 及 び カ ナ ダ の 投 資 会 社 Maxit Capital LP社との33百万US$の資金調達契約を優先させることを決 定した。SolGold社は、8月30日、Newcrest Mining社が、同社株 を10%取得することを、同社取締役会が全会一致で決定したと発表し ていた。
2016年10月13日、SolGold社は、株主総会が97%以上の賛成 でNewcrest社側提案を可決し、BHP Billiton側提案を否決した旨発 表した。
同プロジェクトは世界的な規模の銅・金ポーフィリーシステムと目
されており、現在まで土壌地化学探査25km2、IP探査及び電磁探査
23km2、ボーリング調査延べ23,700mが実施され、さらに今後12
か月にわたりボーリング調査が計画されている。同プロジェクトの14 件の鉱徴地のうち、優先的に探鉱されているAlpalaターゲットについ て、同社は2016年中に資源量に関する発表を計画している。
(リマ事務所 迫田昌敏)
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月日 鉱種 ニュース
2016年 10月24日
ニッケル BHP Billiton、WA州Nickel West事業を2032年まで延長
2016 年 10 月 20 日、BHP Billiton(BHPB) が 実 施 す る WA 州 Nickel West事業のEduard Haegel代表は、当初2023年に終了す る予定だった同事業を2032年まで延長することをパースで開催され たニッケル会議(Paydirt Nickel Conference)で発表した。同代 表は今後、Mt Keith鉱山の滑石を伴うニッケル鉱床の採掘を行うこと で同鉱山のマインライフを延長する計画であることと、2011年に同 鉱山の鉱石処理施設に対して1億5,200万A$を投じて滑石を多く含む ニッケル鉱石に対応するための改良を既に施しており、5年間問題な く稼働しているため、滑石を伴う鉱石処理にも問題がないことを説明 した。また、新規の鉱山開発を行うことはコストがかかりすぎて難し いため、BHPBは既存鉱山周辺の衛星鉱床の開発に着目しており、現 在Leinster鉱山のB11鉱床の開発可能性について検討していること に つ い て も 言 及 し た。 同 代 表 は 衛 星 鉱 床 を 開 発 す る こ と で 可 能 な ら 2038年までNickel West事業を継続したいとコメントした。
BHPBは2014年5月にMt Keith鉱山、Cliffs鉱山及びLeinster 鉱山並びにKalgoorlie製錬所、Kambalda選鉱所等からなる同社の Nickel West事業の売却を発表したが売却先が見つからなかったた め、2014年11月にノンコア事業としてBHPBが引き続き実施する ことを決定した。Kalgoorlie製錬所は第三者からのニッケル鉱石供給 に大きく依存しているが、最近は第三者からのニッケル鉱石の供給量 が減少している状況である。ニッケル価格が回復していることにより、 BHPBは2016年8月に既に開発しているPerseverance鉱床から坑 道を延長してVenus鉱床の開発を開始することを決定している。
(シドニー事務所 矢島太郎) 2016年
12月5日 銅 ウラン
BHP Billiton、SA州Olympic Dam鉱山が再び停電、操業が4時間 停止
2016 年 12 月 1 日、 地 元 各 紙 は、BHP Billiton(BHPB) の Olympic Dam銅・ウラン鉱山が再び停電に見舞われ、操業が4時間 停止したことを報じた。BHPBのAndrew Mackenzie CEOはSA州 政府が安定的な電力供給をないがしろにして再生可能エネルギーの積 極的な導入を進めていることを強く批判した。さらに、再生可能エネ ルギーだけに依存することは避けなければならないとコメントした。 Josh Frydenberg環境・エネルギー大臣は、「再生可能エネルギー への転換を急速に進めたことに対する警鐘であり、今後は安定的な電 力供給を最重要視しなければならない」とコメントしている。一方、 SA州のTom Koutsantonis首相は、「BHPBはOlympic Dam鉱山 の停電時のバックアップを自分で準備するべきである」と反論してい る。
同鉱山は2016年9月28日に発生したSA州の大停電により、9月 28日~10月13日にかけて電力の供給が停止し、BHPBは1億A$に 上る損害を被っている。BHPBは2016/17年度の年間生産目標とし て掲げた年間銅生産量20万tを維持することが可能か確認している最
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月日 鉱種 ニュース
2017年 1月30日
鉄鉱石 銅
BHP Billiton、2016 年 下 期 の 鉄 鉱 石 生 産 量 は 過 去 最 高 の 1 億 1,800万tを記録
2017 年 1 月 25 日、 豪 州 鉄 鉱 石 生 産 第 2 位 の BHP Billiton は 2016年7~12月半期報告書を公表した。同社の2016年下期の鉄鉱 石の生産量は1億1,800万tであり、前年同期と比べ4%増加した。同 社の半年間の鉄鉱石生産量として過去最高を記録した。2014年に操 業開始したWA州Jimblebar鉄鉱石鉱山からの生産量を増加したため と 説 明 し て い る。 同 社 の 2016/17 年 度 の 鉄 鉱 石 の 生 産 目 標 は 2 億 6,500万~2億7,500万tであり、目標量は変更しない予定である。 一方、同社の2016年下期の銅の生産量は71万2,000tにとどま り、前年同期と比べ7%減少した。同社のチリ及びペルーの鉱山の銅 生 産 量 が 低 下 し た こ と な ど が 原 因 と 説 明 し て い る。 さ ら に、SA 州 Olympic Dam銅・ウラン鉱山は2016年9月28日から10月14日に かけて発生した大規模な停電によって操業が停止したことも影響した。 銅の生産量が低下したため、同社は同年10月に2016/17年度当初の 銅の生産目標を166万tから162万tに2%引き下げている。
(シドニー事務所 矢島太郎) 2017年
2月27日
その他 BHP Billiton、2016年7~12月半期は大幅な利益増
2017年2月21日、BHP Billitonは2016年7~12月半期報告を 発表した。半年間の基礎的利益(underlying profit)は32億400 万US$と大幅な増加となった。前年同期は56億6,900万US$の損失 を計上していた。また、同期の収益は188億US$となり、前年同期の 157 億 1,000 万 US$ を 20% 上 回 っ た。EBITDA は 98 億 9,600 万 US$となって前年同期の59億9,400万US$を65%上回った。業績 の回復について同社は近年のコア事業への集中と生産性向上への取り 組みと、鉄鉱石と石炭価格の上昇が後押しした結果であると説明して いる。
同 社 は 負 債 を 前 年 の 259 億 2,100 万 US$ か ら 200 億 5,700 万 US$に23%削減し、さらに株主への配当を前年1株当たり16US¢か ら40US¢に引き上げる。同社の2016年の設備投資・探鉱費用は27 億2,700万US$にとどまったが、2017年に56億US$、2018年 度に63億US$を投じる計画である。同社は引き続き負債削減を最重 要課題とするとコメントしている。
(シドニー事務所 矢島太郎)
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月日 鉱種 ニュース
2017年 5月2日
銅 鉄鉱石
BHP Billiton、2017年1~3月四半期は銅生産量が前年比44%減、 生産目標を引き下げ
2017年4月26日、BHP Billitonは2017年1~3月四半期操業実 績を発表した。同四半期において、チリのEscondida銅鉱山のストラ イキによる操業停止の影響で銅の生産量が22万7,000tにとどまり、 前年同期の生産量より44%減少した。同社は2016/17年度の銅の生 産目標を162万tから133~136万tに引き下げた。
また、3月末に豪州QLD州に上陸したサイクロンDebbieが鉄道に 大きな被害を及ぼしたことにより、好調だった原料炭の生産が停滞し たため、同社は2016/17年度の原料炭の生産目標も4,400万tから 3,900~4,100万tに引き下げた。
WA州における鉄鉱石の生産は雨の影響を受けたが、Jimblebar鉄 鉱石鉱山に新しい鉱石破砕装置を導入したことにより、生産はほぼ順 調に推移して1億7,100万tとなり、前年同期より1%の微増となっ た。同社は2016/17年度の鉄鉱石の生産目標を2億2,800万~2億 3,700万tから2億3,100万~2億3,400万tに狭めている。今後、年 間8,000万tを生産しているYandi鉄鉱石鉱山が5~10年で枯渇する ため、同社はSouth Flank鉄鉱石鉱床の開発を進める計画である。
(シドニー事務所 矢島太郎) 2017年
6月23日
その他 BHP Billitonが41百万US$の鉱業投資
2017年6月20日、エクアドルJavier Córdova鉱業大臣は、同国 でBHP Billitonが41百万US$の鉱業投資を約束したと発表した。探 鉱対象はImbabura県の2地区で、同社子会社が今後4年間探査を行う 計画。同大臣は、この背景として、同国の鉱業税制条件、安定性、法 的確実性が評価されたものであると述べた。Imbabura県の2地区が具 体的にどこであるかについては、発表では明らかにされていない。 また、2017年6月18日付け地元紙は、同社が、エクアドル鉱業公 社Enami EP社がチリCODELCOとのJVで進めるLlurimagua銅プ ロ ジ ェ ク ト(Imbabura 県) へ の 参 画 提 案 を、CODELCO に 対 し て 行ったと報じた。
(リマ事務所 迫田昌敏)
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月日 鉱種 ニュース
2017年 6月28日
鉄鉱石 BHP Billiton、South Flank鉄鉱石鉱山プロジェクトへの初期投資 を決定
2017年6月26日、BHP Billitonは、WA州のPilbara地域中央部 で 実 施 予 定 の South Flank 鉄 鉱 石 開 発 プ ロ ジ ェ ク ト に 対 し て 1 億 8,400万US$(2億4,400万A$)の初期投資を行うことを承認した と発表した。BHP Billitonはこれにより建設関連の雇用などが生み出 されるとしている。
South Flankプロジェクトは既存のMining Area C鉄鉱石鉱山を 拡 張 す る も の で あ り、 生 産 量 8,000 万 t/ 年(100% ベ ー ス) の Yandi鉄鉱石鉱山が2020年代初めから中盤の間にマインライフが終 了することから、South FlankプロジェクトがYandi鉱山を置き換え るものと期待している。
BHP Billiton で は 2018 年 の 中 盤 に 取 締 役 会 に お い て South Flankプロジェクトの実施を承認し、2021年に鉄鉱石の生産を開始 する目標を立てている。同社によれば、South Flankプロジェクト は、高品位の鉄鉱石を産出し、剥土比は豪州西部の同社の鉄鉱石鉱山 の平均程度である。操業の際にはMining Area C鉱山の既存のインフ ラを使用する予定である。
(シドニー事務所 山下宜範)
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2 .1 .6 経営者のメッセージ(2017年 9 月20日発行アニュアルレポート2017)
数年にわたり熟慮を重ねた周到な取り組みの結果、BHPは強化、簡略化され、生産性が 向上
Ken MacKenzie 会長
株主の皆様へ
BHPの会長に就任し、今回執筆する機会を得たことは名誉であり光栄に思う。最初に、 取締役会を過去 7 年間にわたりけん引したJac Nasser前会長の貢献に謝意を表す。同氏 の在任中の取締役会及びグループに対する優れた貢献に感謝する。強力なリーダーシップ と賢明な助言を失うことは残念であるが、当社に残された遺産はこれからも引き継がれ る。
会長に就任後、私は過去 3 か月のほとんどの時間を世界中の株主及び利害関係者と積極的 に関わることに費やし、彼らの視点をより理解することに努めた。今後も投資家と常に積 極的に関わる予定である。
昨年取締役会に加わってから、世界各地にある当社の多くの施設を訪問する機会を得て、 現場からBHPをより理解しようと努めた。訪問先として、西オーストラリア州のPilbara の鉄鉱石鉱山、クイーンランド州の石炭鉱山、カナダのJansenカリウムプロジェクト、 米国の海洋及び陸上油田、チリの銅鉱山が挙げられる。これらの訪問は貴重な経験であ り、BHPが株主に対して長期にわたり価値を創造し続ける強みと可能性を新たに認識し た。
BHPの一流の資産は、商品サイクルのほぼすべての局面で多額のキャッシュを創出して いる。今後のキャッシュの配分方法が、どれだけの株主価値を創造するのかを左右する重 要な決定要因となる。取締役会は、Andrew Mackenzie最高経営責任者が2016年の初め に策定した資本配分枠組みを強く支持する。しかし、これは枠組みに過ぎず、策定以来、 取締役会と経営陣はともにその実践の強化に取り組んでおり、現在も進行中である。
取締役会は株主へのキャッシュ還元の重要性を認識している。配当政策では、各期の基礎 的帰属利益の配当性向を50%以上に設定している。取締役会は2017年度(注:2016年 7 月~2017年 6 月)の期末配当額を 1 株当たり0.43US$に決定し、同期に創出されたフリー キャッシュフローを原資とする。期末配当額の内訳は、 1 株当たりの最低支払額と追加の 0.1US$となっている。資本配分枠組みに忠実に従うことによって、透明性の高い一貫し 2
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取締役会はSamarcoの悲劇に重点的に取り組み続けている。2017年度に現在操業してい ない合弁事業が検証され、この一環として明らかにされた措置の多くに取り組んだ。
我々は、現在操業していない合弁事業におけるBHPの権益の管理要件を取り決める世界 基準を策定した。これらの最低限の基準には、現在操業していない合弁事業がBHPにも たらすリスクの特定・管理のための枠組みが含まれており、全社的なリスクを特定・管理 するリスク管理の枠組みに沿った内容になっている。
BHPのリスクを効果的に掌握・管理するのに必要なスキル、経験及び特性を有する、取 締役会の後継者探しには、体系的で厳格なアプローチを取っている。こうすることで、取 締役会は適切なバランスを取り、目的に適合し続けている。
今年、John Schubert氏とPat Davies氏が取締役を退いた。また、Malcolm Brinded氏 とGrant King氏が2017年の年次総会で取締役に立候補しない予定である。これらの退任 を控えた取締役全員に謝意を表するとともに、今後の幸運を祈る。
次 世 代 取 締 役 育 成 計 画 に 沿 っ て、2017 年 10 月 1 日 付 け で Terry Bowen 氏 と John Mogford氏が非業務執行取締役に任命された。両氏は豊富な経験を有しており、BHPの 取締役会に多大な貢献をしてくれることだろう。
数年にわたる熟慮を重ねた周到な取り組みの結果、BHPは強化、簡略化され、生産性が 向上した。Andrew Mackenzie最高経営責任者がリーダーを務める当社の経営陣は世界 有数のレベルにあり、私はその経営陣を支援し、すべての株主に対して長期にわたる価値 を創造することを楽しみにしている。
当社のために力を尽くしていてくれることに謝意を表したい。
Ken MacKenzie 会長
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過去 5 年間に当社は、リターンを大幅に改善し、価値を高めるための基盤を構築
Andrew Mackenzie 最高経営責任者
株主の皆様へ
今 日 の 課 題 に 対 応 す る た め に は、 数 十 年 及 び 数 世 代 の 単 位 で 考 え な け れ ば な ら な い。 BHPは長期にわたり計画・遂行・投資する能力を有しており、これが常に競争優位性の 源泉となってきた。
過去 5 年間に当社は、リターンを大幅に改善し、価値を高めるための基盤を築いてきた。 この周到なプロセスの成果が2017年度の実績に表れていることは明らかである。
安全は常に当社の最優先事項である。痛ましいことに、過去 1 年の間に社員 1 名が2016 年10月にチリのEscondida鉱山で、もう 1 名が2017年 8 月に豪州のGoonyella Riverside 鉱山で作業中に死亡した。命を失った 2 名のご家族、ご友人及び仲間に哀悼の意を表した い。
私を含めてBHP全員にとって最も重要な仕事は、チームのメンバーが一日の終わりに無 事に帰宅できるように徹底することである。安全実績を改善し、合計記録可能傷害回数 (total recordable injury frequency)を100万労働時間当たり4.2に減少させた一方で、
リスクに加えてBHPで働く全員の健康と安全を守るために策定されるべき重要な管理及 びリスクを社員が理解するためのサポートに新たに取り組んだ。
当社の新たな 5 年間の持続可能性実績目標は2017年 7 月 1 日からスタートした。この目 標は、利害関係者に対する持続可能性についての当社の公式声明であり、パリ協定及び国 連の持続可能な開発目標への関与とリンクしている。また、これはBHPでの働き方の中 心を占めており、我々は実績を通じて前向きな変化を生み出す決意である。
2017年度の財務及び業務実績は好調であった。すべての操業資産のフリーキャッシュフ ローはプラスで、合計126億US$となった。バランスシートの強化と株主への44億US$の 還元のためにこのキャッシュを使用した。
過去 1 年の間に多くのことを成し遂げたが、これで立ち止まるわけではない。キャッシュ フローの最大化、投資方針の厳格な適用及び価値とリターンの向上に取り組んでいる。
当社は、資本配分枠組みに従って、株主へのキャッシュ還元を含めて資本を一貫してかつ 2
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のチームが一丸となった時に達成できることの証左と言えよう。
最も多様なチームが、最も優れた業績を上げることを当社は理解しており、業績がこのこ とを物語っている。こうした理由から、2025年度までに男女間の雇用機会均等を達成す るという意欲的な目標を昨年の年次総会で発表したことを誇りに思っている。過去 1 年間 に大きく前進したが、まだ道のりは長い。
過年度には多くのことを、その中でもとりわけ、大胆かつ創造的に思考し、全力を引き出 すことができる人物を世界は必要としていることを学んだ。世界は大きく構想できる人物 を必要としている。BHPのような企業において、イノベーション、生産性向上及び技術 を通じて進歩するか否かは自分次第である。発言し、透明性を維持することは、当社の責 任である。
当社とともに歩む、社員、株主、サプライヤー、お客様、受け入れてくれている地域社会 に感謝を申し上げる。全世界数百万人の生活を向上させ、世界経済の成長をけん引するた めに、我々はともに働いている。
また、BHPそして私自身にとっても強さとリーダーシップの源泉であった退任されたJac Nasser前会長に対しても過去10年間の貢献に謝意を表する。同氏の並外れた遺産と功績 は今後も忘れられることはない。
BHPは新任のKen MacKenzie会長とともに将来に向けて有利な態勢にある。取締役会と ともに、2018年度以降も株主価値を高め、リターンを増やすことを楽しみにしている。
Andrew Mackenzie 最高経営責任者
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2 .2 Rio Tinto
2 .2 .1 企業概要
設立 1873年 本社 ロンドン(英国) 上場先 LSE / ASX / NYSE
決算期 12月末 CEO Jean-Sébastien
Jacques(16年7月~) 連結従業員数 54,938名
主な生産鉱種
Fe Cu Pb
Mn
Zn
Ni
Al
Co
Ti Li
K P 石
炭
石
油 Pt
Pd Ag
ガ
ス
DIA
Mo U
Au
Cr B
Nb
■経営数値■
図 2 - 2 - 1 Rio Tinto売上
営
図 2 - 2 - 2 Rio Tinto利益
図 2 - 2 - 3 Rio Tinto負債 図 2 - 2 - 4 Rio Tinto資産
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図 2 - 2 - 5 Rio Tinto収益性 図 2 - 2 - 6 Rio Tinto配当
図 2 - 2 - 7 Rio Tinto内部留保
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2 .2 .2 個社概況
2015年は数10億US$単位の巨額の為替差損及び減損を計上したため、2012年以来の赤 字決算となった。斯かる決算結果及び取り巻く厳しい市場環境を踏まえ、同社は2016年 以降、更なるコスト削減を進めることを発表した。
その後、2016年 3 月には新CEOとしてJean-Sébastien Jacques氏の就任を発表、以降、 特に事業の選択と集中においてそれまでにも増してエッジの利いた決断が見られる様に なった。
全社員の昇給凍結、人員削減にまで踏み込んだコスト削減を進める一方、注力事業と位 置付ける「世界級」の案件、即ち、豪/WA州Pilbara地区のSilvergrass鉄鉱石プロジェ クト、モンゴルのOyu Tolgoi銅・金鉱山及び豪/QLD州のAmrunボーキサイトプロジェ クトについては積極的に資金を投入し将来の生産開始に向けて着々と準備を進めた。 同社の方針で興味深いのは、たとえ注力事業領域であっても案件毎に中核/非中核の選 別を積極的に進めている点である。銅事業におけるインドネシアのGrasberg鉱山は資産 としては「世界級」であっても、同社にとって「世界級」の事業かどうかについて疑問を 呈し、アルミニウム事業についてはバリューチェーンの中流に位置する製錬事業の内一部 からの撤退の方向性を打ち出した。
生産/販売は豪/WA州の鉄鉱石は港湾と鉄道のメンテナンスの影響を受け当初の見込み を下回ったものの前年比増、アルミニウムは当初の目標を上回っての前年比増と好調、銅 はチリ/Escondida鉱山の鉱石品位低下、インドネシア/Grasberg鉱山のストライキの影 響で前年比増ではあるが目標を10%以上下回るも、コスト削減効果に加えて期中の石炭 及び鉄鉱石価格の上昇を受け、2016年は見事Ⅴ字回復の決算を達成した。
同社は取扱商品ラインナップにホウ酸、工業塩やダイヤモンドを並べている点が他社に 比しユニークで、その延長線上であってか、セルビアでリチウム・ホウ酸塩プロジェクト を推進中である。また加/Potash Corporation of Saskatchewan(PotashCorp)と加/ Agrium の 合 併 の 際 の 条 件 と し て の PotashCorp が 保 有 す る チ リ の リ チ ウ ム 企 業 の Sociedad Química y Minera de Chile (SQM)の株式売却時の候補先としても取り沙汰 され、他社に先駆けて推進中の豪/鉄鉱石事業における自動輸送等、独自路線の進展が今 後益々興味深い。
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(参考)図 2 - 2 - 8 Rio Tinto社の株価変動
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2 .2 .3 Rio Tintoの鉱種別アセット所在地 Grande-Baie Grande-Baie Alma Alma Chute-des-Passes Chute-des-Passes Diavik Diavik Boron Operation Boron Operation São Luis São Luis Porto Trombetas Porto Trombetas Kitimat Kitimat ISAL ISAL Bécancour Bécancour Sept-Îles (Alouette)Sept-Îles (Alouette)
Grande-Baie Grande-Baie Alma Alma Chute-des-Passes Chute-des-Passes Diavik Diavik Boron Operation Boron Operation São Luis São Luis Porto Trombetas Porto Trombetas Kitimat Kitimat ISAL ISAL Bécancour Bécancour Sept-Îles (Alouette)Sept-Îles (Alouette)
2 .2 .4 オペレーション別の生産量
図 2 - 2 - 9 鉄鉱石 図 2 - 2 -10 アルミニウム
図 2 - 2 -11 銅 図 2 - 2 -12 金
図 2 - 2 -13 モリブデン 図 2 - 2 -14 ウラン
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図 2 - 2 -15 原料炭 図 2 - 2 -16 一般炭
図 2 - 2 -17 ダイヤモンド
(図 2 - 2 - 9 ~図 2 - 2 -17:Annual Report等をもとに株式会社クラリテ作成)
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2 .2 .5 主なトピックス(16年会計年度:2016年 1 月 1 日~2016年12月31日)
月日 鉱種 ニュース
2016年 1月14日
その他 Rio Tinto、2016年の全役職員の昇給を凍結
2016年1月14日、地元各紙はRio TintoのSam Walsh CEOが 同社の全役職員に対して2016年の昇給を凍結することを伝えたと報 じた。
報道によると、同CEOは2016年の資源をとりまく環境が昨年より もさらに厳しくなることが見込まれるため、自社が生き残るために昇 給の凍結が必要と説明している。また、資源価格の低迷は一時的なも のではないため、新しい標準が必要となっているとして、同社の役職 員に理解を求めている。今後もコスト削減無しに成長することはあり えないとして、旅費等のコスト削減も徹底していく方針が同CEOから 伝えられた。
(シドニー事務所 矢島太郎) 2016年
3月21日
その他 Rio Tinto、新CEOにJean-Sébastien Jacques氏が就任予定
2016年3月17日、Rio Tintoは7月1日にCEOのSam Walsh氏 が 引 退 し、7 月 2 日 に 後 任 と し て 現 在 銅 及 び 石 炭 部 門 代 表 の Jean-Sébastien Jacques氏(44)が新CEOに就任する予定であること を発表した。CEOの引継ぎを円滑に行うため、Jacques氏は同日付 けで副CEOに就任した。
Jacques氏は2011年10月からRio Tintoに在籍しているが、そ れ以前は、Tata Steel Groupに2007~2011年に在籍していた。 その他、資源業界に15年以上従事し、ヨーロッパ、東南アジア、イン ド、米国で過ごし、アルミニウム、ボーキサイト、鉄鋼に関わった経 歴を有する。
同氏はRio Tintoでは銅及び石炭部門で鉱山の安全性と採算を向上 させ、コスト削減を推進した経歴を有する。同氏はSam Walsh CEO と同様、コスト削減を重視しており、2012年以降20億US$のコス ト削減を実現した。さらに、同氏はモンゴルのオユトルゴイ銅鉱山の 50億US$規模の拡張工事に関し、モンゴル政府と3年間にわたって協 議を行い、認可を取得してさらに40億US$の資金調達まで実施した。 これらの成果により、同氏はRio Tinto内で高く評価され、現在のRio Tinto の 方 針 を 継 続 し て 推 進 す る 最 高 の 適 任 者 と し て 役 員 会 か ら 新 CEOに推薦された。
地元各紙は、同氏がRio Tintoの現在のコスト削減を継続し、負債 の削減に取り組む保守的な経営方針を示していることを報じている。 一方、経済アナリストは同氏の過去の協議における手腕から、同氏が 企業買収を積極的に推進することを期待されていると報じている。
(シドニー事務所 矢島太郎)
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月日 鉱種 ニュース
2016年 3月22日
鉄鉱石 Rio Tinto、数か月内にWA州のPilbaraで170名の人員削減
2016 年 3 月 15 日 付 け の 地 元 紙 は、Rio Tinto が、WA 州 の Pilbara地区における鉄鉱石の事業において、今後数か月のうちに約 170名の人員削減を行う予定であるとする労組関係者の発言を報じて いる。
同 社 の Pilbara 地 区 の 労 働 者 が 加 盟 す る 西 部 鉱 山 労 働 者 連 合 (WMWA)によれば、本件は同社から通知され、同社経営陣との間で 最善の対処に向けて協議を行った。協議を通じてWMWAは、人員削減 の多くは支援業務の関係者になると理解している由。またWMWAは Rio Tintoがパースのオフィスにおいても約300名の人員削減を行う と見ている。
2016年3月初旬の地元紙は、Rio Tintoは、WA州の鉄鉱石事業に おいて、前年の800名の人員削減に続いて、さらに700名の人員削減 を行う見込みであると報じていた。同社は2015年に全世界の従業員 を8%以上削減して54,938人としている。また、2016年1月には 従業員に対して2016年には賃上げを実施しない旨を通知するととも に、出張の制限、コンサルタントやコントラクターへの支出の精査を 求めていた。
(シドニー事務所 山下宜範) 2016年
4月25日
ア ル ミ ニ ウ ム / ボ ー キ サイト
Rio Tinto、QLD州Weipaボーキサイト鉱山の従業員41名を解雇
2016 年 4 月 21 日、 地 元 メ デ ィ ア は Rio Tinto が QLD 州 Weipa ボーキサイト鉱山の従業員41名を解雇したことを報じた。Rio Tinto の広報担当者は、アルミニウム価格(特にアルミナ)の下落とボーキ サイト採掘を実施している他社との競合が熾烈となっていることが原 因と説明している。
現在Rio Tintoは同鉱山で約1,400名の従業員・契約職員を雇用し ている。解雇された41名の内訳は、管理職が6名、技能職6名、営業 職7名、鉱山現場職員が22名と報じられている。なお、Rio Tintoが 現在開発中のAmrunボーキサイト鉱床では従業員の削減は行われない 予定である。
(シドニー事務所 矢島太郎)
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