Jean-Sébastien Jacques
当社は世界有数の資産から最大限のキャッシュを創出し、数量よりも質を優先した。16 億US$のコストを削減し、Oyu Tolgoi坑内掘り銅鉱山、Silvergrass、Amrunの価値の高 い 3 つのプロジェクトを進めた一方で、資本支出(2016年は合計30億US$)を引き続き 厳格に管理した。
キャッシュの創出、資本支出の管理、手持ち案件の強化に成功したことで、期末の純負債 額は前年期末比42億US$減少の96億US$となった。
商品価格が大きく変動し、地政学的な不透明感が強まる中でも、この好業績が達成され た。こうした状況は2017年にも続くと予想されるため、健全なバランスシートと回復力 のある事業基盤の維持を目標とする。
当社の世界中のチームが、 4 P(手持ち案件(portfolio)、業績(performance)、人材
(people)、パートナー(partner))に重点的に取り組んでいる。各要素に対する絶え間 ない一貫した取り組みが、どのような景気局面でも他社に勝る株主還元を行うという目標 を支えている。
世界有数の資産によって高い利益率を維持
2016年も厳しい外部環境が続いた。当社の財務計画では、様々なマクロ経済および商品 価格のシナリオに対して持ちこたえるという目標が設定されている。
2016年下半期に一部の商品価格が非常に低い水準から大幅に上昇したにもかかわらず、
平均価格は2015年よりも若干下落した。
当社は手持ち案件全般でキャッシュを最大化し、生産性を最高水準まで高めることを目標 としている。
2016年は順調に進捗し、基礎的EBITDAは135億US$となり、基礎的EBITDAマージンは 2015年の34%から38%に上昇した。
2016年に鉄鉱石事業の営業キャッシュフローは56億US$となり、利益率は業界最高水準 となった。グループのコスト削減額は 3 億1,500万US$に達した。
ここ数年間のPilbaraのインフラに対する投資はほぼ完了した。2016年 6 月にSilvergrass に対して 3 億3,800万US$投資することを発表した。同事業は2017年後半から鉄鉱石の生 産を開始する予定で、Pilbaraブレンドを補完する。
アルミニウム部門は、ボーキサイト、アルミナ、アルミニウムにおいて世界有数の資産を
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昨年の価格下落は引き続き業界全般での課題となっている。
下半期に価格が下落したにもかかわらず、アルミニウム部門の全資産でフリーキャッシュ フローはプラスとなった。同部門は、営業費用を通期目標の 3 億US$に対して 4 億8,000 万US$超削減した。
銅・ダイヤモンド部門の営業キャッシュフローは 9 億8,700万US$、基礎的EBITDAマー ジンは31%となった。
エネルギー・鉱物部門は、市場の需要に対して生産を合わせたことに加えて、石炭を含む 一部の商品の価格が改善したことから、2016年のフリーキャッシュフローは13億US$と なった。
豪州の石炭の手持ち案件では、過去 4 年間に単位コストが40%低下し、原料炭価格が上 昇したことが追い風となった。
生産性の向上
当社は、どのような市況でも優れた業績を上げることを目標としている。2012年以降、
年間70億US$超のコストを削減し、2016年と2017年に20億US$のコストを削減するとい う目標に向けて順調に進捗している。
継続的な改善と効率が企業文化の一部となっている企業をけん引することが活力となって いる。鉱山から市場まで価値創造のためにあらゆる機会に取り組んでいる。
コスト削減による効果は大きいものの、生産性の向上にも努めなければならない。鉱山か ら市場までの500億US$の資産の生産性を向上させることにより、最大のリターンを創出 することが可能である。したがって、向こう 5 年間のフリーキャッシュフローを活用し、
新たに50億US$の生産性向上を達成することを目標とする。
技術の活用、業務の改善、固定資産・経営資源・システムの利用を通じて、全社的に生産 性を向上させる。引き続き数量ではなく質を優先し、Pilbaraブレンドなどの質の高い製 品の価格を高めるために優れた営業体制を活用する。
シンガポールの新たな優れた営業拠点は、今まで以上に多くのこの種の取り組みを手掛け ており、顧客とサプライヤーをつなぐバリューチェーンの最大化を目標とする。
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2016年に、当社の強みを補強する 3 つの魅力的な成長プロジェクトを推進した。当社の 戦略に従って、これらのプロジェクトではすべて数十年に及ぶ見通しが立っており、非常 に魅力的なリターンを提供する。
2016年 5 月にモンゴルのOyu Tolgoi坑内掘り銅鉱山の開発が始まった。
生産開始は2020年となる予定である。2027年に鉱山が十分に整備されると、銅の年間生 産量は50万トンを上回る。また同事業では大量の金( 1 t当たり平均0.35g)の副産物が見 込まれる。
新たなSilvergrass鉄鉱石鉱山でPilbaraの合計鉱山数は16になる。また、統合された施設 には、世界の顧客100社に供給するために、1,700kmの鉄道と 4 つの港湾が備わっている。
豪州のCape York半島ではAmrunボーキサイト・プロジェクトが順調に進行しており、
投資額19億US$の70%が2017年と2018年に費やされる。同プロジェクトはRio Tintoが60 年以上前に最初に発見したCape York半島における質の高いボーキサイトの信頼できる サプライヤーとしてのノウハウを基盤としている。
次世代の鉱床の発見・開発が一段と難しくなる中、引き続き探鉱を重視する。Rio Tinto は業界で最大級の探鉱計画を手掛けており、2016年には14か国で幅広い商品の探鉱に積 極的に取り組んだ。
世界級の手持ち案件
Rio Tintoの戦略では、埋蔵残存年数が長く、低コストで、拡張性の高い世界級の資産が 中心となっている。
今年、手持ち案件を強化した。同年中に13億US$を上回る資産の売却を発表または完了 し、これには12月の英国のLochaberの売却完了が含まれている。2017年 1 月に豪州の一 般炭事業を最大24億5,000万US$で売却することを発表した。提案条件に左右されるが、
2017年後半に完了する予定である。
2016年 6 月には組織の再編を発表した。これにより、探鉱の技術ノウハウを最大限活用 するために銅・ダイヤモンド部門が設立された。また、エネルギー・鉱物部門が設立され た。同グループは非常に価値の高い原料炭および特殊鉱物の製品群を有しており、新たな 事業機会のインキュベーターの役割を担う。
現在、鉄鉱石部門は西オーストラリア州の操業に専念している。アルミニウム部門は引き 続き、質の高いボーキサイト、アルミナおよびアルミニウム事業に集中している。
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目的意識を持った人材
新たな役割を担ったことで、世界各地の多くの現場を訪問し、優秀なチームと会う機会に 恵まれた。社員が、家族、地域社会、会社のために懸命に働いていることを新たに実感し た。
達成されるよりも多くのことがあることを理解している。 5 万1,000名の社員の2016年の 間の努力および2017年に向けた一段の取り組みに感謝したい。
2016年に実施されたPeople Surveyでの社員のエンゲージメントの点数は当社が望むより も低かったが、調査結果で得た洞察をリーダーシップの改善とエンゲージメント構築のた めの取り組みに活用していく。
2017年にも社員の育成に重点的に取り組み、社員の営業および技術的な専門知識の向上 を図る。これらが優れた業績のためのカギであると考える。
どのように行うかは何を行うのかと同様に重要である。誠実さとThe way we work(当 社の世界的な行動規範)が社員の行動の指針となり、Rio Tintoではこれらを遵守しなけ ればならない。
将来に向けて多様性と必須能力を育むために、広範な取り組みの一環として、2016年に 新卒者採用の重点を見直した。
当社はグローバルな組織であり、これらがすべて強みとなっている。次世代を引き付け、
操業地域の人材を会社に迎えるために、より多くのことを行わなければならない。
2016年に執行委員会メンバーの交代があった。新たなチームは、業界に関する豊富な専 門知識と世界に対する造詣の深さにより、多様で優れた視点を提供している。
パートナーシップの強化
昨年には記念となる業績を数多く祝った。これらは、当社の投資、取り組み、地域社会・
政府とのパートナーシップが長期的な視点に基づいていることの証左と言えよう。
2016年に、多くの利害関係者と面談し、お客様や事業パートナーと会うために豪州、チ リ、カナダを訪問した。
ナミビアのRössingウラン鉱山と南アフリカのRichards Bay Minerals事業は開業40周年
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を築いた先駆的な事業である。
2017年に、Pilbaraにおける中国のSinosteel CorporationとのChannar Mining合弁事業 が30周年を、米国のホウ酸塩事業は145周年を迎える。
操業までには、計画に数年、実施までに数十年を要する。税務、賃金、調達に関するノウ ハウは世代を超えて共有されている。
複雑さと不透明感が増す世界において、成功を続ける上でのリスクが高まり、お客様、政 府、地域社会、サプライヤーと巧みに連携することが不可欠である。当社および社員は働 き、生計を立てることが許されている地域社会において重要な違いを生み出している。
将来を見据えて
Rio Tintoは確固たる地位を築いている。バランスシートは健全で、世界有数の資産を有 し、実績を重視し、有能な社員を抱えており、変化にも持ちこたえることができる。
人口増と都市化という中長期のメガトレンドが予想されるが、これに対して自信を持って いる。
先進国と新興国においてインフラが大量に不足していることと相まって、当社は業界に対 して長期的に明るい見通しを持っている。
今後、経済成長のペースまたは変化に左右されるものの、Rio Tintoは人類の進歩に不可 欠な原材料を生産し続けることを目標としており、会社設立以来このことに取り組んでき た。
2017年には、安全性とキャッシュ創出力を高め、生産性の目標を達成し、株主に高水準 の還元を行うために、できることすべてに取り組む。
継続的な支援と信頼に感謝の意を表する。
Jean-Sébastien Jacques 最高経営責任者
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