• 検索結果がありません。

博士(工学)田中宏之 学位論文題名

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "博士(工学)田中宏之 学位論文題名"

Copied!
4
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

     博士(工学)田中宏之 学位論文題名

マイクロ波・ミリ波領域の材料定数測定法に関する研究 学位論文内容の要旨

高 度情報 化社会の 進展に伴 って, 周波数が1GHzを越えるマイクロ波・ミリ波領域の利用が 急速に拡大している.このため,マイクロ波・ミリ波領域の機器に用いられる部材の開発が盛 ん であり,低損失材を対象にした精度の高い材料定数(誘電率、透磁率、導電率)の測定法 が益々重要になっている.マイクロ波・ミリ波の材料定数測定法に関しては多くの研究が知ら れ ているが,被測定物の寸法や要求される精度などから生じる制約があり,最近のマイクロ 波・ミリ波の部材に適用できる方法は必ずしも揃っているとは言えない.本論分は,マイクロ 波 ・ミリ 波の領域 で用いら れる部 材を対象 とする 精度の高い材料定数測定法の開発を目指 し ,共振 器法に分 類される4つ の測定法 につい て研究した内容を全6章の構成でまとめたも のである.

第1章で は , 研究の 背景,本 研究以前 の研究 の状況, 本研究 の目的に ついて 述べた 第2章で は,低損 失なりジ ッド型プリント配線板において,基板に依存する誘電損と金属ク ラッ ドに依 存する導 電損を 高精度に 分離測定 する方 法に関する研究について述べた,この 測定 法は,プリント配線板を用いてトリプレート線路共振器を構成し,線路の断面寸法に対 し て 共振 器 の 損失 に 依 存 する 無 負 荷Qを 測 定し , 無 負荷Qに 対す る 誘 電損 と 導体損 の影 響が 断面寸法に依存して変わる性質を利用して分離する測定法である,S.B. Cohnがトリプ レー ト線路の導体損を理論的に導出した式を用い,トリプレート線路共振器の断面寸法だけ に依 存する形状パラメータを新たに導入した,いろいろな断面寸法を持っトリプレート線路 共振 器に対 して無負 荷Qを 実測し ,形状パ ラメー タと無負荷Qの関係を検討することによっ て損 失分離測定が可能であることを確認した.また,実際のプリント配線板に用いられる工 業用 銅箔の 損失特性 をマイ クロ波の 広い周波 数にわ たって測定し,この損失分離測定法に よっ て算出 された工 業用銅 箔の実効 導電率が 直流値 の 1/2〜1/3に低下 すること やその原 因が 銅箔の表面粗さに依存していることなどを詳しく解析し,提案した損失分離法の有効性 を実 証した.この損失測定法に関する評価は高く,プリント配線板の代表的な評価法のひと っと して既 に実用化 されて いる.

第3章で は,基 板が薄い べール フアルム からなるフレキシブルプリント配線板の損失分離法 に 関する 研究にっいて述べた.フレキシブルプリント配線板はアンテナの給電線路に利用さ れるなど,低損失性が特に求められるが,トリプレート線路共振器を構成しても,基板が薄い た め に 無負 荷Qが低 く , 第2章 で述 べたプリ ント配 線板の損 失分離 法は適用 出来ない 問題 があった.このため,フレキシブルプリント配線板を含むサスペンデッド線路共振器を構成し,

サ スベン デッド線 路共振器 の断面 寸法を変 えて損 失分離を 行う方 法を検討した.具体的に は,フレキシブルプリント配線板で作製したストリップ導体までの距離を変えて無負荷Qを測 定 す る次具 を作製す る一方, 無負荷Qに対 する誘 電損と導 体損の影 響を規 定するパ ラメー

(2)

タを提 案した. このパ ラメータ の決定に は,準TEM波近 似の電 磁界に基 づいてシールド型 ストリップラインの線路パラメータをグリーン関数と変分原理を用いて数値計算する山下らの 方法を採用した.トリプレート線路の場合と異なり,高次モードとの結合が発生し易いため,

周波数10GHzにお いて,高次モードの影響がないことを実測で確かめた.また,べースフィ ルム厚さを変えた検討によって,厚さが251im程度のポリイミドフィルムを基板に持つ一般の フレキシブルプリント配線板であれば,損失分離測定が可能であることを示した.この測定 法はべースフィルムが薄いフレキシブルプリント配線板の簡便な損失測定法として実用性が あると考えられる.

第4章 で は ,空 胴 共 振器 法 に 関し て , 空胴 壁の導 体損の 影響を含 む電磁 界を用い る材料 定数 測 定 法 に関 す る 研究 に つ いて 述 べ た. 軸 対 称TM共 振モ ー ド を 対象に ,空胴壁 内部 の電 磁 界 も 考慮 した空胴 内部の 電磁界を 空胴共振 器を構 成する部 材の寸 法と材料 定数に 対し て モ ー ド整 合法を用 いて解 析し,空 胴壁内部 の電磁 界の影響 を正確 に考慮す る材料 定数 測 定 法 を提 案した. 導体損 がない電 磁界に基 づいて 材料定数 を決定 する従来 の算出 方法を適用することよって生まれる誤差を詳しく解析した結果,材料定数が大きい測定や高 次の 軸 対 称TM共振 モードを 用いる 測定の場 合には ,提案し た測定法 が僅か に有効で ある ことを 示した. 加えて ,空胴壁 上に空胴 壁と異 なる導電率をもつ導体層がある場合の空胴 共振器 の共振特 性を導 体層の厚 さと導電 率に対 して解析し,導体層をもつ空胴共振器を材 料定 数 測 定 に用 いた場合 ,導体 層の表皮 厚が導体 層の厚 さに近づ く条件 において は算出 される材料定数の値に大きな誤差が生じることを定量的に示した.実験による検証は必要で ある が , 材 料定 数測定に 用いる 空胴共振 器の設計 におけ る表面処 理方法 に指針を 提供す る有効な知見が得られたと考えられる.

第5章 では,空 胴共振 器法に関して,球空胴共振器とフェライト小球を組み合わせたテンソ ル 透磁率 の精密測 定に関 する研究 を述べ た.この研究では,テンソル透磁率の厳密解を算 出 する特 性方程式 を導出した.また,無負荷Qが大きい球空胴共振器を設計・製作し,フェ ライト材料に対してテンソル透磁率を実測し,提案した厳密解法の有効性を検証した.厳密 解を摂動解と比較した結果,フェリ磁性共鳴域で大きな違いが生じることが判った.現在最 も 一般的 に用いら れてい る直六面 体空胴 や円筒空胴を用いる摂動法による測定値には,も っと大きな誤差が含まれていることは確実である.この測定法はマイクロ波・ミリ波領域の非 相 反 素 子 に 用 い ら れ る フ ェ ラ イ ト の 開 発 に 大 い に 寄 与 す る も の と 期 待 さ れ る .

第6章で は,本研究の成果にっいて要約するとともに残された課題について述べた.

以上,本研究によってマイクロ波・ミリ波の材料定数測定法がさらに進歩し,新しい部材の 開発が促進されるものと期待される.

(3)

学位論文審査の要旨

学 位 論 文 題 名

マイクロ波・ミリ波領域の材料定数測定法に関する研究

  情 報 化 社 会 の 進 展 に 伴 っ て , 周 波数 がIGHzを 越 える マイ クロ 波・ ミリ 波領 域の 機器 に 用 いら れる 部材 の開 発, 低損 失材 を対 象に し た精 度の 高い 材料 定数 (誘電率、透磁率、導 電 率) の測 定法 が重 要に なっ てい るが ,被 測 定物 の寸 法や 要求 され る精度などから生じる 制 約の ため 最近 のマ イク ロ波 ・ミ リ波 の部 材 に適 用で きる 方法 は必 ずしも揃っていない.

本 論文 では ,マ イク ロ波 ・ミ リ波 の領 域で 用 いら れる 部材 を対 象と する精度の高い材料定 数 測 定 法の 開発 を目 指 し, 共振 器法 に分 類さ れる4っの 測定 法に つい て研 究し た内 容を 全 6章の 構成 でま と めて いる .

第1章で は, 研究 の背 景, 本研 究以 前の 研 究の 状況 ,本研究の目的について 述べた.

  第2章 では ,低 損失 な りジ ッド 型プ リン ト配 線板 にお いて ,基 板に 依存 する 誘 電損 と金 属 クラ ッド に依 存す る導 電損 を高 精度 に分 離 測定 する 方法 の研 究に ついて述べた,この測 定 法は ,プ リン ト配 線板 を用 いて トリ プレ ー ト線 路共 振器 を構 成, 線路の断面寸法に対し て 共 振 器 の 損 失 に 依 存 す る 無 負 荷Qを 測 定 し , 無 負 荷Qに 対 す る 誘 電 損 と 導 体 損 の 影 響 が 断面 寸法 に依 存し て変 わる 性質 を利 用し て分離する測定法である,S.B. Cohnがが理論 的 に導 出し た式 を用 い, トリ プレ ート 線路 共 振器 の断 面寸 法だ けに 依存する形状パラメー タ を新 たに 導入 して いる .種 々の 断面 寸法 を 持っ トリ プレ ート 線路 共振器に対して無負荷 Qを 実 測 し , 形 状 パ ラ メ ー タ と 無 負 荷Qの 関 係 を 検 討 す る こ と に よ っ て 損 失 分 離 測 定 が 可 能で ある こと を確 認し てい る, 実際 にプ リ ント 配線 板に 用い られ る工業用銅箔の損失特 性 を マ イ ク ロ 波 の 広 い 周 波 数 に わ た って 測定 ,実 効導 電率 が直 流値 の1/2〜1/3に低 下す る こと やそ の原 因が 銅箔 の表 面粗 さに 依存 し てい るこ とな どを 詳細 に解析し,提案した損 失 分離 法の 有効 性が 大き いこ とを 述べ てい る ,

  第3章で は, 基板 が薄 いべ ール フイ ルム から なる フ レキ シブ ルプ リン ト配 線板 の損 失分 離法 の研 究に つい て述 べた .フ レキ シブ ルプ リ ント 配線 板は アン テナの給電線路に利 用さ れ る な ど , 低 損 失 性 が 特 に 求 め ら れ る が , 基 板 が 薄 い た め 無 負 荷Qが 低 く , 第2章 で 述 べた プリ ント 配線 板の 損失 分離 法は 適用 出来 な い. この ため ,フ レキシブルプリント 配線 板を 含む サス ペン デッ ド線 路共 振器 を構 成, 断 面寸 法を 変え て損 失分離を行う方法を 検討

1147

廣 次

勉 朗

   

   

耀 良

   

   

   

場 政

(4)

している,ストリップ導体までの距離を変えて無負荷Qを測定する次具を作製する一方,

無 負荷Qに対 する誘電 損と導体 損の影響 を規定するパラメータを,準TEM波近似の電磁 界に基づぃてシールド型ス卜リップラインの線路パラメータをグリーン関数と変分原理を 用いて数値計算する山下らの方法により決定している.卜リプレー卜線路の場合と異なり,

高 次モード との結合が発生し易いため,周波数IOGHzにおいて,高次モードの影響がな いことを実測で確かめ,べースフイルム厚さを変えた検討によって,厚さが25?m程度の ポリイミ.ドフイルムを基板に持つ一般のフレキシブルプリント配線板であれば,損失分離 測定が可能であることを示した,

  第4章では,空胴共振器法に関して,空胴壁の導体損の影響を含む電磁界を用いる材料 定数測定法に関する研究について述べた.軸対称TM共振モードを対象に,空胴壁内部の 電磁界も考慮した空胴内部の電磁界を空胴共振器を構成する部材の寸法と材料定数に対し てモード整合法を用いて解析し,空胴壁内部の電磁界の影響を正確に考慮する材料定数測 定法を提案している.導体損がない電磁界に基づく従来の算出方法によって生まれる誤差 を解析し,材料定数が大きい測定や高次の軸対称TM共振モードを用いる測定の場合には,

提案した測定法が僅かに有効であることを示している,加えて,空胴壁上に空胴壁と異な る導電率をもつ導体層がある場合の共振特性を導体層の厚さと導電率に対して解析,表皮 厚が導体層の厚さに近づく条件においては材料定数の値に大きな誤差が生じることを定量 的に示している.材料定数測定に用いる空胴共振器の設計における表面処理方法に有効な 指針が得られたことを述べている.

  第5章では,空胴共振器法に関して,球空胴共振器とフェライト小球を組み合わせたテ ンソル透磁率の精密測定に関する研究を述べた.まず,テンソル透磁率の厳密解を算出す る特性方 程式を導出している.また,無負荷Qが大きい球空胴共振器を設計・製作し,

フェライト材料に対してテンソル透磁率を実測,提案した厳密解法の有効性を検証してい る.厳密解と摂動解との比較は,フェリ磁性共鳴域で大きな違いを示し,一般的に用いら れている直六面体空胴や円筒空胴を用いる摂動法による測定値には,大きな誤差が含まれ ている可能性があることを明らかにした,マイクロ波・ミリ波領域の非相反素子に用いら れるフェライトの開発に寄与することが期待される,

第6章では,本研究の成果について要約するとともに残された課題について述べた

  これを要するに、著者は、マイクロ波・ミリ波領域での材料定数について精度の高い測 定法を見出しておルマイクロ波・ミリ波領域の機器開発に貢献するところ大である.よっ て 著 者 は北 海 道大 学 博 士( 工 学) の 学 位を 授 与 され る 資格 が あ るも の と認める .

1148

参照

関連したドキュメント

   以上,こ

[r]

カ テゴ リ一 化や 部 分形 状の 照合 にも 適 して いる こと を 実験 例か ら明 らか に して いる

[r]

   臨床 的に 麻酔 状態 を得 るた めに 必要 なpropofol 濃 度 はヒ ト血 清で 8 〜 180pM と様 々 な報 告が ある 。こ れら の 濃度 ではATPase

第 3 章は「

   第5 章で は,泥炭 地盤か ら採取 した試 料にっ いて実施した三軸Ko

   このト リチ ウム 製造 技術 確立 のためには、6u ―魁合金からのトリチウムの加熱 抽 出条件を知る必要があった。ここで用いたA ト12 .7at .%6L 合金は、Q 相(A1 ) と