論文内容要旨
大腸腫瘍性病変の肉眼型別におけるエンドサイトスコピーによる深達度 診断能の検討
Digestive Endoscopy. Vol.27, No.6 , 2015年 掲載予定
内科学 消化器内科学分野 工藤 豊樹
背景: Endocytoscopyは拡大倍率450倍の画像診断が行える次世代型の内
視鏡である。大腸腫瘍の深達度診断についてもpit pattern診断と同様に精 度の高い診断結果が得られている。そこで多様な発育肉眼形態が存在する 大腸腫瘍病変において、Endocytoscopy による診断精度を肉眼形態別に比 較検討し、またpit pattern診断との精度についても比較検討を行った。
方法:拡大内視鏡観察によるpit pattern診断と EndocytoscopyによるEC診 断が可能であった腫瘍径10mm以上の330病変について検討した。肉眼形
態は LST-G、LST-NG、隆起型、陥凹型の 4 つに分類し、全ての病変にお
いてpit pattern 診断と EC診断を施行し、各々の所見による病変の質的診
断と量的診断(深達度診断)を行い、その診断精度を比較検討した。
結果:肉眼形態別に EC 診断による正診率を比較検討した結果、LST-NG の正診率(90.5%)と LST-G の正診率(83.0%)には有意差は認めなかったが、
LST-NG の正診率(90.5%)と隆起型の正診率(80.6%)において有意差を認め
る結果であった(p<0.05)。Pit pattern診断とEC診断の正診率について比較 検討した結果、LST-NGにおいては pit pattern診断(79.3%)よりも EC 診断 (90.5%)において有意に高い正診率を認めた(p<0.001)。隆起型病変におい てはpit pattern診断(86.1%)のほうがEC診断(80.6%)よりも高い正診率を認 めた(p<0.05)。EC診断におけるEC3a所見の診断精度については、LST-NG と隆起型病変での比較で、それぞれ感度(92.9 vs 11.3%, p<0.001)、陽性適中 率(78.0 vs 27.3%, p<0.001)、陰性的中率(95.5 vs 56.1%, p<0.001)、正診率(87.9 vs 51.2%, p<0.001)との結果であった。
結論:大腸のLST-NGにおけるEC診断は、隆起型病変よりも診断精度が 高く、また pit pattern 診断よりも高い正診率を認めたことから、LST-NG 病変の内視鏡診断においてEndocytoscopy は非常に有益な検査である。