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論文内容要旨

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Academic year: 2021

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論文内容要旨

論文題名

Coordinated Respiratory Motor Activity in Nerves Innervating the Upper Airway Muscles in Rats

(ラットの上気道構成筋群支配神経における呼吸性活動の協調)

掲載雑誌名

(巻・号・頁・掲載年)

Public Library of Science ONE (投稿中)

歯科麻酔科学 立川 哲史

内容要旨

【目的】血中二酸化炭素(CO

2

)濃度の上昇により動脈血液中の pH が低下 すると、中枢の化学受容器や末梢の化学受容器が興奮し、呼吸リズムを変 化させることが知られている。上気道を開存させておく筋肉には、上気道 自体を構成する舌根部(オトガイ舌筋や舌骨舌筋)、下咽頭収縮筋、気道の 直接の門である声門開大・閉鎖筋などがある。これらは横隔膜のように、

直接呼吸運動に関わるわけではないが、その横隔膜や胸隔の上下運動によ って生み出される気流を障害しないために、重要な役割を担っている。し かしながら、上気道の形態に影響を与える舌根部及び喉頭周囲筋の活動に 対する CO2 濃度上昇の影響の詳細は明らかでない。そこで、本研究では、

除脳ラット経動脈灌流標本を用いて、灌流液の CO

2

濃度のが、喉頭周囲筋 を支配する運動神経の活動にどのような影響を及ぼすのかを調べた。

【方法】実験には、生後 21~35 日齢のラット(80-140 g n = 15)を用い た。除脳ラット灌流標本を作製し、95% O

2

-5% CO

2

混合ガスで曝気した人 工脳脊髄液(pH7.4)を下行大動脈に挿入したカニューレを介して灌流さ せた。横隔神経(PN)、舌骨下筋群を支配する第一、第二頸髄神経の枝(CN)、

上喉頭神経(SLN)、舌根を支配する舌下神経(HGN)、声門の開大と、閉鎖を

支配する反回神経(RLN)から、吸引電極を用いて呼吸に同期した複合活動

電位を記録した。また、胸郭の運動を司る肋間筋を支配する、肋間神経

(ICN)からも同様の手順にて神経活動を記録した。

(2)

【結果】CO

2

濃度上昇により、呼吸数は有意に低下し、呼気時間は延長し た。吸気時間、及び PN における積分波形でのピークへの所要時間が短縮 された。神経活動の振幅は、記録した全ての神経において有意に増大した。

PN ( 130.3±3.3 % )、 CN(137.1±4.7 % )SLN ( 118.1±2.0 % )、

HGN(128.7±6.7%)、RLN(132.4±6.5%)。さらに、CN の神経活動に比べて、

PN の活動開始のタイミングが、CO

2

濃度の上昇により有意に遅れて記録さ れた。 (コントロール:0.28±0.03 秒、CO

2

濃度上昇:0.87±0.04 秒) 。ま た、SLN、HGN、RLN でも同様の傾向が見られ、CN の活動を起点として、そ れぞれ SLN(コントロール:0.076±0.024 秒, CO

2

濃度上昇:0.059±0.042 秒)HGN(コントロール:0.057±0.037 秒, CO

2

濃度上昇:0.031±0.107 秒)

RLN(コントロール:0.147±0.025 秒, CO

2

濃度上昇:0.404±0.061 秒)と、

遅れて神経活動が記録できた。その傾向の中でも、CN、SLN、HGN と RLN の間には有意な差が見られた。

ICN では、呼息相に活動が見られ、CO

2

濃度を上昇させた場合では、CN と ICN の神経活動開始のタイミング違いには相関性があった(r=0.63)。

【結論】横隔膜の呼吸性神経活動と協調して、CN、SLN、HGN、RLN、ICN の神経活動が記録できた。また、神経毎に CO

2

濃度に対する感受性の違い がある事がわかった。これは、吸気時に気道を開大させ、気流を阻害しな いよう、気道を確保する役割のためと考えられる。

また、CO

2

濃度の上昇により、上気道構成筋群や、胸郭の運動に変化を引

き起こしている可能性が示唆された。

参照

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