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ThePhotocatalysticallyAnti-bacteriaTitaniumSPARKT 光触媒抗菌チタンSPARKT

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Academic year: 2021

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(1)

Cutting of AKOT Sheet Cleaning Pickling (5% HF) Anodizing (1% H3PO4)

Wet Processing Heat Treatment (in Air)

SPARKT

100 80 60 40 20

00 0.5 1.0

UV Lighting Time  h

Survival Rate  %

1.5 2.0

まえがき=酸化チタン TiO2のアナターゼタイプは紫外 線(400nm 以下の波長を有する光)下で光触媒機能(本多

−藤嶋効果)を有することは良く知られている。

光触媒に酸化チタンを利用する方法としては粉末のア ナターゼ型 TiO2を利用している例が最近多く報告されて いるが1)2),粉末を金属および非金属の表面に固定するの が難しい。たとえば塗装方式で塗布した場合には塗料そ のものが有機物質であるため,酸化チタンの光触媒効果 によって塗料が分解されていくので長期安定性に不安が 残る。このため粉末系では表面固定法が検討されている。

金属チタンはきわめて耐食性に優れた材料であるが,

これはチタン表面の強固で安定な酸化膜 TiO2によって いる。通常の酸化膜は光触媒機能を有するアナターゼタ イプではなく,ルチルタイプと呼ばれるものである。ル チル型 TiO2は光触媒機能をほとんど有さない。そこで本 研究ではこの酸化膜をアナターゼタイプにするための表 面処理法を検討するとともに,えられたアナターゼ型 TiO2の光触媒能による抗菌性,有機物質や異臭・悪臭物 質の分解能力などについて調査した。

その結果,チタン材料としては AKOT(ASTM Gr.33,

34)が最適であることが判明した。AKOT に表面処理を 施して光触媒機能を付与したものは SPARKT として商 標登録されている3)

1.実験方法

当社が製造している各種チタン合金に対し陽極酸化法 によって形成させたアナターゼ型酸化チタン TiO2を検 討した結果,光触媒機能の大きい材料として第 1 表に示 す耐隙間腐食チタン合金 AKOT を選択した。AKOT の表 面処理工程を第 1 図に示す。脱脂,酸洗により表面を均 一活性化した後,陽極酸化によってまずベースのアナタ ーゼ型酸化チタン TiO2を形成させた。次に,さらにアナ ターゼ量を増加させるために湿式の表面処理をおこない

安定化加熱処理を実施した。光触媒効果は 360nm の波長 を有する紫外線灯(蛍光灯型)によって照射し,抗菌性,

異臭(悪臭)分解性,防汚性ならびに NOx低減能を評価 した。

2.実験結果

2.1 抗菌性(フィルム培養法)

第 2 図は大腸菌に対する抗菌効果を示す。照射後 30 分で 80% 近く,1 時間後では 90 数%まで減少している ことがわかる。また第 3 図は O-157 の例で,紫外線を 2 時間照射した後の SPARKT と通常の純チタンならびに ガラスの抗菌効果の比較結果である。初期菌数の 2 万個 台に比較して純チタン,ガラスでは倍前後に増加してい る。しかし光触媒機能を有する SPARKT はわずかに 20 個ときわめて効果が大きい。O-157 も大腸菌の一種であ るので,照射時間に対する変化は第 2 図の場合と同じよ うな減少を示すと推定される。同様に院内感染で問題に

mass%

Ni Pd Ru Cr H O N Fe

0.43 0.014 0.013 0.41 0.0030 0.08 0.004 0.013

■チタン開発 50 周年特集 FEATURE : The 50th Anniversary of Titanium Development

光触媒抗菌チタン SPARKT

伊藤喜昌(工博)・安永龍哉(工博)**・山田貞子(工博)***・上窪文生****・小川孝寿(工博)*****・斉藤俊夫(工博)*****

鉄鋼カンパニー・チタン技術部 **技術開発本部・材料研究所 ***技術開発本部・化学環境研究所 ****技術開発本部・開発企画部 *****㈱竹中工務店

The Photocatalystically Anti-bacteria Titanium SPARKT

Dr. Yoshimasa Ito・Dr. Tatsuya Yasunaga・Dr. Sadako Yamada・Fumio Kamikubo・Dr. Takatoshi Ogawa・Dr. Toshio Saito It is well known that anatase type TiO2has a strong oxidizing force under ultra-violet light irradiation, but that there is no way to supply stable TiO2 on the metal's surface. The anti-crevice titanium alloy AKOT

(ASTM Gr. 33)was selected from among the KOBELCO titanium alloys because of its stablity and high anatase type TiO2 volume after anodizing and special surface treatment. Surface treated AKOT displayed effective anti-bacteria, deodorization, anti-fouling, and NOXdegradation charachteritics under ultra-violet light

(360mm wave length).The resistered name of the surface treated AKOT is SPARKT.

第 1 図 SPARKT の表面処理プロセス

Fig. 1 Flow of surface treatment process in SPARKT

第 1 表 試験材(AKOT)の化学組成

Table 1 Chemical composition of testing material(AKOT)

第 2 図 大腸菌に対する抗菌効果

Fig. 2 Anti-bacterial effect of lighting time in E-coli.

神戸製鋼技報/Vol. 49 No. 3(Dec. 1999) 65

(2)

SPARKT (after 2h) KS50 (after 2h) Glass (after 2h)

0 1 2

×104  CFU/ml

3 4 5

20

46 000 32 000

SPARKT (after 2h) None

340

1 000 KS50

(after 2h) Glass (after 2h)

0 2 4

×102  CFU/ml

6 8 10

−50 0 50 100 150 200 Time  min

HCHO Concn.  ppm CO2 Concn.  ppm

200 150 100 50 0 0

20 40 60 80 100

HCHO

CO2

120

0 50 100 Time  min

CH3CHO Concn.  ppm CO2 Concn.  ppm

150 200 250 550 500 450 400 350 300 250 200 150 100

80 60 40 20 0

CH3CHO

CO2

20 16 12 8

4 1 2

Time  h NOx Absorption Rate    +NOx Oxidation Rate %

3 4 5

0

なっている MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)に ついて,公的研究機関での試験結果を第 4 図に示す4) 2 時間照射において純チタン,ガラス上では数百以上の 菌数が存在するが,SPARKT 上ではゼロにまで減少し ている。これらの試験は紫外線光量 300μw/cm2の環境 下で実施されており,自然状態では窓辺での太陽光,人工 状態では蛍光灯(昼光色)直下の条件に対応している。

2.2 異臭(悪臭)分解性

SPARKT は水酸ラジカル(・OH)の強力な酸化作用 により有機物系の悪臭・異臭の分解が可能であった。こ こでいう悪臭・異臭とは屋内の新建材,接着剤から出て くるホルムアルデヒド,タバコ煙に起因するアセトアル デヒド,家庭ゴミなどで発生するメチルメルカプタンな どである。いずれも C,H,O から成る有機異臭で,水酸 ラジカルによって CO2と H2O に分解する。第 5 図は新 建材で数値規制も検討されているホルムアルデヒドの場 合であるが,未照射(横軸 0 時間まで)で吸着作用に よって減少するとともに,紫外線照射後は 20 分位で分 解消失している。このホルムアルデヒドの減少に呼応し て CO2が増加している。第 6 図はアセトアルデヒドの例 であるが,ホルムアルデヒドの場合と同様吸着による減 少に引き続いて紫外線を照射をすると約 3 時間で分解さ れている。

2.3 防汚性

水酸ラジカルは油分や有機系の表面汚れに対しても分 解作用を有した。太陽光下の油分試験でも通常の純チタ ンでは油分に変化がなく,ほこりやゴミなどが付着して 汚く変化するのに対して,この SPARKT では 3 日後か ら油膜帯が減少し 5 日後には痕跡もなくなった。有機赤 色素(サフラニン)水に金属板を入れた例でも約 5 日で 色が消失している。これらの変化はいずれも有機の物質 が CO2と H2O に分解した結果である。

2.4 NOx低減能

ジーゼルエンジンの排気ガスなどが原因となっている NO,NO2もこの光触媒作用で減らすことができた。紫外 線の存在下,光触媒作用によっ て NO は NO2に,NO2

はさらに酸化されて NO3に,NO3は環境下の水分と反応 して硝酸水になり,戸外では雨水とともに流れ去ること になる。この SPARKT における実験では第 7 図に示すよ うに初期には吸着作用も含めて高い NOx低減能があり,

吸着能の分がなくなった後も一定レベルで NOx低減能 を維持している。しかし,この実験は w 50×h 5mm とい う限られた断面を持つ空間内に SPARKT を置いたケー スであるので,道路のように無限遠の空間が上部にある

場合には低減効率は下がることになる。また,気体の流 れが早くなった場合も効率は同様に低下する。

3.考察

3.1 AKOT の組成と生成アナターゼ量

同じチタン材料であるが,純チタン(Gr.2)と高機 能抗菌チタンではとくに抗菌性で大きな差が認められ た。この原因としてまず SPARKT のベース材である KS 50AKOT(ASTMGr.33)の合金組成が考えられる。第 1 表の組成からもわかるとうり,AKOT には純チタンに含 まれていない Cr,Ni,Ru ならびに Pd が入っている。陽 極酸化状態での表面を SEM 観察した結果を写真 1およ び写真 2に示す。純チタン(写真 1)では結晶粒に対応

第 4 図 MRSA に対する抗菌効果

Fig. 4 Comparison of anti-bacterial effect in MRSA 第 3 図 O-157 に対する抗菌効果

Fig. 3 Comparison of anti-bacterial effect in E-coli O-157

第 5 図 ホルムアルデヒドの分解

Fig. 5 Decomposition of HCHO under UV lighting

第 6 図 アセトアルデヒドの分解

Fig. 6 Decomposition of CH3CHO under UV lighting

第 7 図 抗菌チタンの NOx低減能

Fig. 7 Degradation of NOxunder UV lighting

KOBE STEEL ENGINEERING REPORTS/Vol. 49 No. 3(Dec. 1999)

66

(3)

30 000

20 000

10 000

0100 300 Matrix Precipitant

Raman Strength  10sec

500 Raman Shift  cm−1

700

Upper Anatase Layer / Heat Treated Lower Anatase Layer / Anodized

Substrate / AKOT

Precipitant 1 000

500 100 50

10 5 1

Precipitant Matrix 10μm 106(Pd)

52(Cr) 58(Ni)

Distance

Secondary Ion Strength

したゆるやかな凹凸がみられるが,処理された AKOT(写真 2)では表面に 1μm 以下の微細な析出物が無数に見られ る。

これらの析出物を 2 次イオン質量分析法(SIMS)に て組成を調べた結果を第 8 図に示す。フラットな母相 に対して,析出相では Cr,Ni が高く,Pd も高い傾向を 示している。さらにアナターゼ量をレーザーラマン分光 法にて解析すると第 9 図に示されるようにアナターゼ ピークのある 120cm−1において析出相では母相の数倍 になっている。このことが純チタンに比較して AKOT のほうがアナターゼ総量を多くしていると考えられる。

3.2 SPARKT における光触媒の機構

AKOT の表面酸化処理によりアナターゼ型 TiO2を形 成させた抗菌性を有する SPARKT の断面構造は第 10 図 のように推定される。すなわち,チタン基盤には内部も 含めて Ni,Cr や Ru からなる析出相があり,これを囲ん で埋めるようにしてアナターゼ型の TiO2が形成されて いる状態である。これに紫外線があたると表面では光触 媒反応に関与する電子を放出し,その結果として正孔が できる。この反応が連続して起こることにより光触媒反 応が持続される。Ni,Cr,Ru などの析出物は表面または 表面近傍において紫外線下で表面を電気化学的に不安定 な状態にし,この正孔の消滅が抑制されていると考えら

れる。正孔近傍で水分(大気中の湿分)があると,酸化 サイトでは・OH(水酸ラジカル)が,還元サイトでは・

O2

(スーパーオキサイド)ができ,主に・OH が周辺の 細菌,有機物の酸化をおこなっている。したがって,

SPARKT にはこの反応サイクルを効率的に起こしえる 構造体が形成されているといえる。

むすび=光触媒抗菌チタン SPARKT は紫外線光下で,

高効率の抗菌性を有し,有機化合物系の異臭・悪臭を分 解できる。これらの機能材としては十分な能力をもって いるといえる。いっぽう,表面の TiO2をアナターゼ型に するとカラーチタンと同じように干渉色の発色が現われ るが,この色の変化を積極的に利用すれば内装材,外装 材として建築関係にも展開が開ける。

1 ) 藤嶋 昭ほか:光クリーン革命,シーエムシー,(1997). 2 ) 工業材料「光触媒酸化チタン」,Vol.45, No.10(1997). 3 ) 商標登録,第 4182680 号, SPARKT .

4 ) 財団法人,日本食品分析センター報告,(1997). 第 8 図 SIMS 分析結果

Fig. 8 SIMS profile of anodized surface in AKOT

写真 1 陽極酸化処理後の純チタン SEM 像 Photo 1 SEM image of anodized surface in C. P. T.

第 9 図 ラマン分析結果

Fig. 9 Laser-Raman profiles of anodized surface in AKOT

写真 2 陽極酸化処理後の AKOT SEM 像 Photo 2 SEM image of anodized surface in AKOT

第 10 図SPARKT の断面形態

Fig. 10 Schematic cross-section structure of SPARKT

神戸製鋼技報/Vol. 49 No. 3(Dec. 1999) 67

Table 1 Chemical composition of testing material(AKOT)
Fig. 4 Comparison of anti-bacterial effect in MRSA第 3 図O-157 に対する抗菌効果
Fig. 9 Laser-Raman profiles of anodized surface in AKOT

参照

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