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Academic year: 2022

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(1)

      蒲生ラグーンアシ原の減少傾向とその要因

東北学院大学工学部  学生員  ○大森  健一 東北学院大学工学部  学生員    民部田敬志 東北学院大学大学院  学生員    髙橋  修平 東北学院大学工学部  正  員    上原  忠保

1.はじめに

蒲生ラグーンの右岸側にあるアシ原は養魚場からの排水をストックして徐々にラグーン内へ供給し、鳥類のす みかとなるなど、重要な役割を担っている。しかし、アシ原の前進は陸地化を進行させ、底生生物の生息域であ る水域面積の減少につながる。蒲生ラグーンのアシ原についての研究は1996年と2007年にも行っている。2008 年〜2009年には右岸側に津波堤防が築造され、アシ原に変化が見られた。本研究では蒲生ラグーン右岸側アシ原 の生育状況の変化とその要因について検討する。

2.観測概要

図-1は蒲生ラグーン平面図と観測地点である。赤い枠で囲 まれた地点が研究対象となる右岸側アシ原であり、導流堤か らの距離によって観測地点を表している。

本研究では、蒲生ラグーン 220m〜460m 地点右岸側アシ 原において水準測量と採泥を行い、地形、底質、アシの変遷 状況を調査した。底質の調査項目は強熱減量、シルトクレイ 含有率、平均粒径である。

また、400m 観測地点および養魚場排水門前において塩分 の連続観測を行い、400m地点の水位との関連を調べた。

3.観測結果および考察

図-3 は蒲生ラグーン右岸側アシ原における底質(堤防付近を 除く)をアシの状態によって分類したものであり、2009 年 11 月から 12月にかけてのデータである。堤防付近の底質を除い ているのは、堤防築造にあたって外部の土を使用した可能性を 考慮したためである。ここから、アシ生育部では強熱減量とシ ルトクレイ含有率が低く、平均粒径が大きい傾向があり、アシ 消失部ではその逆の傾向が見られる。また、アシ生え際では両 者の中間の傾向が見られる。これは、底質が泥っぽいとアシが 根をはれずに腐ってしまうためである。

図-4は蒲生ラグーン400m地点右岸側アシ原における地形の経年変化であり、1991年度、1996年度、2006年 度、2007年度、2009年度のデータである。ここから、1991年度と比較すると他の年の地盤高が高くなっている が、それ以外に大きな変化は見られない。

図-1  蒲生ラグーン平面図と観測地点

図-2  底質のアシの状態による分類 220m〜460m右岸側アシ原 2009年11月〜12月 堤防付近を除く 右岸側アシ原

0m 400m 800 距離(m)

導流堤

排水門

蒲生ラグーン 400m観測地点

80 60 40 20 0

0.4 0.3 0.2 0.1

アシあり アシなし アシ生え際 0

強熱減量・シルトクレイ含有率(%)

強熱減量

シルトクレイ含有率 平均粒径

平均粒径(mm)

キーワード:蒲生ラグーン・アシ原・津波堤防・底質・地形・塩分

〒985-8537  宮城県多賀城市中央一丁目13番1号  Tel:022-368-1115

養魚場

(1) (2)

II-3

土木学会東北支部技術研究発表会(平成21年度)

(2)

図-3 は蒲生ラグーン 400m 地点と養魚場排水門前における塩分 および400m地点における水位の時間変化であり、2009年7月15 日から2009年7月19日までのデータである。ここから、養魚場 排水門では、低潮時は塩分が非常に低いものの、水位が上昇してい くに従って侵入塩水によって塩分が増加していることが分かる。排 水門とラグーンにはさまれているアシ原にも影響があると考えら れる。

図-5は蒲生ラグーン220m〜460m右岸側アシ原におけるアシの 分布状況であり、2009 年 11 月から 12 月のデータである。1996 年度はほぼ全域にアシが分布していたが、津波堤防の周辺をはじめ、

かなりの部分でアシがなくなっていることが分かる。

図-6 は蒲生ラグーン 400m 地点右岸側アシ原におけるアシの変 遷であり、1996年度、2006年度、2007年度、2009年度のデータ である。ここから、1996 年度と比較すると他の年度ではラグーン 側でアシが衰退していることが分かる。また、1996 年度や 2007 年度と比較すると、2009 年度では堤防側でアシが衰退しているこ とが分かる。

4.おわりに

本研究を行うにあたり、東北学院大学工学部職員高橋宏氏、

ならびに水理学研究室の諸氏に観測や資料整理において大変 お世話になった。ここに記して、感謝の意を表する。

今後、津波堤防築造によるアシ原への影響を調べていく必要 がある。

参考文献:(1)上原・高橋・荻野:蒲生ラグーン周辺のアシ 原の変遷と水理,土木学会第 50 回年次学術 講演会,Ⅱ-33,1997.

(2)佐藤・上原:蒲生ラグーンのアシ原の変遷と 水理,平成19年度土木学会東北支部技術研 究発表会,Ⅱ-10,2008.

図-6  蒲生ラグーン400m地点右岸側アシ原 におけるアシの変遷  1996年度~2009年度

右岸からの距離(m)

0 20

40 60

80 右岸からの距離(m) 4

地盤高(m) 0 2

T.P.

0 20

40 60

80 右岸からの距離(m) 4

地盤高(m) 0 2

T.P.

右岸からの距離(m) 20 0 40

60 80

4

地盤高(m) 0 2

T.P.

0 20

40 60

80 4

0

地盤高(m)

2 T.P.

T.P.

400m塩分 排水門塩分 400m水位

0 10 20 30 40 50

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0

塩分 水位(m)

H21/7/15

00:00 H21/7/17

00:00 H21/7/19

00:00 図-4  塩分と水位の時間変化 時間

400m  排水門 図-3  地形変化 

      220m〜460m地点右岸側アシ原       1991年〜2009年

4

3 2 1

080 60 40 20 0

地盤高(m)

右岸からの距離(m) 平成3年度

平成8年度 平成18年度 平成19年度 平成21年度

図-5  アシの分布状況  220m〜460m右岸側アシ原   2009年11月〜12月

220m

蒲生ラグーン 460m

(d)2009年度 (c)2007年度 (b)2006年度 (a)1996年度 土木学会東北支部技術研究発表会(平成21年度)

参照

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