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令和元年度鉱物資源開発の推進のための探査等事業 ( 鉱物資源基盤整備調査事業 ( 鉱物資源確保戦略策定に係る基礎調査 )) 報告書 令和 2(2020) 年 3 月

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(1)

令和元年度鉱物資源開発の推進のための探査

等事業(鉱物資源基盤整備調査事業(鉱物資源

確保戦略策定に係る基礎調査))報告書

(2)

目次

I. 調査対象鉱種の選定

II. 鉱種毎の需要と供給の市場動向

III.我が国の鉱物資源政策の分析

IV.各国(特に欧米)の戦略的な資源確保戦略の分析

V. 鉱種毎のリスクの定量化手法による類型化及び対応する政策パッケージの構築

VI.鉱種毎の政策提言

(3)

事業目的

脱石油・省エネルギー社会の指向や地球温暖化等の環境対策等を背景に、 次世代自動車等の本格普及に向けた取組が各国で進められつつ

あり、 次世代自動車等に用いられるリチウムイオン電池や電動モーターに用いられる ネオジム磁石の製造には、リチウム、コバルト、ニッケル、

グラファイト、レアアース等の鉱物資源が必要不可欠である 。 併せて、今後のIoTや5G等の次世代通信インフラの普及に伴い、タンタル、インジ

ウム、フッ素(蛍石)等の高機能製品に必要不可欠な鉱物資源も需要増加が見込まれており、加えて、 レアアース、タングステン、アンチモン等

の鉱物資源は、世界生産量の大宗を中国に依存している。 これらのレアメタルは、産業競争力の維持だけでなく、安全保障上もその調達リスク

を軽減することが必要とされる一方で、我が国はその大宗を輸入に依存しており、今後の需要増加に伴い供給リスクの顕在化が予想されること

から、当該資源の安定供給を確保していくことが我が国にとって非常に重要な課題である。

鉱物資源の安定供給確保に向けては、 第27回総合資源エネルギー調査会資源・燃料分科会報告書(令和元年6月)において、 レアメタルにつ

いては今後の次世代自動車や通信インフラ等の普及に伴って需要が拡大する上、安全保障上も重要であることから、その安定供給の確保を進

めることが必要と指摘された。特に、こうしたレアメタルは鉱種が多岐に渡り、 個々の鉱種毎に需給構造、市場動向等が異なり、それに応じた具

体的な方策も異なり得ることから、 個別鉱種についてリスクの洗い出しと類型化を行うこと、及び個別鉱種の特性を踏まえた適切な政策対応の

検討が必要であるとされた。今後、こうした議論を踏まえて資源エネルギー庁資源・燃料部において、「

新国際資源戦略

」の策定が予定されてい

るところ、 これらの戦略を踏まえた各種情報収集・分析及び対応する政策の検討を行うことが本事業の趣旨である。

本事業においては、我が国の主要産業にとって重要度が高く、今後の我が国における大幅な需要増加が見込まれ、かつ安全保障上も重要であ

ると考えられる鉱物資源について、世界及び日本の需要側と供給側の動向、我が国への供給構造(サプライチェーン)等といった現状について把

握した上で、 重要な資源国のカントリーリスク、市場規模や健全性、鉱業に関するガバナンス、各資源プロジェクトのポテンシャル等の供給リスク

に対する分析・数値化を行う。併せて、米国、中国、欧州等の世界の需要国側の政策等の最新動向を念頭におき、我が国の安定供給における

鉱種毎のリスクの洗い出しを行う。 なお、そのリスク分析に対しては、資源エネルギー庁で実施した平成29年度鉱物資源開発の推進のための

探査等事業(鉱物資源基盤整備調査事業(鉱物資源の供給安定性評価調査)の結果も活用することを想定する。また、各関係業界から入手した

独自の最新情報等を収集・分析することを前提とする。最終的には、この分析結果を元に抽出された課題に対応する、鉱種毎の特性に合わせた

安定供給確保政策を具体的に洗い出し、鉱種特性に合わせた課題と政策を定量的に類型化する。 さらに、鉱種毎に政策対応を類型化する考え

方を活用し、我が国の次期資源確保戦略の策定に資することで、今後の脱石油・省エネルギー社会に向けて、我が国の産業競争力の維持、及

び安全保障上においても必要不可欠な鉱物資源の安定供給確保を図ることを目的とする。

事業の目的

(4)
(5)

調査対象とする鉱種(5鉱種)

フッ素(

F)

リン(

P)

ガリウム(

Ga)

タングステン(

W)

パラジウム(

Pd)

用途

フルオロカーボン

(冷媒、発泡剤等)

フッ素樹脂原料

洗浄・表面処理剤

鉄鋼用フラックス

化学肥料

食品添加剤

半導体

コンデンサ

半導体材料

LED、LD、CIGS、

高周波デバイス、

高出力デバイス)

超硬工具

特殊鋼(ハイス等)

/棒/接点/電極

(照明、電子機器、

自動車、工作機械)

自動車用触媒

化学触媒

歯科用材料

配線パターン

供給量(世界)

2,920千トン

26,300千トン

315トン

95,000トン

289トン

国内供給量

119千トン

178千トン

165トン

9,989トン

89トン

輸入量

119千トン

182千トン

94トン

8,655トン

60トン

輸入相手国

中国

81.7%

メキシコ

9.7%

ベトナム

5.4%

モンゴル

2.6%

中国

38.5%

ベトナム

32.7%

南アフリカ

10.0%

ヨルダン

6.1%

モロッコ

5.7%

中国

61.9%

ロシア

6.4%

米国

5.3%

台湾

5.3%

ドイツ

5.3%

中国

80.6%

ベトナム

18.7%

ドイツ

0.6%

南アフリカ

27.3%

ロシア

26.0%

北米

9.7%

その他・備考

国内ではメキシコ産

は品質的に使用不可

需要の

8割が肥料

日本は全量輸入

Ga鉱石は存在せず、

AlやZnの副産物

92%が中国で生産

日本が最大の消費国

95%が中国で生産

*1:フッ素の輸入量は蛍石とフッ化水素の合算値 *2:リンの輸入量はリン鉱石、黄リン、リン酸の合算値 *3:タングステンの輸入量はATPの輸入量 *4:いずれも2017年時点データ

(6)
(7)

蛍石(フッ素)の供給動向

蛍石(

CaF2)の鉱石生産量の推移

グレード別の供給動向

63.3% 蛍石(CaF2)の埋蔵量と生産量(2017年)

 蛍石は埋蔵量270,000千tに対し、近年は

約6,000千tの生産

で安定的に推移

 蛍石生産の

6割超を中国が占めており

、メキシコ、モンゴル、南ア等が続く

 蛍石は浮遊選鉱を通じて品位が高められた「

アシッドグレード

」と、CaF2含有率

が97%以下の「

冶金・セラミックグレード

」に大別

 フッ化水素の製造には「アシッドグレード」が用いられるが、「アシッドグレード」の

蛍石は主に中国産、「冶金・セラミックグレード」はメキシコ産が中心。そのため、

主な国内需要であるフッ化水素向けではメキシコ産は使えず、中国に依存

 近年は中国の最大産地であった浙江省で資源が枯渇しつつあり、

江西省や福建

省に産地がシフト

している傾向も

 中国の環境規制強化による鉱石採掘コストの上昇も散見

出所)US Geological Survey

(8)

蛍石(フッ素)の供給動向(中国)

2014年のWTO敗訴を受けて輸出規制を撤廃するとともに、下流産

業の管理を強化(参入条件の公布による参入企業の管理)

 第12次5か年計画(2011年~2015年)では、安価な原料・素材生産

から付加価値の高いフルオロカーボン類などの加工した製品へとシ

フトしていく方針を発表(

蛍石輸出減、フッ化水素輸出増

 中国で蛍石の輸出減少が予測される中、

南アフリカでSepFluor社

が開発を再開

。但し、副産物として産出する石膏は赤色に着色して

いるため、日本では工業的利用ができていない

輸出管理の強化 WTO提訴を受け国内生産管理の強化へ移行 WTO敗訴を受けた輸出規制の撤廃下流産業の管理強化 2000 2005 2010 2015 2020 ■ 中国産蛍石の世界シェア

54.2%

51.7%

65.3%

66.0%

蛍石輸出減少と他国台頭でシェア低下? ■ 日本のフッ化水素輸入量

0.05純分千t

53純分千t

70純分千t

87純分千t

高付加価値政策でさらに増加? 中国鉱産資源白書の発表 2003 欧米墨によるWTO提訴 2009 WTO決定の受入表明 2013 中国の日本向け品目別輸出 出所)財務省貿易統計(JOGMEC「鉱物資源マテリアルフロー」)

(9)

蛍石の需要予測推計(参考値)

出所)European Comission「Critical Raw Materials Profiles」等の各種資料を参考に三菱UFJリサーチ&コンサルティング推計

(千t)

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

8,000

9,000

2014

2015

2016

2017

2018

2019

2020

2021

2022

2023

2024

2025

フッ化水素酸

鉄鋼フラックス

アルミニウムフラックス

その他

(10)

蛍石(フッ素)の国内需要動向

キガリ改正に基づく国全体の代替フロン消費量限度の変化

国内の半導体生産量と生産金額

蛍石(CaF2)の国内需要(2017年)

 需要の約4割がフルオロカーボン(冷媒、発泡剤、洗浄剤など)

 モントリオール議定書キガリ改正により、

2019年からHFCも生産量・消費

量削減が義務付け

られたため、代替フロンは減少の見込み

(イソブタン、CO2等へ移行。HFC32やHFO系の場合には需要は継続)

 フッ素樹脂やフッ素ゴムは自動車部品の需要が多いが、EV化に伴い耐

腐食性が不要になれば、他素材へ代替される可能性

 半導体洗浄剤(ウェットエッチング、ウェット洗浄)は新規設備の導入が進

まなければ需要増加は見込みにくい(半導体生産量は横ばい)

5G対応においては、基板材料の低伝送損失化が求められており

PTFE

が有力視

。LIB電解質にもLiPF6が使用されるなど需要拡大分野も

*鉄鋼用フラックスの需要量は冶金・セラミックグレードの輸入量 2029年以降に70%の代替フロン使用量削減が必要 需要 155千t 出所)財務省貿易統計(JOGMEC「鉱物資源マテリアルフロー」)

(11)

蛍石(フッ素)の輸入動向

品目別輸入量の推移

蛍石(

CaF2)及びフッ化水素の輸入相手国(2017年)

蛍石(CaF2)及びフッ化水素の輸入相手国(2017年)

 輸入量全体の8割超、

フッ化水素の99%超を中国に依存

 中国の高付加価値政策に伴い、2009年を境に蛍石の輸入は減少し、

フッ化水素での輸入が増加

 中国に次ぐ輸入相手国はメキシコだが、メキシコは蛍石の「冶金・セラミッ

クグレード」の輸入先であるため、中国の代替は不可

 蛍石からフッ化水素を生産する国内企業は3社のみ。一方、フッ化水素

の需要家は8社に及ぶため、輸入に依存している状態(各社ともに国内

設備の老朽化や生産効率悪化に伴い、中国依存にシフト)

 中国は蛍石の輸出奨励策である輸出増値税7%の還付を2004年に廃止。

その後、輸出関税を引き上げていったため、

国内の多くのフッ化水素生

産企業は中国での現地生産(中国企業との合弁会社設立)に切り替え

輸入 145千t 50%以上 25%以上 10%以上 5%以上 81.8% 9.7% 5.4% 出所)財務省貿易統計(JOGMEC「鉱物資源マテリアルフロー」) 出所)財務省貿易統計(JOGMEC「鉱物資源マテリアルフロー」)

(12)

蛍石(フッ素)の流通フロー

蛍石(CaF2) 冶金・セラミックグレード メキシコ、中国、モンゴル アシッドグレード 中国(63%)、ベトナム(36%) CaF2品位 97%以下 CaF2品位 97%超 海外 国内 フッ酸 (フッ化水素酸) 中国(99%) 特殊鋼全般 (日本国内で生産されるフッ酸) (中国等で生産されるフッ酸) 半導体・液晶・ 太陽電池 ガラス ステンレス鋼板等 空調冷凍機器 フッ素樹脂 ウレタン樹脂等 リ サ イ ク ル フッ酸 (フッ化水素酸) 森田化学工業 ステラケミファ 三菱マテリアル フロン類 (フルオロカーボン) セントラル硝子 日本ハネウェル AGC 26千トン 22千トン 97千トン

(13)

リンの供給動向

リン鉱石の生産量の推移

リン鉱石の品位(

BPL)別生産比率の推移

リン鉱石の埋蔵量と生産量(2017年)

 リン鉱石は埋蔵量700億tに対し、2017年の生産量は2.7億t

 リン鉱石生産量は

中国が53.2%で約半数

を占め、その後米国、モロッコが続く

 リン鉱石の生産量は増加傾向にあるが、増加分はほとんど中国の増加分であり、

中国はこの15年間でリン鉱石の生産量を5.7倍まで増加

させている

 リンの主要用途は肥料であるため、

食料政策に係る戦略物資として生産国は自

国内の需要を優先

する傾向。食糧生産の増加を受けて需要は増加しており、

将来的にリン鉱石の入手が困難になる可能性

 大手肥料メーカーや商社では海外の鉱山プロジェクトへの出資や、工業用に加え、

肥料用リンの取扱いを新たに検討したりする動きも

 経済的に採掘しやすい鉱区の減少により高品位品の生産が減少しており、鉱石

価格の上昇および低品位鉱石の活用が課題

出所)US Geological Survey

(14)

リンの国内需要動向

世界と日本のリン系肥料(

P2O5)使用量推移(単位:成分トン)

リンの国内需要の推移

リンの国内需要(2017年)

 需要の約8割が肥料(リン酸質および複合肥料)

 工業用の20%程度が添加剤等の食品関連であり、残りが

半導体

コン

デンサ

表面処理

など

 施肥の適正化や技術向上によって

肥料の需要は微減傾向

にあり、

工業

用についても今後の増加が見込まれる分野は少ない

 フッ素と同様にリチウムイオン電池では電解液(LiPF6)で使われている

ほか、中国等では正極材量(LFP:リン酸鉄リチウム)としても活用(但し、

日本でのLFP生産は微量)

 但し、需要量は停滞しても半導体や表面処理の分野では不可欠であり、

肥料用だけでなく工業用としても全量輸入の現状はリスク

需要 182千t 中国の関税 引き上げ 出所)JOGMEC「鉱物資源マテリアルフロー」

(15)

リンの輸入動向

品目別輸入量の推移

リン鉱石、黄リン、リン酸の輸入相手国

リン鉱石、黄リン、リン酸の輸入相手国(2017年)

 中国、ベトナム、南アで輸入量の8割超を占める

 かつてリン鉱石の主要輸入先であった

米国は1996年にリン鉱石を戦略

物資として輸出禁止

 代わって主要輸入先となった

中国は2008年に四川大地震の影響により

採掘が困難になったこと等から120%の特別輸出税

を創設

 その後関税は緩和されたものの、農産物輸入国となった中国では、肥料

の内需拡大に合わせてリン資源確保を優先する政策を取っており、リン

の輸出は減少傾向(

黄リンは中国の減少分をベトナムで代替

 湿式法の場合にはリン鉱石から、乾式法の場合にはリン鉱石、黄リンを

経て生産される

リン酸については、依然として輸入量の96%を中国

が占

める

輸入 63千t 50%以上 25%以上 10%以上 5%以上 38.5% 32.7% 5.7% 6.1% 10.0% 出所)財務省貿易統計(JOGMEC「鉱物資源マテリアルフロー」) 出所)財務省貿易統計(JOGMEC「鉱物資源マテリアルフロー」)

(16)

リンの流通フロー

海外 国内 粗リン酸・リン酸 中国(96%) 肥料・飼料 食品等添加物 表面処理 半導体 コンデンサ リチウム イオン電池 26千トン リン鉱石 中国(27.3%)、南ア、ヨルダン 黄リン ベトナム(91%)、中国 (乾式法) リン酸塩 16千トン 日本燐酸 セントラル硝子 粗リン酸 (国内は湿式法のみ) 東洋燐酸 東ソー (主に肥料用) (主に工業用) リン酸アンモニウム (リン安) 日本化学工業 ラサ工業 (黄リンを原料とした乾式リン酸) リン酸 21千トン

(17)

ガリウムの供給動向

ガリウムの国内供給動向

ガリウムの用途別需要推定

国別バージンガリウム(4N)の生産量(2017年)

 アルミニウム、亜鉛の副産物であり、主産物の生産水準により産出量が

決まる(特に

アルミ精錬の副産物が主流

であり、Ga鉱石は存在しない)

 地金生産量の62%を中国が占めるが、

Gaはリサイクル率が非常に高く、

35%が再生地金

(最大需要のGaAs基板では約半数がリサイクル)

 バージンメタルの供給に限ると、中国のシェアが94%を超えており、中

国への依存度が高い。国内でも

DOWAグループが亜鉛精錬の副産物

として3t/年程度生産

しているほか、世界最大のGa消費国であるため

生地金の生産量も70t/年程度

と多く、主要産出国といえる

2015年途中に破綻した中国の民間取引所(Fanya)に

Ga需要の1年分

にあたる198tの在庫

があり、破綻後もそのまま塩漬け状態とされる

 化合物半導体では6N以上の高純度品が用いられ、全需要の約半数

生産 389t

出所)US Geological Survey

(18)

ガリウムの国内需要動向

ガリウムの用途別需要推定

化合物半導体材料の用途別出荷額(単位:百万円)

化合物半導体材料の結晶別出荷額(2017年)

 ガリウムの国内需要内訳は不明だが、

総需要は約150t/年

で推移してお

り、6N以上の高純度品が約80tを占める。国内需要は世界のGa供給の

約40%にあたり、

日本が世界最大のGa消費国

となっている

 最大の用途は

GaAs系およびGaP系の半導体材料

であり、赤・赤外LED

材料や、主に

通信用途で用いられる高周波デバイス・高出力デバイス向

の半導体材料として存在感を増している

 その他、照明やTVのバックライトに使われるGaN系の白色LED材料であ

るトリメチルガリウム(TMG)、CIGS太陽電池、特殊磁石の添加剤、パネ

ル向けTFT材料(IGZO)等で用いられる

VCSELや

5G等の今後伸長が予測される分野で不可欠な材料

であり、需

要の増加が予測される

26,230 百万円 出所)工業レアメタル

(19)

ガリウムの輸入動向

ガリウムの輸入量推移(国内再生地金を含んでいない)

ガリウムの輸入相手国(国内再生地金を含んだ場合)

ガリウム(2N~7N)の輸入相手国(2017年)

 輸入量では

中国が69%を占める

が、国内で供給される

再生地金を含め

ると中国への依存度は約40%まで減少

2011年に青色LED、CIGS太陽電池、新型液晶(IGZO)などGaに関する

明るいニュースが続発し需要が急増したが、それを察知した中国アルミ

大手が大増産し、市場シェアを独占

 かつては米国や台湾、ロシアなどからの輸入も多かったが、中国の増産

によって生産停止した国もあり、近年は

中国からの輸入量が増加傾向

 今後のGa需要は中国での太陽光パネルへの補助政策やファーウェイ問

題の行方、環境規制強化など中国の影響に左右される部分が大きく、そ

れが国内の輸入動向にも大きな影響を与える可能性

輸入 162t 50%以上 25%以上 10%以上 5%以上 40.1% 出所)財務省貿易統計(JOGMEC「鉱物資源マテリアルフロー」) 出所)財務省貿易統計(JOGMEC「鉱物資源マテリアルフロー」)

(20)

ガリウムの流通フロー

海外 国内 可視LED LD 高周波デバイス 高出力デバイス ガリウム地金 中国(69%)、ロシア、米国 地金精製 GaAs、GaPGaN アルミナ製錬 副産物 亜鉛製錬副産物 赤外LED 紫外線LED 3トン DOWA 亜鉛製錬 副産物 再生地金精製 94トン DOWA 住友化学工業 ラサ工業 日亜化学工業 DOWA (GaAs、GaN) 住友化学 (GaAs、GaN) 信越化学 (すべて) 日亜化学 (GaN) 昭和電工 (GaAs、GaP) 豊田合成 (GaN) 三菱化学 (すべて) 住友電工 (GaAs、GaN) 68トン

(21)

タングステンの供給動向

タングステン鉱石の生産量推移

タングステンの地域別需要(

2012年)

タングステン鉱石の埋蔵量と生産量(2017年)

 主要鉱石は鉄マンガン重石や灰重石であり、アルカリによる分解浸出後、アン

モニア水と接触させてタングステンを逆抽出し、パラタングステン酸アンモニウ

ム(APT)を生成。イオン交換樹脂法でも分解浸出液からAPTを生成可能

APTを加熱することで三酸化タングステンが得られ、それを水素中で還元した

ものが金属タングステン(粉)となる

 タングステンは埋蔵量、鉱石生産量ともに中国が高いシェアを有しており、直

近の

鉱石生産量では中国が95%超

を占める

 従来から中国が鉱石生産の大部分を占める構図は変わっていない

2012年の推計値ではあるが、

中国はタングステンの需要もトップで、タングス

テン生産量の56%を消費

。一方、日本は世界全体の需要の11%を占める

出所)US Geological Survey

(22)

タングステンの国内需要動向

タングステンの国内需要量推移

タングステンの国内供給の推移

タングステンの国内需要(2017年)

 需要の約8割が超硬工具であり、14%が特殊鋼向け

 過去の推移を見ても

超硬工具が需要の8割程度を占めてきた構図は変

わらず

、超硬工具の最大の需要先である自動車産業の動向に影響を受

けやすい

 ガリウムと同様にタングステンも2010年以降、国内の超硬工具等の回収

が進み、

リサイクルによって賄われる比率が増加

(供給量の9.2%)

 超硬工具の需要は横ばいで推移すると見込まれるが、

長期的にはEVの

普及に伴いエンジン部品が削減されることで需要は減少

と予測

 医療器具や航空機向けで需要伸長も期待されるが、自動車の減少分に

は及ばない見込み

需要 6,967t リーマンショック の影響? 出所)経済産業省「鉄鋼・非鉄金属統計」

(23)

タングステンの輸入動向

品目別輸入量の推移(国内再生地金を含んでいない)

タングステンの輸入相手国(鉱石、

ATP、FeW)

タングステン鉱石、ATP、FeWの輸入相手国(2017年)

 輸入量では

中国が74%

を占め、その後に

ベトナムが20%

で続く

 品目別では鉱石の輸入量は少なく、主に超硬工具向けのAPTと特殊鋼

向けのFeWが大半。

中国はAPTの81%、FeWの69%

とそれぞれで大部

分を占める

APTは2008年以前までほぼ中国100%であったが、中国の輸出関税賦

課等もありベトナムからの輸入が増加傾向にある。但し、2014年のWTO

提訴による輸入関税撤廃に伴い、近年では揺り戻しの動きも

FeWもAPTと同様であるが、FeWはベトナムが中国を日本向け輸出量で

上回っていた時期もあった。

近年ではロシアからの輸入も増加

輸入 2,317t 50%以上 25%以上 10%以上 5%以上 73.6% 20.2% 出所)財務省貿易統計(JOGMEC「鉱物資源マテリアルフロー」) 出所)財務省貿易統計(JOGMEC「鉱物資源マテリアルフロー」)

(24)

タングステンの流通フロー

海外 国内 特殊鋼 タングステン鉱石 ポルトガル (99%) 53トン FeW 中国 (69%)、ベトナム (23%) 1,034トン APT 中国 (69%)、ベトナム (23%) 触媒 三酸化タングステン 三酸化タングステン 1,229トン タングステン粉 >2,586トン 超硬工具 接点

(25)

パラジウムの供給動向

国別パラジウム供給量の推移

用途別パラジウムの需要量

PGMの埋蔵量とパラジウムの生産量(2017年)

PGMの埋蔵量は南アフリカが圧倒的に多いが、

Pdの生産量では南アフリカ

(27.3%)とロシア(26.0%)が同等

で北米が続く

 かつてはロシアの生産量が南アフリカを大きく上回っていたが、2007年以降に

ロシアの生産量に減少がみられ、近年では両国の生産量は拮抗している

 触媒回収等も

供給量全体の31.1%

を占める。回収量が増加傾向にあるのは、

自動車メーカーで触媒材料がPtからPdに移行した

ことが原因と推測

 日本の需要は全需要の13.1%であり、

最も需要が高い地域は中国(26.4%)

 用途別需要では

自動車用触媒(83.1%)の需要が最も多い

 今後も自動車台数の伸びが予測されるが、

エンジン制御の高度化によりPd使

用原単位が減少

しているほか、

EV化が進展すれば自動車台数の伸びほどPd

使用量は伸びない

ものと予測

出所)US Geological Survey

出所)Johnson Matthey

(26)

消費用途でのパラジウムの需要予測推計(参考値)

(t)

0

50

100

150

200

250

300

350

400

(27)

パラジウムの国内需要動向

パラジウムの国内需要量の推移

パラジウムの国内供給量内訳(

2017年)

パラジウムの国内需要(2017年)

 需要の

約6割が触媒向け

であり、その後歯科(15%)、電気(8%)が続く。

電気用途は主にハイエンド向け積層セラミックコンデンサ電極等

 国内自動車生産台数と連動してパラジウム需要も近年は横ばい。

Ptと

Pdの価格が逆転していることから自動車触媒のPt回帰も想定される

が、WLTPモードとの相性等からPdの方が適しており、今後転換が進

むかは微妙

 歯科用材料需要は過半を日本が占めるが、安価なセラミクス等への代

替が進んでおり、需要は減少傾向

 国内の供給においても

回収分が約29%

。そのほか、国内製錬の副産

物としても4t/年程度回収

需要 71.5t 出所)JOGMEC「鉱物資源マテリアルフロー」 出所)JOGMEC「鉱物資源マテリアルフロー」 出所)JOGMEC「鉱物資源マテリアルフロー」 供給 89.3t

(28)

パラジウムの輸入動向

品目別輸入量の推移

パラジウムの輸入相手国

パラジウムの輸入相手国(2017年)

 輸入量では

南アフリカが46%

ロシアが41%

であり、この2国で87%を占

める。その他スイス、英国、ノルウェーなど

 従来から輸入相手国の構成は大きく変化していないが、主要2国以外か

らの輸入が減少傾向にあり、

2国への依存度が増加傾向

 直近ではロシアのパラジウム生産の大半を占めるNorlisk Nickelの生産

設備が全面改修中であるが、備蓄分の売却等により供給を維持

VWのディーゼル問題によるガソリン(三元触媒)回帰や、2018年の米国

によるロシア制裁等により近年ではPd価格は上昇傾向

 ロシアと南アフリカの動向に輸入動向が大きく左右される可能性がある

が、この15年では目立った供給制限などは起きていない

2,317t 40.3% 出所)財務省貿易統計(JOGMEC「鉱物資源マテリアルフロー」) 輸入 59.5t

(29)

パラジウムの流通フロー

海外 国内 パラジウム地金 南ア (46%)、ロシア (40%) 鉱石 他鉱石の副産物 リ サ イ ク ル 製錬 副産物 スクラップリサイクル 触媒 4トン 歯科合金 電気・電子 デバイス 宝飾材料 その他 59.5トン 日本PGM ユミコア日本触媒 アサヒプリテック エヌ・イーケムキャット 再生地金精製 マテリアルエコリファイン JX金属 25.8トン

(30)

III. 我が国の鉱物資源政策の分析

(31)

我が国の鉱物資源政策(全体概要)

年月 概要 1983年 レアメタルの国家備蓄制度の開始。 1984年 レアメタル総合対策として以下を打ち出す。<レアメタル総合対策、鉱業審議会鉱山部会レアメタル総合対策特別小委員会> (1)探鉱開発の推進(国内賦存状況の調査、海外自主探鉱の支援等) (2)技術開発の推進(探査技術の開発、未利用レアメタルの有効活用に関する研究協力、レアメタルの高度分離・精製技術の開発等) (3)供給障害対策の推進(備蓄制度の拡充等) 2009年 レアメタル確保に向けた4つの柱として以下を掲げる。<レアメタル確保戦略、経済産業省> (1)海外資源確保(資源外交の戦略的な取組、資源開発(探鉱・開発)、我が国周辺海域の海底熱水鉱床の開発) (2)リサイクル(重要な鉱種のリサイクルの推進、携帯電話・小型家電等のリサイクル・システム構築、リサイクル拡大のための取組) (3)代替材料開発(重要な鉱種の代替材料開発等の推進、代替材料開発拡大への取組) (4)備蓄(機動的な取組、鉱種の継続的な評価) 2012年 戦略的鉱物資源として以下の30鉱種を定める。<資源確保戦略、第15回パッケージ型インフラ海外展開関係大臣会合> Al, C, Co, Cr, Cu, F, Fe, Ga, Ge, In, Li, Mg, Mn, Mo, Nb, Ni, Pb, PGM, Re, REE, Sb, Si, Sn, Sr, Ta, Ti, V, W, Zn, Zr

2019年 産業競争力の要となるレアメタルのセキュリティ強化のため、以下の方向性を打ち出す。<新・国際資源戦略に向けた提言(案)、資源燃料分科会> (1)鉱種ごとの戦略的な資源確保策の構築 (2)リスクマネー供給機能の強化 (3)備蓄制度の見直し等によるセキュリティ強化(サプライチェーンにおける代替可能性等を要素とする放出要件の明確化等のレアメタル備蓄制度の抜本見 直し、金属鉱物のリサイクルやレアメタルの使用量の削減に向けた技術開発等含む) (4)資源確保に向けた国際協力 (5)産業基盤等の強化(ベースメタルの産業基盤・技術基盤の強化、海外での資源確保を支える人材の確保)

我が国の特にレアメタルに係る鉱物資源政策に関する主な動き

我が国のレアメタル確保に係る政策の開始は、

1980年代初頭のレアメタル国家備蓄制度の開始、レアメタル総合対策にさかのぼる。

2009年のレアメタル確保戦略により、レアメタル確保に向けた4つの柱が打ち出された。

2019年12月、総合資源エネルギー調査会資源燃料分科会により、レアメタルのセキュリティの強化の方針を含む「新・国際資源戦略に向

けた提言(案)」が提出されている。

(32)

我が国の鉱物資源政策(個別政策)

2000年までの鉱物資源政策

 鉱業審議会鉱山部会答申(1967年)  レアメタル備蓄制度の開始(1983年)  レアメタル総合対策(1984年)

2000年から2010年までの鉱物資源政策

 今後のレアメタルの安定供給対策について(2007年)  資源確保指針(2008年)・レアメタル確保戦略(2009年)  2010年以降の鉱物資源政策  エネルギー基本計画の改定(2010年)・資源確保戦略(2012年)  レアアース総合対策(2010年)・中国に対するWTO協定に基づく協議要請(2012年)  レアメタル備蓄制度の下での備蓄対象鉱種の拡大  新・国際資源戦略に向けての提言(2020年)

(33)

我が国の鉱物資源政策(個別政策)

2000年までの鉱物資源政策 (資料)鉱業審議会鉱山部会「今後の鉱業政策の基本的方向性について(答申要旨)」(1967年)より作成 今後の鉱業政策の重点 海外資源開発の推進 国内探鉱の推進 企業体質の改善と産業体制整備 資料情報の収集の助成 本格的探鉱開発の推進 探鉱目標の設定 三段階方式の推進 採選鉱、製錬の合理化 減耗控除制度の強化拡充 企業採鉱助成策の拡充とその効率的運用 産業体制の整備 中小鉱山対策 共同化、協業化の推進 新鉱床探査費補助金の拡充とその効率的運用 合理化指導等の強化 需給価格の安定 需給ひっ迫時における対策 不況時における対策 関税措置 技術の開発 雇用対策 鉱種別対策

鉱業審議会鉱山部会答申

(1967年)

1967年、鉱業審議会鉱山部会から、「今後の鉱業政策の基本的方向性について」と題する答申が、当時の通商産業大臣に提出された。

背景として、それまでの我が国の鉱業政策の方向性を定めていたものは、鉱産物の輸入の自由化に対処しての金属鉱業の合理化という

課題であった。しかしながら、当時世界規模で非鉄金属の需給の逼迫や供給不安が起こっており、また我が国では鉱産物への海外依存

度が急速に上昇しており、我が国は金属鉱業の合理化とは別の新しい問題に直面していた。それは、我が国に対する非鉄金属の供給を

いかに確保するかという課題であった。

この新しい課題に対応するため当該答申は、海外資源開発の抜本的強化を骨子とする今後の鉱業政策の重点を提示した。

(34)

我が国の鉱物資源政策(個別政策)

2000年までの鉱物資源政策

レアメタル備蓄制度の開始(

1983年)

レアメタル備蓄制度の出発点は、

1980年8月の当時の鈴木善幸首相による「国の安全を確保するためには、単に防衛的な側面のみなら

ず、経済や外交を含めた広い立場からの努力が必要である」との考えの表明。

1980年12月、内閣官房長官の主宰の下、外務大臣、大蔵大臣、農林水産大臣、通商産業大臣、運輸大臣、防衛庁長官、経済企画庁長官、

科学技術庁長官から成る、「経済安全保障関係閣僚会議」が設置。

通商産業省は、産業構造審議会総合部会に「経済安全保障問題特別小委員会」を設置し、同小委員会は

1982年4月に「経済安全保障の

確立を目指して」と題する報告をまとめた。当報告は希少金属の国家備蓄制度の創設が急務であると提言。

1983年10月、経済安全保障の観点から官民のそれぞれのコスト負担の下、国家備蓄、共同備蓄、民間備蓄の3つの形態により、レアメタ

ル備蓄制度が開始。

レアメタル総合対策(

1984年)

1984年当時、レアメタルはハイテク時代に必要不可欠な資源と認識され始めており、2000年頃までに利用されるレアメタルの種類および

数量は計り知れないほど拡大すると期待されていた。

一方、レアメタルの生産は特定少数の国に偏っており、また、将来想定される需要増大に対応した探鉱活動が十分に行われていない等、

レアメタルの供給構造の脆弱性は当時も認識されていた。

そうしたなか、鉱業審議会鉱山部会レアメタル総合対策特別委員会では、

1983年からレアメタル備蓄制度が開始されたものの、探鉱開

発・技術開発による中長期対策と、備蓄による供給障害対策が車の両輪として実施されることが必要不可欠との認識に立ち、レアメタル総

合対策を検討し、とりまとめた。

なお、中長期対策の技術開発のあり方においては、レアメタル関連技術を探査技術から回収技術までの6段階(探査、採鉱、選鉱、製錬、

精製・高品質化、回収技術)と整理。

(35)

我が国の鉱物資源政策(個別政策)

2000年から2010年までの鉱物資源政策

背景

今後のレアメタルの安定供給対策について(

2007年)

 2000年代に入り、資源の偏在、生産者の寡占化および中国等における 需要の拡大を背景として、銅、亜鉛、鉛などのベースメタルだけでなく、 タングステン、モリブデン、インジウム等、金属資源全般に価格高騰と需 給逼迫が続いていた。  経済産業省はこうした状況の下、2006年5月に「新・国家エネルギー戦 略」を策定している。同戦略では、金属鉱物資源の上流活動(探鉱開発 および関連投資活動)に対する支援に加え、金属鉱物資源に関するリ サイクル促進や代替材料開発促進などの総合的な対策の強化にも言 及している。  また2006年6月、資源エネルギー庁に設置された資源戦略研究会は、 当「新・国家エネルギー戦略」の問題意識を共有しつつ、より具体的なア プローチを提言する目的で、「非鉄金属資源の安定供給確保に向けた 戦略」を策定している。  2006年10月の総合資源エネルギー調査会鉱業分科会からの付託に応 じて、レアメタル対策部会は、レアメタルの需給を巡る内外の環境の変 化を踏まえ、鉱種ごとに供給安定性の再評価を行い、2007年7月、「今 後のレアメタルの安定供給対策について」をとりまとめた。  安定供給確保に向けた取り組みの方向性は以下のとおり。  重点的な海外探鉱開発の実施と資源外交(資源外交の積極的な展 開、レアメタル鉱山開発、ベースメタルを産出する鉱山の開発、資源 加工段階への国際展開、技術開発、海外での環境対策・地域住民と の関係)  工程くずの発生抑制・リサイクルの推進  代替材料開発(希少金属代替材料開発プロジェクトの着実な推進等)  レアメタルの備蓄(備蓄対象鉱種、備蓄目標、基準消費量、備蓄目標 期間、国家備蓄の運営、民間備蓄)  統計の整備・人材育成等  レアメタル17鉱種(Co、Cr、Ga、In、Li、Mn、Mo、Nb、Ni、Pt、REE、 Sb、Sr、Ta、Ti 、V、W)の課題

(36)

我が国の鉱物資源政策(個別政策)

2000年から2010年までの鉱物資源政策

資源確保指針(

2008年)

レアメタル確保戦略(

2009年)

<レアメタル確保に向けた4つの柱> I. 海外資源確保  資源国との戦略的互恵関係の構築  鉱山周辺インフラ整備等へのODAツールの活用  技術移転、環境保全協力等我が国の強みを発揮した協力  重要なレアメタル資源の権益確保  JOGMEC、JBIC、NEXI、JICAの連携によるリスクマネー供給  我が国周辺海域の海底熱水鉱床等への計画的な取組 II. リサイクル  重要なレアメタルのリサイクルシステム整備  携帯電話、デジカメ等小型家電のリサイクルシステムの構築と強化  アジア全体での資源循環システムの構築 III. 代替材料開発  重要なレアメタルの代替材料開発等の取組  ナノテク等我が国最先端技術の結集による取組強化  2008年3月には、資源価格の高騰や資源ナショナリズムの高まり等を 背景に、「エネルギー基本計画(2007年3月閣議決定)」に基づき、重要 な資源獲得案件(本邦企業が関連する権益取得案件および長期供給契 約案件等)を政府全体で支援するための指針として、「資源確保指針」 (閣議了解、外務省・経済産業省共同請議)が定められている。  同指針にしたがい、政府は、重要な資源獲得案件の支援にあたり、外交 を積極的に展開していくとともに、政府開発援助、政策金融、貿易保険 などの経済協力との戦略的な連携を推進するとしている。  将来、国際的な需給逼迫や供給障害が発生する可能性が懸念されるな か、経済産業省は、今後のレアメタルの安定供給に向けた総合的な戦 略として、「レアメタル確保戦略」をとりまとめた。

(37)

我が国の鉱物資源政策(個別政策)

2010年以降の鉱物資源政策 (資料)各種公表資料より作成

エネルギー基本計画の改定(

2010年)

資源確保戦略

(2012年)

 改訂されたエネルギー基本計画では、レアメタルについて、安定供給の ために政策資源の集中投入が必要と考えられるものを「戦略レアメタ ル」として特定するとして、戦略レアメタルとしてはレアアース、リチウム、 タングステン等が想定されていた。そして、海外資源開発、リサイクル、 代替材料開発により、自給率 を2030年に50%以上とすることを目指す とされた。  今後戦略レアメタルとなる可能性の高いレアメタルを「準戦略レアメタ ル」と位置付け、動向を注視していくとし、準戦略レアメタルとしてはニオ ブ、タンタル、白金族等が想定されていた。  新興国の成長による資源需要の増加、資源ナショナリズムの台頭など により世界的な資源確保競争が激化しているなか、2012年6月の第15 回パッケージ型インフラ海外展開関係大臣会合にて、「資源確保戦略」 が報告された。  当戦略における今後の取組の方向性は以下。  戦略的鉱物資源の特定、政策リソースの重点配分 - 政府として重点的に資源獲得に取り組むべき鉱種を「戦略的鉱物 資源」とし、この確保に対して、政府による金融支援等を重点的に 投入するとともに、政策リソースを優先的に投入する。  中長期観点からの上流権益確保の更なる促進 - 協力のパッケージ化(その核としての探査・製錬技術、人材育成の 強化、水関連インフラの整備) - ものづくり企業の参画の促進 - 二国間の政策対話および国際的ルールの戦略的活用  代替材の開発・普及、リサイクルの推進、備蓄の増強 - 資源の供給における不安定性を緩和する観点から、代替材料開 発・使用量削減技術開発、リサイクルの推進は極めて重要。 - 短期的な需給の逼迫が懸念される鉱種は、備蓄を進める(需給の 逼迫が中長期に及ぶ場合には、権益取得により対応する)。

(38)

我が国の鉱物資源政策(個別政策)

2010年以降の鉱物資源政策

レアアース総合対策(

2010年)

 2010年以降、中国によるレアアースの輸出枠の大幅削減等により中国 からの輸出が一時停滞し、レアアース価格が高騰した。  これを契機として、経済産業省は、2010 年10 月、「レアアース総合対 策」を策定した。  レアアース総合対策では、従来のレアメタル確保における、代替材料・ 使用量低減技術開発、リサイクルの推進、海外鉱山・権益確保に加えて、 「レアアース等利用産業の高度化」を掲げている。これは、高度な技術を 有する事業者等の海外流出を防ぐため、レアアース等の使用量削減の ための設備導入に対して補助を行うものであった。

中国に対するWTO協定に基づく協議要請(2012年)

 中国は1999年以降、レアアース、タングステン、モリブデンにつき順次輸 出数量制限を導入し、また、2006年以降輸出税を賦課していた。  特に、2010年下半期の輸出割当を大幅に削減したことなどを機にレア アース価格が高騰し、市場に混乱をもたらしていた。  我が国は、米国およびEUとともに、2012年3月、中国による輸出数量制 限、輸出税の賦課等の輸出規制は、WTO協定に違反するとして、WTO 協議要請を行い、同年6月にパネル設置要請を行った。  その後各種協議が行われ、2014年8月、中国の輸出規制措置がWTO協 定に違反することが確定した。  これを受けて中国は、WTOの勧告に従って、2015年1月からレアアース、 タングステン、モリブデンに関する輸出数量制限および貿易権の制限を 撤廃し、2015年5月1日からは輸出税も廃止することとなった。

(39)

我が国の鉱物資源政策(個別政策)

2010年以降の鉱物資源政策 (資料)総合資源エネルギー調査会資源燃料分科会「新・国際資源戦略策定に向けた提言(令和2年2月)」(2020年2月)より作成

新・国際資源戦略に向けての提言(

2020年)

<産業競争力の要となるレアメタルのセキュリティ強化 対応の方向性> I. 鉱種ごとの戦略的な資源確保策の構築  鉱種ごとの特性を、埋蔵量、資源の偏在性、資源国のカントリーリスク、需要の見通し、既存市場の大きさ、日本の権益保有の有無やその量などの 観点から類型化を行い、類型化された特性に応じた対応策のあり方を整理することが必要である。 II. 供給源多様化の促進  探鉱案件から移行した開発案件や、製錬所単独の案件、単独出資案件などに関するJOGMECのリスクマネー供給機能の強化を図ることが必要で ある。  案件審査等の手続きの簡素化・迅速化といった対応を通じ、JOGMECのリスクマネー供給機能の運用改善を行うべきである。 III. 備蓄制度の見直し等によるセキュリティ強化  鉱種の需給状況を踏まえて備蓄目標日数の引き上げ・引き下げによりメリハリを持たせること、備蓄鉱種や備蓄目標の決定におけるJOGMECと国 の役割分担の明確化や、サプライチェーンにおける代替可能性等を要素とする放出要件の明確化など、レアメタル備蓄制度の抜本見直しが必要で ある。  金属鉱物のリサイクルや、レアメタル等の使用量削減に向けた技術開発等は資源セキュリティの観点からも重要であり、必要な対応策等について検 討を進めていくべきである。 IV. 資源確保に向けた国際協力  鉱山開発や製錬、製品製造等、サプライチェーンの各段階に関係する各国とのバイやマルチでの国際協力によって対処することが必要である。  資源外交の観点から、環境面での技術支援や雇用創出への貢献も重要である。 V. 産業基盤等の強化  レアメタルはベースメタルの副産物として生産されるものも多いことから、ベースメタルの産業基盤・技術基盤の強化を図ることも重要である。  産学官または大学同士で連携した、資源分野全体を学べるような仕組み作りが必要である。

2020年2月22日に、資源燃料分科会から、新・国際資源戦略に向けての提言が行われている。

(40)

我が国の鉱物資源政策(個別政策)

 鉱業審議会鉱山部会:今後の鉱業政策の基本的方向性について(答申要旨),通産ジャーナル,第1巻,第1号,p.32-36(1967)  鉱業審議会鉱山部会レアメタル総合対策特別小委員会:レアメタル総合対策―技術革新、産業活性化,経済安全保障を目指して―,鉱山,第38巻,第1号,p.19-47 (1985)  経済産業委員会調査室 大嶋健志:レアメタル資源確保の現状と課題,立法と調査,311号,p.43-50(2010)  橘川武郎:通商産業政策史1980-2000第10巻資源エネルギー政策,通商産業政策史編纂委員会編,財団法人経済産業調査会,p.235-256(2011)  馳平 憲一:レアメタル・レアアースの安定供給確保,特技懇,269号,p.50-59(2013)  独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構希少金属備蓄部:レアメタル備蓄データ集(総論)平成26年3月,p.39-42(2014)  独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構希少金属備蓄部:レアメタル備蓄データ集(公開版)平成31年3月,p.1(2019)  経済産業省:新・国家エネルギー戦略(2006年5月)http://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/281883/www.meti.go.jp/press/20060531004/senryaku-houkokusho-set.pdf(参照:2020年3月19日)  資源戦略研究会:非鉄金属資源の安定供給確保に向けた戦略(平成18年6月) http://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/286890/www.meti.go.jp/press/20060614003/houkokusho.pdf(参照:2020年3月19日)  総合資源エネルギー調査会鉱業分科会レアメタル対策部会:今後のレアメタルの安定供給対策について(平成19年7月) http://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/10955904/www.meti.go.jp/committee/materials2/downloadfiles/g80801c11j.pdf(参照:2020年3月19日)  外務省:資源確保指針(平成20年3月28日)https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/energy/shishin.html(参照:2020年3月19日)  経済産業省:レアメタル確保戦略(平成21年7月28日)http://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1262865/www.meti.go.jp/press/20090728004/20090728004-3.pdf(参照:2020年3月19日)  エネルギー基本計画(平成22年6月)https://www.enecho.meti.go.jp/category/others/basic_plan/pdf/100618honbun.pdf(参照:2020年3月19日)  経済産業省製造産業局:レアアース総合対策(レアアース等利用産業等設備導入事業)(平成22年12月)https://www.jraia.or.jp/member/oshirase/mite-nedo201012_1.pdf(参照:2020年3月19日)  第15回パッケージ型インフラ海外展開関係大臣会合:資源確保戦略(平成24年6月)http://www.kantei.go.jp/jp/singi/package/dai15/sankou01.pdf(参照:2020

参考文献

(41)
(42)

EUの戦略的な資源確保戦略(全体概要)

EUでは、資源確保戦略の枠組みであるRaw Materials Initiative(RMI)の下、バリューチェーンの上流~下流のステークホルダーのプ

ラットホームである

The European innovation partnership on raw materials(EIP Raw Materials)が、資源確保戦略の実行を担う。

RMIの下、Critical Raw Materials(CRM)のリストが2011年から3年ごとに公表。最新の2017年のリストは以下の27の資源からなる。

Be, Bi, Co,

Ga

, Ge, He, Hf, HREE, In, LREE, Mg, Nb,

P

,

PGM

, Sb, Sc, Si, Ta, V,

W

、天然黒鉛、天然ゴム、原料炭、バライト、ホウ

酸塩、

蛍石

、リン鉱石

資源のリサイクルについては、循環経済行動計画がその推進を担う。

なお、

EIP Raw Materialsは2016年に初回、2018年、2020年に戦略的実行計画の実施状況を評価する計画だが、2016年の評価結果の

みが公開。また、欧州の知識基盤であるべき

Raw Materials Information Systemも2018年以降、ほとんど更新されていない模様。

年月 概要 2008年 次の3つの柱からなるRMIが始動。(COM(2008) 699) (1)他の競争相手と同じ条件下で、国際市場の資源へのアクセスを確保する。 (2)欧州内からの資源供給を促進するため、欧州内の正しい枠組みの条件を洗い出す。 (3)一次資源の使用量を削減するため、全体の資源効率性を高め、リサイクルを促進する。 2012年 Raw Material Initiative促進の目的で、EIP Raw Materialsが設置。(COM(2012) 82)

2013月

EIP Raw Materialsが、2020年を目標年として、次の目標を持つ戦略的実行計画を策定。

(1)資源の革新的な生産のため、探査、採鉱、鉱物処理、リサイクルについて、最大10の試験的な取り組みを行う。 (2)重要で希少な資源について、少なくとも3つの利用先を代替する。 (3)欧州内から競争力を持って一次資源を供給するための条件を洗い出し、社会受容性向上に向けた調整を行う。 (4)効率的な物質使用、および効果的な廃棄物の発生抑制、リユース、リサイクル、資源性を考慮した製品設計の条件を洗い出す。 (5)1次資源、2次資源について、情報、フロー、動的モデリングシステムを用いて、資源に関する欧州の知識の基礎を整備する。 (6)資源管理についての研究、教育、訓練センターとのネットワークを構築する。

EUの資源確保戦略に関する主な動き

(43)

EUの戦略的な資源確保戦略(個別政策)

EUの概要

 EUの加盟国  EUの法の構造・EUの体制  EUの成長戦略

EUの戦略的な資源確保戦略

 概要

 Raw Materials Initiative(RMI)

- EUにおける対象5鉱種の輸入依存度、主要輸入国、代替、リサイクルの評価結果

 EIP on Raw Materialsの戦略的実行計画の評価結果  備蓄

- EUの西側の加盟国での備蓄プログラムの経緯

- EUでの備蓄の要否に関する検討結果

- EUでの対象4鉱種の調達コスト・ランニングコストに関する過去の検討結果

(44)

EUの戦略的な資源確保戦略(個別政策)

EUの概要 (資料)EU MAG「EU加盟国地図」(左図)、各種公表資料に基づきイー・アンド・イー ソ リューションズにて作成(右図) 加盟国 加盟国 人口(人) (英名) (和名) (2019年1月1日付) 1 Austria オーストリア 1995 8,858,775 14 2 Belgium ベルギー 1958 11,455,519 8 3 Bulgaria ブルガリア 2007 7,000,039 15 4 Croatia クロアチア 2013 4,076,246 20 5 Cyprus キプロス 2004 875,899 25 6 Czech チェコ 2004 10,649,800 10 7 Denmark デンマーク 1973 5,806,081 16 8 Estonia エストニア 2004 1,324,820 24 9 Finland フィンランド 1995 5,517,919 17 10 France フランス 1958 67,012,883 2 11 Germany ドイツ 1958 83,019,213 1 12 Greece ギリシャ 1981 10,724,599 9 13 Hungary ハンガリー 2004 9,772,756 13 14 Ireland アイルランド 1973 4,904,240 19 15 Italy イタリア 1958 60,359,546 3 16 Latvia ラトビア 2004 1,919,968 23 17 Lithuania リトアニア 2004 2,794,184 21 18 Luxembourg ルクセンブルク 1958 613,894 26 19 Malta マルタ 2004 493,559 27 20 Netherlands オランダ 1958 17,282,163 7 21 Poland ポーランド 2004 37,972,812 5 No. 加盟年 人口順位

EUの加盟国

(45)

EUの戦略的な資源確保戦略(個別政策)

EUの概要

法の構造

EUの体制

 上位階層の法

 EU条約(Treaty on European Union)

- EUの目的・役割を規定する

 EU機能条約(Treaty on the Functioning of the European Union)

- EU条約とともに、 EUの目的・役割を規定する  EU条約およびEU機能条約の付属書  下位階層の法  規則(Regulation) - すべての加盟国を拘束し、採択されるとそのまま国内法体系の一 部となる。  指令(Directive) - 指令の中で命じられた目的についてのみ、加盟国を拘束し、それ を達成するための手段と方法は加盟国に任される。  決定(Decision) - 特定の加盟国、企業等に対象を限定し、限定された対象に対して 直接的に効力を有する。  勧告(Recommendation)・意見(Opinion) - 理事会、欧州議会または欧州委員会が行う見解表明で、法的拘 束力を持たない。  EUの政治指針、法・予算の策定、実行および監視は、EU条約第13条 で定められる7つの組織が、その実施の中心を担う。 日本語表記 英語表記 役割

欧州理事会 European Council EUの政治指針の決定

理事会 Council 欧州議会と協調した法・予算の制 定、欧州理事会の指針に従った外 交・安全保障政策の策定 欧州議会 European Parliament 理事会と協調した法・予算の制定 欧州委員会 European Commission 欧州議会・理事会に対する法案・予 算案の提案、加盟国でのEUの法・ 予算の執行状況の監視

EU司法裁判所 Court of Justice ofthe European Union

EU法体系の解釈等を行い、加盟 国がEUの法を等しく国内に適用し ていることを確保する。 欧州中央銀行 European Central Bank EUの通貨であるユーロの管理 欧州会計監査院 Court of Auditors 欧州委員会による予算の執行状況 の 監 査 な ど 、EUの基金を扱う組 織・個人に対して会計監査を行う。 (資料)各種公表資料に基づきイー・アンド・イー ソリューションズにて作成

(46)

EUの戦略的な資源確保戦略(個別政策)

EUの概要 リスボン戦略 (2000~2010年) 欧州2020戦略 (2010~2020年) 新欧州委員長主導の新成長戦略? (2020~)

EUの成長戦略

EUでは、グローバル社会で競争力を持つ経済・社会の実現を目標とし、目標達成期間を2010年に設定し、2000年にリスボン戦略を採択。

その後、

2007年以降の世界金融危機により構造的な脆弱性が顕在化、また、グローバル化、天然資源の獲得競争、および高齢化などの

長期的課題に危機感を持ち、これらの課題を克服すべく、以下の政策分野をターゲットにして、成長戦略「欧州

2020戦略」を2010年に策定。

 雇用  研究開発  気候変動・エネルギーの持続可能性  教育  貧困・社会的排除

2020年は欧州2020戦略の目標達成年。また、2019年12月1日からはドイツのウルズラ・フォン・デア・ライエン氏率いる新欧州委員会がス

タート。今後

EUでは、欧州2020戦略の目標達成状況の評価、欧州2020戦略を後継する新しい成長戦略が打ち出されるものと想定される。

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EUの戦略的な資源確保戦略(個別政策)

EUでは、資源確保戦略の枠組みであるRaw Materials Initiative(RMI)の下、バリューチェーンの上流~下流のステークホルダーのプ

ラットフォームである

The European innovation partnership on raw materials(EIP on Raw Materials)が、資源確保戦略の実行を

担っている。

EUの戦略的な資源確保戦略 (資料)各種公表資料に基づきイー・アンド・イー ソリューションズにて作成

EUの資源確保戦略に関する主な動き

時期 概要 2008年 RMIが始動。

2011年 RMIの下、Critical Raw Materials(CRM)リストの公開。 2012年 RMI促進の目的で、EIP on Raw Materialsを設置

2013年 EIP on Raw Materialsが、2020年を目標年とする戦略的実行計画を策定。

2013年 欧州委員会内にて資源の国家備蓄(民間の備蓄資金を国家がファイナンスする場合も含む)を検討した結果、どのEU加盟国も政策オプショ ンとして備蓄を支持せず、欧州委員会としては備蓄のモニタリングを継続すると結論。

2014年 第2回目のCRMリストの公開。

2015年 成長の促進、および炭素中立・資源効率性・競争力を持つ経済の実現のため、欧州委員会は循環経済行動パッケージを採択。 2016年 EIP on Raw Materialsが、戦略実行計画の第1回評価結果を公開。

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EUの戦略的な資源確保戦略(個別政策)

EUの戦略的な資源確保戦略

Raw Materials Initiative(RMI)

2008年当時、日本や米国等の先進国は資源の安定供給確保を政策課題として位置付けている一方で、EUでは特定の加盟国しかこれら

を政策課題として位置付けておらず、

EUレベルで資源の安定供給確保について統合された政策はなかった。

こういった背景を受けて、欧州委員会は「

The raw materials initiative - meeting our critical needs for growth and jobs in

Europe」の副題の政策文書を2008年に採択し、以下の3つの柱からなるRMIを2008年に開始。

 他の競争相手と同じ条件下で国際市場の資源へのアクセスを確保する。  欧州内からの資源供給の促進のため、適正な枠組みの条件を洗い出す。  一次資源使用量削減のため資源効率性を高め、リサイクルを促進する。

特に、当該政策文書では、

RMIの優先課題として、CRMの定義を位置付けている。

 CRMは経済的重要度と供給リスク度に着目し選定  欧州委員会は少なくとも3年に1回はCRMのリストを見直すことをコミット  2011年:第1回名のCRMのリスト(14種類の資源)を公表  2014年:第2回目のCRMのリスト(20種類の資源)を公表  2017年:第3回目のCRMのリスト(27種類の資源)を公表 (第3回目のCRMリストには、本業務対象5鉱種(蛍石としてのF、P、Ga、W、PGMsとしてのPdが含まれている)

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EUの戦略的な資源確保戦略(個別政策)

EUの戦略的な資源確保戦略

EUにおける対象5鉱種の輸入依存度、主要輸入国、代替、リサイクルの評価結果

(注)第3回CRMリストではFおよびPd単体のデータはないため、蛍石とPGMsのデータをFおよびPdとしてそれぞれ表記。 1:2010年~2014年の平均値 2:代替の困難さを0~1の数値で表した指数であり、1が最も代替し難い。経済的重要度(EI)と供給リスク度(SR)から別々に算出。 3:「当該資源(一次資源と二次資源)のEUへの供給量」に対する「廃棄物からの当該資源の回収量」の割合。 (資料)欧州委員会「第3回CRMリスト」(2017年9月)より作成 項目 F P Ga W Pd 輸入依存度1 70% 100% 34% 44% 99.6% 主要輸入国1 メキシコ38% 中国17% 南アフリカ15% ナミビア12% ケニア9% カザフスタン77% 中国14% ベトナム8% 中国53% 米国11% ウクライナ9% 韓国8% ロシア84% ボリビア5% ベトナム5% スイス34% 南アフリカ31% 米国21% ロシア8% 代替指数(EI/SR)2 0.98/0.97 0.91/0.91 0.95/0.96 0.94/0.97 0.93/0.98 リサイクル率3 1% 0% 0% 42% 14%

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