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産業競争力の要となるレアメタルのセキュリティ強化のため、以下の方向性を打ち出す。<新・国際資源戦略に向けた提言(案)、資源燃料分科会>

(1)鉱種ごとの戦略的な資源確保策の構築

(2)リスクマネー供給機能の強化

(3)備蓄制度の見直し等によるセキュリティ強化(サプライチェーンにおける代替可能性等を要素とする放出要件の明確化等のレアメタル備蓄制度の抜本見 直し、金属鉱物のリサイクルやレアメタルの使用量の削減に向けた技術開発等含む)

(4)資源確保に向けた国際協力

(5)産業基盤等の強化(ベースメタルの産業基盤・技術基盤の強化、海外での資源確保を支える人材の確保)

我が国の特にレアメタルに係る鉱物資源政策に関する主な動き

我が国のレアメタル確保に係る政策の開始は、

1980

年代初頭のレアメタル国家備蓄制度の開始、レアメタル総合対策にさかのぼる。

 2009

年のレアメタル確保戦略により、レアメタル確保に向けた

4

つの柱が打ち出された。

 2019

12

月、総合資源エネルギー調査会資源燃料分科会により、レアメタルのセキュリティの強化の方針を含む「新・国際資源戦略に向 けた提言(案)」が提出されている。

我が国の鉱物資源政策(個別政策)

 2000

年までの鉱物資源政策

鉱業審議会鉱山部会答申(

1967

年)

レアメタル備蓄制度の開始(

1983

年)

レアメタル総合対策(

1984

年)

 2000

年から

2010

年までの鉱物資源政策

今後のレアメタルの安定供給対策について(2007年)

資源確保指針(2008年)・レアメタル確保戦略(2009年)

 2010年以降の鉱物資源政策

エネルギー基本計画の改定(2010年)・資源確保戦略(2012年)

レアアース総合対策(2010年)・中国に対するWTO協定に基づく協議要請(2012年)

レアメタル備蓄制度の下での備蓄対象鉱種の拡大

新・国際資源戦略に向けての提言(2020年)

我が国の鉱物資源政策(個別政策)

2000年までの鉱物資源政策

(資料)鉱業審議会鉱山部会「今後の鉱業政策の基本的方向性について(答申要旨)」(1967年)より作成 今後の鉱業政策の重点

海外資源開発の推進

国内探鉱の推進

企業体質の改善と産業体制整備

資料情報の収集の助成 本格的探鉱開発の推進

探鉱目標の設定 三段階方式の推進

採選鉱、製錬の合理化 減耗控除制度の強化拡充

企業採鉱助成策の拡充とその効率的運用

産業体制の整備

中小鉱山対策

共同化、協業化の推進

新鉱床探査費補助金の拡充とその効率的運用 合理化指導等の強化

需給価格の安定

需給ひっ迫時における対策 不況時における対策

関税措置 技術の開発

雇用対策 鉱種別対策

鉱業審議会鉱山部会答申(1967年)

 1967

年、鉱業審議会鉱山部会から、「今後の鉱業政策の基本的方向性について」と題する答申が、当時の通商産業大臣に提出された。

背景として、それまでの我が国の鉱業政策の方向性を定めていたものは、鉱産物の輸入の自由化に対処しての金属鉱業の合理化という 課題であった。しかしながら、当時世界規模で非鉄金属の需給の逼迫や供給不安が起こっており、また我が国では鉱産物への海外依存 度が急速に上昇しており、我が国は金属鉱業の合理化とは別の新しい問題に直面していた。それは、我が国に対する非鉄金属の供給を いかに確保するかという課題であった。

この新しい課題に対応するため当該答申は、海外資源開発の抜本的強化を骨子とする今後の鉱業政策の重点を提示した。

我が国の鉱物資源政策(個別政策)

2000年までの鉱物資源政策

レアメタル備蓄制度の開始(

1983

年)

レアメタル備蓄制度の出発点は、

1980

年8月の当時の鈴木善幸首相による「国の安全を確保するためには、単に防衛的な側面のみなら ず、経済や外交を含めた広い立場からの努力が必要である」との考えの表明。

 1980

12

月、内閣官房長官の主宰の下、外務大臣、大蔵大臣、農林水産大臣、通商産業大臣、運輸大臣、防衛庁長官、経済企画庁長官、

科学技術庁長官から成る、「経済安全保障関係閣僚会議」が設置。

通商産業省は、産業構造審議会総合部会に「経済安全保障問題特別小委員会」を設置し、同小委員会は

1982

年4月に「経済安全保障の 確立を目指して」と題する報告をまとめた。当報告は希少金属の国家備蓄制度の創設が急務であると提言。

 1983

10

月、経済安全保障の観点から官民のそれぞれのコスト負担の下、国家備蓄、共同備蓄、民間備蓄の3つの形態により、レアメタ ル備蓄制度が開始。

レアメタル総合対策(

1984

年)

 1984

年当時、レアメタルはハイテク時代に必要不可欠な資源と認識され始めており、

2000

年頃までに利用されるレアメタルの種類および 数量は計り知れないほど拡大すると期待されていた。

一方、レアメタルの生産は特定少数の国に偏っており、また、将来想定される需要増大に対応した探鉱活動が十分に行われていない等、

レアメタルの供給構造の脆弱性は当時も認識されていた。

そうしたなか、鉱業審議会鉱山部会レアメタル総合対策特別委員会では、

1983

年からレアメタル備蓄制度が開始されたものの、探鉱開 発・技術開発による中長期対策と、備蓄による供給障害対策が車の両輪として実施されることが必要不可欠との認識に立ち、レアメタル総 合対策を検討し、とりまとめた。

なお、中長期対策の技術開発のあり方においては、レアメタル関連技術を探査技術から回収技術までの6段階(探査、採鉱、選鉱、製錬、

精製・高品質化、回収技術)と整理。

我が国の鉱物資源政策(個別政策)

2000年から2010年までの鉱物資源政策

背景 今後のレアメタルの安定供給対策について(

2007

年)

 2000年代に入り、資源の偏在、生産者の寡占化および中国等における

需要の拡大を背景として、銅、亜鉛、鉛などのベースメタルだけでなく、

タングステン、モリブデン、インジウム等、金属資源全般に価格高騰と需 給逼迫が続いていた。

経済産業省はこうした状況の下、2006年5月に「新・国家エネルギー戦 略」を策定している。同戦略では、金属鉱物資源の上流活動(探鉱開発 および関連投資活動)に対する支援に加え、金属鉱物資源に関するリ サイクル促進や代替材料開発促進などの総合的な対策の強化にも言 及している。

また2006年6月、資源エネルギー庁に設置された資源戦略研究会は、

当「新・国家エネルギー戦略」の問題意識を共有しつつ、より具体的なア プローチを提言する目的で、「非鉄金属資源の安定供給確保に向けた 戦略」を策定している。

 2006年10月の総合資源エネルギー調査会鉱業分科会からの付託に応

じて、レアメタル対策部会は、レアメタルの需給を巡る内外の環境の変 化を踏まえ、鉱種ごとに供給安定性の再評価を行い、2007年7月、「今 後のレアメタルの安定供給対策について」をとりまとめた。

安定供給確保に向けた取り組みの方向性は以下のとおり。

重点的な海外探鉱開発の実施と資源外交(資源外交の積極的な展 開、レアメタル鉱山開発、ベースメタルを産出する鉱山の開発、資源 加工段階への国際展開、技術開発、海外での環境対策・地域住民と の関係)

工程くずの発生抑制・リサイクルの推進

代替材料開発(希少金属代替材料開発プロジェクトの着実な推進等)

レアメタルの備蓄(備蓄対象鉱種、備蓄目標、基準消費量、備蓄目標 期間、国家備蓄の運営、民間備蓄)

統計の整備・人材育成等

レアメタル17鉱種(Co、Cr、Ga、In、Li、Mn、Mo、Nb、Ni、Pt、REE、

Sb

Sr

Ta

Ti

、V、W)の課題

我が国の鉱物資源政策(個別政策)

2000年から2010年までの鉱物資源政策

資源確保指針(

2008

年) レアメタル確保戦略(

2009

年)

<レアメタル確保に向けた4つの柱>

I.

海外資源確保

資源国との戦略的互恵関係の構築

鉱山周辺インフラ整備等へのODAツールの活用

技術移転、環境保全協力等我が国の強みを発揮した協力

重要なレアメタル資源の権益確保

 JOGMEC、JBIC、NEXI、JICAの連携によるリスクマネー供給

我が国周辺海域の海底熱水鉱床等への計画的な取組

II.

リサイクル

重要なレアメタルのリサイクルシステム整備

携帯電話、デジカメ等小型家電のリサイクルシステムの構築と強化

アジア全体での資源循環システムの構築

III.

代替材料開発

重要なレアメタルの代替材料開発等の取組

ナノテク等我が国最先端技術の結集による取組強化

 2008年3月には、資源価格の高騰や資源ナショナリズムの高まり等を

背景に、「エネルギー基本計画(2007年3月閣議決定)」に基づき、重要 な資源獲得案件(本邦企業が関連する権益取得案件および長期供給契 約案件等)を政府全体で支援するための指針として、「資源確保指針」

(閣議了解、外務省・経済産業省共同請議)が定められている。

同指針にしたがい、政府は、重要な資源獲得案件の支援にあたり、外交 を積極的に展開していくとともに、政府開発援助、政策金融、貿易保険 などの経済協力との戦略的な連携を推進するとしている。

将来、国際的な需給逼迫や供給障害が発生する可能性が懸念されるな か、経済産業省は、今後のレアメタルの安定供給に向けた総合的な戦 略として、「レアメタル確保戦略」をとりまとめた。

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