首都 大学東京 博 士論 文
異 種 情 報 の分 析 ・可 視 化 に対 す る
時空 間デ ー タ を用 い た情 報 統 合 手 法 に関す る研 究
2016年5月
大 学 院 シ ステ ムデ ザ イ ン研 究 科 情 報 通 信 シ ステ ム学 域
遠藤 雅樹
概要
近 年,通 信 ネ ッ トワ ー ク イ ン フ ラ の 性 能 向 上 や,ス マ ー トフ ォ ン ・タ ブ レ ッ トな どの モ バ イ ル デ バ イ ス の 急 速 な 普 及 に 伴 い,多 種 多 様 で 膨 大 な デ ジ タ ル デ ー タ が 発 信 可 能 とな っ た.一 般 の ユ ー ザ や 企 業,政 府 機 関,さ らに は製 品 に組 み 込 ま れ た セ ン サ か ら も容 易 に 情 報 発 信 を行 え る イ ン フ ラ が整 い,時 々 刻 々 と様 々 な 形 式 の 膨 大 な デ ジ タ ル デ ー タ が 生 成 さ れ,Web上 に 流 通 ・蓄 積 され て い る.以 前 よ りWebペ ー ジや プ ロ グ な どか ら多 くの 情 報 発 信 が 行 わ れ て い た が,新 た なWebサ ー ビス の登 場 に よ っ て,発 信 され る 情 報 量 の 増 加 が さ
ら に加 速 して い る.特 に,SNS(SocialNetworkingService)の 普 及 に よ り,爆 発 的 に 増 加 し た デ ー タ がWeb上 に ア ップ ロー ドされ る状 況 と な っ た.そ の た め,Web利 用 者 が,日 々 増 加 す る大 量 の デ ー タ の 中 か ら必 要 とす る 情 報 を 取 得 す る こ とは,ビ ッ グ デ ー タ化 が 進 む こ
とで,さ らに 困難 に な る と予 想 され て い る.そ こ で,Web利 用 者 が 効 率 的 に 必 要 な 情 報 を 取 得 す る た め に,Web上 に 点 在 す る 大 量 の 情 報 か ら必 要 な情 報 を抽 出 し融 合 す る た め の 技 術 が 求 め られ て い る.
Webマ イ ニ ン グ は,情 報 抽 出 ・融 合 を 効 率 的 に行 うた め の 技 術 の1つ で あ る.し か し, Webペ ー ジや プ ロ グ,SNSな ど,Web上 に 点 在 す る情 報 か ら有 用 な 情 報 を抽 出 し統 合 す る 際 に は,点 在 す る異 種 情 報 へ の対 応 が 重 要 な課 題 と な る.た と え ば,Webサ イ トで は,定 常 的 な 情 報 が 網 羅 的 に発 信 され て い る.一 方 で,プ ロ グ は,Webサ イ トな どで 公 開 され た 定 常 的 な 情 報 に 対 す る意 見 や 感 情 が 多 く,非 定 常 的 な 情 報 と して 発 信 され て い る.さ らに, SNSで は,定 常 的 ・非 定 常 的 な 大 量 の 情 報 が即 時 性 を 持 っ て 網 羅 的 に 発 信 され て い る が, 短 文 か っ 口語 的 な デ ー タ が 中 心 で あ り,表 記 揺 れ や ノ イ ズ も非 常 に 多 く含 ま れ て い る.こ れ らの 異 種 情 報 を対 象 に 情 報 抽 出 ・融 合 を行 っ た 場 合,多 種 多 様 な 形 式 の デ ー タ を 扱 うた め,抽 出 や 融 合 の 性 能 が 低 下 し,利 用 者 の 期 待 す る 情 報 抽 出 ・融 合 結 果 が 得 られ な い 可 能 性 が 高 い.ま た,異 な る形 式 で 抽 出 した デ ー タ 同 士 が 関 連 した 内 容 で あ っ て も,類 似 度 を 算 出 で き な けれ ば デ ー タ を融 合 す る こ とが で き な い.そ の た め,Web上 の 異 種 情 報 か ら類 似 デ ー タ を抽 出 し,様 々 な 形 式 の デ ー タ を 融 合 す る 技 術 を確 立 す る こ とは,ビ ッ グ デ ー タ か ら有 用 な 情 報 を取 得 す る 際 の重 要 な 課 題 の1つ で あ る.
本 研 究 で は,Webペ ー ジ,プ ロ グ,SNS,そ して 情 報 通 信 機 器 が 発 信 し,Web上 に 点 在 す る 異 種 情 報 に 対 して,時 空 間 デ ー タ を キ ー と して 地 域 特 徴 量 を 推 定 し分 析 す る こ とで, Web上 か ら収 集 対 象 と した 地 域 の デ ー タ を 抽 出 ・融 合 し情 報 を 統 合 す る 手 法 を提 案 した.
本 論 文 で は,特 に,(a)リ ア ル タ イ ム 性 を 必 要 とす る 情 報 発 信 お よび 複 合 デ ー タ の 可 視 化 手 法,(b)Web上 か ら収 集 した 異 種 情 報 に対 応 した 特 徴 抽 出手 法,(c)時 空 間 デ ー タマ イ ニ ン グ に よ る リア ル タ イ ム 地 域 分 析 手 法,に つ い て 記 述 す る.
(a)は,リ ア ル タ イ ム 性 を 必 要 とす る情 報 発 信 お よ び 複 合 デ ー タ の 可 視 化 手 法 で あ る.人 々 が 興 味 ・関 心 を もつ 情 報 を リア ル タイ ム に 提 供 す る に は,情 報 を必 要 と した 時 点 で の 異 な
る 種 類 の デ ー タ に 関 す る複 合 的 な 時 空 間 情 報 が 必 要 と な る.情 報 提 供 者 側 が利 用 者 に 対 し て リア ル タ イ ム性 を 持 つ 情 報 を発 信 す る に は,現 在 地 や 時 刻 な ど をWeb上 に 提 供 す る ロ ケ ー シ ョン シ ス テ ム と時 空 間 に連 動 させ た 情 報 提 供 が 効 果 的 な 場 合 が あ る .し か し,一 般 に ロ ケ ー シ ョ ン シ ス テ ム は 高 価 な た め,導 入 に は コ ス トが か か る.そ の た め,本 論 文 で は, 安 価 に 導 入 ・運 用 可 能 な ロ ケ ー シ ョ ン シ ス テ ム を 構 築 し複 数 の デ ー タ を 同 時 に 可 視 化 す る 手 法 を 提 案 した.提 案 手 法 で は,実 際 に 地 域 公 共 交 通 に 適 用 し運 用 を 行 い,そ の 結 果 を 考 察 した.
(b)は,Web上 か ら収 集 した 異 種 情 報 に 対 応 した 特 徴 抽 出 手 法 で あ る.Web上 の 情 報 に は, 主 に 自治 体 や 企 業 な どが 提 供 す る公 式 サ イ トの 定 常 的 な 情 報 と主 に個 人 が プ ロ グ な どで 提 供 す る 非 公 式 サ イ トの 非 定 常 的 な ロ コ ミ ・評 判 情 報 が あ る.そ の た め,Web上 に は 異 な る 視 点 か ら同 一 情 報 に つ い て の情 報 提 供 が 行 わ れ て お り,デ ー タ の 内 容 も 不 均 質 で あ る.そ こ で,Web検 索 結 果 か ら,検 索 地 域 の 定 常 的 な 情 報 と ロ コ ミ ・評 判 情 報 を 同 時 に抽 出 す る 技 術 が 必 要 とな る.提 案 手 法 で は,収 集 した 公 式 サ イ トの情 報 か ら,形 態 素N‑gram形 式 の語 を 抽 出 し,RIDF(ResiduallnvθrseDoeumθntFrθqueney?に よ る重 み 付 け を行 っ た も の を キ ー ワー ドと して 用 い て,プ ロ グ な ど の 非 公 式 サ イ トに 含 ま れ る キ ー ワ ー ド量 に よ る 関連 付 け を利 用 し,公 式 サ イ トと非 公 式 サ イ トを 関 連 付 け 分 類 す る 手 法 を提 案 した.ま た, 従 来 よ く使 わ れ るTF■DF(TermFrθquθneylnverseDocumθnt177rθquθncy?に よ る キ ー ワー
ドの 重 み 付 け 結 果 と比 較 す る こ とで,提 案 手 法 の 有 効 性 を評 価 した.結 果 と して,提 案 手 法 は,TFIDFを 用 い た 手 法 と比 較 して,よ り有 用 な 地 域 情 報 を 抽 出 ・融 合 可 能 で あ る こ と を 示 した.
(c)は,時 空 間 デ ー タ マ イ ニ ン グ に よ る リア ル タ イ ム 地 域 分 析 手 法 で あ る.Web利 用 者 が 必 要 とす る情 報 は,興 味 ・関 心 が 変 わ る だ け で な く,場 所 ・地 域 や 時 期 ・時 間 帯 に応 じて 常 に変 化 して い る.た と え ば,季 節 と場 所 に よ っ て 求 め る観 光 情 報 は 異 な り,昼 夜 に よ っ て 期 待 す る グ ル メ 情 報 に も 違 い が あ る と予 想 され る.そ こ で,リ ア ル タ イ ム に 変 化 す る情 報 を捉 え る こ とで,旅 行 者 に 「今 」 の 情 報 提 供 に 結 び つ け る 手 法 を提 案 した.提 案 手 法 で は,SNSの 即 時 性 ・網 羅 性 を 用 い て 地 域 の 特 徴 量 を 推 定 し,時 空 間 デ ー タ の マ イ ニ ン グ を 行 う こ と で リア ル タ イ ム な 地 域 分 析 を 行 っ た.提 案 手 法 を用 い た 実 験 に よ り,SNSで 発 信 され るデ ー タ を利 用 した 場 合 に,提 案 手 法 に よ っ て 地 域 ご と の 時 系 列 変 化 の ピー ク を推 定 す る こ と で,地 域 の 特 徴 量 を 時 系 列 で 抽 出 す る こ とが 可 能 で あ る こ と を確 認 し た.
目 次
第1章 序 論
1.1.動 機 と 目的
」 ヒ」呈L
1.1.1. 目 万 曳
1.1.2.
1.1.3.
1.1.4.
1.2.
第2章 関 連 研 究
2.1.
研 究
‑⊥‑⊥‑⊥
‑⊥‑⊥‑⊥
リ ア ル タ イ ム 性 を 必 要 とす る 情 報 発 信 お よ び 複 合 デ ー タ の 可 視 化...13 Web上 か ら収 集 し た 異 種 情 報 に 対 応 した 特 徴 抽 出14
時 空 間 デ ー タ マ イ ニ ン グ に よ る リア ル タ イ ム 地 域 分 析15 本 論 文 の 構 成16
リアル タイム性 を必要 とす る情報発信 お よび複合 デー タの可視化 に関連 す る
18
2.2.Web上 か ら収 集 した 異 種 情 報 に 対 応 した 特 徴 抽 出 に 関 連 す る研 究 2.2.1.観 光 情 報 の 分 析 に 関 す る 研 究
2.2.2.観 光 イ ベ ン トな ど の 情 報 検 索 技 術 に 関 す る 研 究
2.3.時 空 間 デ ー タ マ イ ニ ン グ に よ る リア ル タ イ ム 地 域 分 析 に 関 連 し た 研 究̲̲.21 第3章 リア ル タ イ ム 性 を 必 要 とす る 情 報 発 信 お よ び 複 合 デ ー タ の 可 視 化23
3.1.概 要23
3.2.開 発 背 景 と 開 発 目 的 3.2.1.開 発 背 景
開 発 目 的
8 9 9 0 1 ⊥ ‑ ⊥ ‑ ⊥ ∩ ∠
3.2.2.
3.3.
3.3.1.
3.3.2.
3.3.3.
バ ス ロ ケ ー シ ョ ン シ ス テ ム の 概 要 シ ス テ ム 概 要
車載器概要
Webサ イ ト概 要
4 4 5 8 8 9 2 9 臼 9 臼 9 臼 9 臼 9 臼 9 臼 0 0
3.3.4.拡 張 機 能
3.4.
3.4.1.運 用 実 績
3.4.2.コ ス ト 面
3.4.3.
3.4.4.
3.5.お わ り に
シ ス テ ム の 運 用 と評 価
シ ス テ ム へ の ア ク セ ス 数 魚津市役所 か らの報告
第4章
4.1.概 要
4.2.提 案 シ ス テ ム の 概 要 4.2.1.観 光 情 報 抽 出 の 概 要 4.2.2.観 光 情 報 分 類 の 概 要 4.2.3.観 光 情 報 提 示 の 概 要 4.3.提 案 シ ス テ ム の 検 証 実 験
4.3.1.実 験 対 象
4.3.2.検 証 実 験 と 実 験 結 果 4.4.お わ り に
第5章
5.1.概 要 5.2.提 案 手 法
5.2.1.デ ー タ 収 集 5.2.2.前 処 理 5.2.3.見 頃 推 定 5.2.4.出 力
5.3.実 験 方 法 と 実 験 結 果
異種情報 に対応 した特徴抽 出
時 空 間 デ ー タ マ イ ニ ン グ に よ る リ ア ル タ イ ム 地 域 分 析
7 0 0 1 5 7 9 0 0 1 1 5 6 6 6 7 5 7 7 8 8 9 9 2 2 3 4 4 4 4 4 4 5 5 5 5 5 5 5 5 5 6 6 6 6 6 6 6 7 7
5.3.1.デ ー タ セ ッ ト
5.3.2.
5.3.3.
5.4.お わ り に
2015年 桜 の 見 頃 推 定 実 験 2015年 紅 葉 の 見 頃 推 定 実 験
第6章 結 論
6.1.結 論
6.2. 今後 の課題
2 2 8 8 9 9 9 7 ・ 7 8 7 8 8 8 ∩ 6 8
表 目次
表3‑1 表3‑2
表3‑3保 守 性
表3‑4拡 張 性
表3‑5 表4‑1 表4‑2 表4‑3 表4‑4 表4‑5 表4‑6 表4‑7 表4‑8 表4‑9 表4‑10 表4‑11 表5‑1 表5‑2 表5‑3 表5‑4 表5‑5 表5‑6
導 入 コ ス ト 運 用 コ ス ト
.月別 ア ク セ ス 数
収 集 基 準 ペ ー ジ か ら下位 層 のURL数 事前定義語
観 光 キ ー ワー ド例(魚 津 市)
TFIDF値 とR皿DF値 の 比 較(魚 津 市) 観 光 キ ー ワー ド例(日 野 市)
T171D17値 とR■DF値 の 比 較(日 野 市)
魚津市地域サイ トの分類 日野市地域サイ トの分類 線形判別結果
プ ロ グ の 分 類 結 果(魚 津 市) プ ロ グ の 分 類 結 果(日 野 市)
位 置 情 報 付 き ツ イ ー トの 推 移 例(2015/5/9‑6/4)
対 象 語 一 覧対 象 地 域 で の 見 頃 推 定 と気 象 庁 の 観 測 デ ー タ との 比 較 結 果 共 起 す る観 光 ス ポ ッ ト名 で の 見 頃 推 定 と ツイ ー ト数 対 象 地 域 で の 見 頃 推 定 と気 象 庁 の 観 測 デ ー タ との 比 較 結 果 共 起 す る観 光 ス ポ ッ ト名 で の 見 頃 推 定 と ツイ ー ト数
2 3 4 5 6 2 5 9 9 1 1 2 3 4 4 5 9 0 5 7 6 7 4 4 4 4 4 5 5 5 5 6 6 6 6 6 6 6 6 7 7 7 8 8
図 目次
図3‑1シ ス テ ム 概 要 図3‑2車 載 器 構 成 図
図3‑3車 載 器(ケ ー ス 内 部) 図3‑4車 載 器 設 置 例
図3‑5パ ソ コ ン サ イ ト(全 体 表 示) 図3‑6パ ソ コ ン サ イ ト(付 近 表 示) 図3‑7携 帯 電 話 サ イ ト
図3‑8時 刻 表 メ ン テ ナ ン ス サ イ ト 図3‑9バ ス 停 メ ン テ ナ ン ス サ イ ト 図3‑10バ ス 路 線 メ ン テ ナ ン ス サ イ ト 図3‑11ト ッ プ ペ ー ジ メ ン テ ナ ン ス サ イ ト 図3‑12同 一 路 線 で の 異 ル ー トへ の 対 応 図3‑13ス ク ー ル バ ス 運 行 時 の 対 応 図3‑14デ マ ン ド運 行 時 の 対 応
図3‑15運 行 情 報 の 表 示(パ ソ コ ン サ イ ト) 図3‑16運 行 情 報 の 表 示(携 帯 電 話 サ イ ト) 図3‑17時 間 帯 別 平 均 ア ク セ ス 数
図3‑18曜 日別 平 均 ア ク セ ス 数 図4‑1提 案 シ ス テ ム の 処 理 手 順 図5‑1シ ス テ ム 概 要
図5‑2単 純 移 動 平 均 の 日 数 図5‑3
図5‑4 図5‑5 図5‑6 図5‑7 図5‑8 図5‑9 図5‑10 図5‑11 図5‑12 図5‑13 図5‑14
東 京 都 の 対 象 語 「さ く ら」 で の 見 頃 推 定 石 川 県 の 対 象 語 「さ く ら」 で の 見 頃 推 定 北 海 道 の 対 象 語 「さ く ら」 で の 見 頃 推 定 石 川 県 の 花 見 ス ポ ッ ト
東 京 都 の 対 象 語 「か え で 」 で の 見 頃 推 定 東 京 都 の 対 象 語 「い ち ょ う」 で の 見 頃 推 定 石 川 県 の 対 象 語 「い ち ょ う」 で の 見 頃 推 定 北 海 道 の対 象 語 「い ち ょ う」 で の 見 頃 推 定 千 代 田 区 の対 象 語 「い ち ょ う」 で の 見 頃 推 定 札 幌 市 の対 象 語 「い ち ょ う」 で の 見 頃 推 定 東 京 都 の対 象 語 「こ う よ う」 で の 見 頃 推 定 石 川 県 の対 象 語 「こ う よ う」 で の 見 頃 推 定
9 9 0 0 3 4 4 5 6 6 7 8 8 9 0 0 7 7 1 8 0 3 3 4 8 9 0 0 1 1 2 2 3 2 2 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 4 4 4 4 5 6 7 7 7 7 7 7 8 8 8 8 8 8 8
図5‑15 図5‑16 図5‑17 図5‑18
北 海 道 の対 象 語 「こ う よ う」 で の 見 頃 推 定 千 代 田 区 の 対 象 語 「こ うよ う」 で の 見 頃推 定 金 沢 市 の対 象 語 「こ う よ う」 で の 見 頃 推 定 札 幌 市 の対 象 語 「こ う よ う」 で の 見 頃 推 定
0 0 4 4 ユ F O 8 8 8 8
第1章 序論
1.1.動 機 と 目 的
1.1.1.背 景
近 年,通 信 ネ ッ ト ワ ー ク イ ン フ ラ の 性 能 向 上 や,ス マ ー トフ ォ ン ・タ ブ レ ッ ト な ど の モ バ イ ル デ バ イ ス の 急 速 な 普 及 に 伴 い,時 々 刻 々 と 様 々 な 形 式 の 膨 大 な デ ジ タ ル デ ー タ が 生 成 さ れ,Web上 に 流 通 ・蓄 積 さ れ る よ う に な っ た.そ の 中 で も,SNS(SocialNetworking
Service)と 称 さ れ るWebサ ー ビ ス が 急 速 に 普 及 し注 目 を 集 め て い る.SNSの 個 人 で の 利 用 は,総 務 省 の 平 成25年 通 信 利 用 動 向 調 査[1]に よ る と,13歳 〜59歳 で は5割 を 超 え 利 用 が 拡 大 し て い る.SNSは 情 報 の 発 信 が 容 易 な こ と か ら,そ の 普 及 に 伴 いWeb上 に 流 通 ・蓄 積 さ れ る デ ー タ 量 は 爆 発 的 に 増 加 し て い る.そ の た め,Web利 用 者 が,日 々 増 加 す る 大 量 の デ ー タ を 有 効 に 活 用 で き る 可 能 性 が 広 が る 一 方 で,大 量 の デ ー タ の 中 か ら 必 要 と す る 情 報 を 取 得 す る こ と は,ビ ッ グ デ ー タ 化 が 進 む こ と に 比 例 し て,さ ら に 困 難 に な る と 予 想 さ れ て い る.そ こ で,Web利 用 者 が 効 率 的 に 必 要 な 情 報 を 取 得 す る た め に,Web上 に 点 在 す る 大 量 の 情 報 か ら必 要 な 情 報 を 抽 出 し,融 合 す る た め の 技 術 が 求 め ら れ て い る.
こ こ で ビ ッ グ デ ー タ と は,こ れ ま で 十 分 に 活 用 さ れ て い な か っ た 大 量 の 情 報 を 分 析 し 意 味 の あ る 知 見 を 発 見 し,ビ ジ ネ ス な ど に 活 用 す る ト レ ン ドに よ っ て 利 用 が 増 え た 用 語 で あ る.こ の ビ ッ グ デ ー タ に 関 す る コ ン セ ン サ ス を 得 た 明 確 な 定 義 は な い と し な が ら,Amir[2]
ら は,ビ ッ グ デ ー タ の 定 義 に つ い て ま と め て い る.そ の 中 で,Laney[3]に よ っ て 提 案 さ れ た3V(Volume,Variety,Velocity)は,Gartner[4]やTechAmericaFoundation[5]で も 同 様 の 定 義 が あ り共 通 の 枠 組 み で あ る こ と が 述 べ られ て い る.
Volumeは,デ ー タ の 大 き さ で あ る.2012年 のSchroeck[6]ら の 調 査 で は,1テ ラ バ イ ト を 超 え る デ ー タ セ ッ トは ビ ッ グ デ ー タ で あ る と し て い る.し か し,Volumeは 前 例 の な い 速 度 で 増 加 し 続 け て い る だ け で な く,業 界 に 依 存 し て お り 時 間 や デ ー タ の 種 類 に よ っ て Volumeは 異 な る こ と に 言 及 し て い る.よ っ て,ビ ッ グ デ ー タ に お け るVolumeは,特 定 の 閾 値 で 定 義 さ れ る も の で は な く,議 論 さ れ る 環 境 下 に お い て デ ー タ が 大 量 で あ る こ と を 指 し て い る が,そ のVblumeは 増 加 し 続 け る た め に 大 量 の デ ー タ 内 で の 関 連 性 判 断 や デ ー タ 分 析 を ど の よ う に 行 うか が 課 題 で あ る.
Varietyは,デ ー タ の 種 類 と デ ー タ 源 の 多 様 性 を 指 す.大 き く 構 造 化 デ ー タ ・半 構 造 化 デ
ー タ ・非 構 造 化 デ ー タ の3つ に 分 類 さ れ る .構 造 化 デ ー タ は,デ ー タ ベ ー ス と し て 管 理 で
き る 販 売 デ ー タ や 在 庫 デ ー タ な ど の 帳 簿 類 の デ ー タ で あ る.非 構 造 化 デ ー タ は,テ キ ス ト ・
画 像 ・音 声 ・動 画 や セ ン サ ー デ ー タ な ど の デ ー タ で あ る.半 構 造 化 デ ー タ は,非 構 造 化 デ
一 タ をWeb上 で 取 り 扱 う た め に 構 造 化 デ ー タ と し た デ ー タ で あ る .例 と し て, XML(eXtensibleMarkupLanguage)に よ っ て 構 造 化 し た デ ー タ で あ る.ビ ッ グ デ ー タ に お け るVarietyは,必 ず し も 新 し い デ ー タ で は な く,こ れ ま で 生 成 され て き た デ ー タ で あ る.
Varietyは,構 造 化 デ ー タ だ け で な く デ ー タ の 大 部 分 を 占 め る 非 構 造 化 デ ー タ も 含 め た 多 種 多 様 な デ ー タ を 管 理 し効 果 的 に 組 み 合 わ せ て 分 析 す る こ と を 指 し て い る.多 種 多 様 な デ ー タ を ど の よ う に 統 合 し活 用 す る か に つ い て は,以 前 か ら 多 く の 取 り組 み が 行 わ れ て い る 課 題 で あ る.
Velocityは,デ ー タ 生 成 の 速 度 と デ ー タ 分 析 の 速 度 を 指 す.デ ジ タ ル 機 器 の 普 及 に よ りデ ー タ 生 成 の 速 度 は 加 速 し
,そ れ に 伴 い デ ー タ 分 析 の 処 理 速 度 も リ ア ル タ イ ム 分 析 が 求 め ら れ て い る.デ ー タ 速 度 の 例 と し て,Curier[7]に よ る と,巨 大 小 売 店 で あ る ウ ォ ル マ ー トで は,推 定 で2.5ペ タ バ イ ト以 上 の デ ー タ ベ ー ス で 毎 時 間100万 以 上 の 顧 客 の トラ ン ザ ク シ ョ ン を 処 理 し て い る.以 前 で は 想 像 で き な か っ た 速 度 で 流 れ る デ ー タ を そ の 速 度 に 見 合 う 迅 速 な 処 理 時 間 で 分 析 し て い く こ と が 課 題 で あ る.
こ の よ う に,大 量 の 多 種 多 様 な デ ー タ を 扱 う た め に は,Volume・Variety・Velocityの そ れ ぞ れ の 面 か ら課 題 が 存 在 す る.Volumeの 課 題 は,サ ー バ のCPUや メ モ リ な ど の ハ ー ド
ウ ェ ア を ス ケ ー ル ア ッ プ す る 手 法 や サ ー バ の 台 数 を 増 や し シ ス テ ム 性 能 を 上 げ る ス ケ ー ル ア ウ トす る 手 法 に よ り 問 題 解 決 に 取 り組 ま れ て い る[8].そ の た め,デ ー タ の 蓄 積 や 処 理 を 並 列 分 散 し て 行 う た め の ツ ー ル も 数 多 く提 供 さ れ て い る.デ ー タ を 蓄 積 す る ツ ー ル と し て, HadooP[9][10]やNoSQL[11]が あ る.ま た,デ ー タ を 処 理 す る ツ ー ル と し て,Mahout[12]
[13]な ど の 環 境 も 提 供 され て い る.Velocityの 課 題 は,デ ー タ 入 力 と 同 時 に リ ア ル タ イ ム 分 析 を 行 う ア プ ロ ー チ で 問 題 解 決 に 取 り組 ま れ て い る[14].こ の た め の ス ト リー ム ・デ ー タ 分 析 ツ ー ル と し て,CEP(ComplexEventProcessing:複 合 イ ベ ン ト処 理)を 用 い られ て い る[15].Varietyの 課 題 は,多 種 多 様 な デ ー タ を デ ー タ 変 換 ツ ー ル に よ り 変 換 しデ ー タ 統 合 を 行 う基 盤 の 利 用 に よ り 問 題 解 決 に 取 り組 ま れ て い る.し か し,デ ー タ 統 合 を 行 うた め に は,分 析 に 必 要 な デ ー タ を 選 択 しデ ー タ 統 合 を 行 う シ ス テ ム 設 計 が 必 要 と な る.そ の た め, デ ー タ 分 析 に 必 要 な デ ー タ を 統 合 し,そ の 分 析 事 項 を 決 定 す る に は,人 手 に よ る 検 討 が 必 要 と な る.よ っ て,Varietyの 問 題 解 決 に は,利 用 可 能 な デ ー タ の 詳 細 を 把 握 し た 人 材 と デ ー タ 分 析 手 法 を 把 握 し た 人 材 に よ る シ ス テ ム 設 計 が 不 可 欠 で あ り高 コ ス トで あ る .
こ の よ う に,VblumeやVelocityは ハ ー ド ウ ェ ア ・ソ フ ト ウ ェ ア 基 盤 に よ り 問 題 解 決 が 検 討 さ れ て い る.し か し,Varietyの 課 題 で あ る 増 加 す る 多 種 多 様 な デ ー タ に 対 応 し た 分 析 の 問 題 解 決 に は 人 的 要 因 を 含 め コ ス トが 伴 うた め 難 し い 状 況 も 存 在 す る.
例 と し て,Webペ ー ジ や プ ロ グ,SNSな ど,Web上 に 点 在 す る 情 報 か ら 有 用 な 情 報 を 抽
出 し統 合 す る 際 に は,点 在 す る 異 種 情 報 へ の 対 応 が 重 要 な 課 題 と な る.た と え ば,Webサ
イ トで は,定 常 的 な 情 報 が 網 羅 的 に 発 信 さ れ て い る.一 方 で,プ ロ グ は,Webサ イ トな ど
で 公 開 さ れ た 定 常 的 な 情 報 に 対 す る 意 見 や 感 情 が 多 く,非 定 常 的 な 情 報 と し て 発 信 さ れ て
い る.さ ら に,SNSで は,定 常 的 ・非 定 常 的 な 大 量 の 情 報 が 即 時 性 を 持 っ て 網 羅 的 に 発 信
され て い る が,短 文 か つ 口語 的 な デ ー タ が 中 心 で あ り,表 記 揺 れ や ノ イ ズ も 非 常 に 多 く含 ま れ て い る.こ れ らの 異 種 情 報 を 対 象 に 情 報 抽 出 ・融 合 を行 っ た 場 合,多 種 多 様 な 形 式 の デ ー タ を扱 うた め,抽 出 や 融 合 の性 能 が 低 下 し,利 用 者 の期 待 す る情 報 抽 出 ・融 合 結 果 が 得 られ な い 可 能 性 が 高 い.ま た,異 な る 形 式 で 抽 出 した デ ー タ 同 士 が 関 連 した 内 容 で あ っ て も,類 似 度 を 算 出 で き な け れ ば デ ー タ を 融 合 す る こ と が で き な い.そ の た め,Web上 の 異 種 情 報 か ら類 似 デ ー タ を 抽 出 し,様 々 な 形 式 の デ ー タ を 融 合 す る 情 報 の 統 合 技 術 を確 立 す る こ と は,ビ ッ グ デ ー タ か ら有 用 な 情 報 を取 得 す る 際 の 重 要 な 課 題 の1つ で あ る.
そ こで,本 研 究 で は,ビ ッ グデ ー タ のVarietyが 抱 え る課 題 に対 して,Web上 に 存 在 す る 大 量 の 異 種 情 報 群 か ら利 用 者 が 必 要 とす る情 報 を 抽 出 ・融 合 し情 報 提 供 を 行 うた め の 情 報 統 合 手 法 の 実 現 を 目的 とす る.本 研 究 の ア プ ロー チ は,Webペ ー ジ,プ ロ グ,SNS,そ
して 情 報 通 信 機 器 が 発 信 し,Web上 に 点 在 す る異 種 情 報 に対 して,時 空 間 デ ー タ を キ ー と してWeb上 の 大 量 の 異 種 情 報 か ら地 域 を 限 定 し地 域 特 徴 量 を推 定 す る こ と で 必 要 な 情 報 を 統 合 す る.こ の 時,時 空 間 デ ー タ を用 い る こ とで リア ル タ イ ム 性 を 持 っ た 情 報 統 合 が 可 能 とな る 点 に 特 徴 が あ る.本 研 究 で は,Web上 か ら収 集 対 象 と した 地 域 の デ ー タ を抽 出 ・融 合 し情 報 を統 合 す る 手 法 を 提 案 した.本 論 文 は,特 に,観 光 情 報 を提 供 す る 側 と観 光 時 に 訪 問 先 地 域 の 観 光 情 報 を 取 得 す る側 の 両 方 の 視 点 か ら,時 空 間 デ ー タ を キ ー と して 異 種 情 報 の 分 析 ・可 視 化 す る情 報 統 合 手 法 に 焦 点 を 当 て,次 の3つ の 手 法 を実 現 した.観 光 情 報 提 供 側 の 視 点 か ら,旅 行 者 に リア ル タ イ ム な 情 報 提 供 を行 うた め の(a)リ ア ル タ イ ム 性 を 必 要 とす る 情 報 発 信 お よ び 複 合 デ ー タ の 可 視 化 手 法 で あ る.次 に 旅 行 者 側 の 視 点 か ら,旅 行 者 の 現 在 地 で あ る空 間 情 報 に 対 し,そ の 地 域 情 報 を 取 得 す る た め の(b)Web上 か ら収 集 した 異 種 情 報 に対 応 した 特 徴 抽 出 手 法 で あ る.さ らに,旅 行 者 側 の 視 点 か ら,空 間 情 報 に加 え 時 系 列 情 報 を 含 め る こ とで リアル タ イ ム に 情 報 取 得 を行 うた め の(c)時空 間 デ ー タマ イ ニ ン グ に よ る リア ル タイ ム 地 域 分 析 手 法 で あ る.次 項 以 降 に そ れ ぞ れ の ア プ ロー チ に つ い て 記 述 す る.
1.1.2.リ ア ル タ イ ム 性 を 必 要 と す る 情 報 発 信 お よ び複 合 デ ー タ の
可視化
近 年,日 本 で は世 界 的 に み て も際 立 っ た 少 子 高 齢 化 社 会 が 進 ん で い る.65歳 以 上 の 人 口 は3,079万 人 を超 え,総 人 口 に 占 め る高 齢 化 率 は24.1%に 上 昇 して い る[16].今 後 も高 齢 化 率 は 増 加 す る と予 測 され て い る.一 方 で,地 方 都 市 で は,モ ー タ リゼ ー シ ョ ン の進 展 や 改 正 道 路 運 送 法 に と も な う規 制 緩 和 に よ っ て 民 間 バ ス 事 業 者 の 不 採 算 路 線 の休 廃 止 が 増 加 し,公 共 交 通 機 関 の 衰 退 が加 速 して い る.そ の た め,通 勤 や 買 物 な どの 日常 生 活 に お け る 交 通 手 段 と して 自動 車 利 用 率 が 非 常 に 高 く,自 動 車 に依 存 した 生 活 ス タ イ ル と な っ て い る.
よ っ て,現 在 で も 自動 車 を使 わ な い 世 帯 や 高 齢 者 の 生 活 利 便 性 は 都 市 部 に 比 べ て 著 し く低
く,今 後 の 高 齢 化 社 会 を ふ ま え る と,公 共 交 通 の 確 保 は 各 地 方 自治 体 に お い て 深 刻 な 問題 とな る こ とが 懸 念 され て い る[17].こ の た め,多 く の 地 方 都 市 で は,少 子 高 齢 化 が 進 む 中 で,市 民 の 足 とな る 公 共 交 通 を 確 保 す る こ とが 市 民 生 活 を 支 え る 点 で 重 要 な課 題 とな っ て い る.
こ の 課 題 を解 決 す る手 段 の1つ と して,リ ア ル タイ ム 性 を持 つ 情 報 発 信 を 行 い 利 用 者 に 有 用 な 情 報 を 提 示 す る ロ ケ ー シ ョ ン シ ス テ ム の 導 入 が あ る.さ らに,公 共 交 通 情 報 に 加 え 人 々 が 興 味 ・関 心 を も つ 情 報 を リア ル タ イ ム に提 供 す る こ と で,利 便 性 を 向 上 させ 旅 行 者 な ど地 域 住 民 以 外 へ の 公 共 交 通 機 関 の 利 用 促 進 を 図 る こ と も 可 能 とな る.こ の シ ス テ ム を 実 現 す る た め に は,情 報 を 必 要 と した 時 点 で の 異 な る種 類 の デ ー タ に 関 す る複 合 的 な 時 空 間 情 報 が 必 要 とな る.ま た,情 報 提 供 者 側 が 利 用 者 に対 して リア ル タ イ ム 性 を持 つ 情 報 を 発 信 す る に は,現 在 地 や 時 刻 な ど をWeb上 に提 供 す る ロ ケ ー シ ョン シ ス テ ム と時 空 間 に連 動 させ た 情 報 提 供 が 効 果 的 な 場 合 が あ る.
しか し,一 般 に ロケ ー シ ョ ン シ ス テ ム は 高 価 な た め,導 入 に は コ ス トが か か る.そ の た め,本 研 究 で は,安 価 に 導 入 ・運 用 可 能 な ロケ ー シ ョ ン シ ス テ ム を 構 築 し複 数 の デ ー タ を 同 時 に 可 視 化 す る手 法 を 提 案 した.さ らに,提 案 手 法 を 用 い て,実 際 に 富 山 県 魚 津 市 の 地 域 公 共 交 通 に 適 用 し運 用 を行 っ た.
1.1.3.Web上 か ら収 集 した 異 種 情 報 に 対 応 した 特 徴 抽 出
ネ ッ トワ ー ク イ ン フ ラ の 普 及 に 伴 いWeb上 で は 多 くの 情 報 が発 信 され て い る.Web上 の 情 報 に は,主 に 自治 体 や 企 業 な どが 提 供 す る 公 式 サ イ トの 定 常 的 な 情 報 と,主 に個 人 が プ ロ グ な どで 提 供 す る 非 公 式 サ イ トの 非 定 常 的 な ロ コ ミ ・評 判 情 報 が あ る.そ の た め,異 な る視 点 か ら同 一 情 報 につ い て の情 報 提 供 が 行 わ れ て お り,デ ー タ の 内 容 も不 均 質 で あ る.
観 光 情 報 とい う視 点 か ら見 て も,国 や 地 方 自治 体,企 業 の 発 信 す る地 域 ポ ー タ ル サ イ ト(以 降,地 域 サ イ ト)の観 光 情 報 や プ ロ グ やTwitter[18]な ど を利 用 した個 人 の 投 稿 す る観 光 情 報 な ど多 くの 情 報 が 提 供 され て い る.こ れ らの 情 報 は,Web検 索 に よ り情 報 収 集 され,旅 行 計 画 時 や 旅 行 時 に,観 光 ス ポ ッ トや 飲 食 店 ・宿 泊 施 設 な ど観 光 に 関 連 した 情 報 源 と して 利 用 され て い る.し か し,Web上 に は,日 々 多 くの 情 報 が発 信 され て い るた め,旅 行 計 画 者 が 検 索 エ ン ジ ン な どを 利 用 し旅 行 に 有 益 な観 光 情 報 を 取 得 す る こ とは 情 報 量 の 増 加 に 伴 い 困 難 に な る と考 え られ る.そ こで,Web検 索 結 果 か ら,検 索 地 域 の 定 常 的 な 情 報 と ロ コ
ミ ・評 判 情 報 を 同 時 に抽 出 す る技 術 が 必 要 とな る.
こ こで,旅 行 計 画 者 は,次 の3つ の情 報 収 集 作 業 を 行 う と想 定 した.
1つ 目は,観 光 地 の 地 名 や 名 称 か ら検 索 エ ン ジ ン を利 用 した 観 光 地 の 観 光 情 報 の 収 集 作 業 で あ る.観 光 地 の 地 名 な どで 検 索 した 結 果 か ら,自 治 体 や 観 光 協 会 の 提 供 す る地 域 サ イ ト や 旅 行 代 理 店 な ど の サ イ トを参 照 し,観 光 地 の 観 光 ス ポ ッ トや ア クセ ス 方 法 な どの 詳 細 情 報 を 取 得 す る.こ の 検 索 を繰 り返 し,観 光 地 周 辺 の複 数 の観 光 名 所 や 施 設 の詳 細 情 報 を 収
集 す る.
2つ 目は,観 光 地 な どの 情 報 に 関 連 す る ロ コ ミ情 報 や,評 判 情 報 の 収 集 作 業 で あ る.旅 行 計 画 者 が,1つ 目の 作 業 で 収 集 した 観 光 情 報 が 意 思 決 定 に不 十 分 で あ る と判 断 した 場 合 に, ほ か の 旅 行 者 が発 信 した観 光 ス ポ ッ トな ど の ロ コ ミ情 報 や,評 判 情 報 を収 集 す る.
3つ 目は,前 述 の2つ の 情 報 収 集 で 取 得 した観 光 情 報 を利 用 した 意 思 決 定 を す る た め の 観 光 情 報 の 整 理 作 業 で あ る.2つ の情 報 収 集 で 得 られ た 観 光 ス ポ ッ トで あ る観 光 名 所 や 施 設 に つ い て の詳 細 情 報 と観 光 ス ポ ッ トに 関 す る他 者 の 評 価 情 報 を 関 連 付 け る こ とで,収 集 情 報 を 分 類 し必 要 な 情 報 を選 択 す る こ とで,旅 行 計 画 の 意 思 決 定 に利 用 して い る.
以 上 の3つ の 観 光 情 報 の 収 集 作 業 を旅 行 計 画 者 自 らがWeb検 索 を繰 り返 し,旅 行 先 の 地 域 サ イ トや 旅 行 先 に つ い て 記 述 され た プ ロ グ な ど か ら旅 行 に 有 益 な 観 光 情 報 を取 得 しな け れ ば な ら な い.し か し,現 在,Web利 用 者 自身 の情 報 処 理 能 力 に よ らず 観 光 の 意 思 決 定 に 有 用 と な る観 光 情 報 を 自動 抽 出 し分 類 す る作 業 は シ ス テ ム化 され て い な い.そ の た め,検 索 が 得 意 な旅 行 計 画 者 で あ っ て も,非 常 に コ ス トが か か る 上 にWeb利 用 者 個 々 の 情 報 処 理 能 力 に 依 存 した 観 光 情 報 を 得 る こ と とな る.従 っ て,旅 行 先 の 地 域 や 観 光 資 源 に つ い て の 予 備 知 識 が な い 状 態 やWeb検 索 に 不 慣 れ な 情 報 弱 者 が行 う場 合 に は,有 益 な 情 報 を 得 る こ
と は よ り一 層 困難 とな る こ とが 予 想 され,コ ス トを か け た検 索 を行 っ て も旅 行 に 有 益 な 観 光 情 報 に た ど り着 け な い 可 能 性 も あ る.
そ こで,本 研 究 で は,Web上 の 観 光 情 報 に着 目 し,形 態 素 とIV‑gramを 組 み 合 わ せ た キ ー ワー ド抽 出 とRID)17〈RθsidualID17
,残 差IDIbを 利 用 した 重 み 付 け[19]を 用 い て 旅 行 計 画 者 が 旅 行 先 と した 地 域 の観 光 情 報 を 自動 抽 出 し,分 類 す る シ ス テ ム を提 案 す る.こ こで は,旅 行 者 の 現 在 地 や 旅 行 対 象 地 域 の 空 間 情 報 を利 用 し,Webか ら収 集 した 対 象 地 域 の 公 式 サ イ トの 情 報 か ら,形 態 素N‑gram形 式 の 語 を抽 出 し,RID17に よ る重 み 付 け を 行 う.そ の キ ー ワ ー ドを 用 い て,プ ロ グ な ど の 非 公 式 サ イ トに含 ま れ る キ ー ワ ー ド量 に よ る 関 連 付 け を利 用 し,Webか ら公 式 サ イ トと非 公 式 サ イ トを抽 出 し関 連 付 け る 手 法 を 提 案 した.
1.1.4.時 空 間 デ ー タ マ イ ニ ン グ に よ る リア ル タ イ ム 地 域 分 析
Web利 用 者 が 必 要 とす る情 報 は,興 味 ・関 心 が 変 わ る だ け で な く,場 所 ・地 域 や 時 期 ・ 時 間 帯 に応 じて 常 に 変 化 して い る.た と え ば,観 光 に着 目す る と,季 節 と場 所 に よ っ て 求 め る観 光 情 報 は 異 な り,昼 夜 に よ っ て 期 待 す る グル メ 情 報 に も違 い が あ る と予 想 され る.
多 種 の 情 報 がWeb上 に 存 在 す るが,こ こで は観 光 情 報 に着 目す る.Web上 の 地 域 観 光 情 報 は,SNSが 普 及 す る 以 前 か ら,自 治 体 ・観 光 協 会 ・旅 行 会 社 な どが 中 心 とな っ てWebペ ー ジ を 通 じて 提 供 して き た .さ らに,近 年 のTwitterやFacebookな ど のSNSの 普 及 に伴 い 情 報 提 供 が 容 易 に な っ た こ と か ら,詳 細 な 情 報 を観 光 ス ポ ッ トご と に情 報 発 信 す る取 り 組 み も増 加 して い る.し か し,適 時 性 や 話 題 性 を 持 つ 観 光 情 報 の 提 供 を行 う に は,更 新 頻 度 が 増 加 す る な ど,情 報 提 供 側 の コ ス ト増 に つ な が る.そ の た め,地 域 や 観 光 ス ポ ッ トご
との 取 り組 み に は 差 異 が あ り,安 定 した 情 報 提 供 が で き る 地 域 や 観 光 ス ポ ッ トは 少 な い 現 状 で あ る.
経 済 産 業 省 のWebを 通 して 提 供 され る観 光 情 報 に つ い て の 実 態 調 査[20]に お い て も,地 域 の 旬 で リア ル タイ ム な 情 報 や 地 元 な らで は の 情 報 提 供 を期 待 す る も の の,更 新 頻 度 が 低 い こ と が 多 くガ イ ドブ ッ ク な ど の 出 版 物 と 同 程 度 の 情 報 しか 提 供 され て い な い.ま た,各
自治 体 ・観 光 協 会 ・旅 行 会 社 が 独 立 してWeb情 報 を 公 開 して お り,旅 行 先 地 域 単位 で ま と ま っ た 情 報 提 供 が 行 わ れ て い る も の の,そ れ ぞ れ の観 光 ス ポ ッ トの 「今 」 を 取 得 す る た め に は,情 報 収 集 に コス トが か か る な どの 意 見 が 挙 げ られ て い る.
旅 行 者 は,よ り リア ル タ イ ム な観 光 情 報 提 供 を 望 ん で い る.そ の た め,観 光 地 域 の 時 期 や 時 間 帯 に応 じて,刻 々 と変 化 す る旅 行 者 に 有 用 な 実 世 界 の 「今 」 の 情 報 提 供 が 必 要 で あ る と考 え られ る.こ こ で,実 世 界 の 「今 」 と は,花 が 咲 い て 見 頃 で あ る 状 況 や 訪 問 地 域 で 開催 され て い る イ ベ ン ト情 報,局 所 的 な 大 雨 な ど の 防 災 情 報 な ど,旅 行 者 が 情 報 を 取 得 す る 時 点 で の 季 節 や イ ベ ン ト,防 災 を検 討 す る 上 で 重 要 な 要 因 とな る も の を想 定 して い る.
マ イ ク ロブ ロ グ を 提 供 す るSNSと し て代 表 的 で あ るTwitterは,リ ア ル タ イ ム な コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン ツ ー ル と し て 活 用 で き る こ と か ら 日本 国 内 で の 利 用 者 も多 く,日 々 大 量 の 情 報 発 信 が 行 わ れ て い る.SNSを 通 して 利 用 者 が 発 信 す る大 量 の 情 報 の 中 か ら実 世 界 の リア ル タイ ム な 「今 」 の 状 況 を 捉 え る こ とは,有 用 なSNSの 活 用 法 で あ り,そ の 状 況 に 対 応 し た リア ル タ イ ム な 「今 」 の 情 報 提 供 を 行 え る 可 能 性 が あ る.
そ こで,本 研 究 で は,SNSを 利 用 し,時 空 間 デ ー タ マ イ ニ ン グ に よ る リア ル タ イ ム 地 域 分 析 を 行 う こ とで,リ ア ル タ イ ム に変 化 す る情 報 を 捉 え情 報 提 供 に 結 び つ け る 手 法 を提 案 した.提 案 手 法 で は,SNSの 即 時 性 ・網 羅 性 を用 い て 地 域 の 特 徴 量 を推 定 し,位 置 情 報 と 時刻 を利 用 した マ イ ニ ン グ を 行 うこ とで リアル タイ ム な 地 域 分 析 を行 っ た.
1.2.本 論 文 の 構 成
2章 で は,本 論 文 に 関 連 す る研 究 に つ い て 述 べ る.
3章 で は,リ ア ル タ イ ム 性 を 必 要 とす る情 報 発 信 お よ び 複 合 デ ー タ の 可 視 化 手 法 に つ い て 記 述 す る.こ こ で は,地 域 公 共 交 通 を 対 象 と して,リ ア ル タ イ ム 性 を 持 つ 情 報 発 信 に必 要 な 安 価 な ロ ケ ー シ ョ ン シ ス テ ム の構 築 手 法 に つ い て 述 べ る.ま た,提 案 手 法 を用 い て 実 際 に 地 域 公 共 交 通 に適 用 し運 用 を行 い,そ の 結 果 を考 察 に つ い て 示 す.
4章 で は,Web上 か ら収 集 した 異 種 情 報 に 対 応 した 特 徴 抽 出 手 法 に つ い て 記 述 す る.こ こ で は,Web上 の 自治 体 や 観 光 協 会 が 提 供 す る地 域 サ イ トの 観 光 情 報 とプ ロ グ で提 供 され る ロ コ ミ ・評 判 情 報 を対 象 と して,異 種 情 報 を 統 合 す るた め の形 態 素N‑gramとR■DFを 用 い た 情 報 の 抽 出 ・融 合 手 法 につ い て 述 べ る.ま た,提 案 手 法 と従 来 よ く使 わ れ るTFIDF に よ る キ ー ワー ドの 重 み 付 け結 果 と比 較 す る こ と で,提 案 手 法 の 有 効 性 の 評 価 につ い て 示 す.
5章 で は,時 空 間 デ ・一一・̀タマ イ ニ ン グ に よ る リア ル タ イ ム 地 域 分 析 手 法 につ い て 述 べ る.こ こ で は,日 本 国 内 の 生 物 季 節 観 測 を対 象 と して,リ ア ル タ イ ム 地 域 分 析 手 法 を 用 い た 実 験 に よ り,SNSで 発 信 され る デ ー タ を利 用 し た場 合 に,提 案 手 法 に よ っ て 地 域 ご との 時 系 列 変 化 の ピ ー ク を推 定 す る こ と で,地 域 の 特 徴 量 を 時 系 列 で 抽 出 す る こ とが 可 能 で あ る こ と 示 す.
6章 で は,本 論 文 の 結 論 お よ び 今 後 の 展 望 に つ い て 述 べ る.
第2章 関連 研 究
2.1.リ ア ル タ イ ム 性 を 必 要 とす る 情 報 発 信 お よ び
複 合 デー タの 可 視 化 に関 連 す る研 究
リア ル タイ ム性 を 必 要 とす る情 報 発 信 お よ び 複 合 デ ー タ の 可 視 化 に 関 す る研 究 は様 々 な 分 野 で 行 わ れ て い る.こ こ で は,特 に バ ス ロケ ー シ ョ ン シ ス テ ム を含 む 公 共 交 通 に つ い て の 関 連 研 究 を示 す.
大 谷[21]は,バ ス ロ ケ ー シ ョ ン シ ス テ ム の 課 題 を整 理 し,バ ス ロケ ー シ ョン シ ス テ ム の 継 続 的 な 運 用 を 図 るた め の 対 処 方 策 に つ い て 研 究 を 行 っ て い る.本 研 究 で は,対 処 方 策 の1 つ と し て 実 運 用 に 即 した 必 要 最 低 限 の機 能 に 特 化 させ た.そ の うえ で 特 定 の利 用 者 に 限 ら ず 利 用 者 の 利 便 性 を 向 上 させ な が ら継 続 的 な 運 用 が で き る バ ス ロ ケ ー シ ョン シ ス テ ム の 開 発 を行 い,実 運 用 に 結 び 付 け た.
伊 藤 ら[22]は,ス マ ー トフ ォ ン を 利 用 し,鳥 取 県 全 体 を カ バ ー す るバ ス ロ ケ ー シ ョ ン シ ス テ ム を 開 発 して い る.こ の シ ス テ ム は,鳥 取 県 の バ ス ネ ッ トと連 携 して お り,鳥 取 県 以 外 で 実 用 化 す る に は バ ス ネ ッ トと同 等 の シ ス テ ム 構 築 が 必 要 とな り,ど の バ ス 事 業 に 対 し て も導 入 可 能 とい うわ け に は い か な い.本 シ ス テ ム で は,機 能 を 限 定 しバ ス ロ ケ ー シ ョ ン シ ス テ ム とす る こ とで,小 規 模 な バ ス 事 業 へ の 導 入 お よび 運 用 管 理 を 簡 単 に行 え る シ ス テ ム と した 点 に 特 徴 が あ る.
坂 田 ら[23],[24]は,Android端 末 を利 用 した 簡 易 バ ス ロケ ー シ ョ ン シ ス テ ム の 開 発 を行 っ て い る.こ の シ ス テ ム は,愛 知 県 日進 市 の 市 内 巡 回 バ ス(く る りん ば す)に お い て 平 成 26年2A末 ま で の 予 定 で 実 証 実 験 と して試 験 的 に 運 用 を行 っ て い る.
松 田 ら[25]は,熊 本 都 市 圏 バ ス に お け るバ ス ロケ ー シ ョン シ ス テ ム を想 定 し,利 用 者 ・バ ス 事 業 者 向 け の ア プ リを 開発 し実 験 を 行 っ て い る.ス マ ー トフ ォ ン を使 う とい う意 味 で 伊 藤 ら と 同 じ開 発 を行 っ て い る.し か し,実 験 は 行 っ て い る も の の,実 運 用 可 能 な シ ス テ ム 開発 に は 至 っ て い な い.
山 田 ら[26]は,5.8GHz‑DSRCを 活 用 した 高 速 路 線 バ ス の バ ス ロ ケ ー シ ョ ン シ ス テ ム を 開発 して い る.DSRCを 用 い る こ とで 通 信 費 を抑 え る こ と は 可 能 で あ る が,高 速 道 路 な ど のDSRCの イ ン フ ラ整 備 が 進 ん だ 路 線 に対 して 有 用 な シ ス テ ム で あ り,地 方 都 市 に お け る コ ミュ ニ テ ィバ ス で も使 え る シ ス テ ム で は な い.
新 谷 ら[27]は,幼 稚 園 ・保 育 所 の 送 迎 バ ス の位 置 を保 護 者 に メ ー ル で 通 知 す る シ ス テ ム を 開 発 し商 品 化 を行 っ て い る.し か し,特 定 の ユ ー ザ 向 け に 開 発 され た も の で,誰 で も使 え る シ ス テ ム で は な い.ま た,シ ス テ ム の メ ン テ ナ ン ス(コ ー ス 変 更 や 運 行 時 間 の 変 更) を バ ス 運 用 者 が行 うこ と を想 定 した シ ス テ ム で は な い.
平 沢 ら[28]は,バ ス ロ ケ ー シ ョ ン シ ス テ ム を 利 用 す る来 訪 者 を対 象 に した 観 点 か ら考 究 を 行 っ て い る.本 研 究 で は,地 図 上 に バ ス 位 置 を 表 示 す る こ とで 土 地 勘 の な い 来 訪 者 で あ っ て も視 覚 情 報 か ら行 き 先 を確 認 で き る案 内 を 実 現 した こ とで,平 沢 らの 示 す 改 善 策 の1 つ の 手 法 とな っ て い る.Ferrisら[29]は,シ ア トル 地 域 の公 共 交 通 機 関 の リア ル タイ ム な 到 着 情 報 を 提 供 す るア プ リケ ー シ ョ ンで あ るOneBusAwayを 公 開 し,OneBusAway利 用 者 に対 して 調 査 を行 い,そ の 評 価 を行 っ て い る.ア メ リカ 国 内 の 都 市 に お い て 実 運 用 を 行 い な が ら も,特 定 の モ バ イ ル デ バ イ ス の プ ラ ッ トフ ォ ー ム に あ わ せ て 調 整 す る こ とが で き る 一 方 で,様 々 な 種 類 の デ バ イ ス が 日 ご と に 増 加 して い る モ バ イ ル デ バ イ ス す べ て に 対 応
した ア プ リケ ー シ ョ ン の 開 発 の リソー ス を 持 っ て い な い こ と に も言 及 して い る.
Kjeldskovら[30]は,オ ー ス トラ リア の メ ル ボ ル ン の トラ ム な ど の公 共 交 通 シ ス テ ム を 利 用 す る た め の ル ー ト計 画 ツ ー ル をユ ー ザ に 提 供 す る モ バ イ ル 情 報 サ ー ビ ス の設 計 に つ い て議 論 して い る.コ ン テ キ ス ト ・ア ウ ェ ア ・コ ン ピ ュ ー テ ィ ン グ に よ り利 用 者 の 行 動 パ タ ー ン に あ わ せ た 情 報 提 供 を行 うた め の 研 究 を行 っ て い る .
Google乗 換 案 内[31]は,2005年12AにGoogleLabsの プ ロ ジ ェ ク トと して 開 始 され, 世 界 中 の400以 上 の都 市 で 登 録 され た 交 通 機 関 デ ー タ に よ る乗 り換 え 案 内 を提 供 し て い る.
ま た,GTFS(GeneralTransitFeedSpeci丘cation)[32]を 利 用 した 乗 換 案 内 パ ー トナ ー プ ロ グ ラ ム に 参 加 す る こ とでGoogle乗 換 案 内 に 時 刻 表 な どの 情 報 提 供 を行 うこ とが 可 能 と な る.し か し,リ ア ル タ イ ム な 運 行 情 報 の 提 供 に は バ ス か ら の位 置 情 報 送 信 が 必 要 と な る た め,本 研 究 シ ス テ ム で 運 用 し て い る車 載 器 な ど が 必 要 で あ る.よ っ て,地 域 の コ ミ ュ ニ テ ィバ ス を運 行 す る 地 方 自治 体 な ど が リア ル タ イ ム な運 行 情 報 を 提 供 す る た め に,そ れ ら を独 自で 開発 し,運 用 管 理 を 行 うこ と は 困 難 で あ る.
2.2.Web上 か ら収 集 した 異 種 情 報 に 対 応 した
特徴抽 出に関連す る研究
こ こで は,Web上 の 観 光 情 報 に 関連 した 異 種 情 報 に対 応 した 関 連 研 究 に つ い て 示 す.観 光 情 報 の 提 供 や 分 析 につ い て は,斎 藤[33]に よ りま と め られ て い る.本 研 究 のWeb上 の 観 光 情 報 を抽 出 ・分 類 し提 供 す る こ とに 類 似 した 研 究 と して,2.2.1項 に 観 光 情 報 の 分 析 に 関 す る研 究,2.2.2項 に観 光 イ ベ ン トな どの 情 報 検 索 技 術 に 関す る研 究 に つ い て 述 べ る.
2.2.1.観 光 情 報 の 分 析 に 関 す る 研 究
観 光 情 報 の 分 析 に 関 す る研 究 は,Web上 で 提 供 され て い る観 光 情 報 の 分 析 に よ る情 報 発 信 状 況 の 抽 出 で あ る.三 田村 ら[34]は,プ ロ グ を収 集 し分 析 す る こ とで 観 光 キ ー ワ ー ドの 出 現 頻 度 を調 査 し,プ ロ グ と観 光 と の 関 連 性 か ら プ ロ グ に よ る観 光 情 報 の 取 得 に つ い て研
究 して い る.守 屋 ら[35]は,図 書 館 情 報 に お け る 単 語 の 同 義 関係 や 類 義 関係 な どで 分 類 し た 辞 書(シ ソー ラ ス)構 築 の ノ ウハ ウ を応 用 して,観 光 に 特 化 した観 光 情 報 シ ソー ラ ス の設 計 に つ い て 研 究 して い る.石 野 ら[36]は,旅 行 プ ロ グエ ン トリか ら 自動 的 に 土 産 情 報 と観 光 名 所 情 報 を 抽 出 す る手 法 を 提 案 して い る.寺 西 ら[37]は,観 光 ガ イ ドブ ッ ク の ペ ー ジ を カ テ ゴ リに 分 類 す る こ とで 構 造 化 し,旅 行 プ ロ グ エ ン ト リ と質 疑 応 答 コ ン テ ン ツ の 対 応 付 け を行 っ て い る.奥 ら[38]は,特 定 の 地 域 で しか利 用 され な い 語 句 に 着 目 し,グ ル メ サ イ ト か ら取 得 した 飲 食 店 情 報 を 基 に 地 域 特 有 の グ ル メ の ス ポ ッ トを 推 薦 す る シ ス テ ム を提 案 し て い る.田 中 ら[39]は,特 定 の 住 所 を 持 つ 場 所 の知 名 度 に つ い て 全 国 的 に 知 られ て い る ス ポ ッ トか遠 くの 人 に は 知 られ て い な い が 地 元 で は よ く知 られ て い る ス ポ ッ トな の か を推 定 す る手 法 を 提 案 して い る.ま た,徳 永 ら[40]は,観 光 開 発 支 援 を行 うた め に プ ロ グ 記 事 か ら下 位 発 案 に つ な が る ヒ ン ト分 を 抽 出 す る 手 法 を提 案 して い る.さ ら に,Web上 の デ ー タ か ら観 光 地 の イ メー ジ を 分 析 す る研 究 が あ る.Choiら[41]は,Web上 の マ カ オ の観 光 情 報 を 分 析 し,Web上 の マ カ オ の 画 像 表 現 を特 定 す る研 究 を行 っ て い る.Stepchenkovaら[42]
は,ロ シ ア の 観 光 情 報 を ア メ リカ と ロ シ ア のWeb上 の 情 報 か ら抽 出 し,両 国 か ら見 た ロ シ ア の 旅 行 先 と して の 違 い を分 析 して い る.Peng[43]は,Web上 の 中 国 の 旅 行 広 告 ・旅 行 ガ イ ド ・旅 行 プ ロ グ を 分 析 し,旅 行 広 告 や 旅 行 ガ イ ドと旅 行 プ ロ グ 内 容 は 異 な り,中 国 人 観 光 客 が 日本 の 観 光 地 に お い て 景 観 や 伝 統 文 化 よ り京 都 や 奈 良 の よ うな 歴 史 的 な 都 市 に 感 銘 を 受 け る こ とを 明 らか に して い る.Wegner[44]は,英 語 圏 と ドイ ツ語 圏 か らオ ー ス ト リア へ の 旅 行 者 に よ る プ ロ グ を分 析 し,オ ー ス トリアへ の イ メー ジ を抽 出 してい る.Pangら [45]は,観 光 地 の 特 性 を 明 らか にす る た め に 英 語 で 記 述 され た ア メ リカ 国 内 の 旅 行 者 プ ロ グ を 分 析 し,各 地 の 要 約 を抽 出 し て い る.村 上 ら[46]は,訪 日外 国 人 観 光 客 の 英 語 プ ロ グ を 分 析 し 日本 に 対 す るイ メ ー ジ につ い て の 分 析 を 行 っ て い る.
これ らは,Web上 の 情 報 に 着 目 し観 光 情 報 を 抽 出 す る点 で は 非 常 に 類 似 して い る が,本 節 で 示 した 関 連 研 究 は サ イ ト構 成 が 同 一 フ ォ ー マ ッ トで あ るペ ー ジ を 対 象 に した 分 析 が 中 心 で あ る.本研 究 で は,特 定 の サ イ トや,特 定 の 分 野 の サ イ トに 限 定 せ ず に,地 域 サ イ トや プ ロ グ な ど複 数 の テ キ ス トを対 象 に 抽 出 を 行 う点 に 特 徴 が あ る.ま た,人 手 に よ る辞 書 作 成 な ど の 事 前 準 備 に 頼 らず に観 光 キ ー ワ ー ドの 抽 出 を行 い,自 動 抽 出 した 観 光 キ ー ワー ド を 基 準 に 地 域 サ イ トとプ ロ グ の 抽 出 ・分 類 を 行 う点 に も特 徴 が あ る.地 域 サ イ トの 情 報 更 新 に合 わせ て 観 光 キ ー ワー ドを 自動 で 更 新 す る機 能 を備 え る こ とで 機 械 学 習 に よ り観 光 情 報 を抽 出 ・分 類 可 能 で あ り,低 コ ス トに 最 新 の 観 光 情 報 を収 集 可 能 で あ る.さ ら に,観 光 情 報 以 外 の 情 報 抽 出 ・分 類 に も適 用 で き る 可 能 性 が あ り,Web上 の 大 量 の 情 報 か ら検 索 者 が 必 要 とす る情 報 を 取 り出 す 手 法 の1つ とな る 点 に も特 徴 が あ る.
2.2.2.観 光 イ ベ ン トな どの 情 報 検 索 技 術 に 関 す る 研 究
こ こで は,観 光 イ ベ ン トな ど の 情 報 検 索 技 術 に 関 す る研 究 に つ い て 述 べ る.森 本 ら[47]
は,事 前 登 録 の な い 施 設 情 報 を 自動 抽 出 す る 検 索 シ ス テ ム を 開 発 して い る.こ れ は,施 設 の 種 別 な どの キ ー ワー ド と地 名 の 一 部 を利 用 し,GoogleMapsAPI[48]を 応 用 し 自動 的 に 施 設 情 報 を 取 得 す る ロ ボ ッ ト型 施 設 検 索 シ ス テ ム で あ る.小 作 ら[49]は,新 聞 記 事 コ ー パ ス で の 単 語 出 現 特 徴 か ら観 光 イ ベ ン ト情 報 の検 索 支 援 を 行 っ て い る.斎 藤 ら[50][51]は, 新 聞 記 事 か らイ ベ ン ト情 報 を 抽 出 す る手 法 を提 案 して い る.Schneider[52]は 情 報 源 にCall forPapers(CFPs)を 利 用 し,会 議 名 ・日時 ・場 所 な ど の情 報 を抽 出 す る研 究 を行 っ て い る.
Xuら[53]は,テ キ ス ト文 書 を 受 賞 イ ベ ン トのパ タ ー ン を学 習 す る こ と で パ タ ー ン に 一 致 し た イ ベ ン ト検 出 を行 う研 究 を行 っ て い る.大 槻 ら[54]は,地 域 情 報 デ ィ レ ク トリを 自動 編 集 す る シ ス テ ム を提 案 し特 定 地 域 の ウ ェ ブ サ イ トを 自動 収 集 し 自 動 分 類 を 行 っ て い る.
Esparciaら[55]は,ソ ー シ ャ ル ネ ッ トを利 用 した 観 光 情 報 推 薦 シ ス テ ム の た め の ア ドオ ン を 提 供 して い る.Ruiz‑Martinezら[56]は,観 光 に つ い て の オ ン トロ ジ ー を 自然 言 語 テ キ ス トで利 用 す る た め の イ ン タ フ ェ ー ス を構 築 して い る.Haoら[57]は,旅 行 プ ロ グ を利 用
し地 域 を特 徴 付 け る キー ワ ー ドを 抽 出 す る 手 法 を提 案 して い る.
これ らは,観 光 情 報 を 検 索 す る 点 で 非 常 に 類 似 して い る.ま た,事 前 に 登 録 され て い な い施 設 や 観 光 イ ベ ン ト情 報 を 検 索 す る点 も本 研 究 と 目的 は 同 等 で あ る.し か し,本 研 究 は, Web上 に 点 在 す る施 設 や イ ベ ン ト情 報 な ど の観 光 情 報 だ け で な く,観 光 情 報 に 関連 した ロ コ ミ情 報 な ど本 節 で 示 し た 関 連 研 究 で は 収 集 して い な い 施 設 や イ ベ ン ト情 報 に 関 す る周 辺 情 報 も分 類 す る 点 に 特 徴 が あ る.こ れ は,地 域 サ イ トか ら抽 出 した 観 光 イ ベ ン トな ど の観 光 キ ー ワ ー ドに 対 して 付 加 価 値 の あ る ロ コ ミ情 報 な ど も動 的 に 分 類 で き るた め,旅 行 計 画 時 に有 用 な 情 報 を扱 う こ とが で き る.
2.3.時 空 間 デ ー タ マ イ ニ ン グ に よ る
リアル タ イム 地域 分 析 に 関連 した 研 究
こ こ で は,時 空 間 デ ー タ マ イ ニ ン グ に よ る リア ル タイ ム 地 域 分 析 に 関 連 した 研 究 に つ い て 記 述 す る.SNSな どの 普 及 に伴 い,今 後 も デ ジ タ ル デ ー タ の 量 は 飛 躍 的 に 増 大 す る こ と が 予 想 され,大 量 の デ ジ タ ル デ ー タ の 有 効 活 用 に 関 連 した 研 究 が 数 多 く行 わ れ て い る.マ イ ク ロ ブ ロ グ に 関 して も,発 信 され た 情 報 を 分 析 し,マ イ ク ロ ブ ロ グ 内 で の 動 向 か ら実 世 界 の 動 向 の 把 握 や 予 測 に 結 び 付 け る研 究 が 様 々 な分 野 で 行 わ れ て い る[58].Kleinberg[59]
は,時 系 列 デ ー タ に お い て キ ー ワ ー ドの 急 激 に増 加 す る現 象 で あ る 「バ ー ス ト」 を検 出 で き る こ と を示 して い る.こ の バ ー ス ト検 知 を 用 い て トレ ン ドを 分 析 す る研 究 も行 わ れ て い る.落 合 ら[60]は,マ イ ク ロ ブ ロ グ を 対 象 と して,場 所 に 特 有 の 季 節 変 動 な ど に依 存 し な い 静 的 特 徴 語 と場 所 を含 む 期 間 ご と に 変 化 す る トピ ッ ク で あ る 動 的 特 徴 語 を利 用 した 同名 地 名 の 曖 昧 性 解 消 手 法 を提 案 し て い る.中 嶋 ら[61]は,旅 行 者 の 発 信 し た位 置 情 報 付 き ツ イ ー トの 特 徴 か ら 「食 事 」,「景 観 」,「行 動 」 の3つ に 分 類 した 情 報 を 用 い て 好 み に 合 わ せ
た観 光 ル ー トの 推 薦 手 法 を 提 案 して い る.倉 田 ら[62]は,位 置 情 報 が 付 加 され た ツ イ ー ト か ら,実 空 間 上 の イ ベ ン トを検 知 す る シ ス テ ム を 構 築 して い る.各 時 間 軸 帯 で の 頻 出 単 語 上 位10件 を抽 出 す る こ と で,あ る時 間 の あ る場 所 で どん な イ ベ ン トが 盛 り上 が っ て い る か を 知 る こ とが で き る.ま た,Sakakiら[63]は,Twitterか ら リア ル タ イ ム な イ ベ ン トを推 定 す る研 究 と し て 地 震 や 台 風 な ど の イ ベ ン トを検 出 す る 手 法 を 提 案 し て い る.Singhら [64]は,Twitterか らイ ン フル エ ンザ の 流 行 状 況 を 監 視 す る ア プ リケ ー シ ョン を提 示 して い る.Ariyasuら[65]は,Twitterに 投 稿 され る ツイ ー トを分 析 し,番 組 の トレ ン ドや ユ ー ザ へ の 番 組 推 薦 な ど を 行 うシ ス テ ム を提 案 して い る .Leeら[66]は,Twitterを 介 して 間接 的 に 群 集 の行 動 を 監 視 す る こ と で,通 常 の 状 態 とは 異 な る位 置 情 報 付 き ツ イ ー トが 多 く投 稿 され た 時 を 捉 え る こ と で 対 象 地 域 の イ ベ ン トを 検 出 して い る.Yanai[67]は,Twitterに 投 稿 され た 位 置 情 報 付 き 画 像 ツ イ ー トを 監 視 し,画 像 ツ イ ー トを リア ル タ イ ム に 地 図 上 に マ ッ ピ ン グす る シ ス テ ム を 提 案 して い る.Nakajiら[68]は,Twitterか ら位 置 情 報 付 き 画 像 ツ イ ー トを分 析 し,現 実 世 界 の イ ベ ン トに 関 連 す る 画 像 を 地 図 上 に 可 視 化 す る手 法 を提 案 して い る.Onishiら[69]は,オ ン ラ イ ン ニ ュ ー ス と ツ イ ー トを リアル タ イ ム に マ ッ チ ン グ し,記 事 に 対 す る反 応 を 得 る こ とが 可 能 な シ ス テ ム を提 案 して い る.
こ の よ うに,イ ベ ン トを抽 出 す る手 法 や 場 所 を 取 得 す る 手 法 に つ い て は 多 く の 議 論 が な され て い る が,ツ イ ー トか ら生 物 季 節 観 測 の 開 始 と終 了 を推 定 し,ピ ー ク期 で あ る 見 頃 を 取 得 す る 手 法 に つ い て は 新 た な 議 論 で あ る.本 研 究 は,時 系 列 デ ー タ 処 理 の 手 法 と して, 気 象 デ ー タ 分 析[70]や 株 式 な ど の 取 引 市 場 にお け る テ クニ カ ル 分 析[71]に お い て,一 般 的 に 用 い られ る移 動 平 均 を利 用 した.こ れ を,Twitterの 時 系 列 デ ー タ に 対 し適 用 した 生 物 の 見 頃 推 定 手 法 に つ い て 提 案 す る.