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第84回日本循環器学会学術集会を終えて

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Academic year: 2021

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1 日本循環器学会専門医誌 循環器専門医第29巻 2020年11月  今回,第84回日本循環器学会学術集会(JCS 2020)は当初 3 月開催予定でしたが新型コロナウイ ルス感染拡大で7 月に延期され,さらに対面での開催が困難となりオンライン開催を余儀なくされ ました.当初はコロナに振り回されて,2 年以上かけて準備した JCS 2020ができなくなるかもし れないということで立ちすくんでしまいそうになりましたが,コロナ時代を生き抜く術は,コロナ 前の観念に縛られず知恵を絞って立ち向かい,新たな,コロナ前よりも優れたパラダイムを構築す ることであると考えました.ACC など他の学術集会で行われたように限られた数の教育的なセッ ションをオンデマンドで配信することを先ず考えました.しかしながら新型コロナウイルスが我々 から何を奪ったかを考えると,それは対面での発表や議論の機会であり仲間との交流や意見交換の 機会でした.学術集会は発表し議論することにこそその意義があるということで,一般演題セッ ションを含めて予定していたほとんどの737セッションを実施することにいたしました.準備委員 会では「無謀だ」という冷たい視線を感じましたが,自分としてはJCS 2020を成功させるために は,この無謀とも思われる計画をやり抜くしかないと判断しました.  7 月 1 日に事前収録を開始しましたが,事前収録では新型コロナウイルス感染拡大,深刻な大雨 被害の中にもかかわらず,皆様から私自身の予測を遥かに超えるレベルの御協力を賜わり感激いた しました.一方で,多くの皆様に事前収録での発表,議論,交流を楽しんでいただけたご様子を感 じました.そして7 月27日からは“The Week for JCS 2020”としてライブセッションが開始され ました.準備の過程ではオンラインでスムーズに発表できるのか,議論は盛り上がるのか,イン ターネット回線やサーバーはダウンしないか,どれだけの方に御参加いただけるのかなど不安だら けでした.「仕方なく」という形で開催したオンライン学術集会でしたが,蓋を開けますと参加登 録者総数は16,800人超と予想をはるかに超える皆様に御参加いただきました.またオープニングセ レモニーは1,900名に及ぶ皆様に御視聴いただいたことを始め,心房細動アブレーションの適応を 考えるセッションは夜9 時前の開始にもかかわらず聴講者は900名に及び,その他,視聴者数トッ プテンのセッションはすべて700名以上の皆様にご視聴いただくなど,多くのセッションで従来の 対面開催の学術集会に比べはるかに多くの皆様に御視聴いただきました.情報拡散という意味でオ ンラインの威力をまざまざと見せつけられました.さらにオンラインのメリットとしてはスライド も非常に見やすく,見逃したセッションはいつでもオンデマンドで視聴することができますし,ま た解りにくかったところは繰り返し視聴することもできます.さらに今後は海外からの演者招請の ためのハードルやコストも下がりますので,日本循環器学会学術集会の国際化という意味でオンラ インは大きな役割を果たすのではないかと予感しております.今後は,オンライン学術集会を進化 させることが後戻りのできない方向性であると強く感じました.一方,参加者の皆様におかれまし ては久しぶりの学会に参加している感覚を楽しみつつ,新たな情報を収集いただき,明日からの診 療,研究に刺激を受けていただくことができたのではないかと想像しております.学術集会終了後 は,ライブセッションも3ヵ月間オンデマンド公開いたしましたので JCS 2020アプリは有益な医

Editorial

第84回日本循環器学会学術集会を終えて

京都大学循環器内科

 木

むら

  剛

たけし

 

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2 日本循環器学会専門医誌 循環器専門医第29巻 2020年11月

療情報満載のコンテンツとなりました.

 JCS 2020で打ち出したキーワードは Change Practice,適応を考える,Shared Decision Mak-ing,患者の価値観尊重,ライフスタイルを変える,社会への情報発信などでした.今後,われわ れはこれらの実践をミッションとして継続していかなければなりませんが,JCS 2020は,僭越で すが,少なくともその先駆けの役割を果たすことができたのではないかと自負しております.学術 集会のテーマ,キーワードに沿った分厚いセッションを企画し,学術集会中にこれらのキーワード の重要性を認識し,議論を経て診療を変える契機にするということができたように思います.  学術集会が終わりましたらわれわれはまた医療従事者としての日常に戻らなければなりません. 新型コロナウイルス感染拡大で,必要なことにも,したいことにも大きな制約を受けている苦しい 時代であり,新型コロナ時代の循環器診療を考えるクロージングセッションでは,病院経営の現状 が想像以上に厳しいということが改めて確認されました.その中にあって,われわれ,医療従事者 はコロナ診療,救急医療,国民の健康増進に必要不可欠な医療を粛々と実践し,社会に範を垂れる 存在でありたいと思います.第84回日本循環器学会が循環器診療にかかわる皆様を勇気づけるよう な集いになったとすれば,主催者として望外の喜びでございます.  著者のCOI(conflicts of interest)開示:本論文発表内容に関連して特に申告なし *      *      *

参照

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