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細気管支肺胞上皮癌の2例 利用統計を見る

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Academic year: 2021

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細気管支肺胞上皮癌の2例

山梨県立中央病院 内科 岩瀬史明 志村光弘 海部勉 同 呼吸器科 竹村尚志 大久保修一 同 放射線科 尾上正孝 石川大二 同 病理科 小山敏雄 はじめに  肺野型肺癌は、胸部レ線上腫瘤陰影とし て発見される場合が多いが、肺腺癌の一亜 型である細気管支肺胞上皮癌は、多彩な陰 影を呈し肺炎や粟粒結核との鑑別が難しい 場合も少なくない。今回我々は、胸部レ線 にて肺炎様陰影を呈した2例の細気管支肺 胞上皮癌を経験したので報告する。 症例

 症例1:66歳、男性、大工

 主訴:咳、疲、労作時の息切れ  家族歴:父に糖尿病。兄が肝癌で死亡。  既往歴:特記すべきことはないが、一日 20本40年間の喫煙歴がある、  現病歴:平成4年5月上旬より咳、疾、 出現。6月より労作時の息切れも出現した ため近医受診し、胸部レ線にて異常陰影認 められ、肺炎の疑いにて当院紹介入院とな った。  入院時現症:身長153.Ocm、体重40.5kg 血圧110/70mmHg、脈拍84/分、整、 呼吸数20/分。貧血、黄疸、チアノーゼ は認めず。表在リンパ節は触知せず。胸部 全体に連続性ラ音を聴取し、心音清。腹部 には肝脾を触知しなかった。浮腫、バチ状 指はなかった。  入院時検査所見:表1に示すように軽度 の低アルブミン血症、軽度の炎症反応を認 <人院時検査所見> CBC  WBC 7700 tmm・/  RBC 379×1e‘ lmrnP  Hb   12.49idl  Hct     36.6 %  Plt 34.1XIO4 tmm) Biochemistry

T

7.3創d1 一th BUN UA Cr GOT GPT LDH 10.3mg/dl 6、5mgtd】 0.5mgldl 14 un 8 un 3rouβ eWCRP

ESRrh 32

表1 図1 Tumor markers  CEA  3.6 ngtmt  CA】9.9  く6 U/di  SCC  1.] ㎎ノml  NSE  6.6 ㎎!ml BGA(Room air)  pH 7、380  PaCO245.2 mmHg Sputum  Cu]ture.n。rmt fi。ra  Gaffky,0号  Cytolegy:class Il urinatysis  pro【ein{『)  svgar(・)  ㏄cblood(一, ECG  normal 一24一

(2)

図2 め、血液ガス分析にて低酸素血症を認めた。 疾は、多量で無色泡沫状で粘稠度が高く、 細胞診でClass[1だった。入院時胸部レ線 (図1)では右下肺と左中肺野を中心とし て境界不明瞭な斑状影があり、air・bronch− ogramも見られる。胸部CT(図2)では、 両側肺野にびまん性浸潤影がほぼ肺区域に 一致している。縦隔リンパ節の腫脹は認め られない。その他の全身的検索では、肺外 転移は認められなかった。経気管支鈍肺生

検(TBLB)による病理組織像(図3)

では、細胞質内に粘液を多量に有する高円 柱状の腫瘍細胞が肺胞壁を破壊することな く細気管支領域より肺胞領域まで配列して いる。脈管への侵襲は認められない。以上

から、細気管支肺胞上皮癌T4NoMi

Stage IVと診断した。 図3

 症例2:63歳、女性、主婦

 主訴:咳、疲  家族歴:父に狭心症。母に胃癌。  既往歴:17歳時に日本住血吸虫症。 喫煙歴はない。  現病歴:平成2年町の検診にて胸部レ線 上異常陰影を指摘され、当院受診し肺炎を 疑われたが放置された。平成4年4月感冒 様症状出現し、9月より喀疾、体重減少認 められたため、当院再診し、喀疾細胞診に てClass V検出され、当院入院となった。  入院時現症:身長152.Ocm、体重52.4kg 血圧138/82mmHg、脈拍84/分、整。 胸部はラ音を聴取せず、心音清。腹部は、 右鎖骨中線上に肝を2横指触知した。表在 リンパ節は触知せず。浮腫、バチ状指はな かった。  入院時検査所見:表2に示すように軽度 のトランスアミナーゼの上昇と赤沈の軽度 充進を認め、喀疾は、白色粘稠で細胞診に てClass Vだった。初診時胸部レ線(図4) <入院時検査所見> cec  W日C  43cn lmmS  RBC 391 X Iぴltnm,  Hb   12.2創dI  HCt   35、6 %  門‥2.2x]04ノ㎜3 Bioehemistry  T予    77劇dI  Ab   3.8的1  BUN   14.O mttdl  UA    6.4 mgtdl  Cr   O.7 mgtdL  GOT   7S Uβ 表2 GPT    51 un  LDH   332 U月 Clu,    (一) ymESRIhr 2s Tumer markc「s CEA  CAI“9 S㏄  NSEAFP Sputum 2.3nitml 16u耐 1.4ngtml 2.I retnl 4.2ngtmi CUItUre:normet fiora Gafrky. 0号 9z!91llW!1 u市absis  pretein(一)  Sugar(一〕  ㏄c.bbod〔・} EOG  norma[ 一25一

(3)

では、右下葉に境界不鮮明でair−bronchog・ ramを伴った淡い斑状影があり、入院時の ものでは、その陰影は広がっており左中肺 野にも数個の小さな粒状影が見られる。胸 部cr(図5)では、辺縁の不鮮明な斑状影 や粒状結節影が見られる。縦隔リンパ節の 腫脹は見られない。その他の全身的な検索 では、肺外への転移はなかった。TBLB による病理糺織像(図6)では、粘液を多 量に満たした腫瘍細胞が肺胞壁に沿って配 列している。脈管への侵襲は見られない。 以上から、細気管支肺胞上皮癌T、lNnMl Srage IVと診断した。

図4

図6 図5 考案  細気管支肺胞上皮癌は、1876年Malassez’の報告以来、多数の報告が見られ臨床的 に特徴的な像を示すことが知られている。発生頻度は、原発性肺癌の5%程度:の報 告が多く、本症は決して珍しい疾患ではない。初発症状としては、咳漱、喀疾が多い とされ]」、特に症列1のような大量で粘調な喀疾は特徴的とされる㌔しかし、症例 2のように無症状で桧診で胸部異常陰影を指摘される割合も多い:パfi。       −26一

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 胸部X線所見は多彩であり7)、今回の2症例のようにair−bronchogramを伴った肺炎様 陰影を示すものも多く・・、他の疾患と鑑別に迷うことも少なくない。  確定診断法に関しては、擦過及び喀疾細胞診では、腺癌と判定しうる場合もあるが、 異型に乏しく良性細胞との鑑別が困難な場合もあり、本症と確診できないことが多く 他の肺癌に比べ診断が困難である9)。我々の症例1においても確定診断は、TBLBによ らなければならず、症例2に関しては、確定診断までに約2年を要した。手術例におい ても術前診断の確定しないものも多い… 。  また、本症は肺外転移がなく、肺内にのみ広範な転移をし、経気道性散布の可能性 がある点が特徴的とされる川が、今回の2症例でも胸郭外への転移は見られず、血管、 リンパ管への侵襲は認められず両側肺内にのみ転移が認められた。  本症では、67Gaシンチグラムで原発部位へのGa uptakeが認められないとの報告8・も あるが、今回の2症例でもuptakeはなく本症における特徴的所見ではないかと考えられ た。 文献 1)Malassez,L:Examen histologique d’um cas de caner ence’haloide de poumon(epithelioma).  Arch.physioLnorm. et path.3:353,1876. 2)Edwards CW:Alveolar carcinoma:a review. Thorax 39:166−174,1984. 3)Mareq M,Galyp:Bronchiolo−alveolar carcinoma clinicopathologic relationships, natural  history, and prognosis in 29 cases. Am Rev Resp Dis lO7;621,1973. 4)Richard J. Greco, Robert M. Steiner, Scott Goldman et al:Bronchoalveolar cell carcinoma of  the lung. Ann Thorac Surg 41:652−656,1986. 5)Homma,H.,Takahashi,Y.,and Imai, H.:Am Rev Resp Dis. I H:857,1975. 6)吾妻康次、内山貴尭、南寛行、他:細気管支肺胞上皮癌の臨床的検討。大分県立病  院医学雑誌 14:74∼79、1985. 7)酒井邦夫、古屋儀郎、北畠隆他:いわゆる肺胞上皮癌のX線像。臨床放射線 15:  223∼242、 1970. 8)David I{Harpole,M.D.,et al:Alveolar cell carcinoma of the lung:Aretrospective analysis of  205patients. Ann Thorac Surg 46:502−507,1988, 9)斎藤泰紀、アヌサク・ジュンプルクサワン、赤荻英一他:いわゆるBronchiolo−  Alveolar Cell・Carcinomaの細胞診。日本臨床細胞学会雑誌 18:147∼154、1979. 10)川原克信他:肺胞上皮癌切除例の検討。臨胸外 3:705、1983. 11)島田直樹、小林秀一、志田晃他:当院における細気管支肺胞上皮癌の検討。道南   医学会誌23:107∼109、1983.

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参照

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