The Crop Science Society of Japan
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The Crop Soienoe Sooiety of Japan
み期だっ たコ シヒ カ リへ の影 響が より甚 大だっ た
.
既往の 知 見ど おり,
冠水 時 期が 出穂前 10〜14日 に当た る時 期の影
響が極
め て大
きい様
子 もう
か がえた.
減 収 程 度は,
異 常穂
(遅れ穂, 穎 花退化 込み
)
の 発 生率と ほ ぼ対 応してい た. 福井農林 総 合事
務 所の調 査によ る と,
籾 数 がほ ぼ確 定し て
いたハ ナエ チ ゼ ン で は主に 登熟歩合と 千 粒 重 が低下 し,
穎
花の形 成 期だっ たコシ ヒカリでは一
穂 籾 数 が 大 きな 影響 を
受 け,
登 熟 も阻害さ れ た.
ハ ナエ チゼ ン
,
コシヒカ リ ともに検 査 上 「その他 未 熟 」に分 類さ れ る 「ね じれ粒 」 など が多 発し
,
正常な 登 熟 が 妨げら れ た
.
ま た,
障 害粒の発生程 度は,
収 量 阻害の比 較 的 軽かっ たハ ナエ チ ゼン の 方がコ シヒカ リ よ り多
かっ た.
し か し,
品質阻害の様 相は 地区によっ て多 少 異 なっ ている.
農試 調査におい ても
, 福井,
坂井
でも特に目立っ たのは被
害 粒 だっ た が,
丹生では乳 白粒だっ た.
南 越で は穂へ の泥
の付 着 と着 色 粒の発生 の 関係が認め ら れ,
倉 前 検 査 結 果に
おいて も,
地域によっ ては茶 米に よ る格 落 ちが多発 した.
2 . 水稲
に お け る 土砂 埋 没によ る生殖 成長 障害の解 析 村 井 耕二(福 井 県 立 大 学 生 物 資 源 学部
)
<研究 概 要>
2004
年7
月の福 井 豪 雨 被 害の特徴は,
穂 ばら み期
の水稲
(コシ ヒ カ リ
)
が 数cm か ら数十cm の深さの土砂で埋没した 点である.
本研 究では,
イ ネ植 物体
が 土砂
に 埋没し た場 合,
生 殖 器 官 形 成 に どの よ う な影 響を及ぼすのか を明ら かにす る た め
,
傾 斜状に土砂に埋 没した 足羽 川本流 河 川敷
に あ る 美 山 町の被 害水田 に おいて,
出穂 開花
し た穂
の花 粉 稔 性 調 査お よ び稔 実率 調 査 を行っ た,
また, 被害
の発 生 要 因 をさ らに詳細に検討
する た め,
ポッ ト栽 培イ ネ を人為 的に0 〜 60cm
の深さで土砂 埋 没させ,
出穂 開花
し てきた穂につ いて 同
様
の調 査を行っ た.
〈結 果 概 要〉
美 山町 の
被害水
田 に おける イネ植 物 体の調 査の結 果,
土砂埋没の深さ
,
出穂開花の時 期に 関 わ ら ず,
開花 し た穂の穎 花の花 粉
稔性
は 正常である こ とが明ら か となっ た.一
方, 稔実率は1
株の穂を出穂 順に “
早
”
, “
中
”
, “
晩
”
と分 け る と
,
出穂が“
中
”
の穂の稔 実 率が低 下 する傾 向 が 示 され た
.
稔 実 率の土砂 埋 没の深 さによる
影
響は見ら れ な かっ た.
先の
福
井 県 農 業試 験 場の報 告にもある ように, 被 害 時コ シヒ カ リ は主 茎 が穂 ばら み期にあっ た.
本 調 査の結 果は,
穂ば ら み 期 よ り以前のあ る 生育ス テー
ジの幼 穂の雌 性 生殖
器官
形 成 が,
特 異 的に土砂 埋 没に よ る障害
を受
ける こ と を示 唆してい る
.
主 茎 が穂ば らみ期に達したイネ
植
物体
を,0, 5 , 10, 15 .
20 , 40,6(辷m の深さ に 人為 的に土砂で埋没 させ,
順 次,
出穂 開
花して くる穂の花 粉 稔 性お よび 稔 実
率
を調査し た.
その結 果,
野 外での調 査 結 果と同様に,
土砂 埋 没の深 さ,
出穂 開花の時 期に関わ らず 花 粉稔 性 は 正 常 で あっ た
.
ま た,
土砂 埋 没の深さ に関わ らず,
どの実験 区におい ても土 砂 埋 没 開 始2 〜 3
週 間で出穂 開花して きた穂の稔 実率
が特
異 的に減少
す ること が明ら かになっ た.
これ も, 美 山 町にお ける 野 外の観 察デー
タ と一
致 する.
土 砂 埋 没 開始2 〜3
週 間で 出 穂開 花 し て き た 穂 は,
土砂埋 没時におい て雌 雄生殖 器 官が 形 成 され る時 期である穎花 分 化 期に当た る. 本研究
に よ り,
この生育ステ
ー
ジの幼 穂が 土砂に埋没した場 合, 雄 性 生 殖 器 官 形 成に は影 響が見 られないが雌
性
生殖
器官
形成 に影 響 が及ぼ さ れ るこ とが明ら か となっ た.
低温 や乾 燥な ど様々な環 境ス トレ スは雄 性 生
殖
器官
形成 に影響
を及ぼす 場 合が多
く知 ら れているが,
今 回,
土砂埋没の影 響が 雌 性 生 殖 器 官 形 成に特 異 的に影 響 を及ぼすこと が明ら か に なっ たこと は非 常に興 味 深い.
今 後,
雌 性生殖 器 官 形 成の どこに影 響 が及ぼ されるのかを明らか に してい く予 定である.
3 .土砂 埋 没に よ る 水 稲 根系発達 障害の解 析
鯨
幸 夫P
・
後 藤 雄 佐2)・
井上健一
3: 山 口泰
弘3)(D 金沢 大学教 育 学 部
・
2〕東 北 大 学 大 学 院 農学 研 究 科・
3)福
井県 農 業 試 験 場)<研 究 概
要
>2004
年7
月18
日か ら19
日 に か け て の福 井豪
雨 に より足羽 川 が 氾 濫し,
河 川 に 隣 接 し た水田は冠 水お よ び 土砂 流入の 被 害を受け た.
コシ ヒ カ リが栽 培 されてい た水
田で流 入 土 砂の深 度が40cm
を超 えた場 所で は,
水 稲 株全体が埋 没 し ほ と ん どの株は枯 死に至っ た.
土砂
深度
が40cm
程 度か ら そ れ より少
ない場 所で は,
流 入土砂 深 度 差の違い によ り生 育が影 響さ れ た.
流 入 土砂 深 度が
40cm
程 度 あっ た場 所で,
甚 大 なる生 育障 害が認め られ た水 稲 株
,
土 砂 深 度 が10cm
程 度で比較 的 被害
が少
な かっ た場 所の水 稲 株を対 象として, 地 上部お よ び根 系生育を調 査 した.
土 砂 流入深 度が40cm
以上認め ら れ た箇所
で 生育
してい た株は全 体 が 土砂に埋 没 し, ほとん どの株は枯 死に至っ た.
調 査は8
月30
日, 9月3
日, 10日お
よ び10
月11
日 に実 施し た,
根 系 調 査は改 良モ ノ リス法 を用
い て8
月30
日 に実 施し た.
土砂
埋没深 度が大 きい場 所で は,
10
月11
日 に実 施し た,
根 系 調 査は改 良モ ノ リス法 を用 い て8
月30
日 に実 施し た.
土砂
埋没深 度が大 きい場 所で は,
高 位節 (止葉 節の 下 の節以 下〉から新たな分 げつが 発 生 し
,
水 稲 株と しての生 育は 遅延 した
.
生育
遅延株の調 査は,
再 度10
月11
日 に実施
し た.
改 良モ ノリス法で採 取した根 系は,
地 表 面 を基 準と して土 壌中 で
30 °
ご と に区分し (
0〜30 °
,
一136一
N工 工
一
Eleotronio LibraryThe Crop Science Society of Japan
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30〜60 °
,60〜goc
),
そ れ ぞ れの土 壌角 度 内に含まれ る根 乾 重 と して表 示し た
.
ま た,
展 開し た最上位 葉の葉色( SPAD 値)
を測定
し た. 高位節か ら発
生 した分げ
つ発生様
式を調 査して模 式 図を作 成し,
同 時に高位 節か ら発生 した
根 系の最 大根 長と根 数を測 定し た
.
収 量調 査は10
月11
目 に 実 施し,
土砂 埋没 深度が異な る場 所で,
そ れ ぞ れ20株
ずつ 採 取 して収 量 構 成 要 素 を調 査 し,
玄米
品質
を評
価 した. また,
金沢大学教育学
部角
間農
場の水
田 に て,
人 工的に
土砂流 入処理 を行っ たモ デ ル試験を実 施し た.
ベ ニ ヤ板を
用いて 1
辺 が3
(辷m の方形 枠を作り,
調査対 象の コ シヒカ リ
株を中心に して周 囲 を囲んだ,
方 形 枠 内に市販の床土 (い
な ほ :N , P . K
各0 , 391kg
含む〉を詰め,
土砂 深 度を30cm , 20cm
お よび1
〔lem
の3
段階 と なる ように した,
慣 行 栽培 区 を
対 照と してその後 慣 行 法にて管 理し た.
な お,
土砂 流 入 処
理 を行っ たのは開花 期 を過 ぎた8
月6
日であ り,
既 に穂 揃 期
であっ た
.
収 穫 期に収 量 構 成 要 素 を調 査 し, 改 良モ ノ リス 法に よ る根系
調査 を実 施した.
4.
水 稲 葉に お け る付 着土壌
が光合成
能力に お よ ぼす影響
の 解 析葭田隆 治 (富 山 県立大学 短 大 部 )
〈目 的〉
福 井 県で発生した水 害は
,
土石流を引 き起し,
開花期に あ た る イ ネ や ダ イ ズ に 大 きな被 害を与え た.
本分 担 研 究は,
泥 流に よ る冠 水が もた らした被 害 を
,
イ ネの光 合 成 能 力の観点
か ら調査 し ようと し た もので あ る.
〈材料 と方 法〉
実 験
1 .走査 電顕と光 学顕 微 鏡に よ るコ シ ヒ カ リ葉 身の 外 部観 察
足 羽 川支流の コシヒカ リ栽培 圃場か ら
,
泥 水に冠 水し た 稲 体 を採取
し,
乾 燥後
に葉の裏表
ならびに穂に付着
する泥の状 態を光 顕と走 査 電顕で観 察した
.
対 照イネは,
足 羽川 支流の無
冠 水 圃場か ら採 取した.
実験
2 .葉 身か らの ガ ス放 出 を利 用し た簡易 光 合 成 能 力
泥水の冠水 したコシ ヒ カ リ葉 身の光 合成 速 度は,
津 野ら
の方 法によ り光 合 成過 程で放 出さ れ る酸 素 量 を測 定 するこ とで行っ た
.
〈結 果と考 察〉
実験
1 .光顕な ら びに走 査 電 顕の観 察では, 穎 果な ら び
に葉 身
でと もに泥が膜
状に な り付着
し,
とくに葉身
で は葉
脈 状にそっ て こ の泥が膜 状にな り気 孔 を塞い だ.
泥の付 着
程 度は,
葉 身より穎 果で著し かっ た.
実 験
2 .
足 羽 川 支 流の水 田 圃 場 に 堆 積 し た 泥 塊 を 採 取 し,
蒸留 水に
1
% と3
% になるよう加 え泥 水 を作っ た.
こ の泥 水にコシ ヒ カ リ葉 身を 入 れ,10〜20
分 間の 光 合 成 過 程 で 放 出 される酸 素 量 を測 定 した.
その結 果, 両 泥 水 区 と も最 大で約
30
%の酸
素量 が減少
し た,
この こと は,
コシヒカ リ葉 身に1 〜 3
%の泥 水が冠 水 する と,
短 時 間に気 孔へ の泥の 付 着に より光 合 成 速度 が減 少 する ことを示 唆し ている. な お,
現 在, 気 相型光 合 成 測 定 装 置に より, 冠 水 後の コ
シ ヒ カ リ葉 身の光 合成 速 度につ い て実験 を進め ている
.
5.
水 害 が 大豆の生 育・
収 量・
品質に及 ぼ す影
響について田村 良 浩D
・
阿部 聖一
2 吉 川力3 萩野 孝 司3)
小泉 貴 広3}
・
市川岳
史4.
b(1}新 潟 県 経 営 普 及 課
,
2)三条 農 業 振 興 事 務 所・
3}長 岡地域 振 興 局 農 林振 興 部
・
4)新潟農
総研作
物 研 究センター )
〈調 査 概要〉
新 潟 県では
, 2004年 7
月13
日の集 中豪 雨に伴 う河 川の氾
濫,
排 水 路の増 水により,
約2, 000ha
で大 豆の浸 ・
冠水 害が
発 生 した
.
中で も,
中 越 地 域の被害が 大 き く,
被 害 額の約8
割 を 占めている.
大 豆の冠水 害につ い て は,
生 育 時 期別に冠 水 処理 し た被 害比 較があるが, 実 際には排 水 対 策の違
い 等に より被 害が異 なる
.
そこで,
大 豆の浸・
冠水 程 度が大 豆の 生育
,
収 量,
品 質に及 ぼ す影響 を 調 査 し た. 調 査 圃 場は排 水 路の増 水に伴い, 排 水 不 良 ま た は排 水 路
か らのオー
バー
フロ ー
に より浸・
冠 水 害が発生 し た.
水 害
時の大豆の生育は,
開花 期 前7 〜 10
日 と推定
され た. 水害 後約9
日 目に おける大
豆の被害
は,
浸 ・
冠 水 程 度 (
水 没 程
9
日 目に おける大
豆の被害
は,
浸・
冠 水 程 度(
水 没 程度と時間
)
が大 き くなる ほ ど茎,
分枝, 葉 , 花芽の褐 変 ・
枯 死が多 くな り
,
冠 水 時 間が48
時 間以 上になると完 全に枯 死 し た.
主茎 長は浸
・
冠 水 程 度が大 き く,
頂 芽の枯 死が多 発 した 圃 場 で 短 く な り,
水 害 後の 伸 長 は 全 般 的 に抑制 さ れてい る 傾 向にあっ た,
主 茎 節 数は, 浸・
冠 水 程 度の小 さ な圃 場では 増加が
少
な く,
程度
の大 きな圃場で は1 , 2
節 増加し た.
これ は
,
水 害の発 生が 開花 期に近い時 期にあっ たことか ら,
浸
・
冠水
程 度の小さな
圃 場では節 数の増 加が止まっ ており
,
浸・
冠水
程 度の大 きな圃 場で は,
生長 点ま た は分枝の 枯 死により補 償 作 用が働 き栄 養生長が継 続 した と考 えら れ た.
し か し,
浸・
冠 水 程 度の大 きい 圃 場で は 生長 点,
分枝の枯 死に より成 熟 期には総 節 数 が 減 少 した
.
分 枝 数は,
浸
・
冠水程 度の大きな 圃 場 で 増 加 す る傾向
に あっ た.
これ は,
主 茎 節 数 と 同様の理 由 と考
えられ た.
生葉
数は,
浸・
冠水 程 度が 大 き く な る ほ ど少な かっ た が
,
その後は平 行 的 に推 移し た.
また,9
月16
日 に生葉
数が低
下 し た 要 因として は
,
台 風18
号に よ る風害に よ るもの と考えら れ た.
一 137 一
N工 工