よって擁壁に加わる衝撃圧がどのように変化するかを示
2
0
0
全文
(2) 平成21年度土木学会関西支部年次学術講演会. P = EXP(−0.20361H + 0.21494θ1 + 0.00838L1. 図 4 より,緩衝部の有無は衝撃圧に大きく影響してい. +1.47728θ2 + 0.00642L2 + 0.02216L3. ることがわかる.また,(d)~(f)で比較してみると,L1 の大. +0.74720h + 3.99033). 小による衝撃圧への影響は小さく,擁壁上部での衝撃圧. (1). P = EXP(−0.888H − 0.00406L1 + 0.0267θ2. もあまり変わらないことから,緩衝部を設けることで斜. +0.0180L2 + 0.00883L3 + 0.497h − 1.091)(2). 面と擁壁の距離を縮めることが可能であるといえる. 続いて同一斜面条件での崩壊の場合,緩衝部の傾斜の. また,図 5(a),(b)とも”*”付きで示す破線が,式(1)より. 違いによって衝撃圧がどのように変化するかを示す.図. 算出した当該崩壊条件における衝撃圧である.続いて崩. 5 は,斜面勾配 35°,斜面長 50,100m,崩土層厚 0.5m,崩. 壊斜面長および崩土層厚が衝撃圧に及ぼす影響を比較し. 壊長 20m なる斜面崩壊のとき,擁壁位置 0.5m,擁壁脚部. たものを,脚部勾配を 45°とした場合の代表例を用いて図. 勾配がそれぞれ 40,45,50°であった場合の擁壁に加わる衝. 6 に示す.斜面勾配 35°,崩壊長 20m,擁壁位置 0.5m で,. 撃圧の分布である.. 同図に示す実線が式(1)の結果である.. 擁壁高:H[m]. 3 2. 5. 3. 1. 0. 0 500. 1000. 衝撃圧:P[kPa]. (a)斜面長 50m. 1500. 5. 0. 500. 1000. 衝撃圧:P[kPa]. 斜面長 100m 層厚 1.0m. 4. 2. 1. 0. 40° 45° 50° *45°. 4. 擁壁高 H:[m]. 40° 45° 50° *45°. 4. 擁壁高:H[m]. 5. 1500. 3 斜面長 50m 層厚 1.0m. 2 斜面長 50m 層厚 0.5m. 1. 斜面長 100m 層厚 0.5m. 0. (b)斜面長 100m. 0. 図 5 擁壁脚部形状と衝撃圧の関係. 500 衝撃圧 P:[kPa] 1000. 斜面長50m,層厚0.5m 斜面長50m,層厚1.0m. 図 5 より,擁壁に加わる最大衝撃圧は脚部勾配 45°が一 番小さく,上記二条件においては最も適切な緩衝部の形. 1500. 斜面長100m,層厚0.5m 斜面長100m,層厚1.0m. 図 6 斜面長と崩土層厚の影響. 状であるといえる.一方脚部勾配 40°の場合には,両斜面. 図 6 より,特に斜面長の長い場合には崩土の飛散が大. とも 3 ケースのうちで最も大きな衝撃圧が擁壁下部で算. きくなり,衝撃圧にばらつきが生じていることがわかる.. 出されている.しかしこの他にも上記条件で,斜面勾配. しかし,本研究の実験式との差は最大でも 500kPa 程であ. を 45,50°とした場合で同様の比較を行うと,結果は様々. り,実験式として十分使用できるものとみなされる.. であった.斜面勾配 45°とした場合には脚部勾配 50°が,. 6. まとめ 式(1)より,7 個のパラメータの中でも特に崩. 斜面勾配 50°の場合には脚部勾配 40°が最も衝撃圧を軽減. 壊斜面勾配が大きく影響していることがわかる.斜面が. でき,擁壁上部への崩土飛散も比較的少なく,それぞれ. 急である程増加する崩土の速度,それに伴う擁壁への崩. 適切な脚部形状であると判断できた.. 土飛散が懸念されるとともに,崩壊長と崩壊層圧の関係. 5. 実験式の算出 上記のような斜面崩壊シミュレー. から崩土量の大きさが衝撃圧に影響を及ぼしていること. ションの様々な解析結果を基に,最小二乗法により実験. がわかる.式(2)と比較してみると,緩衝部がない場合に. 式を求めた.実験式はこれまでに行われた研究結果をふ. は擁壁設置位置L1 は広くとる方が衝撃圧低減に有効であ. まえ,衝撃圧は擁壁高,擁壁脚部勾配,擁壁設置位置,斜面. るということがわかるが,図 3,4 で示したように式(1)か. 勾配,斜面長,崩壊長,崩土層厚について指数関数的に変. らも,緩衝部を設ける場合にはその必要がなく,しかも. 化すると仮定した.. 緩衝部がない場合に比べて擁壁に加わる衝撃圧を大幅に. そうして算出された実験式を式(1)に示す.また,緩衝 部がない場合の擁壁に加わる衝撃圧を算定する実験式 を式(2)に示す. ここで,P:擁壁に加わる崩土衝撃圧[kPa],H:擁壁高 [m],θ1 :擁壁脚部(緩衝部)勾配[rad],L1 :崩壊斜面下端か ら擁壁までの距離[m],θ2 :崩壊斜面勾配[rad],L2 :斜面 長[m],L3 :崩壊長[m],h:崩壊層厚[m]である.. 低減できるということがわかる.. 2). [参考文献] 1) 中西 宏,山下 典彦:待ち受け擁壁の設計に関わる崩土 荷重についての研究 平成 18 年度砂防地すべり技術研究 成果報告会発表論文 (2007 年) 2) 木下 早代:DEMシミュレーションによる待ち受け擁壁の 衝撃荷重の検討 平成 18 年度卒業研究報告書 (2007 年) 3) 小枝 豪志:待ち受け擁壁の基部形状による衝撃荷重の検 討 平成 19 年度卒業研究報告書 (2008 年). Ⅲ- 12.
(3)
関連したドキュメント
室蘭工業大学大学院 ○ 学生会員 岡田 伸之 (Nobuyuki Okada) 室蘭工業大学大学院 フェロー 岸 徳光 (Norimitsu Kishi) 寒地土木研究所 正会員 今野 久志 (Hisashi Konno)
・総合では 10 歳のお祝い「二分の一成人式」に取り組みます。0~1歳の写真を1枚持ってきてください。名 前がわかるように、裏面に名前を書くか、付箋を貼るようにして下さい。 月
本研究では,RC 梁の耐衝撃挙動に及ぼす敷砂緩衝材 の影響を検討することを目的に,敷砂緩衝材の有無を変 化させた扁平 RC
図− 5 より,緩衝材無しの場合の重錘衝撃力波形は,継 続時間 1 ms 程度の三角波に高周波成分が合成された性状 を示している.また,落下高さ H の増加に伴って最大振 幅が増大する傾向にあり, H
以上 の結果 か ら,表‑5に 示す 変数 を選択 して重回帰分 析 を行 った.重回帰 分析 に よって得 られた再 生密粒 度 ア ス ファル ト混台物 の残留 ひず み率Rεmの算 定式 を式2に,
図− には,三層緩衝構造を設置した場合のトンネル坑 口部の断面形状を示している。また,緩衝工として敷砂 を用いる場合 以後,単に敷砂の場合 の敷砂厚は,設計
これまでの業務経験により,橋脚を対象とした衝撃振動試 験結果を固有値解析によりシミュレートする場合,解析モデ
どのような変化を記憶しているのかについて,より詳 細な情報を引き出すため,調査員が被験者と共に対象地