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動 的 載 荷 に よ る残 留 ひず み を考 慮 した 舗 装体 解 析 ひず み の補 正

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Academic year: 2022

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(1)【土木 学 会 舗 装 工学 論 文 集 第10巻2005年12月. 】. 動 的 載 荷 に よ る残 留 ひず み を考 慮 した 舗 装体 解 析 ひず み の補 正 岳 本. 秀 人1・. 安倍. 隆 二1・. 久保. 裕 一2. 1正 会 員 北海 道 開発 土木 研 究所(〒062‑8602札 幌 市 豊 平 区平 岸1条3丁 目1番) 2正 会 員(林)ズ コー シ ヤ(〒003‑0022札 幌 市 白石 区 南郷 通2丁 目南11番9号). 理 論 的設 計 法 に お い て は,舗装 各 層 に発 生 す る ひず み を 力 学解 析 手 法 に よ り求 め,構成 材 料 の疲 労特 性 か ら 破 壊 年 数 を推 定 す る.こ のた め,走行 す る 交通 荷 重 に応 じた ひず み を精 度 良 く求 め る こ とが 重 要 で あ る.本 研 究 で は,間接 引張 試 験 に よ る残 留 ひず み の計 測 を行 い,その 算 定 方 法 を検 討 した.ま た,走行 車 両 に よ るア ス フ ァル ト混 合 物 層 ひ ず み の多 層 弾 性理 論 解 析 値 に つ い て,残留 ひ ず み を考 慮 した補 正 方 法 を検 討 した.さ らに, 走行 車 両 に よ る 実測 ひず み の計 測 結 果 との 比 較 に よ って,補正 の 妥 当性 を検 証 した.. Key Word : Indirect. 1.は. Tension Test, residual. strain,. multilayer. じめ に. elasticity. theory, FWD, dynamic. loading. 上を可能 とす る一手法 と考 えて いる.間 接 引張試 験 によ って,除荷 後 に発 生す る残 留ひず み に着 目 した計測 を実. 理論 的設 計法 の確 立 に向 けて,走行 す る交 通荷 重 に対. 施 し,舗装 体 のひず み解析値 につ いて残 留ひず み を考慮. す る舗装各 層のひず み算定の精度 向上 が重要 な課 題 であ. した補 正 を行 い,走行 車 両に よる舗 装 体ひず みの 実測 値. る.近 年,国 内において も優 れた多層弾 性理論 プログラム. との比較 によって,補正 の妥 当性 を検証 した ものであ る.. が開発 され て きてい るが,精度 向上 のた めには載 荷条件 や 各舗 装構成材料 の物理定数 な ど実態 に即 した解析条件. 2.調. を設定す ることが求め られ る.. 査研究概要. (1)試験舗装 区間の概 要. 筆者 らはアス ファル ト混合物層(以 下,As層 とす る)に ひず み計 を埋設 した試験舗装 区間において,FWDに よる支. 舗装体 ひず みの実測は,一般 国道238号 の北海道稚 内市. 持 力評価 や 車両走行試験 に よるひず みの実測結果 と多層. 声問 に整 備 した試 験 施工区間で実施 した.本 区間 の交通. 弾 性理論解 析結 果 を比較 し,理論解 析結果 の妥 当性 の検. 区分 は第4種1級,舗. 証 を行 った結 果 を報告 した.その結果,FWD載 荷 時及 び走. 未満 台/日(旧C交 通)で あ り,片側2車 線 の歩道側 を試. 行 車 両の前輪 載荷 時 にお け る舗 装体 ひず みの実測値 と,. 験 施工の区間 と してい る.. 多層弾 性理論解析値 は概 ね整 合した1). 一方 ,走行 車 両の後輪 載荷 時 にお ける舗 装体 ひず み の. 装計画交通量 は1000台 以上3000台. (2)走行車両に よるひずみ計測. 実測値 は,解析値 よ りも大 きな値 となる傾 向が見 られ た.. 試験舗装断面 において20tダ ンプ トラックを走行 させ,. これ は,ア スフ ァル ト混合物 の粘 弾 性の影響 が要 因の1. 埋設 したひずみ計 によ りAs層 下面のひずみを計潰け る.. つ と考 え られ る.走行 荷重 が作用 す る舗 装体 ひず みの粘 弾 性解 析 を行 う場 合,有 限要素法 を用 いた解 析 が必要 と. (3)多層弾性理論 による舗装 体ひずみの解析. なる こ とか ら,きわめて複雑 な作業 にな る ことは避 け ら. 走行車両の荷重条件 において,FWDた わみの逆解析 によ. れ ない.今後,理 論設 計法 を実用化 し,実務 レベル で普及. り求 めた弾 性係 数 を用 いて,多層 弾 性理論解析 に よ り走 行 車両載荷時 の理論 ひずみ を算出す る.. す るた めには,よ り簡便 な手法 であ ることが望ま しい 本研 究 では,弾 性挙 動 であ る多層弾 性計算 と粘 性挙動 に相 当す る残留 ひず みに 関 して,室 内試験値 か らの予測 を行 い,現塀碁. (4)間接 引張試験. 結果 と比較す るこ とで,現場にお け る残. 間接 引張試験 を実施 し,ひずみ波形 を計測 した.除荷 後. 留 ひず み を簡便 に予測す る手 法につい て検 討 した.こ れ. の復元遅 れに よる残 留ひずみ と供試 体温度,載荷 時間,休. らは,舗装 の理論的設 計法にお ける,ひず み算出 の精度 向. 止時間 な どの関係 を分析 した. 1.

(2) (5)舗装体 ひずみ解 析値の補 正. 計 測 値 に よ り逆 解 析 プ ロ グ ラムLMBS2)を 用 い て 求 め たAs. 間接 引張試験 か ら得 られた回帰式 を用い て前輪 載荷後 の残留 ひず み を算 定 し,後輪 載荷 時のひず み解析 値 を補. 層,路 盤,路 床 お よ び原 地 盤(風. 化 が 進 ん だ 岩 盤)の. 弾性. 係 数 を表‑1に 示 す.. 正す る.さ らに,舗装体 ひず みの解析値 の補 正結果 を実測. 表‑1逆 解析 による各層 の弾 性係数. 値 と比較 し,妥当性 を検証 した. 3.車. 両走行 によるひずみ計測. 車 両走行試 験を行 った試 験舗 装の断面構成 を図‑1に 示 す.試験舗装には,走行 車両の動 的載荷 に よ りAs層 下面 に 発生 す るひずみ を計測す るため,動的 なひずみ 変化 の計. (2)As層 の 弾性 係 数 の 補 正. 測 が可能 なひずみ計ペ イブ メン ト ス トレイ ン トラン スデ ューサー(PAST‑II‑AC)をAs層 に埋設 して いる.. As層 の 弾 性係 数 は 「 舗 装 に関 す る 飴SHTO指 針3)」 に従 い,車 両 走 行 に よ るひ ず み 測 定 時 の舗 装 体 温 度 に換 算 し,. 20tダ ンプ トラ ックの走行速 度を10〜50km/hで 変化 さ. さ らに,FWDと. せ てひず み計の直上 を走行 させ,As層 下面のひずみ を計. 走 行 車 両 の載 荷 時 間 の違 い か ら,載 荷 時 間. と間 接 引 張 に 関 す る研 究 結 果4)を 参 考 に 補 正 した.そ の. 測 した.計測 は温度条件 が異 なる5月,8月 お よび11月 の. 結 果 を表‑2に 示 す.な お,表‑2に. 3回 実施 した5.月 に計測 したAs層 平均温度23℃,車 両走. 示 す舗 装 体 平 均 温 度 は. 測 定 時 刻 が 異 な るた め,表‑1と 異 な る値 とな っ て い る.. 行速 度30km/hの 場合のひずみ計測結果 を一例 として図‑2. 表‑2走 行 車両に よる載荷時 間 と弾 性係数 の補正値. に示 す.ひずみ変化 において,車輪通過後 のひずみの復元 の時間的遅れ がみ られ,As層 の粘 弾 性的 な挙動 と考 え ら れ る. 表 層: 密 粒 度 アスコン 基 層: 粗 粒 度 アスコン 上 層 路 盤: As安 定 処 理. 下 層 路 盤: 切込砂利 (40mm級). 路. 床. (3)多層弾性理論解析 基 盤 (風 化 泥岩). 表‑1の 路盤,路床,原地盤の弾1生係数お よび表‑2の 補正 後のAs層 の弾1生係数 を用 いて多層 弾 性理論解 析プ ログラ ムGAMES5)に よ り走行車両通過 時の解析ひず みを計算 し. 図‑1部 験 舗装断面. た.解析 にお ける載荷 条件 は,図‑3に 示す 前輪(シ ングル タイ ヤ)と 図‑4に 示 す後 輪(ダ ブル タイヤ)を 図‑5に 示 す荷重配 置に よ り載荷 した.. 図‑3前 輪荷重(シ ングル タイヤ) 図‑2車 両走行試験 によるひずみ計測結果. 4.多. 層 弾性 理 論 に よ るひ ず み の 解 析. (1)FWDた わみ測 定 と逆 解析 多層 弾 性理論解析 にお ける入力 条件 としての各層 の弾 性係数 を決 定す るため,FWD調 査を実施 した.FWDた. わみ 図‑4後 輪荷重(ダ ブル タイヤ) 2.

(3) 図‑5走 行車 両の荷重配 置. 写 真‑1間 接 引張試験 装置. 解析 ひず み は,輪荷 重 の載荷位 置 を縦 断 的に変化 させ て,着 目点であ るAs層 下面のひず み計埋設位 置 に当たる. 表‑3試 験 条件. 静的なひずみ を計算 した。ここで,解析ひずみ を経時的変 化 に変 換す るた め,走行試 験 にお ける実測 ひず み の走行 速度 を用 いて,経時 的 なひずみ変 化 を算 出 してい る。As 層下面 の横 断方 向ひず みの縦断方 向分布お よび車両走行 試験 による実測 ひず みの比較結果 を図‑6に 示す.前 輪通 過時 の解析 ひず みは実測 値 と比較 的一致 して い るが,後 輪通過 時の解析 ひず みは実測値 よ りも小 さな値 となって い る.実測で は前輪通過後 のひず みが0に 戻 る前 に後輪 載 荷 が始 まって い るこ とか ら,残留ひず み が後 輪載荷 時 の ひず み に影 響 し,解析値 よ りも大 きなひず みが計 測 され た と考 え られ る.. (2)残留ひずみの計測 間接 引張試験 におい て,除荷後 の残留 ひずみ に着 目 し たひずみ波形 の計測 を行 った.こ こで,残留ひず み とは, 図‑7に 示す とお り,載荷時間経過後 の任 意 の休 止時間tγ にお けるひずみ εγ を意味す る. また,載 荷時 の最大 ひず み に対 す る残 留ひず み の割 合 を残 留ひず み率 と定義 す る と,任意 の休 止 時間 にお ける 残 留ひずみ率Rε は,以下の式(1)に よ り求ま る.. (1) 図‑6解 析 ひず み と実測ひずみの比較. こ こ に,εmax:最. 大 ひ ず み(×10‑6). εγ:休 止 時 間tγの とき の残 留 ひず み(×10略) 5.間. 接 引 張試 験. 接 引張試験 の波形デ ータを用いて図‑8に 示す とお り,間 接 引張 り試験 の波 形デ ー タを用い て,載荷終 了時 点か ら. (1)試 験 方 法 再 生 密 粒 度 ア ス フ ァル ト混 合 物 お よび 再 生 ア ス フ ァル. 休 止時間0.8秒 までの残留ひずみデー タを0.05秒 間隔 で. ト安 定 処 理 の供 試 体 に つ い て,,写 真‑1に 示 す 間 接 引 張 試. 抽 出 した.計 測 ひずみの波形デー タを見る と,休止時間 に. 験 装 置 を用 い て,舗 装 試 験 法 便 覧 別 冊 の 「ア ス フ ァル ト混. 対 して残留 ひず みは直線 的 な低 下で はない こ とか ら,1. 合物 の レジ リエ ン トモ デ ュ ラス試 験 方 法 」6)に 準 拠 した,. 次関数 に よる回帰式 で表 現す る ことは適 当ではない と考. 間 接 引 張 試 験 を 実施 した.. え,抽 出デー タの変 数変換 を行 った場 合につい て も相 関 分析 を行 うこと とした.残 留 ひず み率 は残 留ひずみ率 の. 試 験 条件 は 表‑3に 示 す とお り,3種 類の 温度 条 件O℃,10℃, 30℃ ±1℃ で行 う.載荷 時 間 は10km/h,30km/h,50km/hの. 対数 に,休止 時間は休止時 間のn乗 お よび休止時間 の対数 と. に,試験温度 は試 験温度 のn乗 お よび試験 温度の対数 に,. す る.各 温度 条件 にお い て圧 裂 試験 結 果 か ら求 め た供 試 体. 載 荷時間 は載荷時 間のn乗 お よび載荷時間 の対数 にそれ. の 引 張強 度 に対 して,10%程 度 の応 力 を生 じさせ る荷 重 を載. ぞれ変数 変換 を行 った.こ こで,デ ー タにゼ ロを含む変. 荷荷 重 に設 定 す る.載 荷 波 形1よ マ ル チ フ ァ ンク シ ョン ジ ェ. 数 に関 しては,ほ ぼゼ ロにみ なせ る値 を加 えて対数 に変. ネ レー ター でハ ーバ ー サイ ン波 を出力 した. 換 を行 った.変 数変換 前後の相関係 数 を表‑4に 示す.. 車 両走 行速 度 を想 定 し,それ ぞ れ0.8秒0.4秒0.2秒. 3.

(4) 表‑5自 由度2重 調整済 み寄与率. 行試 験 の車 両走 行 速度10〜50km/h程. 度 の範 囲 を想 定. し,0.2,0.4,0.8秒 の条件 で実施 してい る.この範囲 にお ける載荷 時間 の変化 が残留 ひずみ に与 え る影響 は,温度 や休止 時間に よる影響 と比較 して非常 に小 さい こ とか ら, 回帰式 にお ける変数 と して,載荷 時間を除外 した.. 図‑7残 留ひずみ. 以上 の結果 か ら,表‑5に 示す 変数 を選択 して重回帰分 析 を行 った.重回帰 分析 に よって得 られた再 生密粒 度 ア ス ファル ト混台物 の残留 ひず み率Rεmの算 定式 を式(2)に, 再生アス ファル ト安 定処 理の残留ひずみ率Rεaの 算定式 を式(3)にそれぞれ 示す.再生密粒度 アス ファル ト混合物 お よび再 生アス ファル ト安定処理 ともに自由度2重 調整 済み寄与率が高 く,回帰モデル は妥 当 と考 え られ る.. (2). 図‑8ひ ずみ波形 にお け る残 留ひず みデー タの抽出. (3). 従属変数 である残留ひずみ率 を比較す る と,再 生密粒 度 アスフ ァル ト混合物 お よび再生 アスフ ァル ト安定処理 と. こ こに. もにおおむね実数の場合 の相 関係数が高い 独立変数 を疑. Rεm:密. 粒 度 ア ス フ ァル ト混 合物 の 残 留 ひ ず み 率,. 較する と,試 験温度 は,実 数の場合に残留ひずみ率 との相. Rεa:ア. ス フ ァル ト安 定 処 理 の残 留 ひ ず み 率,. T:試 験 温 度(℃),tr:休. 関 性が高い.載 荷時間は実数,対数,0.5乗 のいずれの場 合 も残 留ひず み率 との相 関性 は低 い.休止 時 間につ いて は. 止 時 間(s). 0.4乗 の場合 に残留ひずみ率 との相関 性が向上 したため,. 式(2)お よ び(3)は 実 験 値 を解 析 した 実 験 式 で あ り,同 一 の 材 料 に 関 して ,ひ ず み レベ ル,試 験 中 の 温度,載 荷 時. 独立変数 として決定 した.. 間 な どの試 験 条 件 が 内 挿 の 範 囲 内 で あ れ ば,適 用 効 果 が. 載荷時 間は実数,対数0.5乗. あ る と考 え られ る.今 後,ア ス フ ァル ト混 合 物 の種 類 や 試. のいず れの場合 も残 留ひ. ずみ率 との相 関性は低 い 間接 引張試験 の載荷 時間は 走. 験 条件 を 変 え て,デ ー タ を蓄積 し,汎 用性 を 高 めた い. 表‑4相 関分析結果. 4.

(5) 図‑9に 算定式(2)お よび(3)か ら得 られ る残 留ひずみ率 ア ス フ ァル ト安 定 処 理. を示す.残留ひず み率は試験温度 が高い ほ ど高 く,休止時 間の経過 とともに低 下す る.また,密粒度 ア スファル ト混 合物の残留 ひずみ率 はアス ファル ト安定処理 の残 留ひず み率 よ りもや や高い. 一例 として ,アス ファル ト安定処理 につ いて,算定式 に よる残留 ひずみ率 と計測 され た最 大ひずみ か ら残 留ひず みの時間変化 を求 め,実測 直と比較 した結果 を図‑10に 示 す.算定 式 に よる推 定値 は実測値 と近似 した結 果 とな っ てい る.. 図‑12算 定式 によるアスフ ァル ト安定処理 の残留ひず み と実測ひずみ. 密 粒度 アス ファル ト混合物 の残 留ひずみ と実測 ひずみ の関係 を図‑11に,ア スフ ァル ト安定処理の残留ひずみ と 実測ひずみ の関係 を図‑12に 示す.いずれ も実測 直と推定 値 は ほぼ合致 してお り,相関係数 も高い 図‑9算 定式に よる残留ひずみ率. 6.解. 析ひずみの補 正. (1)残留 ひずみ の算定 5月 に計測 したAs層 平均温度23℃,車 両走行速度30km/h の場 合を一例 として,多層弾 性理論解析 によって算定 した As層 下面のひず みにつ いて,残留ひずみの影響 を考慮 した 補正 を行 う. 前輪通過 時におけ る残留ひずみ εr1は,式(1)及 び 式(2) か ら式(4)で表 され る.前輪 通過時 におけ る最大ひず みの 解 析値 εmaxl=120.1μ ひずみ,舗装体平均温度7=23℃ を代 入す ると,式(5)に示す休止時間 ちとの関数 とな る. 図‑10算 定式に よる残留ひずみ と実測 ひずみ. (4). (5). 図‑13走 行車 両前軸 通過 の算定式 による. 図‑11算 定式 による密粒 度アスフ ァル ト混合物. 残留 ひず みの変化. の残留 ひず み と実測ひずみ 5.

(6) 前 輪 通過 か ら後 輪(第2軸)通. 過 まで の 間 のひ ず み 最 小. 値 にお け る時 間 を休 止 時 間0.0sと. (2)残留ひずみの影響 を考慮 したひずみ の算定. して算 出 した,前 輪 載. 図‑6に 示 した多層弾性 理論解析 による車両走行時 のAs. 荷 に対 す るAs層 下 面 にお け る残 留 ひ ず み の 推移 を 図‑13に. 層 下面 のひずみ に対 して,図‑15に 示 した残 留ひずみの算. 示 す.. 定値 を加算す る ことによって,補正 を行 った結 果 を図‑16. 次 に,時 速30km/hで. に示 す.補正結果 は実測ひずみ と比較 して,近似 してい る.. 走行 した場 合の 後 輪(第2軸)通. 過 時 間 は,実 測 ひ ず み の 推 移 か ら前 軸 通 過 後0.400sで り,休 止 時間 で 表 す とtr=0.206sに. あ. あ た る.こ の とき の前. 輪通 過 に よ る残 留 ひず み1よ 式(5)か ら εr1=32.3μ ひず み とな る.ま た,後 輪(第2軸)通. 過 時 に よ る最 大 ひず み の解. 析 値 εma2=76.9μ ひ ず み で あ り,前 輪通 過 に よる残 留 ひ ず み を考 慮 した,後 輪(第2軸)通. 過 にお け る残 留 ひず み1よ. εr2は式(6)で 表 され る.後 輪(第2軸)通. 過 時 影残 留ひ ず. み の推 移 を 図‑14に 示す.. 図‑16残 留 ひず みに よる補正 を行 った解析 ひず み と実測ひずみ. (6) さらに,後輪(第3軸)通. の比 較(5月,30km/h). 過時の残留 ひずみの推移 も同 As層 の温度が高 く,走行速度 が遅 い場合,As層 の弾 性係. 様 に算出 して,車両走行 におけ る各軸 の通過 に よる残 留ひ. 数 が低 下 し,車両走行時 のAs層 下面 のひずみ が大 き くな. ずみ変化 を求 めた 算 出結 果を図‑15に 示す.残留ひずみ の. る.この よ うなケー ス として,図‑17に8月. 開始は前 軸によるひず み最大値発生時 とし,荷重減少過程. に計測 したAs. 層平均温 度27℃,車 両走行速度10km/hの 場合 の実測 ひず. にお いて も残 留 ひずみ が発生 して い る と考 え られ るが,. み解 析 と補 正ひず み の比較結 果 を示す.残 留ひず み の影. 算定方法 が不明で ある ことか ら直線 で結んで連続 化 して. 響 を考慮 した補正 ひず み は,補正 を行 って いない解 析 ひ. い る.. ずみ と比較 して精 度 は向上 して い るが,実測 ひず み とは あ ま り一致 して いな い.残留ひ ずみ の影響 がない前 輪載 荷時 の解析 ひずみ と実 測ひずみ の一致 が良 くない こ とか ら,FWDの 測定精度や 逆解 析結果 の精度,ひずみ の測定精 度 な ども影響 してい る と考 え られ る.. 図‑14走 行車両後軸(第2軸)通. 過の算定式 による. 残留ひずみ の変化. 図‑17残 留ひずみ に よる補正 を行 った解 析ひずみ と実測ひずみ の比較(8月,10km/h). As層 の弾 性係数 が高いケース として,図‑18に11月. に. 計測 したAs層 平均温度12℃,車 両走行速度50km/hの 場 合 の実測 ひず み解 析 と補正 ひず み の比較結果 を示す.残 留 ひずみ の影響 を考慮 した補正 ひず みは,実測 ひずみ とは 図‑15走 行車両載荷 時における残 留ひずみの推移. 比較的一致 してい るが,残留ひずみ の影響 は小 さい. 6.

(7) ば や やば らつ きが あ るものの相 関式 にお ける補正値 と 実測値 は比較 的一 致 してお り,精度 が 向上 してい る こ と が分 かる.また,後輪(第3軸)載. 荷 時の解析ひず み と補. 正ひずみ の比較結果 を図‑20に 示す.補正ひずみは実測ひ ずみ よ りやや小 さい値 となってお り,後輪(第2軸)の. 場. 合 よ り精度 は劣 って い るが,補正 な しの場 合 と比べ る と 精度 は向上 してい る. 7.ま. とめ. 今 回,試験舗装 にひず み計 を埋設 し,走行 車両 に よって 載荷 し,As層 下面 のひずみ計測 を行 った.ま た,間接 引張. 図‑18残 留 ひずみ による補 正 を行 った解 析ひず み と実測 ひずみ. 試 験 に よって,除荷 後 の復元遅 れ に よる残 留ひず み に着. の比較(11月,50km/h). 目 した計 測 を行 った.さ らに多層弾 性理論解 析値 につ い O多層弾性 解析値 ■残留 ひずみ補正. て残 留 ひずみ の影響 を考慮 した補 正 を行 い,実 測値 と比 較 した結 果,以下の事 項が確 認 された. (1)20tダ. ンプ トラックを走行 させ,ひ ず み計に よって. 計測 したAs層 下面 のひず み変化には,車輪通過後 のひず み の復 元の時間的遅れ による残留 ひず みがみ られ る. (2)間接 引張試 験結果 か ら,残留 ひずみ率 との相関 は,試 験 温度,休 止時間 の順 に高 く,載荷時 間 との相 関は低 い こ とが分か った. (3)重 回帰分析 に よって,再生密粒度 アス ファル ト混合 物 お よび再 生ア スフ ァル ト安定処理 の残留ひず み率 の算 図‑19後 輪(第2軸)載. 定式が得 られ た.回 帰式は 自由度2重 調整済み 寄与率が. 荷 時の解 析ひずみ と補正 ひず みの比較. 高 く,回帰モデル は妥 当 と判断 され る.. O多層 弾性解析 値 ■残留 ひずみ補 正. (4)走 行速 度を10〜50km/h,温 度条件 が異な る5月,8月 お よび11月 の各 ケー スについて,後輪(第2軸,第3軸) 載荷 時 の解 析 ひずみ お よび 残留 ひず みの影響 を考 慮 し た補 正 を行 ったひずみ を実測 ひずみ と比較 した結果,補 正 に よる精度 向上が確認 された. 8.お. わ りに. LCCの 低 減に向 けて,低 コス トあ るいは耐久性 が高い新 材 料や 新 工法 を積極 的 に採用 す る こ とが望 まれ る.使用 実績 が少 ない新材 料や 舗装構造 の設 計 にあた って は,従 来の経験 的な設 計法 であ るTA法 の適 用が困難で あ り,理 論 的設 計 法 の確 立 が求 め られ る.理 論 的設 計 法 の 実用 図‑20後 輪(第3軸)載. 荷 時の解 析ひずみ と補正 ひず みの比較. 化・ 普及 に向けては,実務 レベル で利用可能 な簡便 な手法 に よ り,舗装体 ひず み解析 の精度 向上を図 る こ とが望 ま. 走 行 速 度 を10〜50km/h,温 よび11月. 度 条 件 が 異 な る5.月,8月. の 各 ケ ー ス につ い て,後 輪(第2軸)載. しい.. お. 荷 時の. 今回,本研究 では,弾 性解析 ひず み に実験 か ら予測 した. 解 析 ひ ず み と補 正 ひず み の 比 較 結 果 を図‑19に 示 す.残 留. 残 留 ひずみ を用 いて補 正す る こ とに よ り,実舗 装 にお け. ひ ず み の影 響 を考 慮 した 補 正 ひ ず み と実 測 ひず み の 関係. る粘 弾 性ひずみ を推 定で きる可能1生が見いだせ た. 7.

(8) 今後,動 的応 答解 析や粘 弾 性理 論解 析 な どさま ざま な. 2). 姫 野 賢 治: パ ソ コ ン に よる舗 装 の 多 層 弾 性解 析, ア ス フ ァル. ア プ ロー チ によって,補 正手法 を検討 して いきた い.ま. ト, Vol.32, No.161, pp.69‑72, 1989. た,舗装体 ひずみ計測 の精度 向上,FWDた わみ の動 的逆解. 3). 社 団法 人. 析や室 内材料 試験 な どに よる舗装各層 の物理定数決 定手. 針, pp.405, 1986. 法の検討,解 析 条件 の検 討 に よる精 度 向上 にも取 り組 み. 4). 阿 部, 宇 佐 美, 丸 山, 姫 野: ア ス フ ァル ト混 合 物 の レジ リエ ン. たい.. トモ ジ ュ ラ ス, 第47回 5). 年 次 学 術 講 演 会, pp.118‑119, 1992. 松 井, マ イ ナ, 董, 小澤: 鉛 直 お よ び泳 平方 向 に 円 形 分 布 の 荷. 参考文献 1). セ メ ン ト協 会: 舗 装 に 関 す るAASHTO指. 重 作 用 を受 け る舗 装 構 造 の 弾 性解 析, 土 木 学 会 舗 装 工 学 論. 岳 本, 久 保, 安 部: FWD及 び 走 行 車 両 に よ る舗 装 体 ひ ず み の計 測 と 解 析,. 文集, 第6巻, 6). 土 木 学 会 舗 装 工 学 論 文 集, 第9巻,. pp.185‑192, 2004. (暫定 試 験 方. 法) pp249‑259, 1996. Correction by Incorporating Hideto In the theoretical. pp.100‑109, 2001. 社 団 法 人 日本 道 路 協 会:舗 装 試 験 法 便 覧 別 冊. of Analyzed Residual. TAKEMOTO. design of pavement,. strains. Pavement. Strain. with. , Ryuji ABE. to accurately estimate. Dynamic. and Yuichi. that occur in pavement. analysis and the number of years to fatigue failure is estimated It is very important. Strain Loading KUBO. layers are obtained. based on the fatigue characteristics. of materials.. the strain induced by traveling vehicles. In this research, the residual. strain was measured. in an indirect tension test, and calculation. The strain. in the asphalt mixture layer by traveling vehicles was calculated. generated. by a mechanical. of strain from this measurement. theory analysis, and a correction that considers residual strain was performed. comparing the results with measured strain caused by traveling vehicles.. 8. was studied.. using multilayer. elastic. The correction was examined by.

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ただし、変状箇所の応力集中などを把握しようとす る場合には多点での測定が必要であり、列車間合い

本分析では、研究室パネル調査の回答結果を用いる。当調査の詳細については、 [4] を参照のこと。分 析対象とする回答結果は、ランダムサンプリング(以下、

いずれも各繰返し数における残留ひずみを減じた値を 示す.また,版理論に基づく主鉄筋ひずみの計算値を示 す.計算ひずみは,供試体の設置条件と同様に 2 辺単純

Human Resource Development for Market Economy (HRD-ME) [2005]National Training Needs Analysis, Vientiane: Lao-German Programme with Ministry of Education. ―

=-0.36, p<0.01)その他とは相関関係を認めず、 LLAは各 測定項目と有意な相関関係を認めた。重回帰分析の結果で は、各歩行能力の影響因子としてはLLAとKnee

査を実施し、その調査結果を分析した。キャンディ市の家庭ごみ発生量に関しては、所得に

今回製造した再生骨材 laRG は、骨材試験を行った項 目に関しては再生骨材 H の規格を満たす結果となった が,絶乾密度と吸水率は H 規格の限度に近い値となっ

回帰分析を行った(Table7).まず,心理的スト