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深層混合処理による地盤改良体のせん断波速度測定

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Academic year: 2022

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(1)III-B188. 深層混合処理による地盤改良体のせん断波速度測定 清水建設(株) 正 同上. ○内山. 伸. 桂. 豊. 正. 正. 西尾伸也 浅香美治. 1.はじめに 深層混合処理工法による改良地盤の強度・変形特性は,一軸圧縮試験の qu と E 50 で評価されることが多い. 近年,改良地盤は構造物の支持地盤としても利用されつつあり,耐震設計上,改良地盤の動的性質を把握する 必要性が増加している.ベンダーエレメントを用いたせん断波速度(以下,Vs)の測定手法は,簡便で原位置測定が可 能 1)である.本論では,2つの現場で地盤改良体の原位置せん断波速度(以下,原位置 Vs)測定を,3つの現 場でブロックサンプリング地盤改良体のせん断波速度(以下,供試体 Vs)測定を実施した.その測定結果を示すとと もに,本手法の原位置測定の有効性を示す. 2.現場概要とせん断波速度測定 図 -1 は,5つの現場の地盤概要と. 深度 (m). 10. 深度 50 (m) 0. 砂質 シルト. 地盤の種類は,粘性土地盤が3ケ所, -10. 粗砂. シルト質 細砂. ローム. シルト質 細砂. 粘土. ☆. -20. シルト. 粘土質 シルト. ☆. 砂礫. 一覧である.現場 A,B では原位置 Vs. 細砂. 細砂. 改良深さ GL-26m セメント配合 120kg/m3. 土丹. 改良深さ GL-17m セメント配合 120kg/m3. (2)B現場. 砂質 シルト. -20. 砂礫. 粘土. -30. (1)A現場. と供試体 Vs を比較し,原位置測定で. ☆. -20. 改良深さ GL-22m セメント配合 120kg/m3. 表 -1 は,現場別の Vs 測定の形態の. シルト. 細砂. -20. -30. -10. -20. 細砂. 令 2 8 日の設計強度が q u = 5 0 0 〜. 埋土. ☆. 砂礫 混砂. -10. 柱 状 N-値 図 10 50. 砂質 シルト. 細砂. 粘土混 中砂. メント 系固化材の配合は,いずれも材. 800kN/m となるよう決定した.. 0. 深度 10 50 (m) 0 N-値. 埋土. -10. れもソイルセメント柱列体で山留め壁が1. 柱 状 図. 深度 N-値 10 50 (m). 中砂. -10. 示した.地盤改良体の種類は,いず. 2. 柱 状 図. 深度 N-値 10 50 (m) 0. ☆. 測定およびブロックサンプリングの深さを. ケ所,壁状改良体が4ケ所である.セ. 柱 状 図. N-値. 0. 深層混合処理工法の施工仕様である.. 砂質地盤が2ケ所である.図中に Vs. 柱 状 図. 砂礫 -30. 改良深さ GL-22m セメント配合 180kg/m3. (4)D現場. (3)C現場. 改良深さ GL-23m セメント配合 120kg/m3. (5)E現場. 図-1 現場概要(☆印は,Vs測定位置あるいはサンプリング位置). の振動方向や測定方向によるばらつ 表-1. き,原位置測定の有効性を検討した.また,土質 の異なる C,D,E 現場では供試体 Vs を測定した.. 現場別Vs測定形態. 現場名. A. B. 原位置Vs測定. Vs は圧電セラミック型ベンダーエレメントを用いて測定 1)2) した.写真 -1 は固定ベースにマウントしたベンダーエレメ. ブロックサンプリング 供試体のVs測定. ント(12mmx12mx0.5mm)の外観である. 原位置のVs測定は,2列. A3. 様々な方向に取り付け実. E. ○. ○. ○. ○ ○. ○. ○. 振動方向 固定. 振動・伝播 方向固定. 発. 約2m. 約2m. B4. 改良体 A1. 施した.図 -2 は A 現場の, 図-2 A現場のベンダーエレメント の平面配置 図 -3 は B 現場の原位置 Vs. VH測定 受. L 改良体. 改良体 A2. 写真-1 ベンダーエレメントの外観. HH測定. A5. A4. さ 2 m 程度露出させ,発 振・受振ベンダーエレメントを. D. B3. 一組で構築した壁状の地 盤改良体を根切り時に高. C. B2 B1 図-3 B現場のベンダーエレメント の平面配置. 水平振動 水平伝播. HV測定. 改良体. 発 受. 発. L. L. 受. 水平振動 鉛直振動 水平伝播 鉛直伝播 (L:伝播距離). 図-4 ベンダーエレメントの断面配置模式. 地盤改良体,深層混合処理工法,せん断波速度,一軸圧縮強さ 東京都江東区越中島 3-4-17,TEL 03-3820-5522,FAX 03-3820-5955. -376-. 土木学会第56回年次学術講演会(平成13年10月).

(2) III-B188. 測定時のヘ ゙ ン タ ゙ ー エ レ メ ン ト 平面配置である.それぞれφ. 表-2. A現場の原位置Vs測定の結果. 1.0m,2 軸の深層混合処理で施工された改良柱体の側面. 計測位置. A1. A2. A3. を平らに削り,ベンダーエレメントを設置した.図 -4 は,断面. 振動方向. 水平. 水平. 水平. 水平. 鉛直. 水平. 伝播方向. 鉛直. 鉛直. 鉛直. 水平. 水平. 水平. 伝播距離L(mm). 500. 503. 248. 1002. 1002. 2033. せん断波速度(m/s). 631. 582. 873. 715. 726. 840. 配置の模式図である.測定パターンは,発振側の振動方向 と波の伝播方向の組合せにより,HH(水平振動,水平伝 播)測定,VH(鉛直振動,水平伝播)測定,HV(水平. 表-3. 振動,鉛直伝播)測定の 3 通りである. ブロックサンプリング供試体は,原位置改良体を重機で破砕 した後の 30cm 前後の直方形(あるいはボール状)の塊か ら,トリマーまたはコアリングマシンを用いて成形した,φ 5cm,高 さ10cmの供試体である.各供試体に対してVs測. A5. A4. B現場の原位置Vs測定の結果. 計測位置. B1. B2. B3. B4. 振動方向. 水平. 水平. 水平. 水平. 伝播方向. 鉛直. 鉛直. 鉛直. 水平. 伝播距離L(mm). 500. 500. 500. 991. せん断波速度(m/s). 1412. 1202 1366 1382. 1500. 1500. 1000. 1000. 3.測定結果. Vs(m/s). 基にした HV 測定である.. 500. 表 -2 は A 現場の原位置 Vs 計測結果である.原 0. A1 と A2,A3 〜 A5 を比較すると Vs は伝播方向 に関わらずそれぞれ近い値を示す.このことは, 施工エレメント毎の混合撹拌状態の相違が Vs に影響. 0. Vs(m/s). 表 -3 は B 現場の原位置 Vs 測定結果である.原. の差はほとんど見られない.図 -6 は,A,B 現場. 50. 100 150 L(mm). 200. 図-6 A,B現場ブロックサンプル供試体 の伝播距離によるVsの違い ●C現場 ▲D現場 ■E現場 800. 1000 原位置Vsの 範囲(表-2). 600. 500 ●A現場 ▲B現場 0. 0. 図 -5 は,A,B 現場のブロックサンプリング供試体 Vs への伝播方向の影響である.伝播方向による Vs. 0. 原位置Vsの 範囲(表-3). 位置 Vs は 1200 〜 1400m/s であり,通常の地盤材 料としては極めて高い値を示した.. 0. 1000. 1500. を変えた2種類の測定値はほぼ等しく,振動方向. ●A現場 ▲B現場. 500 1000 1500 V方向Vs(m/s). 図-5 A,B現場ブロックサンプル供試体 の伝播方向によるVsの違い. することを示している.また,A4 での振動方向. の Vs への影響はほぼ無いと考えられる.. 500. ●A現場 ▲B現場. 位置 Vs は 600 〜 900m/s とばらつきが大きいが,. Vs(m/s). の各供試体の Vs 測定は,すべて原位置の配置を. H方向Vs(m/s). 定,一軸圧縮試験を実施した.なお,C 〜 E 現場. 2.0. 4.0. qu(MN/m2). 6.0. 図-7 A,B現場ブロックサンプル供試体 のqu-Vs関係. 400 0. 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 qu(MN/m2). 図-8 C〜E現場ブロックサンプル 供試体のqu-Vs関係. のブロックサンプリング供試体 Vs への伝播距離の影響である.両現場とも伝播距離が短くなると Vs が増加する傾向 がある.A 現場の結果からは,伝播距離が長くなるほど Vs のばらつきが小さくなることが推定される.図 -7 は,A,B 現場のブロックサンプリング供試体の qu-Vs 関係である.両現場ともブロックサンプリング供試体 Vs のばらつきは, 原位置 Vs のばらつきとほぼ一致している.このことからも,ベンダーエレメントによる原位置 Vs のばらつきは,深層 混合処理の材料混合性など施工上のばらつきに起因すると考えられる.図 -8 は,C 〜 E 現場のブロックサンプリング 供試体の qu-Vs 関係である.現場毎に qu の増加に伴い概ね Vs の増加傾向が認められる.これらの関係は,土 質および材料混合・撹拌状態に大きく影響されることがわかる. 4.まとめ ベンダーエレメントを用いた地盤改良体の Vs 測定は,振動方向,伝播方向,伝播距離の違いによる測定値のばらつ きが小さく,原位置での Vs 測定手法として有効である. 参考文献 1)西尾ほか:ベンダーエレメント試験におけるせん断発振子の変位計測,物理探査学会第 100 回学術講演会論文集, pp.127-131,1999.2)西尾ほか:ベンダーエレメントを用いたセメント改良地盤のせん断波速度測定,土木学会第 55 回年次学術講演 会講演集,第 3 部門,B220,2000.. -377-. 土木学会第56回年次学術講演会(平成13年10月).

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