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改 良 柱 体

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Academic year: 2022

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(1)

セメント系改良柱体の打設前後における自然地盤と改良柱体近傍地盤の pH と一軸圧縮特性

佐賀大学理工学部 ○学 鍋内利輝 佐賀大学低平地沿岸海域研究センター 正 日野剛徳 正 加瑞 佐賀大学大学院工学系研究科 正 根上武仁 学 姫野季之

1. はじめに 筆者らの属する研究グループは,塩分・酸化還元環境の変遷が深層混合処理工法の品質管理 諸量と地盤環境に及ぼす影響に関する研究を進めてきている 1).筆者らの一部は先に,同研究においてセメ ント系改良柱体打設前の地盤の堆積環境について明らかにし 2),続いて同改良柱体における一軸圧縮特性の 経時変化について明らかにしてきている 3).本報では,セメント系改良柱体の打設前後における自然地盤と 改良柱体近傍地盤の pH と一軸圧縮特性の変化について,一次データ処理の結果に基づいて検討した結果を 述べる.

2. 研究フィールドの鋭敏性 研究フィールドの位置などにつ いては既報している2),3).後述するNo.1からNo.4の各結果は,

改良柱体中心から所定の距離においてボーリングした試料の番 号に用いているものである.No.1 および No.2 は,それぞれ改 良柱体の中心から0.4m(r/Rc=0.5,ここにr:改良柱体側面から の距離(m),Rc:改良柱体の半径(m)4))および0.65m(r/Rc=0.8)

の位置にあたる.No.3 および No.4 は,それぞれ改良柱体の中 心から1.20m(r/Rc=1.5)および1.60m(r/Rc=2.0)の位置のこと をいう.No.5は,改良柱体打設前の自然地盤である.図-1(a),(b) に,自然地盤(No.5)の堆積環境と鋭敏性を示す.コンシステ ンシー特性の観点から,液性指数ILについては1以上,鋭敏比 Stについては10~20のように,有明海沿岸低平地域における典 型的な性質5)としての傾向が認められる.

3. pH 図-2に,pH の深さ分布を示す.改良柱体(No.1およ

びNo.2)におけるpHの値は,打

設5年後との経時変化を伴うが,

なおもセメント使用時に特有の高 アルカリ状態にあることがわかる.

他方,No.3 およびNo.4 の値につ いて,既往の研究では改良柱体の 周辺に及ぼす影響が認められてい るが 4),改良柱体側面からの距離 の観点,さらにはNo.5の値との間 で比較しても顕著な違いは認めら れない.

4. 一軸圧縮特性 深層混合処理 工法による改良柱体の打設により,

研究フィールドの地盤は No.5 か らNo.1への結果のように100倍以

図-1(a) 研究フィールドにおける地盤の 堆積環境の復元

地層 区分

aHu

aAc

aHl

K-Ah 12.0m

0

5

10

15

20

25

30 G.L.

(m) +0.67

-9.33 -4.33

-14.33 T.P.

(m)

-19.33

-24.33

-29.33

堆積場 の水深

湿地 内湾 潮間帯 上部

内湾 潮間帯 内湾 浅海帯

内湾 潮間帯 内湾 潮間帯 内湾潮間帯 上部

河口域

湿地

河川

柱状図

礫混じり粘性土

粘土

シルト シルト

砂混り シルト シルト

砂混りシルト

砂混り シルト

礫混り砂

混入物

ユ ウ シ オ ガ イ カ キ 、 ハ イ ガ イ ウ ミ タ ケ ゴ マ フ タ マ ガ イ ヒ メ カ ノ コ ア サ リ

ツ ル マ ル ケ ボ リ ガ イ

イ ヨ ス ダ レ 、 カ キ ス ミ ス シ ラ ゲ ガ イ ヒ メ カ ノ コ ア サ リ サ ル ボ ウ ヒ メ エ ガ イ シ ズ ク ガ イ シ ズ ク ガ イ

カ ニ 殻 ヤ マ ト シ ジ ミ 貝 殻 片

炭 酸 鉄 植 物 片

浮 陸 泥 ↓遡 海

海 海 高 海

海面変動

堆積方向

図-1(b) 研究フィールドの鋭敏性 地層

区分

aHu

aAc

aHl 0

5

10

15

20

25

30 G.L.

(m) +0.67

-9.33 -4.33

-14.33 T.P.

(m)

-19.33

-24.33

-29.33

6 7 8 9 1011

pH

海水の平均値 (8.3)

オールコア

●:不撹乱 試料

-400 0 ORP (mV)

オール コア

●:不撹乱 試料

0 1 2 塩濃度

(g/L NaCl)

●:不撹乱 試料

オールコア

0 100

wp wn wL

(%)

1 1.5 ρt (g/cm3)

0 10 20 St

III‑045 土木学会西部支部研究発表会 (2014.3)

‑397‑

(2)

上の強度の増加がもたらされ ている.No.1の結果3)に示す ように,改良柱体の強さは打

設28日後から5年後への経時

変化を経ることにより,さら に2倍の強度増加を示すこと が認められる.No.1 と No.2 のボーリングの意図は,改良 柱体の側面ほど未改良地盤に 接し,セメント成分の溶出に 伴い均質な品質が確保できて いない懸念を確認するための ものであったが,深さ12mか ら 14m 付近の結果を除けば 両者に明瞭な違いは認められ ない.他方,No.3 から No.4 へと改良柱体側面からボーリ ング採取位置が離れる位置関 係にある.これに伴い,No.3 の一軸圧縮強さは No.4 のも のより大きいことが予想され たが,両者に明瞭に違いは認 められない.

5. あとがき 本報に示した pH と一軸圧縮特性の一次デ ータ処理結果は,深層混合処 理工法による改良柱体打設後 の周辺の未改良地盤に対する 改良材溶出の懸念もしくは期 待に関する既往の知見に従っ ていないことがうかがえる.

今後,マイクロ・マクロメカ ニックスの観点から詳細な知 見を得るとともに,本研究の

目的に関する一定の見解を示したい.

謝辞:本研究は,(独)日本学術振興会・科学研究費補助金・基盤研究(B)(一般)・課題番号 23360204(研究代表者:日野剛 徳)ならびに基盤研究(c・課題番号23560592(研究代表者:根上武仁)における課題の一環として実施した.記して感謝の 意を表します.

参考文献1) Hino et al. : Frontiers of Structural and Civil Engineering, Higher Edcation Press & Springer, Vol.6, No.2, pp. 153-165, DOI:

10.1007/s11709-012-0153-y, 2012.2) 日野ら:,第47回地盤工学研究発表会平成24年度発表講演集,CD-ROM,pp.2023-2024,

2012.;3) 平岡ら:平成24年度土木学会西部支部研究発表会講演概要集,CD-ROM,第Ⅲ部門,pp.533-5342013.;4) 三浦 ら:土木学会論文集,No.596/Ⅲ-43,pp.209-221,1998.;5) 下山ら:地域地質研究報告,5万分の1地質図幅,福岡(14)第

71号,NI-52-11-9,(独)産業技術総合研究所地質調査総合センター,97p2010

図-3 pHの深さ分布 地層

区分

aHu

aAc

aHl 0

5

10

15

20

25

30 G.L.

(m) +0.67

-9.33 -4.33

-14.33 T.P.

(m)

-19.33

-24.33

-29.33

6 7 8 9 1011

pH No.1

海水の 平均値 (8.3)

オール コア

●:不撹乱 試料

6 7 8 9 1011

pH No.2

海水の 平均値 (8.3)

オール コア

●:不撹乱 試料

6 7 8 9 1011

pH No.3

海水の 平均値 (8.3)

オール コア

●:不撹乱 試料

6 7 8 9 1011

pH No.4

海水の 平均値 (8.3)

オール コア

●:不撹乱 試料

6 7 8 9 1011

pH No.5

海水の 平均値 (8.3)

オール コア

●:不撹乱 試料

改 良 柱 体

改良 深さ (m)

図-4 一軸圧縮強さの深さ分布 地層

区分

aHu

aAc

aHl 0

5

10

15

20

25

30 G.L.

(m) +0.67

-9.33 -4.33

-14.33 T.P.

(m)

-19.33

-24.33

-29.33

0 5 10 qu (MN/m2)

No.1

:打設28日後

▲:打設5年後

0 5 10 qu (MN/m2)

No.2

▲:打設5年後

0 50 qu (kN/m2)

No.3

0 50 qu (kN/m2)

No.4

0 50 100 qu (kN/m2)

No.5

改 良 柱 体

改良 深さ (m)

III‑045 土木学会西部支部研究発表会 (2014.3)

‑398‑

参照

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