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地球化学における環境学 -日本地球化学会へのアンケート集計結果-

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(1)

第19期日本学術会議 地球化学・宇宙化学研究連絡委員会 清水 洋(委員長,広島大学大学院理学研究科)

海老原 充(幹事,首都大学東京都市教養学部)

長尾 敬介(幹事,東京大学大学院理学系研究科)

山中 高光(日本学術会議第4部会員,大阪大学大学院理学研究科)

蒲生 俊敬(東京大学海洋研究所)

佐野 有司(東京大学海洋研究所)

下山 晃(高知学園短期大学)

鈴木 徳行(北海道大学大学院理学研究科)

留岡 和重(神戸大学理学部)

中村 栄三(岡山大学地球物質科学研究センター)

平原 和朗(名古屋大学大学院環境学研究科)

内 容

Ⅰ.は じ め に

Ⅱ.調 査 方 法

Ⅲ.集 計 結 果

[1] 回答者の所属研究機関,年齢,研究分野

[2]「地球化学における環境学」アンケート 1.環境学をどのように考えているか

2.機関として「環境学」を研究あるいは教育しているか 3.「地球化学」についての感想

4.機関に「地球化学」を研究あるいは教育している人がいるか 5.環境学の教育はどうあるべきか,どこに重点を置くべきか 6.地球化学は環境学に貢献できるか

7.地球化学のどの分野が,環境学に貢献できるか 8.地球化学のなかで環境学がしめる割合はどの程度か

Ⅳ.ま と め

Ⅴ.提 言

この資料は,第19期日本学術会議地球化学・宇宙化学研究連絡委員会の責任において,これまでの審議経過の 概要を発表するものです。

(平成17年8月31日)

地球化学における環境学

―日本地球化学会会員へのアンケート集計結果―

第1 9期日本学術会議 地球化学・宇宙化学研究連絡委員会

Chikyukagaku(Geochemistry)

,225―235(2005)

審議経過

(2)

年齢別 

20  10  0 回 答 数 

20 歳 代 

30 歳 代 

40 歳 代 

50 歳 代 

60 歳 代 

70 歳 代 

所属研究機関 

回答 数 

大 学 

国 公立 研 究機 関 

その 他  50 

40  30  20  10  0

Ⅰ.は じ め に

本研究連絡委員会では2001年12月に,「環境学にお ける地球化学のありかたについて」のアンケートを実 施し,地球化学を主たる研究分野としていない環境学 関連研究者の視点では,地球化学がどのように捉えら れているか,即ち,環境学から期待される地球化学を 調査した。その結果は,日本地球化学会の和文誌「地 球 化 学」の37巻133〜153ペ ー ジ(2003年)に 報 告 し た。

上記のアンケート結果をうけて,本研究連絡委員会 では,「環境学に貢献できる地球化学」または「地球 化学研究における環境学研究の位置付け」を検討する 際に,地球化学会会員の方々の 内からの意見 を参 考にしたく,本アンケートを実施した。

Ⅱ.調 査 方 法

2004年7月14日に日本地球化学会ニュース(電子 メール版00026)で,また8月15日発行の日本地球化 学会ニュース(印刷版,No.178)にアンケートを掲 載し,9月3日締め切りで電子メールまたは郵送で38 通の回答を頂いた。さらに,2004年11月の日本地球化 学会ニュース(電子メール版00050)で再度アンケー トを実施し,追加の20通の回答を頂き,合計で58通の 回答をもとに集計を行った。なお,「アジア地域の地 球化学・宇宙化学の連携」についても同時にアンケー トを実施した。

Ⅲ.集 計 結 果

[1] 回答者の所属研究機関,年齢,研究分野

a

.所属する研究機関についてお答え下さい。

1 大学[43]

2 国公立研究機関(独立行政法人を含む)[12]

3 その他[3]

3のお答えの方の所属[ ]

大学に所属の方からの回答が大半であった。

b

.回答者の年齢をお答え下さい。

1 20歳代[2]

2 30歳代[12]

3 40歳代[17]

4 50歳代[17]

5 60歳代[8]

6 70歳代[2]

7 80歳代以上[0]

30歳代から50歳代の方が主であった。

c

.研究分野をお答え下さい(複数可)。 1 宇宙・惑星化学[13]

2 固体地球化学[30]

3 大気化学[5]

4 海洋化学[9]

5 有機地球化学[10]

6 環境地球化学[25]

7 その他[3](岩石学1)

固体地球化学と環境地球化学の分野の方の回答が 多かった。回答者58名に対して,上記の合計は55で ある。固体地球化学と環境地球化学の重複回答の方 が12名と多い。宇宙・惑星化学―固体地球化学の重 複が7名,有機地球化学―環境地球化学の重複が4 名,海洋化学―環境地球化学が4名,大気化学―環 境化学および大気化学―海洋化学の重複回答が各々 3名であった(これらの数字には,3分野以上重複 回答も含んでいる)。

(3)

研究分野 

35  30  25  20  15  10  5  0 回 答 数 

宇 宙・ 惑星 化 学 

固 体 地 球化 学 

大 気 化 学 

海 洋 化 学 

有 機 地 球化 学 

環 境 地 球化 学 

その 他 

環境学の研究者あるいは教育者  50 

40  30  20  10  0 回 答数 

いる  い ない 

環境学をどのように考えるか  30 

25  20  15  10  5  0 回 答数 

地 球 環境  人 間と 自然 環

  境/ 

人 間と 都市 人 為環 境 

人 間と 社会 環 境 

社 会 環境  都 市 人為 環 境-  人 間の 自 然環     境- 

その 他 

明 確な 位 置付 けな し 

環境学の研究者・教育者の人数  20 

15  10  5  0 回 答数 

1- 10名 

11- 50名 

51- 100名 

101- 250名 

[2]「地球化学における環境学」アンケート 1.環境学をどのようにお考えでしょうか,複数お答

え頂いても結構です。

1 人間と自然環境/地球環境のかかわりを中心に 研究・体系化・教育する。[27]

2 人間と都市人為環境のかかわりを中心に研究・

体系化・教育する。[6]

3 人間と社会環境のかかわりを中心に研究・体系 化・教育する。[3]

4 人間の自然環境―都市人為環境―社会環境の中 でのかかわりを中心に研究・体系化・教育する。

[20]

5 その他[2]

6 いまだ明確な位置付けを持っていないが今後の 学問の展開とともに確立すべきもの。[11]

「人間と自然環境/地球環境のかかわりを中心に 研究・体系化・教育する」と「人間の自然環境―都 市人為環境―社会環境の中でのかかわりを中心に研

究・体系化・教育する」との回答が多く,「いまだ 明確な位置付けを持っていないが今後の学問の展開 とともに確立すべきもの」がそれに次ぐ回答数で あった。これは前回調査の理学系及び地球科学系と 同様の傾向である。

2.貴機関で「環境学」を御研究あるいは教育をされ ていらっしゃるでしょうか。

その分野は旧来の学問分野でいえばどこの軸足を 置いたものでしょうか。

2―1.研究者が,1 いる[40],2 いない[6]。 人数:1〜10名[16],11〜50名[8],51〜100

名[2],101〜250名[3]

2―2.2―1で「いる」場合,その研究分野と概 略 人 数 は,

1 人文学[6]

2 社会科学[8]

3 数学・天文学・物理学[3]

4 地球科学[28]

5 化学[17]

6 生物学[11]

7 工学[6]

8 農学[5]

9 医歯薬学[3]

(4)

「環境学」の授業  35 30 

25 20  15 10  5 0 回 答 数 

開か れて いる 

開か れて いな い 

水や岩石の「分析」が中心  20 

15  10  5  0 回答 数 

そう 感じ る 

ど ちら でも ない 

そう は思 わ ない  分野別研究者数 

30  25  20  15  10  5  0 回 答 数 

人文 学 

社会 科 学 

数学

・天 文 学・ 物理 学 

地球 科 学 

化学  生物 学 

工 学  農

学  医歯 薬 学 

情報 学 

環境 学 

その 他 

人数未記入  21-100人  6-20人  1-5人 

環境学講義/分野別コマ数  15 

10 

0 回答 数 

文科 系 

文科 系 寄り 

理科 系 寄り 

理科 

コマ数未記入  21コマ以上  11〜20コマ  6〜10コマ  1〜5コマ  10 情報学[2]

11 環境学[7]

12 その他[3]

地球科学系が多いのは,今回の調査対象から考えら れる当然の結果であるが,前回の理学系での結果でも 同様の結果が得られている。

2―3.大学(教育機関)に所属している場合,「環境 学」をテーマにした講義が開かれていますでしょう か。

1 開かれている[30]

2 開かれていない[6]

2―4.2―3で開かれている場合,その分野と概略コマ数 は,

1 文科系[1]

2 文科系寄り[3]

3 理科[9]

4 理科寄り[13]

理科または理科寄りの講義が圧倒的に多い。

3.「地球化学」についてお答え下さい。

3―1.水や岩石などの「分析」が中心になっている。

1 そう感じる[19]

2 そうは思わない[16]

3 どちらでもない[15]

「そう感じる」が「そうは思わない」よりやや多 い。「そう感じる」が2/3程度と非常に多かった,

前回調査結果とは異なる。

(5)

大気や水・海洋の研究が多い  30 

25 20  15 10  5 0 回答 数 

そう 感じ る 

どち らで もな い 

そう は思 わな い 

岩石や鉱物を通じた地球内部  の研究が多い  35 

30  25  20  15  10  5  0 回 答 数 

そ う感 じる 

どち らで もな い 

そ うは 思わ ない 

地球化学は人間生活関連かロマンを追うか  40 

35  30  25  20  15  10  5  0 回 答 数 

人間 生 活に 関 連 

ロマ ンを 追 う 

両方 ある 

どち らで もな い  地球化学について 

60  50  40  30  20  10  0 回 答 数 

水や 岩石 の 分析 が中 心 

研 究が 多い  大 気や 水・ 海

  洋の 

地 球内 部の 研 究が 多い 

そうは思わない  どちらでもない  そう感じる  3―2.大気や水・海洋の研究が多い。

1 そう感じる[13]

2 そうは思わない[25]

3 どちらでもない[12]

「そうは思わない」が「そう感じる」よりも多く,

「そう感じる」が多かった前回とは,異なる結果で ある。

3―3.岩石や鉱物を通じた地球内部の研究が多い。

1 そう感じる[10]

2 そうは思わない[30]

3 どちらでもない[10]

「そうは思わない」が半数以上と多く,前回調査 の「そう感じる」と「そうは思わない」がほぼ同数 の結果とは異なる。

3―4.地球化学は,人間生活に関連した分野が多いと 思いますか,それともロマンをかき立てる研究が多 いと思いますか。

1 人間生活に関連[4]

2 ロマンを追う[6]

3 両方ある[36]

4 どちらもない[4]

「両方ある」が今回は約70%と,前回の約50%よ りもかなり大きな割合である。一方,「どちらもな い」が,今回は約10%で,前回の約20%に比べると 甘い評価か?

(6)

地球化学の研究者・教育者はいるか  50 

45  40  35  30  25  20  15  10  5  0 回答 数 

いる  い ない  環境学に含まれる地球化学研究は 

なされているか 

40  30  20  10  0 回 答 数 

され てい る  たく さん 研

  究 

いく つか 該 当 する 

全 くな い 

環境教育における地球化学の  位置付け 

20  15  10  5  0 回 答数 

環 境教 育の 中 心 

教 養的 役 割  環 境教

  育の 

ひと つ  羅 列的 な環 境 教育

  の 

その 他  地球化学を研究または教育している人の数 

35  30  25  20  15  10  5  0 回答 数 

1- 10 名  

11- 50 名  

51- 100

名  

100名 以上  3―5.環境学に含まれそうな地球化学の研究は,どれ

ほどなされていると思いますか。

1 たくさん研究されている[20]

2 いくつか該当する[31]

3 全くない[0]

「たくさん研究されている」が約40%,「いくつ か該当する」が約60%であり,前回調査の各々,約 10%と約80%とは,大きく異なっている。

4.貴機関に「地球化学」を御研究あるいは教育をさ れている方がいらっしゃいますか。

1 いる[47] 2 いない[2]

人数:1〜10名[32],11〜50名[2],51〜100 名[1],100名以上[2]

上記4で「いる」とお答えいただいた方へ,4―1 から4―3にお答え下さい。

4―1.貴機関で環境教育が行われている場合に,お答 え下さい。

貴機関の環境教育において地球化学はどのように 位置づけられていますか。

1 環境教育の中心的部分を担っている。[7]

2 別にある中心的な環境教育の周辺を補完する教 養的役割を担っている。[2]

3 多くの羅列的な環境教育のひとつとして位置付 けている。[18]

4 その他[4]

前回調査と同様に,「網羅的な環境教育のひとつ としての位置付け」の回答が多かった。

(7)

不足する地球化学の分野 

30  25  20  15  10  5  0 回 答数 

ない  同 位体 や 元素 分 析 

生 物や 有 機物 関 連 分野 

大 気や 水 関連 

岩 石や マン トル 物 質 

隕 石な ど 宇宙 物 質 

人 為活 動

/社 会 地球 化 学 

シミ ュレ ーシ ョン 地 球化 学 

その 他 

取り入れたい地球化学の分野 

5  4  3  2  1  0 回 答数 

ない  同 位 体や 元 素 分析 

生 物や 有機 物 関連 分 野 

大 気や 水関 連 

岩 石や マン トル 物質 

隕 石 など 宇 宙 物質 

社 会 地球 化 学  人 為 活動

  / 

地 球 化学  シミ ュレ ーシ

  ョン 

その 他  環境教育を行なう場合の地球化学の 

位置付け 

10  8  6  4  2  0 回 答 数 

環 境教 育の 中 心 

教 養的 役 割  環 境教

  育の 

ひと つ  羅 列的 な環 境 教育

  の 

その 他 

4―2.貴機関で環境教育が行われてない場合にお答え 下さい。もし,環境教育を行うとした場合に,地球 化学をどのように位置づけますか。

1 環境教育の中心的部分とする。[7]

2 別にある中心的な環境教育の周辺を補完する教 養的役割とする。[3]

3 多くの羅列的な環境教育のひとつとして位置付 ける。[5]

4 その他[0]

4―3.貴機関において不足する地球化学の分野があれ ば,それはどのような内容でしょうか(複数回答 可)。

0 ない[2]

1 同位体や元素分析を中心にした分野[8]

2 生物や有機物関連分野[17]

3 大気や水に関連した分野[11]

4 岩石やマントル物質を扱う分野[5]

5 隕石など宇宙物質を扱う分野[10]

6 人為活動を調べる社会地球化学[24]

7 計算機によるシミュレーション地球化学[20]

8 その他[1]

「人為活動を調べる社会地球化学」が最も多い回 答であったが,これは前回調査と同様である。前回 調査では続いて「大気や水関連」の回答が多かった が,今回は「計算機によるシミュレーション地球化 学」が二番目に多い回答であった。

上記4で「いない」とお答えいただいた方へ,4―4 にお答え下さい。

4―4.定員と予算の余裕があれば,取り入れたい地球 化学の分野はどのような内容(研究上,あるいはカ リキュラム上)でしょうか(複数回答可)。 0 ない[1]

1 同位体や元素分析を中心にした分野[2]

2 生物や有機物関連分野[4]

3 大気や水に関連した分野[2]

4 岩石やマントル物質を扱う分野[0]

5 隕石など宇宙物質を扱う分野[0]

6 人為活動を調べる社会地球化学[2]

7 計算機によるシミュレーション地球化学[2]

8 その他[0]

(8)

物理/化学法則による体系化  35 

30  25  20  15  10  5  0 回 答 数 

重要  やや 重 要 

可能 なら 試み る 

さほ ど 必要 でな い 

無駄 なこ と だ 

人文学による体系化  25 

20  15  10  5  0 回 答 数 

重 要 

やや 重 要 

可 能 なら 試み る 

さほ ど必 要で ない 

無 駄 なこ とだ 

社会科学による体系化 

25  20  15  10  5  0 回 答数 

重 要 

やや 重 要 

可 能な ら試 みる 

さほ ど必 要で ない 

無 駄な こと だ 

法則を、広範な研究/教育の間に見い出す 

20  15  10  5  0 回答 数 

重 要 

やや 重要 

可 能な ら試 みる 

さほ ど 必 要で ない 

無 駄な こと だ  5.環境学の教育はどうあるべきか,どこに重点を置

くべきか,お考えをお聞かせ下さい。

5―1.自然科学を含むから,物理/化学法則で説明が なされ得るよう体系化に努める。

1 重要[32]

2 やや重要[13]

3 可能なら試みる[5]

4 さほど必要でない[0]

5 無駄なことだ[0]

5―2.人間が中心だから,人文学(哲学や史学など)

に沿って体系化に努める。

1 重要[7]

2 やや重要[12]

3 可能なら試みる[20]

4 さほど必要でない[10]

5 無駄なことだ[1]

5―3.人間活動の結果としての環境問題だから,社会 科学(法学,経済学,政治学など)の原理を規範と して体系化に努める。

1 重要[7]

2 やや重要[14]

3 可能なら試みる[22]

4 さほど必要でない[5]

5 無駄なことだ[2]

5―4.「環境学」の確固とした原理や法則は無いが,広 範な研究/教育の間に新しく見出すよう努める。

1 重要[19]

2 やや重要[15]

3 可能なら試みる[10]

4 さほど必要でない[5]

5 無駄なことだ[0]

(9)

各人の基盤分野により環境学を体系化 

20  15  10  5  0 回答 数 

重 要 

やや 重要 

可 能な ら試 みる 

さほ ど 必 要で ない 

無 駄な こと だ 

地球化学は環境学に貢献できるか  40 

35  30  25  20  15  10  5  0 回答 数 

大い 貢 献で きる 

ある 程 度 貢献 でき る 

あま り貢 献で き ない 

貢献 は 難し い 

その 他 

環境学の教育における重点の置き場所 

60  50  40  30  20  10  0 回 答 数 

体系 化  物理

/ 化学 法 則に

  よる 

人文 学に よる 体系 化 

社会 科 学に よる 体 系 化 

教育 の間 に見 い出 す  法則 を︑ 広 範な 研

  究/ 

基盤 分 野に より 体 系 化  無駄なことだ 

さほど重要でない  可能なら試みる  やや重要  重要 

5―5.これまで,各人が研究してきた基盤分野に立脚 して,環境学を体系化する。

1 重要[18]

2 やや重要[16]

3 可能なら試みる[12]

4 さほど必要でない[4]

5 無駄なことだ[0]

前回調査と同様に,物理/化学法則に寄る体系化 が重要と考える回答が多かった。ただし,「物理/

化学法則による体系化が重要」と考える割合が前回 の約4割から,今回は約6割と多い。

6.地球化学は環境学に貢献できると思いますか。

1 大いに貢献できる[34]

2 ある程度貢献できる[15]

3 あまり貢献できない[0]

4 貢献は難しい[0]

5 その他[1]

ほぼ全員が「大いに貢献できる」または「ある程 度貢献できる。」の回答である。

7.地球化学のどの分野が,環境学に貢献できると思 いますか(複数回答可)。

0 ない[0]

1 同位体や元素分析を中心にした分野[38]

2 生物や有機物関連分野[44]

3 大気や水に関連した分野[43]

4 岩石やマントル物質を扱う分野[15]

5 隕石など宇宙物質を扱う分野[10]

6 人為活動を調べる社会地球化学[37]

7 計算機によるシミュレーション地球化学[26]

8 その他[1]

「岩石やマントル物質を扱う分野」や「隕石など 宇宙物質」以外の各分野で貢献できると判断する回 答が多かった。

(10)

環境学に貢献できる地球化学の分野 

50 45  40  35 30  25  20  15 10  5  0 回 答 数 

ない  同 位 体や 元 素分 析 

生 物や 有 機 物関 連 分 野 

大 気や 水 関 連分 野 

岩 石や マン トル 物 質 

隕 石な ど宇 宙物 質 

社 会 地球 化 学  人 為 活動

  / 

地 球 化学  シミ ュレ ーシ

  ョン 

その 他 

地球化学のなかで環境学がしめる割合 

(現状) 

35  30  25  20  15  10  5  0 回答 数 

占め てい る  かな りの 割合

  を 

小 さな 割 合で ある 

割 合で ある  非 常に 小さ

  な 

その 他 

地球化学のなかで環境学がしめる割合 

(今後) 

30  25  20  15  10  5  0 回 答 数 

占め るべ きで ある  かな りの 割合

  を 

小さ な割 合で 良い 

割 合で 良い  非 常に 小さ

  な 

その 他 

8.地球化学のなかで環境学がしめる割合はどの程度 だと思いますか。

8―1.現状において。

1 かなりの割合を占めている[18]

2 小さな割合である[31]

3 非常に小さな割合である[1]

4 その他[0]

8―2.今後はどうあるべきだと思いますか。

1 かなりの割合を占めるべきである[27]

2 小さな割合で良い[15]

3 非常に小さな割合で良い[0]

4 その他[6]

地球化学の中で環境学がしめる割合は小さな割合 であるが,今後はかなりの位置を占めるべきとの回 答が多かった。

Ⅳ.ま

1.環境学についてどのように考えるかについて,

「人間と自然環境/地球環境のかかわりを中心に研 究・体系化・教育する」と「人間の自然環境―都市 人為環境―社会環境の中でのかかわりを中心に研 究・体系化・教育する」との回答が多く,「いまだ 明確な位置付けを持っていないが今後の学問の展開 とともに確立すべきもの」がそれに次ぐ回答数で あった。これは前回調査の理学系及び地球科学系と 同様の傾向である。

2.環境学の研究者についてどの分野が多いかについ ては,地球科学系が多かったが,これは前回の理学 系での回答と同様の結果である。

3.環境学をテーマにして講義が開講されていること が多く,理系または理系寄りの講義が圧倒的に多 い。

4.地球化学について,「水や 岩 石 な ど の 分 析 が 中 心」,「大気や水・海洋の研究が多い」,「岩石や鉱物 を通じた地球内部の研究が多い」について,他分野 の人からのアンケートでは「そう感じる」が比較的 多かったが,地球化学の研究者から見ると,各々

「そうは思わない」が比較的多く,分野の内と外で 見解が異なっている。

5.地球化学は人間生活に関連した分野が多いか,そ れともロマンをかき立てる研究が多いかとの質問に 対して,「両方ある」が今回は約70%と,前回の約 50%よりもかなり大きな割合である。一方,「どち らもない」が,今回は約10%で,前回の他分野から のアンケートの約20%に比べると甘い評価か?

6.環境学に含まれそうな地球化学の研究がどれほど なされているかとの質問に対して,「たくさん研究

(11)

されている」が約40%,「いくつか該当する」が約 60%であり,前回調査の他分野の方の各々,約10%

と約80%とは,大きく異なっている。

7.環境教育における地球化学の位置付けは,前回の 他分野の方からの回答と同様に,「網羅的な環境教 育のひとつとしての位置付け」の回答が多かった。

8.不足している地球化学の分野について,「人為活 動を調べる社会地球化学」が最も多い回答であった が,これは前回調査と同様である。前回調査では続 いて「大気や水関連」の回答が多かったが,今回は

「シミュレーション地球化学」が二番目に多い回答 であった。

9.環境学の教育はどこに重点を置くかについて,前 回調査の他分野の回答と同様に,物理/化学法則に よる体系化が重要と考える回答が多かった。ただ し,「物理/化学法則による体系化が重要」と考え る割合が前回の約4割から,今回は約6割と多い。

10.地球化学は環境学に貢献できるかについては,全 員が「大いに貢献できる」または「ある程度貢献で きる」の回答であった。「岩石やマントル物質を扱 う分野」や「隕石など宇宙物質」以外の広範な地球 化学の各分野で貢献できると判断する回答が多かっ た。

11.地球化学の中で環境学がしめる割合は小さな割合 であるが,今後はかなりの位置を占めるべきとの回 答が多かった。

Ⅴ.提

1.地球化学の研究分野として,「人為活動を調べる 社会地球化学」や「シミュレーション地球化学」,

「生物や有機物関連」関連分野を強化し,環境学研 究への貢献が望まれる。

2.地球化学の研究内容について,他分野の研究者で

「水や岩石などの分析が中心」,「大気や水・海洋の 研究が多い」,「岩石や鉱物を通じた地球内部の研究 が多い」と感じている割合が,地球化学研究者より も多い,また,「地球化学は人間生活に関連した研 究とロマンをかき立てる研究の両方ある」と思って いる研究者は,地球化学研究者では70%であるが,

他分野の研究者では50%である。他分野の研究者に 地球化学について理解を深めてもらう様に,地球化 学研究者の一層の努力が望まれる。

3.環境学について,「人間と自然環境/地球環境の かかわりを中心に研究・体系化・教育する」と「人 間の自然環境―都市人為環境―社会環境の中でのか かわりを中心に研究・体系化・教育する」と位置付 け,「物理/化学法則に寄る体系化が重要」と考え られる。

4.広範な環境学のなかで,地球化学が長所を発揮で きる「環境学」の分野を特定し,それを対外的にア ピールすべきである。

参照

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