第19期日本学術会議 地球化学・宇宙化学研究連絡委員会 清水 洋(委員長,広島大学大学院理学研究科)
海老原 充(幹事,首都大学東京都市教養学部)
長尾 敬介(幹事,東京大学大学院理学系研究科)
山中 高光(日本学術会議第4部会員,大阪大学大学院理学研究科)
蒲生 俊敬(東京大学海洋研究所)
佐野 有司(東京大学海洋研究所)
下山 晃(高知学園短期大学)
鈴木 徳行(北海道大学大学院理学研究科)
留岡 和重(神戸大学理学部)
中村 栄三(岡山大学地球物質科学研究センター)
平原 和朗(名古屋大学大学院環境学研究科)
内 容
Ⅰ.は じ め に
Ⅱ.調 査 方 法
Ⅲ.集 計 結 果
[1] 回答者の所属研究機関,年齢,研究分野
[2]「地球化学における環境学」アンケート 1.環境学をどのように考えているか
2.機関として「環境学」を研究あるいは教育しているか 3.「地球化学」についての感想
4.機関に「地球化学」を研究あるいは教育している人がいるか 5.環境学の教育はどうあるべきか,どこに重点を置くべきか 6.地球化学は環境学に貢献できるか
7.地球化学のどの分野が,環境学に貢献できるか 8.地球化学のなかで環境学がしめる割合はどの程度か
Ⅳ.ま と め
Ⅴ.提 言
この資料は,第19期日本学術会議地球化学・宇宙化学研究連絡委員会の責任において,これまでの審議経過の 概要を発表するものです。
(平成17年8月31日)
地球化学における環境学
―日本地球化学会会員へのアンケート集計結果―
第1 9期日本学術会議 地球化学・宇宙化学研究連絡委員会
Chikyukagaku(Geochemistry) 3 9
,225―235(2005)審議経過
年齢別
20 10 0 回 答 数
20 歳 代
30 歳 代
40 歳 代
50 歳 代
60 歳 代
70 歳 代
所属研究機関
回答 数
大 学
国 公立 研 究機 関
その 他 50
40 30 20 10 0
Ⅰ.は じ め に
本研究連絡委員会では2001年12月に,「環境学にお ける地球化学のありかたについて」のアンケートを実 施し,地球化学を主たる研究分野としていない環境学 関連研究者の視点では,地球化学がどのように捉えら れているか,即ち,環境学から期待される地球化学を 調査した。その結果は,日本地球化学会の和文誌「地 球 化 学」の37巻133〜153ペ ー ジ(2003年)に 報 告 し た。
上記のアンケート結果をうけて,本研究連絡委員会 では,「環境学に貢献できる地球化学」または「地球 化学研究における環境学研究の位置付け」を検討する 際に,地球化学会会員の方々の 内からの意見 を参 考にしたく,本アンケートを実施した。
Ⅱ.調 査 方 法
2004年7月14日に日本地球化学会ニュース(電子 メール版00026)で,また8月15日発行の日本地球化 学会ニュース(印刷版,No.178)にアンケートを掲 載し,9月3日締め切りで電子メールまたは郵送で38 通の回答を頂いた。さらに,2004年11月の日本地球化 学会ニュース(電子メール版00050)で再度アンケー トを実施し,追加の20通の回答を頂き,合計で58通の 回答をもとに集計を行った。なお,「アジア地域の地 球化学・宇宙化学の連携」についても同時にアンケー トを実施した。
Ⅲ.集 計 結 果
[1] 回答者の所属研究機関,年齢,研究分野
a
.所属する研究機関についてお答え下さい。1 大学[43]
2 国公立研究機関(独立行政法人を含む)[12]
3 その他[3]
3のお答えの方の所属[ ]
大学に所属の方からの回答が大半であった。
b
.回答者の年齢をお答え下さい。1 20歳代[2]
2 30歳代[12]
3 40歳代[17]
4 50歳代[17]
5 60歳代[8]
6 70歳代[2]
7 80歳代以上[0]
30歳代から50歳代の方が主であった。
c
.研究分野をお答え下さい(複数可)。 1 宇宙・惑星化学[13]2 固体地球化学[30]
3 大気化学[5]
4 海洋化学[9]
5 有機地球化学[10]
6 環境地球化学[25]
7 その他[3](岩石学1)
固体地球化学と環境地球化学の分野の方の回答が 多かった。回答者58名に対して,上記の合計は55で ある。固体地球化学と環境地球化学の重複回答の方 が12名と多い。宇宙・惑星化学―固体地球化学の重 複が7名,有機地球化学―環境地球化学の重複が4 名,海洋化学―環境地球化学が4名,大気化学―環 境化学および大気化学―海洋化学の重複回答が各々 3名であった(これらの数字には,3分野以上重複 回答も含んでいる)。
研究分野
35 30 25 20 15 10 5 0 回 答 数
宇 宙・ 惑星 化 学
固 体 地 球化 学
大 気 化 学
海 洋 化 学
有 機 地 球化 学
環 境 地 球化 学
その 他
環境学の研究者あるいは教育者 50
40 30 20 10 0 回 答数
いる い ない
環境学をどのように考えるか 30
25 20 15 10 5 0 回 答数
地 球 環境 人 間と 自然 環
境/
人 間と 都市 人 為環 境
人 間と 社会 環 境
社 会 環境 都 市 人為 環 境- 人 間の 自 然環 境-
その 他
明 確な 位 置付 けな し
環境学の研究者・教育者の人数 20
15 10 5 0 回 答数
1- 10名
11- 50名
51- 100名
101- 250名
[2]「地球化学における環境学」アンケート 1.環境学をどのようにお考えでしょうか,複数お答
え頂いても結構です。
1 人間と自然環境/地球環境のかかわりを中心に 研究・体系化・教育する。[27]
2 人間と都市人為環境のかかわりを中心に研究・
体系化・教育する。[6]
3 人間と社会環境のかかわりを中心に研究・体系 化・教育する。[3]
4 人間の自然環境―都市人為環境―社会環境の中 でのかかわりを中心に研究・体系化・教育する。
[20]
5 その他[2]
6 いまだ明確な位置付けを持っていないが今後の 学問の展開とともに確立すべきもの。[11]
「人間と自然環境/地球環境のかかわりを中心に 研究・体系化・教育する」と「人間の自然環境―都 市人為環境―社会環境の中でのかかわりを中心に研
究・体系化・教育する」との回答が多く,「いまだ 明確な位置付けを持っていないが今後の学問の展開 とともに確立すべきもの」がそれに次ぐ回答数で あった。これは前回調査の理学系及び地球科学系と 同様の傾向である。
2.貴機関で「環境学」を御研究あるいは教育をされ ていらっしゃるでしょうか。
その分野は旧来の学問分野でいえばどこの軸足を 置いたものでしょうか。
2―1.研究者が,1 いる[40],2 いない[6]。 人数:1〜10名[16],11〜50名[8],51〜100
名[2],101〜250名[3]
2―2.2―1で「いる」場合,その研究分野と概 略 人 数 は,
1 人文学[6]
2 社会科学[8]
3 数学・天文学・物理学[3]
4 地球科学[28]
5 化学[17]
6 生物学[11]
7 工学[6]
8 農学[5]
9 医歯薬学[3]
「環境学」の授業 35 30
25 20 15 10 5 0 回 答 数
開か れて いる
開か れて いな い
水や岩石の「分析」が中心 20
15 10 5 0 回答 数
そう 感じ る
ど ちら でも ない
そう は思 わ ない 分野別研究者数
30 25 20 15 10 5 0 回 答 数
人文 学
社会 科 学
数学
・天 文 学・ 物理 学
地球 科 学
化学 生物 学
工 学 農
学 医歯 薬 学
情報 学
環境 学
その 他
人数未記入 21-100人 6-20人 1-5人
環境学講義/分野別コマ数 15
10
5
0 回答 数
文科 系
文科 系 寄り
理科 系 寄り
理科
コマ数未記入 21コマ以上 11〜20コマ 6〜10コマ 1〜5コマ 10 情報学[2]
11 環境学[7]
12 その他[3]
地球科学系が多いのは,今回の調査対象から考えら れる当然の結果であるが,前回の理学系での結果でも 同様の結果が得られている。
2―3.大学(教育機関)に所属している場合,「環境 学」をテーマにした講義が開かれていますでしょう か。
1 開かれている[30]
2 開かれていない[6]
2―4.2―3で開かれている場合,その分野と概略コマ数 は,
1 文科系[1]
2 文科系寄り[3]
3 理科[9]
4 理科寄り[13]
理科または理科寄りの講義が圧倒的に多い。
3.「地球化学」についてお答え下さい。
3―1.水や岩石などの「分析」が中心になっている。
1 そう感じる[19]
2 そうは思わない[16]
3 どちらでもない[15]
「そう感じる」が「そうは思わない」よりやや多 い。「そう感じる」が2/3程度と非常に多かった,
前回調査結果とは異なる。
大気や水・海洋の研究が多い 30
25 20 15 10 5 0 回答 数
そう 感じ る
どち らで もな い
そう は思 わな い
岩石や鉱物を通じた地球内部 の研究が多い 35
30 25 20 15 10 5 0 回 答 数
そ う感 じる
どち らで もな い
そ うは 思わ ない
地球化学は人間生活関連かロマンを追うか 40
35 30 25 20 15 10 5 0 回 答 数
人間 生 活に 関 連
ロマ ンを 追 う
両方 ある
どち らで もな い 地球化学について
60 50 40 30 20 10 0 回 答 数
水や 岩石 の 分析 が中 心
研 究が 多い 大 気や 水・ 海
洋の
地 球内 部の 研 究が 多い
そうは思わない どちらでもない そう感じる 3―2.大気や水・海洋の研究が多い。
1 そう感じる[13]
2 そうは思わない[25]
3 どちらでもない[12]
「そうは思わない」が「そう感じる」よりも多く,
「そう感じる」が多かった前回とは,異なる結果で ある。
3―3.岩石や鉱物を通じた地球内部の研究が多い。
1 そう感じる[10]
2 そうは思わない[30]
3 どちらでもない[10]
「そうは思わない」が半数以上と多く,前回調査 の「そう感じる」と「そうは思わない」がほぼ同数 の結果とは異なる。
3―4.地球化学は,人間生活に関連した分野が多いと 思いますか,それともロマンをかき立てる研究が多 いと思いますか。
1 人間生活に関連[4]
2 ロマンを追う[6]
3 両方ある[36]
4 どちらもない[4]
「両方ある」が今回は約70%と,前回の約50%よ りもかなり大きな割合である。一方,「どちらもな い」が,今回は約10%で,前回の約20%に比べると 甘い評価か?
地球化学の研究者・教育者はいるか 50
45 40 35 30 25 20 15 10 5 0 回答 数
いる い ない 環境学に含まれる地球化学研究は
なされているか
40 30 20 10 0 回 答 数
され てい る たく さん 研
究
いく つか 該 当 する
全 くな い
環境教育における地球化学の 位置付け
20 15 10 5 0 回 答数
環 境教 育の 中 心
教 養的 役 割 環 境教
育の
ひと つ 羅 列的 な環 境 教育
の
その 他 地球化学を研究または教育している人の数
35 30 25 20 15 10 5 0 回答 数
1- 10 名
11- 50 名
51- 100
名
100名 以上 3―5.環境学に含まれそうな地球化学の研究は,どれ
ほどなされていると思いますか。
1 たくさん研究されている[20]
2 いくつか該当する[31]
3 全くない[0]
「たくさん研究されている」が約40%,「いくつ か該当する」が約60%であり,前回調査の各々,約 10%と約80%とは,大きく異なっている。
4.貴機関に「地球化学」を御研究あるいは教育をさ れている方がいらっしゃいますか。
1 いる[47] 2 いない[2]
人数:1〜10名[32],11〜50名[2],51〜100 名[1],100名以上[2]
上記4で「いる」とお答えいただいた方へ,4―1 から4―3にお答え下さい。
4―1.貴機関で環境教育が行われている場合に,お答 え下さい。
貴機関の環境教育において地球化学はどのように 位置づけられていますか。
1 環境教育の中心的部分を担っている。[7]
2 別にある中心的な環境教育の周辺を補完する教 養的役割を担っている。[2]
3 多くの羅列的な環境教育のひとつとして位置付 けている。[18]
4 その他[4]
前回調査と同様に,「網羅的な環境教育のひとつ としての位置付け」の回答が多かった。
不足する地球化学の分野
30 25 20 15 10 5 0 回 答数
ない 同 位体 や 元素 分 析
生 物や 有 機物 関 連 分野
大 気や 水 関連
岩 石や マン トル 物 質
隕 石な ど 宇宙 物 質
人 為活 動
/社 会 地球 化 学
シミ ュレ ーシ ョン 地 球化 学
その 他
取り入れたい地球化学の分野
5 4 3 2 1 0 回 答数
ない 同 位 体や 元 素 分析
生 物や 有機 物 関連 分 野
大 気や 水関 連
岩 石や マン トル 物質
隕 石 など 宇 宙 物質
社 会 地球 化 学 人 為 活動
/
地 球 化学 シミ ュレ ーシ
ョン
その 他 環境教育を行なう場合の地球化学の
位置付け
10 8 6 4 2 0 回 答 数
環 境教 育の 中 心
教 養的 役 割 環 境教
育の
ひと つ 羅 列的 な環 境 教育
の
その 他
4―2.貴機関で環境教育が行われてない場合にお答え 下さい。もし,環境教育を行うとした場合に,地球 化学をどのように位置づけますか。
1 環境教育の中心的部分とする。[7]
2 別にある中心的な環境教育の周辺を補完する教 養的役割とする。[3]
3 多くの羅列的な環境教育のひとつとして位置付 ける。[5]
4 その他[0]
4―3.貴機関において不足する地球化学の分野があれ ば,それはどのような内容でしょうか(複数回答 可)。
0 ない[2]
1 同位体や元素分析を中心にした分野[8]
2 生物や有機物関連分野[17]
3 大気や水に関連した分野[11]
4 岩石やマントル物質を扱う分野[5]
5 隕石など宇宙物質を扱う分野[10]
6 人為活動を調べる社会地球化学[24]
7 計算機によるシミュレーション地球化学[20]
8 その他[1]
「人為活動を調べる社会地球化学」が最も多い回 答であったが,これは前回調査と同様である。前回 調査では続いて「大気や水関連」の回答が多かった が,今回は「計算機によるシミュレーション地球化 学」が二番目に多い回答であった。
上記4で「いない」とお答えいただいた方へ,4―4 にお答え下さい。
4―4.定員と予算の余裕があれば,取り入れたい地球 化学の分野はどのような内容(研究上,あるいはカ リキュラム上)でしょうか(複数回答可)。 0 ない[1]
1 同位体や元素分析を中心にした分野[2]
2 生物や有機物関連分野[4]
3 大気や水に関連した分野[2]
4 岩石やマントル物質を扱う分野[0]
5 隕石など宇宙物質を扱う分野[0]
6 人為活動を調べる社会地球化学[2]
7 計算機によるシミュレーション地球化学[2]
8 その他[0]
物理/化学法則による体系化 35
30 25 20 15 10 5 0 回 答 数
重要 やや 重 要
可能 なら 試み る
さほ ど 必要 でな い
無駄 なこ と だ
人文学による体系化 25
20 15 10 5 0 回 答 数
重 要
やや 重 要
可 能 なら 試み る
さほ ど必 要で ない
無 駄 なこ とだ
社会科学による体系化
25 20 15 10 5 0 回 答数
重 要
やや 重 要
可 能な ら試 みる
さほ ど必 要で ない
無 駄な こと だ
法則を、広範な研究/教育の間に見い出す
20 15 10 5 0 回答 数
重 要
やや 重要
可 能な ら試 みる
さほ ど 必 要で ない
無 駄な こと だ 5.環境学の教育はどうあるべきか,どこに重点を置
くべきか,お考えをお聞かせ下さい。
5―1.自然科学を含むから,物理/化学法則で説明が なされ得るよう体系化に努める。
1 重要[32]
2 やや重要[13]
3 可能なら試みる[5]
4 さほど必要でない[0]
5 無駄なことだ[0]
5―2.人間が中心だから,人文学(哲学や史学など)
に沿って体系化に努める。
1 重要[7]
2 やや重要[12]
3 可能なら試みる[20]
4 さほど必要でない[10]
5 無駄なことだ[1]
5―3.人間活動の結果としての環境問題だから,社会 科学(法学,経済学,政治学など)の原理を規範と して体系化に努める。
1 重要[7]
2 やや重要[14]
3 可能なら試みる[22]
4 さほど必要でない[5]
5 無駄なことだ[2]
5―4.「環境学」の確固とした原理や法則は無いが,広 範な研究/教育の間に新しく見出すよう努める。
1 重要[19]
2 やや重要[15]
3 可能なら試みる[10]
4 さほど必要でない[5]
5 無駄なことだ[0]
各人の基盤分野により環境学を体系化
20 15 10 5 0 回答 数
重 要
やや 重要
可 能な ら試 みる
さほ ど 必 要で ない
無 駄な こと だ
地球化学は環境学に貢献できるか 40
35 30 25 20 15 10 5 0 回答 数
大い 貢 献で きる
ある 程 度 貢献 でき る
あま り貢 献で き ない
貢献 は 難し い
その 他
環境学の教育における重点の置き場所
60 50 40 30 20 10 0 回 答 数
体系 化 物理
/ 化学 法 則に
よる
人文 学に よる 体系 化
社会 科 学に よる 体 系 化
教育 の間 に見 い出 す 法則 を︑ 広 範な 研
究/
基盤 分 野に より 体 系 化 無駄なことだ
さほど重要でない 可能なら試みる やや重要 重要
5―5.これまで,各人が研究してきた基盤分野に立脚 して,環境学を体系化する。
1 重要[18]
2 やや重要[16]
3 可能なら試みる[12]
4 さほど必要でない[4]
5 無駄なことだ[0]
前回調査と同様に,物理/化学法則に寄る体系化 が重要と考える回答が多かった。ただし,「物理/
化学法則による体系化が重要」と考える割合が前回 の約4割から,今回は約6割と多い。
6.地球化学は環境学に貢献できると思いますか。
1 大いに貢献できる[34]
2 ある程度貢献できる[15]
3 あまり貢献できない[0]
4 貢献は難しい[0]
5 その他[1]
ほぼ全員が「大いに貢献できる」または「ある程 度貢献できる。」の回答である。
7.地球化学のどの分野が,環境学に貢献できると思 いますか(複数回答可)。
0 ない[0]
1 同位体や元素分析を中心にした分野[38]
2 生物や有機物関連分野[44]
3 大気や水に関連した分野[43]
4 岩石やマントル物質を扱う分野[15]
5 隕石など宇宙物質を扱う分野[10]
6 人為活動を調べる社会地球化学[37]
7 計算機によるシミュレーション地球化学[26]
8 その他[1]
「岩石やマントル物質を扱う分野」や「隕石など 宇宙物質」以外の各分野で貢献できると判断する回 答が多かった。
環境学に貢献できる地球化学の分野
50 45 40 35 30 25 20 15 10 5 0 回 答 数
ない 同 位 体や 元 素分 析
生 物や 有 機 物関 連 分 野
大 気や 水 関 連分 野
岩 石や マン トル 物 質
隕 石な ど宇 宙物 質
社 会 地球 化 学 人 為 活動
/
地 球 化学 シミ ュレ ーシ
ョン
その 他
地球化学のなかで環境学がしめる割合
(現状)
35 30 25 20 15 10 5 0 回答 数
占め てい る かな りの 割合
を
小 さな 割 合で ある
割 合で ある 非 常に 小さ
な
その 他
地球化学のなかで環境学がしめる割合
(今後)
30 25 20 15 10 5 0 回 答 数
占め るべ きで ある かな りの 割合
を
小さ な割 合で 良い
割 合で 良い 非 常に 小さ
な
その 他
8.地球化学のなかで環境学がしめる割合はどの程度 だと思いますか。
8―1.現状において。
1 かなりの割合を占めている[18]
2 小さな割合である[31]
3 非常に小さな割合である[1]
4 その他[0]
8―2.今後はどうあるべきだと思いますか。
1 かなりの割合を占めるべきである[27]
2 小さな割合で良い[15]
3 非常に小さな割合で良い[0]
4 その他[6]
地球化学の中で環境学がしめる割合は小さな割合 であるが,今後はかなりの位置を占めるべきとの回 答が多かった。
Ⅳ.ま と め
1.環境学についてどのように考えるかについて,
「人間と自然環境/地球環境のかかわりを中心に研 究・体系化・教育する」と「人間の自然環境―都市 人為環境―社会環境の中でのかかわりを中心に研 究・体系化・教育する」との回答が多く,「いまだ 明確な位置付けを持っていないが今後の学問の展開 とともに確立すべきもの」がそれに次ぐ回答数で あった。これは前回調査の理学系及び地球科学系と 同様の傾向である。
2.環境学の研究者についてどの分野が多いかについ ては,地球科学系が多かったが,これは前回の理学 系での回答と同様の結果である。
3.環境学をテーマにして講義が開講されていること が多く,理系または理系寄りの講義が圧倒的に多 い。
4.地球化学について,「水や 岩 石 な ど の 分 析 が 中 心」,「大気や水・海洋の研究が多い」,「岩石や鉱物 を通じた地球内部の研究が多い」について,他分野 の人からのアンケートでは「そう感じる」が比較的 多かったが,地球化学の研究者から見ると,各々
「そうは思わない」が比較的多く,分野の内と外で 見解が異なっている。
5.地球化学は人間生活に関連した分野が多いか,そ れともロマンをかき立てる研究が多いかとの質問に 対して,「両方ある」が今回は約70%と,前回の約 50%よりもかなり大きな割合である。一方,「どち らもない」が,今回は約10%で,前回の他分野から のアンケートの約20%に比べると甘い評価か?
6.環境学に含まれそうな地球化学の研究がどれほど なされているかとの質問に対して,「たくさん研究
されている」が約40%,「いくつか該当する」が約 60%であり,前回調査の他分野の方の各々,約10%
と約80%とは,大きく異なっている。
7.環境教育における地球化学の位置付けは,前回の 他分野の方からの回答と同様に,「網羅的な環境教 育のひとつとしての位置付け」の回答が多かった。
8.不足している地球化学の分野について,「人為活 動を調べる社会地球化学」が最も多い回答であった が,これは前回調査と同様である。前回調査では続 いて「大気や水関連」の回答が多かったが,今回は
「シミュレーション地球化学」が二番目に多い回答 であった。
9.環境学の教育はどこに重点を置くかについて,前 回調査の他分野の回答と同様に,物理/化学法則に よる体系化が重要と考える回答が多かった。ただ し,「物理/化学法則による体系化が重要」と考え る割合が前回の約4割から,今回は約6割と多い。
10.地球化学は環境学に貢献できるかについては,全 員が「大いに貢献できる」または「ある程度貢献で きる」の回答であった。「岩石やマントル物質を扱 う分野」や「隕石など宇宙物質」以外の広範な地球 化学の各分野で貢献できると判断する回答が多かっ た。
11.地球化学の中で環境学がしめる割合は小さな割合 であるが,今後はかなりの位置を占めるべきとの回 答が多かった。
Ⅴ.提 言
1.地球化学の研究分野として,「人為活動を調べる 社会地球化学」や「シミュレーション地球化学」,
「生物や有機物関連」関連分野を強化し,環境学研 究への貢献が望まれる。
2.地球化学の研究内容について,他分野の研究者で
「水や岩石などの分析が中心」,「大気や水・海洋の 研究が多い」,「岩石や鉱物を通じた地球内部の研究 が多い」と感じている割合が,地球化学研究者より も多い,また,「地球化学は人間生活に関連した研 究とロマンをかき立てる研究の両方ある」と思って いる研究者は,地球化学研究者では70%であるが,
他分野の研究者では50%である。他分野の研究者に 地球化学について理解を深めてもらう様に,地球化 学研究者の一層の努力が望まれる。
3.環境学について,「人間と自然環境/地球環境の かかわりを中心に研究・体系化・教育する」と「人 間の自然環境―都市人為環境―社会環境の中でのか かわりを中心に研究・体系化・教育する」と位置付 け,「物理/化学法則に寄る体系化が重要」と考え られる。
4.広範な環境学のなかで,地球化学が長所を発揮で きる「環境学」の分野を特定し,それを対外的にア ピールすべきである。