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犬の肥満細胞腫におけるイマチニブ耐性化に関する研究

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Academic year: 2021

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犬の肥満細胞腫におけるイマチニブ耐性化に関する研究

(Studies on the development of resistance to imatinib in canine mast cell tumor)

学位論文の内容の要旨

獣医生命科学研究科獣医学専攻博士課程平成 24 年度入学 小林 正人

(指導教授:鷲巣月美)

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KITに変異を有する犬の肥満細胞腫 (MCT) ではイマチニブが奏功するが、最終的に耐 性を獲得することが問題となっている。一方、MCTのイマチニブ耐性化の解析はほとんど 行われておらず、その耐性機構は不明である。そこで、本研究では犬の肥満細胞腫のイマ チニブ耐性機構を解明することとした。

まず、イマチニブに対して耐性を獲得したMCT症例の治療前および耐性獲得後のKIT の塩基配列の解析を行ったところ、6症例中1症例でKITに二次変異 (c.2463T>A) が同定 された。一方、5症例では二次変異は同定されなかった。

次いで、イマチニブに感受性の犬の肥満細胞腫株化細胞CoMSおよびVI-MCからそれ ぞれのイマチニブ耐性株rCoMS1 (IC50 約9µM) およびrVI-MC1 (IC50 約2 µM) と rVI-MC10 (IC50 約12µM) を作製した。これらの細胞を用いて、腫瘍細胞のイマチニブ耐 性化機構について検討した。rCoMS1ではKITの過剰発現が認められた。さらに、このKIT の過剰発現はイマチニブによりKITのユビキチン化が抑制されることで誘導されたと考え られた。一方、rVI-MC1およびrVI-MC10では二次変異 (c.1523A>T) が同定され、この変 異を有するKITのリン酸化はイマチニブに抵抗性を示した。さらに、rVI-MC10では高濃 度のイマチニブに対してKIT/SFK非依存性のERKの活性が認められた。

以上から、イマチニブに対して耐性を獲得した犬の肥満細胞腫において、KITに二次変 異を持つ症例の割合は少ないことが示唆された。株化細胞を用いた解析から、KITに二次

変異を持たない症例では、イマチニブがKITのユビキチン化を抑制することでKITが過剰 発現し、その結果イマチニブに対して耐性を獲得している場合があると考えられた。一方、

KITに二次変異を持つ症例では、二次変異によりイマチニブ耐性を獲得することが示され た。また、二次変異に加えてKIT/SFK非依存性のERK活性化が起こり、イマチニブに対 してより強い耐性を獲得することもあると考えられた。

参照

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