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学位論文題名Cloning and expression analysis of the Broad-C07nplex gene in the silkworm,B07nbyx ynori

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Academic year: 2021

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博 士 ( 農 学 ) 西 田 義 憲

     学位論文題名

Cloning and expression analysis of the Broad‑C07nplex     gene in the silkworm , B07nbyx ynori

(カイコBroad‑Complex 遺伝子のクローニングと転写調節機構の解析)

学位論文内容の要旨

    昆 虫 の 発 生 は 、 繰 り 返 し 分 泌 さ れ る エ ク ジ ス テ ロ イ ド ( 主 にecdysoneや20‑hydroxyecdysone、 以 下ecdysoneと 略 ) が 、ecdysone receptor (EcR/Usp heterodimer、 以下EcRと 略) と 結 合 し、 少数の 初 期 遺 伝 子 ( 転 写 調 節 因 子 を コ ー ド 遺 伝 子 を 含 む ) の 発 現 を 活 性 化 し 、 次 に こ れ ら の 遺 伝 子 産 物 が 後 期 遺 伝 子 ( 構 造 遺 伝 子 の み ) の 活 性 化 を 行 うAshburner modelと 呼 ば れ る 段 階 的 な 遺 伝子 発 現 誘 導 に より 進行 する。

    初 期 遺 伝 子 に 属 す る 遺 伝 子 の ー っ で あ るBrDaみc匸 卿Z館 ( 鰍 ‐ の は 、D′Dゆ 加 ぬ を は じ め 多 く の 昆 虫 で そ の 存 在 が 報 告 さ れ て い る 。Dm叩 加 ぬ に お け る 遺 伝 学 的 な 解 析 に よ る と 、 こ の 遺 伝 子 の 変 異 体 で は 、 主 に 変 態 に 関 す る 様 々 な 異 常 が み ら れ る 。 鰍 ‐CmRNAに は ス プ ラ イ シ ン グ の 違 い に よ り 複 数 の ア イ ソ フ オ ー ム が 存 在 し 、 こ れ ら よ り 翻 訳 さ れ るBR^Cタ ン パ ク 質 の構 造fま 、GAく 弧factor 等chmm甜n‐mtenngfacめrに 多 く 存 在 す るBTB/POZド メ イ ン を 含 む コ ア 領 域 ( 共 通 領 域 ) がN末 端 側 に 存 在 し 、 こ れ に 異 な るGH。 型zincfIngerを 含 むZ1か らZ4ま で の4種 類 の ア イ ソ フ オ ー ム 特 異 的 な 領 域 の い ず れ か が っ づ く 。 こ の 構 造 的 な 特 徴 か ら 、BR‐Cタ ン パ ク 質 も 転 写 調 節 因 子 と して 作 用 する こと が予想 される 。

    本 研 究 は 、 特 定 の 組 織 や 器 官 を 比 較 的 得 や す く 、 生 化 学 的 解 析 に 向 い た 大 型 昆 虫 で あ る 助 肌0Mを 材 料 と し 、(i) 鰍 ‐C遺 伝 子 ホ モ ログ ゅmBR‐の を ク ロ ー ニン グ し 、 そ の構 造 を 明 らか にする 、

(ii) 変 態 の 過 程 で 異 な った 発 生 運 命 をた ど る 組 織 (表 皮 ・ 絹 糸 腺( 変 態 後 消 失 )、 脂 肪 体 ( 変態 後 も 残 存 ) 等 ) で のぢmぢR‐CmRNAの時 期 ・ 組 織 特異 的 発 現 パ ター ン を 明 ら かに す る 、 (iii) ロ 舳R‐Cの 転 写 制 御 機 構 を 解 析 す る こ と に よ っ て 、ecdyso鵬 に よ る 階 層 的 な 遺 伝 子 発 現 制 御 機 構 の 全 体 像 を 理 解 す る 上 で 必 要 と な る 基 礎 的 な 知 識 を 得 る こ と を 目 的 と し て い る 。 幼 虫 期 に 焦 点 を 当 て た 解 析 は 、 幼 虫脱 皮と 変態と の比較 におい ても 重要で あると 考えて いる。

    は じ め にZ3を 除 くBmBR‐CZl、Z2、Z4ア イ ソ フ オ ー ム を コ ー ド す るcDNAの 他 、 こ れ ら の ア イ ソ フ オ ー ム 特 異 的 な 領 域 を コ ー ド す る ゲ ノ ム 部 分 長 ( 約9kbp) を ク ロ ー ニ ン グ し 、 こ れ ら の 塩 基 配 列 を 明 ら か に し た (GenB孤k/IヨMBUDDBJAB11308牛113089) 。 こ れ ら よ り 予 想 さ れ る ア ミ ノ 酸 配 列 をDms噺 ぬ やAね ′1出 凹 のBRIく ニ タ ン パ ク 質 と 比 較 す る と 、 コ ア 領 域 中 のBTBド メ イ ン で そ れぞ れ9013% ,98.2% 、またZincfIngerド メイン におい て、Dm聊加なZ1,2,4タイプ のそれぞれと96,O%,

90.7% ,85.2%、 臓職ぬ 餾Z2,4タイプのそれぞれと96.3%,98.1%と高い相同性がみられた。加け10サで はZ3ア イ ソ フ オ ー ム を コ ー ド す るcDNAは 得 ら れ て い な い が 、 上 述 の ゲ ノ ム 部 分 長 配 列 中 にZ3タ     ―133―

(2)

イプのzinc fingerドメインをコード すると考えられる塩基配列が 存在しており、そこから予想される ア ミノ 酸配 列 は、DrosophilaやManぬ cロのBR‐Cタンパク質の対応 する配列と100%の相同性が みら れ たこ とか ら 、B・Dm6ザZ3アイソフオー ムもいずれかの時期・組織に おいて発現しているものと 推定 さ れた 。さ ら に、 得ら れた 厨細 貢 ‐CのcDNAや ゲノ ム部 分長 の 塩基 配列 をプ ロ ーブ とし、独立 行政 法 人 農 業 生 物 資 源 研 究 所 が 公 開 す るKAIKOBLAsTを用 い て加sl駈Dで 励佃 ぽ‐CI賦 弧 のゲ ノム 塩基 配 列 決 定 を 試 み た と こ ろ 、8kbp程 の5 末 端 側 上 流 域 を 含 む 約166kbpの 塩 基 配 列 が 得 ら れ た

(GcnB孤k庖MBUDDBJAB219449) 。BmロR‐Cは こ の 塩 基 配 列 中 に13のエ クソ ンに 分 割さ れて コー ド され てお り 、ま た前 述のcDNA塩 基配 列と 比較 し た結 果、mtema飢esplicingを 受け る領域が3 末 端側のア イソフオーム特異的な領域ぱ かりではなく、5 末端側の 非翻訳領域(untr孤slatedre餌on, UTR) に も 存 在 す る こ と が 明 ら か と な っ た。 さ らに 、cDNAの5 末端 配列 は 大別 して2種 類得 られ ており、 これらがゲノム塩基配列中の 異なる場所と相同性を有す ることから、勵4ロR‐Cには最低でも 2つ の プ ロ モ ー タ ー ( 恥 st、 Ppmx) が 約101kbp離 れ て 存 在 す る こ と が 示 さ れ た 。     次 に 、 カ イ コ の4齢 初 期 か ら 蛹 化 開 始 直 前 (5齢9日 目 ) ま で の 表 皮 、 脂 肪 体 、 絹 糸 腺 (前 部 、 中 部 、 後 部 糸 腺 ) で の 厨 船R‐Cの 発現 パタ ーン をNortlem法に より 解析 した と ころ 、各 組織 で の励 佃嚼 ‐Cの発 現 パタ ーン は概 して 体液中のエクダイソン濃度の 変化と平行してみられるが 、脂 肪 体で は逆 位 相の 変化 が示 され た 。こ のよ うな 差 異へ のプ ロモータ ー選択性の関与を調べるた め、

各時期・ 組織においてPdist丶Ppゆxの どちらが優位に使用されるかを鱒miーqu卸虹tativeRT.PCRにより 解 析 し た 。 表 皮 と前 部糸 腺 では4齢 初期 から5齢 期前 半に かけ て どち らの プロ モー タ ーも ほば 同様 に 使用 され て いる が、5齢 期後 半に はPdistが活 性 化す る一 方でPpmxの抑制がみられた。中部・ 後部 糸 腺 お よ び 脂 肪 体 で は 、4齢 初 期 か ら5齢 期 前 半 に か け てPpmが 優位 に用 い られ てお り、5齢 期後 半 には 両プ ロ モー ター の抑 制が 見 られ た。 しか し 脂肪 体で はこの後 、両プロモーターの急激な 活性 化 がみ られ 、 結果 とし てPdistがや や優 位に用いられるような変化が 観察された。体液中のエク ダイ ソ ン濃 度の 変 化とBMBR‐Cの転 写量 変化 お よぴ 優位 に使 用さ れ るプ ロモ ータ ー の関 係を総合的 に判 断すると、Pdistはecdy恥胎に対して正の、一方Ppmxは負の制御を受けると考えられた。従って、ecdyso鵬 に対する 応答性の異なるPdist、Ppmxのどちらが優位に用いられる かは組織や発生時期により異なり、

プ ロモ ータ ー 選択 性がecdyso驚 に よる 時期 ・組 織 特異 的なB川演.C発現制御の一端を担うこと が示 された。

    最 後 に 、 ロ ′船R.Cの 転写 調節 機構 を解 析 する ため 、約5kbpの 各プ ロモ ータ ー 領域 を含 むレ ポ ータ ープ ラ スミ ドを 構築 し、 培 養細胞 への遺伝子導入実験を行っ た。この結果、Pdist丶Ppmxがプ ロモータ ー活性を持っことが確認された。また、Ppmxの転写活性は培地への2¢hyd 0xyecdyso眦(20E) 添加によ り抑制され、この反応には近位転写開始点より‐5,012〜‐3,027bpの領域が重要であることが 示された。さらに、Pmstの転写活性は20E添加により促進され、この反応には遠位転写開始点より‐3,l06

〜 ‐2,081bpの領 域が 重要 であ る ことが 示された。この領域の中に は、恥Rが結合すると考えら れる エレメン ト(ecdysomrespo恥iveelement;恥RE)とホモロジーの 高い塩基配列(RRE様配列)が存在し て お り 、 実 際 に そ の 部 位 にEcRが 結 合 す るか 否 かを バン ドシ フ ト法 (EMSA) によ り 解析 した 。こ の 結果 、EcRE様配 列に は20E処 理し た培 養 細胞 の核 抽出 物特 異 的に 存在 する タ ンパ ク質が結合 する こ と が 見 い だ さ れ た が 、 こ の 結 合 はDMD.め ぬ の轟 や27や仰 ´ 遺伝 子上 の典 型的 なEcREとは 競合 せ ず、 ここ で 見い ださ れた タン パ ク質はEcRではない可能性が高い。 従って、ecdysomによるf丶list の 転 写 活 性 化 に は、 新た な タイ プのEcRやEcREの 関与 、ecdysone‐EcRに よる 直接 的 な作 用で はな

134 ‑

(3)

く、間接的な機構を介している可能性等が示唆された。

    

今後、

EcRE

様エレ メント以 外の領 域に関す る解析や 、20E 処理特異 的な

EcRE

様エレメン ト結合タンパク質の機能解析、さらにecdysone によるPprox 抑制機構の解析等により、より詳細な

Bm BR‑C

の転写調節機構を明らかにしていきたいと考えている。

‑ 135 ‑

(4)

学位論文審査の要旨

主 査    教授    伴戸 久 徳 副 査    教授    増田    税

副 査    准教 授    滝 谷 重治 (大学院生 命科学院)

     学位論文題名

Cloning and expression analysis of the Broad‑CoTnplex     gene in the silkworm , B07nbyx 7nori

(カイコ Broad‑Coznplex 遺伝子のクローニングと転写調節機構の解析)

    昆 虫 の 発 生 に 重 要 な 役 割 を 果 た す 末 梢 ホル モン の ーつecdysoneは、 は じめ に少 数の 初 期 遺 伝 子 の 発 現 を 活 性 化 し 、 次 に こ の 初 期 遺 伝 子 産 物 が 後 期 遺 伝 子 の 活 性 化 を 行 う Ashbumer modelで示 さ れる 段階 的な 遺伝 子 発現 誘導 を行 う 。こ の初 期遺 伝子 の ーっで ある Broa出 の岬 ぬx(鰍 ‐C)遺 伝子 は、D′D59めぬ ではmRNAス プラ イシ ング の違 い により 複数 の タン パク 質ア イソ フ オー ムを コー ドし、遺伝学的な解析に より変態に関して重要な役 割を 担 って いる こと が報 告 され てい る。 そこで本研究は、大型昆 虫であるため特定の組織や 器官 を比較的得やすい勵胤めぱを材料とし、(i)B尺ーC遺伝子ホモログ(B剛沢,のを単離し、その構造 を 明ら かに する 、(ii)変 態の 過程 で異なった発生運命をた どる組織での励z鯲・CmRNAの時 期・組織特異的 発現パターンを明らかにする、(iii)Bm鯲.Cの転写制御機構を解析する、こと に よっ て、ecdyso舶 に よる 階層 的な 遺伝子発現制御機構に関 する理解を深めることを目 的に 行ったものである。

    は じ め にZl、22、24タ イ プ のBmBR‑Cタ ン ノく ク質 ア イソ フオ ーム をコ ー ドす るcDNA が 単 離 さ れ 、 こ れ らよ り予 想 され るア ミノ 酸配 列 をDrosophilaやManducaのBR‑Cタ ンパ ク 質 と 比 較 す る と 、N末 端 側 に 存 在 す るBTBド メ イ ン で そ れ ぞ れ90.3%.98.2%、 またC末 端 側に存在 するzinc fingerドメインに おいて、Drosophila Zl,2,4タイプのそれぞれと96.0%, 90.7%,85.2%、Manduca 22,4タイプのそれぞれと96.3%,98.1%と高い相同性が示された。さ ら にin siticoでBmBR‑C Locusの塩 基配列決定 を行い、この遺伝子が約158 kbpの塩基配列中 に13のexonに 分 割 さ れ た 形 で コ ー ド さ れ て い る こ と 、 ま たBom0ザ で はZ3タ イ プ のcDNA は 得ら れて い ない が、 この ゲノ ム 塩基 配列 中にZ3タイ プに 特異 的な 塩 基配 列の 存在 が確認 さ れ、 そこ に コー ドさ れるzincnngerドメイン のアミノ酸配列は、Dm叩カぬ やM鰔ぬcロBR‐C の 対 応 す る 配 列 と100%の 相同 性が 示 され た。 さら にcDNAとゲ ノム との 塩基 配 列比 較に よ     ―136―

(5)

り、alternative splicingを受ける領域が、3 側アイソフオーム特異的な領域ぱかりではなく、5 側 の 非 翻 訳 領 域 に も 存 在す るこ とを 明ら か にし た他 、約101 kbp離れ たexon1とexon3のそ れぞ れに 転写 開始点が存在す ることから、Bm鯲.Cは少な くとも2つのプロモーター(Pdist丶 Ppmx)から転写されることが示された。

    占わmめ ばの4齢 初期 から 蛹化 開 始直 前(5齢10日 目) まで の表皮、脂肪体、絹糸 腺(前 部、 中部 、後 部 糸腺 )で のめ 柚貢 ‐Cの発 現 パタ ーン は概 して 体液中のecdyso鵬濃度 の変化 と平 行し てみ ら れた が、 脂肪 体で は 逆位相の変化がみら れた。そこでこのような差異 へのプ ロモ ータ ー選 択性の解析を行 い、各時期・組織においてPdist丶Ppmxのどちらがどの程 度優位 に使 用さ れる か は、 組織 によ り異 な るとの結果を得た。 また培養細胞への遺伝子導入 実験に よりPdistやPpゆxのecdyso鷲に対する応答性を解析し 、Ppmxの転写活性は20‐hydroxyecdysone

(20E) によ り抑制されるが、 逆にPdistの転写活性は20Eにより促進されることを明ら かにし た。 またPdistの20Eによる転 写促進は、転写調節領域内に 存在するecdyso賦receptor(EcR) が結 合す ると 考 えら れる 塩基 配列 (EcRE様配 列) の機 能 によ るも のと 予 想し 、タ ンパ ク質 結合 実験 を行 っ た結 果、 この 配列 近 傍に20E処理 特異 的に 結合 するタンパク質が存在 したも のの、そのタンパク質はEcRではないことを強く示唆する結果を得た。

    以 上 の 結 果 より 、ecdysoneに対 する 応 答性 の異 なるPdist丶Ppmxの どち らが 優位 に使 用さ れる かは 時期 や 組織 によ り異 なり、これが複雑で時 期・組織特異的な発現パター ンを示 すBm齟.C遺 伝子 転写 制御 の 一端 を担 うこ とが 示 され た。 さらにecdyso賦receptor以 外の因 子を 介し たPdistの転写活性化 機構の存在が示唆され、こ れらの結果は、ecdySo鵬によ る階層 的な 遺伝 子発 現制 御 機構 を理 解す る上で重要な知見を与 えるものである。よって審査 員一同 は 、 西 田 義 憲 が 博 士 ( 農 学 ) の 学 位 を 受 け る の に 十 分 な 資 格 を 有 す る も の と 認 め た 。

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参照

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