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学位論文題名Cloning and analysis of the CORYMBOSA2 gene in Arabidopsis thalia7za

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Academic year: 2021

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博 士 ( 理 学 ) 鈴 木 光 宏

     学位論文題名

Cloning and analysis of the CORYMBOSA2 gene     in Arabidopsis thalia7za

(シロイヌナズナCOR YMBSA2 遺伝子の単離と解析)

学位論文内容の要旨

シ ロイ ヌナ ズナ は典 型 的な 口ゼ ット 型の 植 物で あり 、栄 養 成長期から生殖成長期に移行 する と 、花 芽形 成にともなって花茎を 伸長させる。そして花茎に おける花芽の配列をもとにし た花 序 形態 で分 類すると野生型は通常 総状花序に分類される。野 生型の花序形態が常に総状花 序の 形 態を 示す には、花芽形成、花茎 伸長などといった個々の器 官の形態形成に関与する遺伝 子が 時 間的 かつ 空間的に正確に機能し ていることを意味する。こ れまで多くの突然変異体の解 析か ら 、花 序形 態形成機構には様々な 遺伝子群の関与が示唆され 、近年の遺伝子機能解析から 、よ う やく 形態 形成機構に関する解析 が進展しようとしている。 しかし、花序の形態形成過程 でど の よう な遺 伝子が相互作用し、ど のようなカスケードを形成 しているかはほとんど明らか にさ れていない。

  そこ で私 は花序形態形成機構を 分子遺伝学的手法により解 析するために、花序形態に異 常を 示 す散 房花 序様 変異cotymbosa2の表 現型 の 解析 を行 った 。 さらにポジショナルクローニ ング によりc』弧恕遺 伝子の単離を目指した。

  cm12変異 の散 房花 序 様へ の形 態的 変化 の 最も 顕著 な特 徴 は花序先端における花芽の増 加で あった。Smythら (1990)が同定した花芽の 発達段階を示す指標をもとにcm】2−ユ変異と野生型 の 花序 先端 を構 成す る 花芽 の数 を比 較し た とこ ろ、 花芽 の 開花を示すステージ13までの 花芽 の 数がcrm2―ユ変異で増加してい た。この原因を解剖学的に 解析した。長日条件下におい て、

cm】2―ヱ変異の ロゼット葉の数は野生型と 同じであったの゛に対して、茎生葉は約2枚増加して い た。 しか し、花芽原基で初めて 発現がみられるAPヱ遺伝子 の発現を指標に花成時期を検 討し た とこ ろ、cmユ2− ユ変 異と 野 生型 との間にははっきりとし た差異は観察されなかった。 しか し、cm】2イ変異 は花茎伸長開始(∞lting) および開花時期が遅れることがわかった。これらの 結 果はboltingと花 芽器 官の 発 達の 遅れが原因で花序の先端 で花芽の蓄積が起こっている こと を 示唆 した 。事実、野生型では既 に花茎が伸長し最初に分化 した花芽が鞘として発達して いる 一 方で 、同 じ時 期のcm】2ー ヱ 変異 では花茎伸長が起こらず 、開花前の花芽の蓄積が観察 され た。野生型とc.m】2ーユ変異において、茎頂分裂組織の形態を走査型電子顕微鏡で観察したとこ ろ 、茎 頂分 裂組織の形態、大きさ および花芽原基の出現パタ ーンに差異はなかった。さら に、

ス テー ジ1か ら ステ ージ6ま での 花芽 の数 はcrm2―ユ 変異 で 増加がみられた。これらの結 果か ら 、mH2―ユ 変 異で は、 ある 特 定の ステ ージ の花 芽 が増 加し てい るわ け では ない ことか ら、

a孤 把 遺 伝 子 は 花 芽 発 達 過 程 に お い て 全 て の ステ ージ で 機能 して いる こと が 示唆 され る。

  また 、cm】2−i変異の散房花序 様の表現型に加えて、稔性 の低下がみられた。開花時の 花芽

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器官 の長さを測定したところ、crm2‑1変異で雄ずいの伸長欠損が観察された。この結果か ら、crm2‑1変異での稔性の低下は、雌雄器官の伸長のタイミングのずれが原因であると考え られる。

  CRM2遺伝子の機能を解析するために、ポジショナルクローニングによる遺伝子単離を試み た。CAPS法およびSSLP法を用いたマッピングにより、CRA12遺伝子は第4染包体のCAPSマ ーカーg13838一1.4とPG11の間に座位しており、CRM2遺伝子の存在範囲をゲノムプロジェク トの 塩基配列をもとに限定したところ、二つのBACク口ーンの約80kbpの範囲に存在するこ とがわかった。そこで、この範囲に存在する19の推定遺伝子に関して野生型とcrm2ーユ変異の DNA塩基配列を比較したところ、一つの推定遺伝子で3塩基対の欠失が見っかった。そこで、

この 推定遺伝子を含む約6kbpのゲノム断片を植物に導入し相 補性検定を行ったところ、

crm2‑1変異の変異形質が完全に相補された。さらに、この推定遺伝子のアンチセンス植物を 作成 したところ、crm2‑1変異の表現型を示した。これらの結 果から、この推定遺伝子が CRM2遺伝子であると断定した。

  こ うして単離されたCRA12遺伝子は10のェキソンからなり、推定分子量104kDa、942残基 のアミノ酸をコードしていると推測された。crm2‑1変異では結果として第2エキソンのーつ のアミノ酸ルジンが欠失すると推定された。相同性検索くBLAST検索)の結果、CRM2夕ンパク 質は現在までに機能が解明されている既知夕ンパク質とは相同性をもたぬいことから、新規の タン パク質であると期待される。しかしながら、同じBACク口ーンT13K14でCRM2遺伝子と タン デムに並ぶT13K14.80遺伝子 が相同性をもつ配列であることがわかった。CRM2遺伝子 はこの相同性遺伝子(T13K14.80)とアミノ酸配列で約64.2%の相同性をもち、crm2‑1変異は 両遺伝子の相同性部位に存在した。さらに、モチーフ検索くPSORrおよびPfam検索)の結果、

CRM2夕ンバク質のN末側に核移行 シグナルおよびDouble―stranded RNA―bindmg motifと 相似性をもつ配列があることがわかった。

  CRM2遺伝子の発現はノーザン法では検出できなかったため、RT‑―PCR法を用いて器官別に 解 析し た 。CRM2遺 伝子 の発 現は すべ ての 器官でみられ たが、他の器官と比較して主に Seedling、根および花序先端で強く発現していた。また、相同性遺伝子Tl 3K14.80の器官別 発現 パターンはCRM2遺伝子とほぽ同様であった。さらに発現部位を特定するためにCRM2遺 伝子のプロモー夕一領域とGUS({3―glucuronidase)との融合遺伝子を野生型に導入したとこ ろ、GUS遺伝子の発現はRT−PCRの結果とほぽ一致していた。特にGUSの発現は若い花芽器 官を含む花序先端と花茎上部および第2花序の先端で観察された。これらの結果から、CRM2 遺伝子は主に花芽の分化と発達に関与していると示唆される。

  花序形態形成機構におけるCRM2遺伝子の役割を解析するため、茎頂分裂組織および花芽分 裂 組織 の 維持 と発 達に 関与 するERECTA、CLA VATA1およ びTERMINAL,FL〇WER1の遺伝 子座位に変異をもつ突然変異株とcrm2‑1変異との二重および三重変異体を作成したところ、

その表現型は全て相加的となった。この結果はCRM2遺伝子がこれらの遺伝子とは異なる過程 で花序形態形成に関与していることを示唆している。

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学 位 論 文 審 査 の 要 旨

主 査   教 授   米 田 好 文 副 査   教 授   山 口 淳 二 副 査   助 教 授   加 藤 敦 之

     学位論文題名

Cloning and analysis of the CORYMBOSA2 gene     in Arabidopsis thaliayza

     (シロイヌナズナC 〇々YMBSA2 遺伝子の単離と解析)

シ ロ イ ヌ ナ ズ ナ は 典 型 的 な 口 ゼ ッ ト 型 の 植 物 で あ り 、 栄 養 成 長 期 か ら 生 殖 成 長 期 に 移 行 す る と 、 花 芽 形 成 に と も な っ て 花 茎 を 伸 長 さ せ る 。 そ し て 花 茎 に お け る 花 芽 の 配 列 を も と に し た 花 序 形 態 で 分 類 す る と 野 生 型 は 通 常 総 状 花 序 に 分 類 さ れ る 。 野 生 型 の 花 序 形 態 が 常 に 総 状 花 序 の 形 態 を 示 す に は 、 花 芽 形 成 、 花 茎 伸 長 な ど と い っ た 個 々 の 器 官 の 形 態 形 成 に 関 与 す る 遺 伝 子 が 時 間 的 か つ 空 間 的 に 正 確 に 機 能 し て い る こ と を 意 味 す る 。 こ れ ま で 多 く の 突 然 変 異 体 の 解 析 か ら 、 花 序 形 態 形 成 機 構 に は 様 々 な 遺 伝 子 群 の 関 与 が 示 唆 さ れ 、 近 年 の 遺 伝 子 機 能 解 析 か ら 、 よ う や く 形 態 形 成 機 構 に 関 す る 解 析 が 進 展 し よ う と し て い る 。 し か し 、 花 序 の 形 態 形 成 過 程 で ど の よ う な 遺 伝 子 が 相 互 作 用 し 、 ど の よ う な カ ス ケ ー ド を 形 成 し て い る か は ほ と ん ど 明 ら か に さ れ て い な い 。 そ こ で 申 請 者 は 花 序 形 態 形 成 機 構 を 分 子 遺 伝 学 的 手 法 に よ り 解 析 す る た め に 、 花 序 形 態 に 異 常 を 示 す 散 房 花 序 様 変 異 corymbosa2(=crm2)の 表 現 型 の 解 析 を 行 っ た 。 さ ら に ポ ジ シ ョ ナ ル ク ロ ー ニ ン グ に よ りC○RYMB〇SA2(=CRAlI2)遺 伝 子 の 単 離 を 目 指 し た 。   crm2変 異 の 散 房 花 序 様 へ の 形 態 的 変 化 の 最 も 顕 著 な 特 徴 は 花 序 先 端 に お け る 花 芽 の 増 加 で あ っ た 。crm2‑1変 異 と 野 生 型 の 花 序 先 端 を 構 成 す る 花 芽 の 数 を 比 較 し た と こ ろ 、 開 花 を 示 す 花 芽 の 数 がcrm2‑1変 異 で 増 加 し て い た 。 こ の 原 因 を 解 剖 学 的 に 解 析 し た 。 長 目 条 件 下 に お い て 、crm2‑1 変 異 の ロ ゼ ッ ト 葉 の 数 は 野 生 型 と 同 じ で あ っ た の に 対 し て 、 茎 生 薬 は 約2 枚 増 加 し て い た 。 こ れ ら の 結 果 か ら 、crm2― ヱ 変 異 で は 、 あ る 特 定 の ス テ ー ジ の 花 芽 が 増 加 し て い る わ け で は な い こ と か ら 、CRM2遺 伝 子 は 花 芽 発 達 過 程 に お い て 全 て の ス テ ー ジ で 機 能 し て い る こ と が 示 唆 さ れ る 。   ま た 、 稔 性 の 低 下 が み ら れ た 。 開 花 時 の 花 芽 器 官 の 長 さ を 測 定 し た と こ ろ 、crm2− ヱ 変 異 で の 稔 性 の 低 下 は 、 雄 器 官 の 伸 長 欠 損 が 原 因 で あ る と 考 え ら れ た 。

  CRM2遺 伝 子 の 機 能 を 解 析 す る た め に 、 ポ ジ シ ョ ナ ル ク 口 ー ニ ン グ に よ る 遺 伝 子 単 離 を 試 み た 。CAPS法 お よ びSSLP法 を 用 い た マ ッ ピ ン グ に よ り 、CRM2遺 伝 子 は 第4染 色 体 のCAPSマ ー カ ーg13838−1.4とPG11の 間 に 座 位 し て お り 、CRM2遺 伝 子 の 存 在 範 囲 を ゲ ノ ム プ 口 ジ ェ ク ト の 塩 基 配 列 を も と に 限 定 し た と こ ろ 、 二 つ のBACク ロ ー ン の 約80kbpの 範 囲 に 存

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在することがわかった。そこで、この範囲に存在する19 の推定遺伝子に 関して野生型とcrm2‑1 変異の DNA 塩基配列を比較したところ、一つの推 定遺伝子で3 塩基対の欠失が見つかった。そこで、この推定遺伝子を含む 約6kbp のゲノム断片を植物に導入し相補性検定を行ったところ、crm2‑1 変異の変異形質が完全に相補された。さらに、この推定遺伝子のアンチセ ンス植物を作成したところ、crm2 変異の表現型を示した。これらの結果 か ら 、 こ の 推 定 遺 伝 子 が CRA/12 遺 伝 子 で あ る と 断 定 し た 。    こうして単離されたCRM2 遺伝子は10 のエキソンからなり、推定分子量 104kDa 、942 残基のアミノ酸をコードしていると推測された。crm2‑1 変 異では結果として第2 エキソンのーつのアミノ酸リジンが欠失すると推定 された。相同性検索(BLAST 検索)の結果、CRM2 夕ンノヾク質は現在までに 機能が解明されている既知夕ンバク質とは相同性をもたないことから、新 規のタンパク質であると期待される。また、同じBAC ク口ーンT13K14 で CRM2 遺伝子とタンデムに並ぶ T13K14.80 遺伝子が相同性をもつ配列であ ることも発見した。CRM2 遺伝子はこの相同性遺伝子(T13K14.80) とアミ ノ酸配列で約64.2 %の相同性をもち、crm2‑1 変異は両遺伝子の相同性部 位に存在した。さらに、モチーフ検索(PSORT およびPfam 検索)の結果、

CRM2 夕 ン パ ク 質 の N 末 側 に核 移行シ グナ ルお よび Double ―stranded RNA 一 binding motif と 相 似 性 をも つ 配 列 が あ る こ と が わか った 。   CRA/12 遺伝子の発現はノーザン法では検出できなかったため、RT ―PCR 法を用いて器官別に解析し、さらに発現部位を特定した。遺伝子発現は若 い花芽器官を含む花序先端と花茎上部および第2 花序の先端で観察され た。

   以上のように、シロイヌナズナの花序形態形成に関わる遺伝子を世界に 先駆けてクローン化した。この情報を基に、今後花序の発生・分化機構の 解明に大きく貢献すると考えられる。

     よって著者は、北海道大学博士(理学)の学位を授与される資格が

あるものと認める。

参照

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