看護基礎教育におけるコミュニケーション能力の育成 : 言語的応答を中心に
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(2) 目次. 第1章序論. 1−13ページ. 第1節 祉会的スキルとコミュニケーション 1 人間と灘ミュニケーシnン 2 部会的スキルと=ミュニケーション. 第2飾 看護と”ミュニケーシsン 1看護実践における=ミュニケーションの重要睦 2看護基礎教育における=ミュニーションに関する教育の実態 1) ニミ・ニケーシNンに関する教育内容と教育方法の実態 2) コミュニケーシsン技法としてのカウンセリング 3) 看護学生のコミュexケーションに関する現状 3看護における灘ミュニケーシsンと言語的技法 第3節 本研究の貝的 研究1CAI(Coraputer As$iSted lnstrucbion)を活用したanミ=・ニケーーシHン教材の開発 研究2VCSI(Verbal Coinmunication Slti[ls lnventory)の瀾発. 研究3VCSIからみた看護学生の謙ミュニケーションの実態. 研究4VCSIによるC還教材を用いた学習効果 第2章研究1CNを活用したコミュニケーション教材の開発 14−35ページ 第軸簾 冒的. 第2節 C超教材の開発過程 1 CAIについて 2 CAI教材「患者に対するカウンセリング応答訓練」の開発過程 第3飾 CAI教材の予備的評晒(1)学生による評価 1 内的と方法. 2結果と考察 1)情意領域における評価 2)認知領域における評価. 第4節 C躍教材の予備的評価②教員による評価 1 饅的と方法. 2結果と考察 第3章 研究2VCSI(偽庸盛C◇簸遡u藤㈱摂◎n Sldlls lnventOry)の開発. 36−48ページ 第1飾 尺度の作成翼的 第2節 開発方法と過程. 第3簾結果.
(3) 第4簿考察 1VCSIの因子構造とコミュニケーション技法 2 VCSIの信頼性と妥当性 第4章 研究3 VCSIからみた看護学生のコミ=L =ケーシsンの実態. 49−59ページ 第1籔 琶的と方法 第2節 結果と考察 1. 日本語版SSIによる一一般的コミュニケーション能力 2.VCSIによる専門tw :ミュニケh・…一シHン能力. 第5章研究4VCSIによるCAI教材を用いた学習効果 6◎一92ページ. 第1節 CA王教材の認知的領域における効果 1 員的 2 方法. 3結果と考察 第2簿CA【教材の精神運動領域における効果 1 目的 2 方法. 3結果と考察 1>プロセスレコードの分析(1) 2)プロセスレほ一ドの分析(2). 3)学習の取り組みについて. 第6章 全体考察 83−89ページ 第1節 研究結果の概要:. 第2簾今後の課題 1CAI教材「患者に対するカウンセリング応答謂練」の活用の可能性 2 模擬患者の導入など教育方法の工夫 3旧年綱大学における教育課程と科層の位置付け. 第7章 結語. リ へ . 90へbeン’. 講. 91ぺs一・・一ジ. 文献. 92−99ページ. 資料 1調査表 SSI (S◎c烈Sk亘㎏Invent◎驚y). VCSI (X7erbal CommunicatioR Skill$inventory). 記述解答需紙面上の場面 2 CAI教材ギ患者に対ずるカウンセリング応答翻練」の内容.
(4) 第1章序論. 看護基礎教育において、臨床能力として生活援助技術や診療補助技術は勿論=ミュニ ケーション技術が人格形成とともに求められるものである。しかし、入学してくる学生の 対人関係能力は、概して低下していることが指摘されている。看護学生は、臨地実習で新. 生児から高齢者に至るまで幅広く対応しなければならず、それは学生たちのH常生活の中 での経験をはるかに越えていると思われる。そして臨地実習での患者との対話能力は患者 との人間関係の成立に欠かせないものであり、基礎教育の中で学生の言語的対人関係能力 を向上させるための教育が不可欠と考えられる。. 入院や退院、手術や検査にあたっての説明、さらには終末期にある患者からの問いかけ や糖尿病など慢性疾患患者の生活場面において、看護師は患者が気持ちよくすごせる方向 へ、安心する方向へ向かうように支える対応の技術すなわち、看護師の専門的=ミュニケ ーシNン能力を身につける必要がある。 まず、一一般的な社会的スキルと=ミュニケーションについて概観し、そのトレーニング. の可能性をさぐる。さらに看護とコミュニケーションについての考え方を明らかにした上 で、看護教育の中でのコミュニケーション教育の実態を明確にすることとする。. 第1節社会的スキルとコミュニケーション. 1人間とコミュニケーシgン. 岡部(1973)は=ミュニケーシNンを人間行動レベルの問題として捉え、記号過程とし ての識ミュニケーシssン論と社会関係論としての=ミュニケーシNンの2つのカテゴリー に大別し、後者はXXミュニケーシffンが人間関係の基盤となり、そこに桂会関係をつくり だすという点に注翻して=ミュニケーションを分析するものであるとしている。. また、岡部・広井(1973)は、言語行動の理論について、Skmer, B.(1957)に代表 される行動主義理論と、Chgras:㎏N(1965)の言語理論を基礎とした言語運用理論、さ らにK:atz,」.」。(1966)の意味理論やMowrer, O. H.(1954)の文生成行動理論などがあ. 1.
(5) ると述べている。. また、加藤(1973)は、社会関係としてのコミュニケーシNンすなわち、コミ・ユニケー. シ5ンを人間行動の基本的カテゴリーの一つであると同時に、社会を構成するミニマムの 単位であるとした。Mead, G. H.(1934)は=ミュニケーション成立のメカニズムの解明. をするとともに個人はいかにして社会的存在となりうるか、人々はいかにして合意を形成 し、共通の環境を獲得して社会を形成しうるかという「個人と社会」における自己統制の 三二としてコミュニケーシmaンを捉えている。. 2社会的スキルと=ミュニケーション. 社会的スキルとは、他者との関係や相互作用のために使われる技能といえるが、相州 ら(1996)は、生起過程モデルにおける社会的スキルの特徴を次のようにまとめている。 社会的スキルは、具体的な対人場面に規定される。つまり、社会的スキルは目標指向的 である。. 社会的スキルは、対人日標との関係で効果性と適切性を備えていなければならない。効 果性とは、対人目標が達成され、他者との関係が肯定的になることである。適切性とは、 対人目標の達成方法が、当の対人場面や状況にふさわしいことである。. 社会的スキルは、構造的に認知的側面と行動的側面の両方を含んでいる。相手め対人反 応の解読や自らの感情統制、対人丁丁の決定などの認知的側面も社会的スキルの重要な一 部である。また、相手との相互作用の記憶、社会的規範や社会的ルーールの知識などを含む. データベースとのデータのやり取りは、社会的スキルの全過程において重要な機能を果た している。. 社会的スキルは、対人反応として実行される。この対人反応は、自らにも他者にも昌に 見え、耳に聞える測定可能な言語的、非言語的反応で成り立つ。. 社会的スキルは、自らの対人反応に対して与えられる強化によって、また、他者の対人 反応をモデリングすることによって学習される。. 社会的スキルの各過程における欠如や過多は、特定することができ、介入やトレーニン グの対象となりうる。. また、相川ら(1993)はP鍛翻t鵬D.&F㎞雌,A.(1980)やDgdge,:K。 A.(199◎). を参考にして、社会的スキルの生起過程モデルを提唱している。. 2.
(6) このモデルは、「相手の対人反応の解語「対人目標の決定」「感情の統制jf対人反応の. 決定」「対人反応の実行」のプmセスから成り立ち、「相手の対人反応の解題とr対人反 応の決定」は、それぞれ3つの下位過程から成り立つとして、この過程を以下のように説 明している。. 第1の過程である詠手の対人反応の解読」過程は相手が示すさまざまな言語的、非言 語的反応を知覚する「対人反応の知覚」・対人反応の知覚に基づいて相手那どんな意図や要. 求のもとに、当の反応をしているのか解釈する尉人反応の解釈」・対人反応の解釈の結果. として一定の感情が生じる尉人感情の生起jである。 第2の過程「対人冒標の決定jは相手の対人反応を解釈したことによって、今から眼前 の対人的状況に、いかに反応するかが決定される。この決定には対人感情が影響する。. 第3過程ゼ感躊の統制」は2種類の感階「相手の対人反応を解釈した結果として生じた 対人感情」と「第2過程での対人欝標を決定したことによって新たに生じる感清」を対人 則票達成のために適度に=ントロールすることが必要になる。. 第4過程である「対人臨の決定]は対姻標を達成するためにどんなスキ咽子を用 いるべきか判断、決定するfスキル因子の決定pスキル因子を構成する個々の動作である スキル要素をどう組合すか、対人測標およびデータベースからのデータによって決定する 「スキル要素の決定」・スキノ咽子を実際に用いたとき、対人目標を達成できるか、相手を. 傷つけることはないか、社会的ルールに反しないかなどの観点より効果の予測を行なう尉 人反応の効果予期」から成る。. 第5過程「対人反応の実行」は決定された対人反応を言語的、非言語的行動に表出する 過程である。社会的スキル訓練で取り上げる対象がこの反応の実行に関するトレーニング である。. 対人反応が実行されれば、相手に一定の反応を引き起こす。この対人反応が再び第1過 程の「相手の対人反応の解説過程に戻り、循環的に持続することになる。 この概念を用いることにより、「他の人に対する振舞い方やものの言い方は、学習の原 理と技法によって体系的に教えることができる、教えるべきものである」ということがで きる。. スキルの測定にあたっては、測定の基準・測定者・測定内容・測定の目的を踏まえて測 定法を考える必要がある。発達段階や成長に応じること、自己評定力他者評定か、内容は 非言語的行動か言語的行動か、また測定の目的は問題をもつ対象の選定かトレーニングに. 3.
(7) おける目標の特定か、効果測定か等によって適合する測定方法を選択することが重要とな る。. 相川(1996)は、Mc鋪, R. M.(1982)やCartledge, G.&Mllbwn,」, R(1986)らの. 行動分析の立場からすると、社会的スキ・ルは、能力すなわち、個々の具体的行動ができる. 能力としてとらえることができ、スキルのリストをつくることやそれを訓練することによ り実際に近づくことができるとしている。Gol(癒£血,A. P(198◎)らは初歩的なもの・よ. り高度なもの・感情処理・攻撃に代わるもの・ストレス処理・計画のスキルの6種類にわ けて行動をリストアップしている。また、日本においては、欧米の尺度を翻訳し妥当性や 信頼性を検討した研究やオリジナルな尺度の構築を試みているものに、堀毛(1990)の「人 あたりの良さ尺度」、菊池(1988)のflKiss−18」、大坊(1989・1991)の「非言語的表出. 性の測定:ACT尺度]さらに橿野(1988)の「SSI」などがあげられる。 社会的スキルの定義に一致した見解がみられない中で、Riggio, R E.(1986)が従来行. なわれてきた社会的スキルの諸研究の統合をfi指した理論的枠組みを提出し、それに基づ いて社会的スキルの個人差を測定するSSI(Social Skills inveittery)を考案している。. それは、=ミュニケーション過程の観点からとらえ、対人関係での情報のやりとり過程を 用いている。. 権野(1994)の解説によると、SSIは、=ミュニケーシHンを非言語的情報と言語二二 報の2側面に分け、それぞれの側面において、情報の伝達、情報の解読、情報の管理・制 御の3つのスキルを設定したものであるとされている。すなわち、非言語的二三の伝達、 解読、管理・制御のためのスキルはそれぞれ情緒的表現性、情緒的感受性、情緒的コント ロールと命名し、言語的情報の伝達、解読、管理・制御のためのスキルを社会的表現性、. 社会的感受性、社会的コントU一ルと命名している。情緒的表現性とは、情緒状態を自発 的にしかも正確に非護語的=ミュニケーションにおいて表現する能力であり、情緒的感受 性とは、非言語的情報を媒介として他者の情緒状態や信念や地位を解読する能力である。. 情緒的コントロールは、非言語的情報を媒介とした表現を制御し、極端棲濤緒表出のコン トロールができる能力である。また、社会的表現性とは、言語二二報を媒介とした表現や その流暢さや会話のきっかけを作る社会的スキルを指し、社会的感受性とは、言語的情報 を媒介とした知識や社会的規範を解読するスキルであり、社会的=ントロールとは、言語 的情報を媒介とした表現を制御するスキルであるといえる。. 社会的スキル・トレーニングについてみれば、津村(1994)は、自己の価値の明確化や. 4.
(8) 葛藤・ストレスを乗り越える等の自己成長を目的としたトレーニングからコミュニケーシ ョン・スキルの開発訓練を目的にした研修、グループワークやチーム作り等のスキルを含 めたりーダーシップ・トレーニング等がおこなわれていると述べているが、患者・看護師 関係における言語的側面のトレーニングについて考察していきたい。. 第2節. 看護と=ミュニケーシssン. 1看護実践におけるコミュニケーシfiン能力の重要性. 看護実践は人間を対象とした活動であり、一人の人の看護ケア全体に必要な技術の基盤i として援助的人間関係形成能力は欠かせない。Perry, C.(1990)は、看護師の臨床能力の. 一つとして「人間関係の技能」をあげており、文部科学省編(20◎0)看護学教育のあり方 に関する検討会報告書においても、大学における看護実践能力育成のために、看護学の教 育内容のコアとして、この人間関係形成能力が明示され鳥また、岡谷(1996)によると、. 患者・看護師関係は、自然発生的ではなく、患者のニーズに基づき、個男媚標があって成 立し、闘系の進展の責任は看護師側にあり、しかも限定された期間における契約関係であ. るとしている。その関係の進展については、正木(1993・1994・1994)によると、看護 の援助過程において看護援助課題を達成するための要因であると述べている。すなわち、. 糖尿病専門外来でおこなった看護援助過程79例(1名の患者につき、1日∼16ヵ月の関 わりの記録)を分析して、看護援助の構造図を提示し明らかにした。正木は構造図につい て、次のように説明している。. 援助課題(援助の対象である患者がどのような「よい」方向に向かっていくのかにつ いて、その内容)を「糖尿病患者としての有能性」と「その人個人としての人間性」を育. てることという2側面とし、その両側面の割合の相違から5つの援助課題と5っの援助方 法(具体的に実施した援助行為の方法)を位置付けた。また、看護判断過程(援助の必要. 性の判断援助課題の焦点化、援助の効果の評価、援助の終了の判断)は、2側面を縫い 合すように展開していき、その過程で患者・看護師関係が進展し、課題の達成那実現して いくことを位置付けた。Mayeroff M.(1971)のいうfケアするとは、もっとも深い意味. で、その人が成長すること、自己実現することを助けることであるjと捉え、患者と看護 師との相互作用を通してお互いの事実や感情、意味、価値観を交流させて、関係が深まり. 5.
(9) 援助課題の達成を可能にするものであると看護実践と患者・看護師関係について強調して いる。. 太田(1986)は、197◎∼1980年代初め、看護の独自性と専門職化への動きと関連しな がら、より意図的で計画的なコミュニケーシesンの必要性が強調されたと述べている。 He沁, E. C.(198e)は、コミュニケーションには一般的、日常的なものと治療目的のも. のとがあり、看護師の患者へのコミュニケーションは、治療自刃のものであるべきだと強 調している。治療霞的のコミュニケーションとは、患者の健康や福利に役立っ指示を与え るべく、患者に影響を与えるために意識的に用いられる計画的な方法である。そして、コ ミュニケーシsンの原則を専門看護の実践、患者との相互関係に意識的に適用していくの であると説いた。. 池田(1986)は、患者と看護師とのコミュニケーションを取り上げた発達モデル・相互 作用モデル・行動システムモデルの理論家の代表としてPeplau, H. E.、(凪and,1. J.と. JORSOn, D. Rをあげている。また、菊地(1986)は、患者・看護師関係は、専門援助的. 或いは専門職業的援助関係と呼ばれ、患者と看護師が相互に影響し合って患者の健康問題 に対処し、援助が必要なくなった時点で終わる一定期間の人間関係である。患者・看護師 関係における両者の人間関係のあり方は、あらゆる看護活動に際して問われるべきであり、. 特に重視されるべきである。患者の多くが、自らの健康問題や苦痛のなかにあって、非常 に傷つきやすくなっているばかりか、本来のカを十分に発揮することが困難になっている と考えられる。一方、看護師は医療チームの中で最も長い時間、患者に接し、患者のfl常 生活のケアに責任を持っている援助者であるからであると述べている。さらに、人間関係 に焦点を当てた看護論として、Peplali, H. E.「人間関係の看護論、(凪a難d,1.」.「看. 護の探究一ダイナミックな人問関係をもとにした方法一」、 WiedeRbach, R「臨床看護の 本質一患者援助の技術一」などをあげている。 Orland,1.」.とWiedenhach, E.はその時その揚における患者・看護師関係に焦点をあ てているが、Peplai2, H. E.(1952)は、看護を「有意義な治療的な対人的プロセス」と. 規定し、患者・看護師関係を4段階に分けて述べている。すなわち、第1期は、「方向づ けの段階」であり、援助を求め提供する申で、患者と看護師はお互いに知り合い、当面の ニードや問題についての方向づけを得る時期であり、第2期は「同一化の段階」であり、. ケアを提供する看護師に患者が同一化していく時期である。第3期は閥拓利用の段陶 であり、看護師の提供する援助を患者が十分利用し共に問題を探究する時期で、第4期は. 6.
(10) 「問題解決の段階」であり、患者が新しい問題を識別し、あらたな目標に向かって解決し ていく時期で関係の終結・解消がされる。しかし、各般階は独立して存在するのではなく、. 相互に重なり合うダイナミックな過程と説明している。. 以上述べてきたように、患者・看護師関係形成能力は看護実践上欠かすことのできない ものであり、援助過程をすすめる上で、援助課題の達成において基本的に求められる能力 であることが明らかになった。. ところで,島内(1986)は、Xミュニケーション過程に影響する看護者の認識につい て、f人間j「生活の価値や質」「健康」についての概念や「ヘルス・ケアへの患者や家族の. 参加の意義」と看護の重三・機能をどのように統合しようと認識しているかが、看護過程 における=ミュニケーシNンの内容・方法・質を規定すると考察している。 一方、看護師の対人=ミュニケーーションにおいて、看護師の無言のしぐさ・動作・表清 のすべてが言語で伝える以上に患者にひびくコミュ:ケーションの構成要素であること、. 患者め情報を得、患者の欲求不満に対応するためには、聴き方」から始める必要性、患者 の要求に応じる仕事であるため、自己を絶えず豊かにし、自分自身の人間的成長が仕事を 通じて図らなければならないこと、さらに言語および非言語のやりとりにより、相互作用 を高め、人間的な温かさへと発展させる役割があることを看護師自身が考え続ける必要が ある。. このことは看護師がBum out 〈燃えつき症候群)にかかりやすい(宗像、1998)ことに. 通じるものであり、S癒亀P(1992>・武井(2◎Ol)のf看護」を「血清労働ととらえ る所以とも言えると考える。. 2看護基礎教育におけるコミュニケーションに関する教育の実態. 1) コミュニケーシNンに関する教育内容と教育方法の実態. 兼松(2◎01)は、大学における「基礎看護学」の教育内容を文献調査と国内外の実態調 査を実施して報告している。. その報告書の中で、看護系大学全74校(1999年4月現在)のうち提洪されたシラバス 47二分を用いて、基礎看護学について、その科目名、単位数、開講時期、科冒で教授して いる教育内容、演習内容、科9の教育方法等を分析している。人間関係に関する技術につ. 7.
(11) いてみると、「看護相談技術論「iミュニケーシgン技術論」「カウンセリング論」等援助. 的人間関係技術を一科Rとして立ち上げているのが9校、科目内の一単元として取り上げ ているのが23校さらに、基礎看護学以外の科目で取り上げているのが25校という結果を 明らかにしている。. また、教育方法は、ロールプレイング・グループ体験学習・グルーープ練習・体験学習(心. 理テストを実際に行なう等〉の4つの形式があり、講義のみの大学はなく、「実際に体験 してみる!ことをねらいとした方法がとられていたと報告しており、教育内容が大学ごと に多様であるが、時代の社会的ニーズに即したものを取り上げる傾向があると述べている。. 看護における=ミュニケーションをとりあげた教育内容と教育方法に関する最近の研究 報告では、専門基礎科目や他の専門科昌と連携して進めているものが見られる。例えば、. 松本(1991 ・ 1996)は精神保健と合わせて5iマ、石井ら(1996)は人問関係論窯単位. に引き続き、授業3コマと看護場面を殼定した体験学習7コマを、また、治療的=ミュニ ケーションを主体とした授業として、小林ら(1998>は、精神看護学3=マと成人看護学 5Tマを使うなど、かなりバラエティにとんだ取り組みがされているといえる。 また、看護におけるコミュニケーションの定義を明確にした上で、授業の全体像が把握 できる高鳥・笠井(199δ)の報告を紹介する。 高鳥らは、看護学におけるコミュニケーションを[[lravelbee,」.やWTiedenbach, E.お. よび薄井の定義を参考に、「対象の表現の意味を的確にとらえ、対象が認知できる方法で、. 看護師の認識を表現し伝達す嶺とし、この過程を学生にどのように訓練していくかを試 みている。. それは、1年次13コマと2年次1=マの演習で組みたてられ、コミュニケーション過 程に影響を及ぼす援助者側の思考、感情、態度などのあるべき姿勢を学ぶために援助関係 のエピソーードが記述された書物を精読させ、グループワークやレポ・一・一トにより理解を深め. ている。次に、看護場面を用いて対象との関わりの能力を高めるために、SCZ一ルプレイを. 3回計画し、プuセスレ識一ド・自己評価表・録画V’]Rの視聴によるフK一ドバックで自 己のあり方を客観視させ、コミュニケーション技能の要素への現実的な認識を深めさせて いる。. さらに、2年次基礎実習の後、入院時インタビュ・一一のロールプレイ体験により、入院時. 点におけるコミュニケーションの重要性を認識させるプログラムを実施している。この演 習の課題として授業時間数の翻約から=ミュニケーーション技法を具体的に指導できなかっ. 8.
(12) たことを挙げており、認識レベルでの教育に終始している現状がみられる。. 2) コミュニケーション技法としてのカウンセリング. 看護教育にカウンセリングを導入することについては、雑誌回護教育」(1994)にお いて特集「教育にいかすカウンセリング」が掲載されている。その申で古橋(ig94)は、. 看護教育にカウンセリングの必要性が叫ばれて2◎数年になると述べているが、当時の授 業状況については、奥野(1994)が看護基礎教育機関(2・3年課程の専門学校と短期大 学)886校のカウンセリングの授業担当者に対して、調査(有効回答率48。8%)し報告し ている。. 実施している授業内容として、カウンセリングの「意義頑的」、坊法・技術」、f看護 における意義や役割」の3項毯であったこと、看護師がカウンセリングによって、mミュ ニケーションを促進することができると捉え、実施していること、さらに授業担当者のカ ウンセリングに関する学習や研修体験の有無が「方法・技術」を授業に取り入れることに 影響をしていることを明らかにしている。 最近では、カウンセリングの方法・技術としてAvey, A. E.の提唱したマイクロ技法を. 授業に導入した影山(1996)の報告や臨床看護教育方法としてカウンセリング技法を段階 的に取り入れその効果を明らかにした大下(1995)の研究報告がある。. 某看護専門学校(3年課程)における淘江ら(1990)の取り組みを次に紹介する。 コミュニケーションに関する講義と人間関係をとりあげた著書Ori nd◎,1.」.の「看護. の探究」とWTiedenbach, E.の脇床看護の本蜘の講読に加え、199◎年度のカリキュラ. ム改正を機に、人間関係セミナーを基礎看護学の中に1単位15時間の科目として位置付 けた。この科霞では、学生が2年次の臨地実習で受け持った患者とのプuセスレコードを 作成し、それをカウンセリング技法の視点から検討するプログラムである。プnセスレ= 一ドは自己の言動を振り返るためによく用いられ、宮本(1997)も使い方の多様陛や有効 性を主張している。このプログラムは、実際に学生自身の経験を記述したものが素材なの で,真剣な取り組みができたと同時に,今後の実践への応用という点でも効果的であった。. また、対人関係能力習得は、看護者自身の経験的な学びに依存してきたといえるが、看護 基礎教育の段階で一定のレベルまで到達させるための試みであるといえる。その成果につ いては発言分類法を用いて分析し報告(三江ら、199◎)をした。. 9.
(13) 3) 看護学生の=ミュニケーションに関する現状. 秋元(1995)は基礎看護学実習5N間のうち、午後2回の患者訪問場面において、学生 の豊かな憾じるカ」や学生自ら思考を発展させる「学ぶ力jが表現されていたと報告し ているが、小村・関根(1995)や岩崎(1999)は、基礎看護学実習における1年次学生 のコミュニケーシgン能力の未熟さや困難を指摘している。すなわちプロセスレXX一一ドを. 太湯(1997)の6っの態度類型と質問の仕方を用いて分析し、直接的質問法や調査的・解 釈的態渡で接することが多く、患者の話を聴いたことに対して、どう対応したら良いかの. 指導の必要性を述べている。また、コミュニケーションのつまずき場面47件を分析した 大池・村田(2◎0◎)は高齢者であることや疾患名が悪性新生物であることが、対話をすす める上での困難要因となることもあるが、学生の反応として話を聴くというよりも、「何を. 言うべきか」やゼどう応えたらいいか」等、発言に向けた思いが優先している傾向を指摘 している。. さらに詳しく学生の反応の特徴に焦点をあてた研究、すなわち患者の言動を学生がどの ように受けとめ、どのように返答しているかを分析した檜垣ら(20◎3)の報告は、プPtセ スレコードにおいて、「学生の反応」とジ学生の書割が一致している場合、『∼ですか灘、 『∼ですね』、『∼ということですね』等「確認」の言動が多いという特徴を指摘した。さ. らに患者の言動から自分の中に沸き起こる思考や感情と、患者が感じ考えていることを意 識的に区別しながら、フィードバックすることが重要であることを明らかにしている。. 一方、堀川(20◎0)によると、最終学年の看護学生に看護場面におけるeeミュニケーシ ョンに関する調査を実施して、意見交換の内容を左右する影響要因として、場面・相手・. 雰囲気・関わり方を挙げている。実習指導者は学生にこれらの要因を意識してよい状況を つくって関わり、その体験が学生と受け持ち患者との関係に反映されることができるよう にすることの重要性を述べている。. 上記のいくつかの報告で明らかなように、患者の気持ちを表出できるようにしたり、受 けとめた言動にどう対応したらよいかを習得できるための何らかのプログラム溺基礎教育 殺階において必要であると言える。. 3看護におけるコミュユケーションと言語的技法. 10.
(14) 行動分析の立場からコミュニケーション能力の一側面ではあるが具体的行動カミできる能. 力として、トレーニングすることが可能であるとされる言語的技法について看護の中でど のようにとらえられているかを文献からまとめてみる。 :LOngo, P C.(X978)は、言語的コミュニケーションを3つのレベル、すなわち活動や行. 動の表現、考え・意見・アイデアの表現と感情や二二という気持ちの表現に分類している。. 特に、対象の気持ちを理解するためには、相手が抵抗なく感情や清緒を言語fヒできる関わ りが必要となると述べている。. 稲岡(1986・199◎)は、臨床看護場面でみられる言語を介しての=ミュニケーションは、. 主として音声言語であり、事実的な情報や具体的な事柄の伝達を主とする場合には、より 正確でより効果的であるが、発信者と受信者が解釈することばの意味が一致することが前 提であると言及している。. 単なる情報の伝達を目的とするコミュニケーションとは異なり、コミュニケーションを 媒介にして、援助する人と援助される人との相互作用を通し、援助される人の行動の変容 を促すという9的のものを治療的コミュニケーシl」ンといい、看護を介しての治療的=ミ. ュニケーション技法として、儲のきっかけをつくる技法」「反映の技法」暦い換えの技. 法j「明確化の技法j噛いかけの技法」腰上の技法」の6つをあげている。 言語的技法の分類を試みたものには、Hays,」. S.&LarSOR, K H(1963)の治療的技法 25項昌と非治療的技法19記田やHe血, E. C.(1980)の質問・支援の伝達・沈黙・明確化、. さらに非言語的技法も含めたものとしては[fSchudm, V:(1991)のカウンセリングスキル. やIvey;AE.(1978)のマイクロ技法など力瀬本に紹介されている。. 本研究においては、患者・看護山間の専門的コミュニケーシSンにおける言語的応答を 考えていく上で、カウンセラーの言語的行動を測定するためのカウンセラー一応答カテゴリ. ーシステムに着旧した。このカテゴリーシステムはH週,C.E.(1978)が12のカウンセ. リングセッションでの3866のカウンセラー応答評価を3人の審査員でおこない、高い一. 致率であった14カテゴリーを導き出している。14カテゴリーとは、①M㎞al encoewager @ AppToval reas$ewance @ lnformaeion @ Direct guidEmce @ Clgsed question @ Open question @ Rgstatement @ REffeedon @ Nomeverbal referent @. Ikterpretatien⑪C◎爵◎ntation⑫ Seif一 di$clgsure⑬ Sllence⑭Otheyである。 H通,C. E.(ig78)のカウンセラー発言をもとに翻案・作成したものが、岩村・ノ1獅(1984). のファシリテーター発言分類法である。これはエンカウンターーグループの全プロセスを逐. 11.
(15) 語化し、2人のファシリテs一…一・タ(エンカウンターグループの指導者のことで集団において. カウンセラー的役割を果たす人をさす)の発言分類・分析を試みたもので、㎜,C.E.の. ⑬Sllenceを除外し、⑭OtherのDis即翼◎val c戯儒搬を独立させ、②Approval yeasseWEmce⑫Se掛鵡do8耀e⑭ Otherで処理されていた憾想」の項目を新たに設. け、15カテゴリーとした。15発言カテゴリーは①受容②感想、③肯定④清報⑤. 提案⑥限定的質問⑦説明の要求⑧明確化⑨感情の反射⑲非言語行動への言及 ⑪解釈 ⑫対決⑬否定⑭自己開示 ⑮その他である。. 12.
(16) 第3:節 本研究の目的. 本研究の目的は、看護基礎教育におけるttミュニケーション能力育成のために、 C瓢を 活用した教材を開発し、VCSIにより、その効果を判定することである。. 頃的達成のために、以下の研究1、研究2、研究3、研究4で構成する。. 研究1 CAIを活用したコミュニケーション教材の開発 教育の個性化(教育における画一化をできるだけ避け、個人の能力や適性に応じたもの にすること)と個別化(人間の成長発達の個人差を尊重し、それに対応していくようにす ること)が求められている中で、講義での学習の補助教材としての自己学習のために、. CAI教材を作成する。. 研究2 VCS1(恥痴al C◎maunication Skvas lnvenbory>の開発. C躍教材使用後の効果判定のために、言語的応答能力を測定する尺度の必要性から、 VCSIの開発をおこなう。. 研究3 VCSIからみた看護学生の=ミュニケーシgンの実態 VCSIを用いて、入学時と入学6ヵ月後における、看護学生のロミュニケーシHン能力 の実態を明らかにする。. 研究盈 VCSIによるCA王教材を用いた学習効果 試作C湿教材隠者に対するカウンセリング応答訓練」を自己学習させ、その学習効果 を開発した尺度であるVCSIを用いて明らかにする。. 13.
(17) 第2章研究1CAI(ComputeT Assisted lik$trucboxx)を活用したコミュニケーシEiiン. 教材の開発. 第1節 欝的. 淘江ら(ig95)は、看護学生の言語的応答訓練プログラムとしてffyperCard(Apple 社)を使用したスタンドアロン型の教材を試作し、音声・イラスト・画像などのマルチメ. ディアによる臨場感は、学習効果を向上させたと報告した。しかし、HypexCard教材は OS(OpeTatlxxg System)がMacintOshに限定されるという制限があるため、 WTmdows を中心とした現状の教育施設の中で、学生が随時cas教材を使って繰り返し学習でき、ま. た教員が講義や演;習で教材を活用できることを目的に、HypefCa撮教材をHma(Hyper lfeXt limkVtP imguage)形式に変換できるSuperCatrd3.6日本語版(Ine Well:DMG 社)を用いて教材の改良を試みた.. 第2節CA藝教材の開発過程. 1 C瓢について. C遍とは、コンピュータ支援学習のことで、学習博報が=ンピ=・・一一タの中に記憶されて. おり、それぞれの学習者のニーズに沿って提示するようプログラムされている個別指導の. アプローチ法である。また、CAIは学ぶ楽しさや満足を感じながら個人の能力に応じた主 体的な学習ができるという利点があり、看護実践のベースとなる知識の習得に役立つもの と考えられる。. パソ=ンによるCAIシステムはスタンドアロン型(個別型)、一斉学習型とロンピュー タネットワーク型の3種があり、一般的な学習形態には、①概念や法則の理解、思考力の. 育成を学習のねらいとし、教科の学力形成をおこなう学習に用いるチュートリアル学習 ②知識や技能を正確に定着させることをねらいとし、練習や演習をおこなう学習に用いる ドリル学習 ③特定の知識の学習というより実際の臨床状況がわかり、抽象的な学習と応. 用との間のギャップをうめる学習に用いるシミュレーション学習④特定の鶏標に到達す. 14.
(18) るために2人以上のプレイヤー一が競争をするもので、戦略を査定し意思決定の結果や効果. を明らかにし、流れを変えるような変数を導入するように設計するゲーム学習⑤学習者 に解決すべきテーマを与え、主体的にデータベースを利用して解決していく問題解決学習 の5つにわけられる。. 村中(1998)は、日本におけるCA瓢導入のために学習プuグラムが考え一られ始めたの は、米国より1◎年おくれの1982年であるとし、看護基礎教育における教授・学習に活用. する目的で開発された看護CAIは回護過程入門」が最初であると記している. CA正教材の内容については、専門知識の整理とトレーニングのためのものがほとんどで、 母陸看護・疾患看護・注射(筋肉、皮内〉・救急看護・救:急蘇生法・看護過程などがあるく1996 年現在)。. また、1997年の第23回日本看護研究学会や第7回H本看護学教育学会の学術集会では、 新たな教育方法の一つとしてCAJfが登場している。. 教材の開発は、看護師が自らおこなう場合と学習目標の設定などフレーム原案を、看護. 師が作成した上で専門家に一任している場合とがある。最近はHyperCardなどのオーサ リングツールを使うことにより、コンピュータの専門知識をもたない看護師でも以前と比 較して簡単に開発できるようになってきている。. 近年、看護の分腎でもインターネットの普及に伴い、ネットワーク利用の関心が高まっ ている。舟越ら(2◎◎O・20◎1)は、従来のスタンドアロン型とは異なったネットワーク環. 境における学習教材の開発を試みているが、自己学習用の教材が少ないことから、授業と 関連させた教材の開発が必要と考えた。. 2 CA夏教材「患者に対するカウンセリング応答訓練」の開発過程. 淘江らは、1995年からCA正による言語的応答翻練のプurグラムの開発を試みてきた。 看護学生が臨地実習で遭遇しやすい場面事例を用いて、それぞれの対応方法を学習するこ とにより、対人関係の基本姿勢である理解的態度の育成を昌標としている。 教材開発において工夫した点は、次のとおりである。. ・コンピュータの機種にこだわらず、複数のメンバーで分担しての作業が可能であり、内 容の更新が容易にできるという利点から、HTMし形式を用いた. ・従来のスタンドアロン型のように、媒体としてのフロッピーディスクや光磁気ディスク. !5.
(19) の携帯が必要なく、学内に限らず、インターネットを通じて、自宅や実習場所でも教材と して利用できるという利点から、ネットワーク上で教材を使用し学習できるようにした。. ・注意力保持のための画面作りとしては、活字と画像、映像の働・方、一画面一要素の提. 示、所要時間3◎分以内の学習内容、さらに、強調したい晴報の提示方法の工夫をおこな った。. ・多くスクロールしない範囲で学習内容を整えた。. ・双方向性の機能を取り入れ、学生の質問や意見にも応じられるようにした。また、現場 からの新しい躊報を取り入れることも可能にした。. 本教材は20個の事例学習問題で構成している(表1)。これらの事例は某3年課程看護 専門学校2年生が実際に臨地実習場面で遭遇した150事例から、看護学生が遭遇しやすい 対応場面2◎事例を抽出したものである。選定にあたっては、様々な事例の訓練が可能と なるように、患者の年齢一1甥」・病名を考慮した。そして、対人関係技術(理解的態度)の. 習熟度の測定指標としてファシリテータ発言分類法を用いた。これは岩村・小柳(1984). がエンカウンターグループの全プuセスを逐語化し、2名のファシリテータ発言の分類 分析を試みたもので、嘲確化」「否定戸提案」など15のカテゴリーで構成されている。 このカテゴリー15項目を淘江ら(1990)が独自にP◎s錨:ve、 Negative、 Neutra1の3領. 域に分類している。これに基づいた解答例を事例ごとに3例示し、それぞれの解答につい て適切かどうか、またその解説画面も設定した。さらに患者と看護師の対応場面に音声、 正誤場面に効果音を使用し、疾患や用語の説明として解説文や適宜画像を使用した。. 教材は45枚のカードで構成されており、表紙画面のカードに続いて全問題が一覧でき る目次のカーードを作成し、そこから自由に選択した対応場面に移動できるような構造であ. る。また、対応場面のカード(間1∼20)は一事例一画面を基本に、問題提示段階、解答 選択肢提示段階、正誤提示毅階、解説提示段階の4段階構成とし、画面提示がインタラク ティブに行える。言い換えれば、一画面に最初から学習内容をすべて提示せず、その画面 の中で、マウスのクリックで次の殺階の画面に移動できるよう工夫し、必要に応じて用語 の説明や写真画面の参照カードへの移動もクリック操作のみで可能とした(図1、図2)。 図3・ 1で表紙と学習項目画面を示した。図3・2a2わ、図3 ’ 3a.3b、図3・4a.4bでは、. 問題1、問題12、問題15の問題提示、解答選択提示、3つの正誤提示と各解説の提示を 流れに沿って示した。また、各問題に含まれる疾患や用語の説明文として、問題1の「糖 尿病とはj「糖尿病の食事療法」瞭準体重1、問題12の「病名察知j「病名告知」、問題15. 16.
(20) 表1事例の内容. .w一一一pt一一−aww一一.一wwnvpt一一w一一一wa一一wwpswwrr−Mmww.1spa 一一一’”一一一. 3ウ3 胸つ り3333 13433 3. 女 1 年齢. 2◎代 3◎代 4◎代. 50代 6◎代 7◎代 8◎代. 場面. 食事指導 入浴 食欲不振 運動訓練 術前の不安 死(終末期〉. 医師等への不満 対応内容. 受容 4. 提案 4. 情報提供 4. 病名. 患者・医師間の調整3 不安への対応 2 感情表出への促し 2 葛藤への対応 1 糖尿病,子宮頸がん,肺が ん,習がん,前立腺がん,脳 梗塞,脳出血,脳腫瘍,気管 支喘息,大腿骨頸部骨折, 環軸椎亜脱臼,軟部腫瘍,. 子宮筋腫,卵巣嚢腫,腎結 石,肥満症,副鼻腔炎. 17.
(21) (1. 学習方法 の説開. (2). 学習項霞20例の表題. (7). (3). 問題1:糖塚病. (42). 問題19. 闘題2. 正誤の解説. 問題2◎. (4.3). 回答の選択. 語句説明 (44). 語句説明. (,t31). (45). 糖塚病の説明. 語句説弱 (5). 食事療法の説開. (6). 標準体重の説明 (46). 匡王璽囮 図1教材の構成. ()内はカード番号で、全部で46枚のカードで構成されている. 18.
(22) 欝. φ. 璽. 圃蹴. 癬. 繍. .幽. . 繍. ⋮8. 盈. .M. …仙. ︷. 査繍. 潟. 謁. 事憲. ▼3’一漏,導.・.・.. 匠一一一唖鰍唖一軸一晒一榊一一 う醍職’m庭隔繭 翻 8劇嚇35’榊’ 1M曲1 門. 一齢 @凹箪ヨ. 国. ⑭贈蝿ew卜. 赴1・4暗・窒島讐■購回・鮨鰯“鱒{蹴立軸盧す昼笛と 舗31Aさん、出立をi臣てて融ホ し虎か? Ciiiii}. Nptew:twS#lec ①一. 下の30から選蟹してクリ,クも《〒さ‘、 般撃蒼響sc. 轍購謬磯鎚謬藩難翻鍵饗出血謄鷺鱗. 回 國 図 騨◎ 最. 醐. 千手露翻國9 轡. 図2開発教材画面の一例. 轡..
(23) .〕の教 擢.響生の欝攣..「。麺.轡L. う実質2ゆ例で申子されて繕ます。同鑓を続み自分ならど うな当節をするPt 3つの三一倒から選んで下さい。患者さ登 窯締ちを環解する応答(ファシリテータ一如讐分類に轟づ1 法を使欝)が正解です。あなたが選んだ解箸が遊し蘇かど. を音で示し、その理由が解説される仕組み1 なってぴます。1 繋 煽 , ’. .血 。.、 tt.t・ ,. ・s. 次のようなボタンで操作ができます。. c!e eeess:1!!lxex) m o. さas.6eeリックしてはじめましょう。 1. ON. 12.82 ン,. 告惣について }3. 61. 81 r禽t. 鵜.82 巣. 33 玄,. 財力7ップ. 鹸鰹麟. 15. 45. トサツビベx卜. 認 39 アル:コ輪ル 21 窯,. 拳 の必翼儀. ,∴6. R梵り六師鮒醐・. gx:xxgMxsx 2. 3. 図3−1表紙・学習項目の画面.
(24) 罪購鍍綴蒙・騰識嵯。魏 驚鷹羅混』,驚鶴1、 四s:Aさん. をたててみ塞. レたか?. Pt:●曝窮はあ塞りたくさん食べれない のに、鰐きなもので獄立をたててくだ さいなんで.ひどいと騒わない。 瓢、ひねくれているから.強鋼され るとかえ,て反箆したくなるわ.. 食㎜ら体内のインをユ”詞瞬雛慈脚辱ような鍍導. 旧識纂諜3騨噸に桝鱒『墾 驚銀痢にとつで・塑匿レ1ζ旧い三三旧事三三鯵郵1轡三. 三姦器賜斐旛き塩謎三三瞬含め. あ艶燃とその三三熊讐鱒鱒で あ弩会鴬濃繁螺i鵬謹萎欝:馳6曾。・’畢で. ん議慰.繁蝦識鶉轡施『『『1歪. 1. 一e. 3. HN. 耀、霜シシュリンi しゃすい い. .纏欝きyl鰍に轡と参硝鮒蝉礫 糠塵の轟釣は. 蘇櫛雛織レ・強纏瀞鑑多集飾な蛛. 三三盤三三三熱の阯 :にある6. 正しい強藏力Sfiわ義ても、る績集訟して劇隠が三三し.血■韓「. 潮三舞麟ち≒ら.治継逡しで..食事鑛綾倒.醐.およ 1㈱じ{インシュサン注射、縷O轡薯驚『ド鍍》がある. ∴・. ゃモ轟淑ま三三匿択が三三転τ噸なお嫉するsのl. l蕊二二『『三郷懸蜘雛「e回しなけ. 2. 4. 図3−2a 問題1の各画面.
(25) 鐸鎌躍黙i驚撚潔驚灘撫罵覆1・野、 Ns:A ん.. ててみ. 乳 弓1ゴ弩^. ・乏 ・”t零掘. 騒漁遡. ρt=顕漂購はあ康りたくさん食べ叡ない のに、好きなもので蹴立をたでてくだ さいなんで、ひどいと恩わない. 私.ひねくれているから.幽幽され るとかえって反翻したくなるわ.. したカ9? ciE]}. 1・ 1. 麟寒. 馨蘇響機・魏鑓;妻響難鷺欝霧撚襯畿繊驚・ ’. Ns:Aさん.厳. 壱たててみ. したか?. Ft;●諏癖はあ塞りたくさん食べれ亀い のに.好豊なもので献立壱たててくだ さいなんで、ひどいと占わない. 骸、ひねくれているから.彌朝さ耽 るとかえって展幽したくなるわ眼. 団. b,鱒あ融鶴Olヒめ離”という。は.・一翼憂崩に髭 阿る。重富でないといも喰がら亀劇どしの口禦伊は い,てい●。些些輔も②は適…し《ても.億簿6が. 、ヤ08,参翻しtケ9Ψ激し詐郎、. つ亀℃てい,てt}なtゆで臓に鳶1ヒないこともある.. Pt翻つゆ舗脈勧WtJvクレで随4、. 瞳んが、;鋤幽轟ザ例畿盒編交換山師盤,て.妊sなものでnτw’[1. 鎗ん劇 。 立聞k 」 ・鰹重£蝉の轍叢に雛窓蓋鉱獄い脅で算焦. 三. ,樋翌翌壁塗雛獅織f3:ないのです.量ff肩罐なんで,.. でて ペゴ 賛. ’いやがちずSCt一勲τ顎黙:三毛∼郵驚撫瀬纏. 二 鵜. 載雛. 撫φ壱.. £鍵難訳霧も・驚撫食べてい着もの鰭麟. 一幽薗。. 搬縁論徳熱1し・」・玉ぺ㌧e、,。,、,、一旺珊補.. 細細総則◎ 7. 灘繋懇 臼譲響四脚門,霧四丁繋鷲野墜. 難な綴謎篇羅螺・澱謎撚灘三三. Ns=Aさん.. たててみ. Ns :AEA,. したか?. したか?. P象=●厩癖はあ塞りたくさん食べれ亀い のに.野毒なもので獄皇壷たててくだ さいなんで、ひどいと向わない. 瓠、ひねくれているから.翰創され るとかえって反製したくなるわ. 6.触壱寵て■,らさ蹴解あてら融ても吻 二. ‘、9●⑦やり角:《ない謡い,讐縛嚇e,け之め愚. 争嚇r卿ら鰍砿クサ卿しで理る、’. せんか窒 嬬. 鯨. 圃. 幽趣交撫細謹礫,て.好日なものでたてでみ.妻. 鞭1. . 濯奪 竃 “ 欝. 鰻. 開園園田図画鷺蕪ll難灘・灘麟縫藪麟鷺熱.. ・・網目蓼. 一圏■◎ 6. 8. 図3−2b 問題1の各画面. NN. 5.
(26) ヒv. H麟鳶鷲け宅. 、函醜準ξむ畜・’. 1購嶺一謹. 簾臨急瓢鶏姦:lll. Pt’儀は内繍の,内繍の痛気があるんです。治らないんです.あと2年のOなん です。これからの凹いに負けたら、半畳の禽なんです.どうしたらいいんで. し う?. 烹..刻聴ボ緯に劇論はどりよう鏡禽え護国矯かピ... 盤鰹諜1ζ:灘鷲1 らせられあか♂饗癖綾欄、屑翻陵綱蝋麗麗∵. 翔暴悪趨鵬魏馨婁鱒嚇1訴,. 園9. 1. 3 σう. 轟嶽三三七回欄ると脚な 團 1.舶』晒に織分の鱗繊の纂偽言穆かめようとして.騨働 遣の㌍寮帯欝べたサ・.三三麿に爾う。.. 2.主泊毎を畿えてもちいk鋳;・.馴の鋼戯のΩ●をしてみ. m Pt 偵は内縞の.内鯖の病気があるんです。hらないんです,あと2隼の命なん です.これからの闘いに負けたら.半隼のゆなんですgどうしたらいいんで し ?. @. 禦どρ恥rつρ弊r唖鶉に徽輸 M3”$融騰レて〃り,ヴしで亨StN. 3・擁鱗肘うξ々雄髄題¢導鮭慌してそれ に績び,けようとする“... 4.雛めの壇纏に癒る堵館ゼ三三建らりたぼたしても鎗. 縦:三三・ヤ弓勢のだか5」という境. の蕊茎繋累婁三三薫禁r:ii”i’『蓼『つ真轟であるかが懸奢. 身窟熱 一! .it. 嫌 s艦難 驚…かず’. い慧 けな{ 塾艇 彊盤黛艦騰.. 難認識窪爆艘密②で哩病覚樋い塞い幽幽繍灘鎌羅 f L”,t, 一・’tLt溜臨. 纒諭. ■蘭◎. e・ 4. 2. 図3−3a 問題12の各画面.
(27) 響購欝1 ρt:儒は内継の、内鰺の一気があるんです。劉らないんです.あと2隼の9なん です.これからの闘いに負けたら.半郁の動なんです.どうしたらいいんで. Ft=偵は内鰭の.内鏑の病気があるんです。識らないんです.あと2牢の◎なん です。こ“からの関いに負けたら.半簿ののなんです.どうしたらいいんで. しよう?. し う?. Ci11S. 。.91のな鯉⑦■陰に醐薩しτ創曜してし 塞,rピし・愚嘲二30λの出翻H囲◎ここで口 tlても解灘誕らなし、.. ’ v灘 ■P30S6叢融しr・9り,◎しで7欝㌔. Te診7Pt6鋼劃して躍り,ρして↑凱、. . 適盆軟わ“1転 準. 集. 国 圃. 繋.. ・ 礁ム、 .懸ゆノ顔 二 ■ 鷺 讐 te. 雛. ・う9匪師も置生懸ゆ凝護. 輿 ). . ・ ’ し } ● 臨 「t 覧. ・嵐継ない訟う緯するには、どうすれ‘ぎょいと緯ってい雛すか. tl. 漉灘萎繋鱗う砦議駕墾騨諮繋灘繋鎌灘麟. 緻. ees e 5. 欝欝轡鰭鰹 Pt=偶は内纏の.内紬の病気があるんです.治らないんです.あと2卸の命なん です.こttからの聞いに負けたら、半隼ののなんです。どうしたらいいんで し う?. 図. b.磁難してい離離引1で.このよう⑳墜 憾よ《する.欄獅も●働腫命というのtt.. 些しの闘にも至る◎. 轟轟3髄しら霜囲してクリ,ウして1鴨鑑、. ヒ お. 娩麗ゼ唇. ge’t. 象、 愈姦熱・ 叢. 慧. 囲 圃 aas e. 7. 図3−3b問題12の各画面. 寸N. 7.
(28) 獲. 龍 , 膨. 雛鍵 1、t一”叢驚調灘、. 難灘購. ズ き の. 襯鎌艦F繍嘱・.・獄 ・t 喜.. Pセ:手獅後2力鱒くらい,トリッピベストをつげると唇唇窪した.ところで トリッビベスト,てどんなものですか?. g. ...る.. 滑子魏購講罐㍊無三三!1{、. 一〇. 1. 團 3. 、・. ,湘購ξ騨壱岡建す翻一三;.1麟琴転餌:∵偵讐内炉ら維鶴 .嵐,樹喉釦睡四寒す蚤。1後蹴ll輪回を9イ:ヤ㌣や二二... リ繊鷺黙、.灘叢ゴ三一1灘灘鷺1霧. Pt:考ε術後2力爵くらし、噛 トリッピベストをつ1,ると唇白富した:oとこるで. トリッピベスト,てどんなものですか?. 三二」:り醜す嬢噺三絃既記三三ど不安離. ρ罐畿織弓庭颪1細:あ顛欄. 砂禦琴塀箏辮三三耀籍’. @. eNptN. 事め簿勃喝embrクリックしτF塞5、. 一e ・一e 2. 4. 図3−4a 問題15の各画面. 頃N. 鑓一.
(29) 晒 竃一 ド ぐス. 無舞 ..。. 認螺!羅難懇轟碁鋼羅漁澱警. i黙轟識:、綴麟誌1瀞羅礁織羅羅難蔭礁. Pt:芋娠姫2力需くらい、トリッピベストをつけると壺愈塞した.ところで. Ptl亭編後2力丹くらts.トリツビベストをつけるとき愈雛した。ところで. トりッビベストってどんなものですか?. トリツピペストってどんなもので寸’か?. e ’.’. ・’. @翫 」Tの潜,ゆら欺秘wサッケして7郎、. D茅⑦離つが。融円し驚タ哲ッ,膨て掌窟し蝿’. 7. 鱗霧灘}繋灘i一驚霧熱課差慧轍警、・ Pt=手鞭後2力丹くらts. トリツと「ベストをつけるとききまbre・ところで トりッピペストってどんなものですか?. @・. ’Te}Vta)ら撒してクリ.骸麺r蝉毒L騙. ’圏. 6. e−O 図3−4b 問題15の各画面. ㊤N. 5.
(30) の「環軸唯固定術」さらに画像の例として、問題15の「トリッピベスト」を示した。 開発教材による学習は、まず学習者が対応場面を読み、どのような言語的応答が望まし. いか、次の対応を考えることから開始される。そして、解答制3例の中から適切だと思う 対応方法を選択し、ボタンをクリックすることにより、選択した対応の適切さが判断され る。続いて解説場面が表示され、対応のどこが適切であったか、またどこが不適切であっ たかを理解することができるというものである。. 第3節 CAI教材の予備的評価(1)学生による評価. 1 目的と方法. 開発教材を、自己学習用教材としての視点から、情意領域および認知領域における教材. の評価について検討することを鼠的として、研究の趣旨を説明し二三の得られたK短期大 学看護学科2年次看護学生1◎名に試用させた。研究協力は自由であり強要ではないこと、. 研究参加について自由に撤回や辞退ができること、研究協力に伴う不利益はないこと、プ ライバシーを保護することなど倫理的配慮に関する説明を行い、研究への協力を求めた。. 学生の教育的背景は、1年忌に情報科学入門1単位(15時間)を履修している。ならび. に臨地実習は、対象把握と生活援助を目的とした基礎看護学実習1(5H間)を履修して いる。. 学生は、Macintosh PowerB◎6k G3に搭載した開発教材を、希望する時間帯に個別に試. 用した。試用期間は2◎◎1年魂月である。事前に操作方法について、表紙および問題20 例を示した画面、問1の画面を使って説明し、教材の使:い方として主にマウス操作の説明. を1回のみ実施した。試用回数は計2回とし、1回目に問1∼聞1◎を、2回隅に問11∼問 20を試用した。. 看護教育における到達翼標の評価は、梶田(1997)が紹介しているBloorcの教育目標 分類である情意領域(感情・価値付けの状態)・認知領域(知的能力)・精神運動領域(操作・. 運動能力)の分類を指標として用いた。. 情意領域における評価として自記式質問紙を用いて、操作性・所要時間・一画面の文字 量・レイアウト・配色・活字サイズ・肉太活字体の使い方・静止画の量・効果音・会話の. 音声等について、「適切f不適切」ヂどちらともいえない」の3段階の評定尺度を用いて. 27.
(31) 評価した。また、mミュニケーシyン学習への意欲、学習効果、自己学習用教材としての 活用が可能かどうかの質問を加え、自由記述とした。. 認知領域における学習効果を明らかにするために、開発教材で提示した問題とは異なる. 問題を5問(気分がのらない患者に歩行練習を勧める・入浴に対する不安がある患者に入 浴を勧める・食事がストレスとなっている患者の訴えを聴く・シャワー浴を拒否する患者 にシャワー浴を勧める・がんの転移を疑っている患者との会話場面)を作成し、開発教材 を用いた学習前および学習後に10名一斉に記述式で回答を求めた。. 学生の回答をエ文1発言として、岩村らが開発したファシリテータ発言分類を用いて分 析を行い、開発教材学習前後を比較し学習効果を検討した。発言内容の評定は、本研究者 3名が独自に評定した後、3名で協議した結果を最終評定とした。. 2結果と考察 1)情意領域における評価. 教材の操作について、操作方法の説明を受けただけで全員が教材を動かすことができた と答えており、コンピュータの使用経験が浅いものでも容易に操作できることがわかった.. i教材を用いた学習の所要時間は、1回15分∼20分であり、対象者全員が「適切」と答 えていた。自由記述の中にも「短時間でできたのでよかった」という意見溺あり、1◎問と いう問題数は、学生が集中できる適当な問題数であったことがわかる。. 画面の構成では、一画面の文字量、レイアウト、配色、活字サイズ、肉太活字体の使い 方など画面の構成について、対象者全員が適切であると答えていた。. また、疾患や用語の説明に静止画を用いているのは、視覚的に提示した方がより理解し. やすいと考えられるトリッピベストと子宮全摘術の2箇所であるが、静止画の量について も同様に適切と評価された。. 音声では、解答の正誤提示画面での効果音について「適切」が8名、「どちらともいえ ない」が2名であった。倍の大きさにびっくりした」と答えた者もいた。患者と看護師 の会話部分の音声は樋切」が7名、「どちらともいえない]が3名であった。 教材の効果としての=ミュニケーション学習への意欲では、「この教材で学習すること によって、さらにコミュニケーションについて学びたいと思ったか」の問いに対して、対. 28.
(32) 三者全員が「そう思った」と答えていた。具体的な意見として体の上だけでは患者さん の言葉のニュアンスがつかみにくいけど、実際に話すことという設定の学習であり、感じ がっかめてよかった」「コミュニケーーションは大切だと思った」などの意見があった。また、. 「画面をみれば思いつくが、自分で考えて言うとなると難しいので、どういう言葉を使え ばいいか知りたいと思った」や「私だったらこう言うと思ったのぶ、不正解だったりした ので(コミュニケーーションについて)考えた」というように、コミュニケーシsンの難し さを実感し、学習への意欲が強まったと思われるような意見もあった。 また、「この教材を活用することで、患者の気持ちやニーズに添った対応が身につくと思. うか」という質問に対しても、対象者全員が「身につくと思う」と答えていた。具体的な 意見として「一般的な見解は身につくと思う」f患者の言葉に対して、まずどのような言葉. をかけたらいいか分かるようになったjなどがあった。そのほかに「もっと多くの事例パ ターンが出てくると良い」と教材の充実を望む意見もきかれた。. 噛己学習用教材として活用できるか」という問いに対して全員が「活用できる」と答 えた。具体的には「すごくわかりやすかった。正解でも不正解でも解説があり?マーク(疾 患や用語の解説画面へ移動するボタン)もよかった」「説明付きなので、自由に見ることが. できたらいいと思ったj「暇な時、空いている時間に反復してやることもできる」「要点を. つかんだ自己学習ができる」噛分のペースでやれるのがとてもいい」噛分の家で使える なら使いたいjなどさまざまな意見がみられた。さらに「暇な時などは、本は読みたくな いけどパソ=ンならやる気がおこる」という意見もあった。. 吟後、この教材をどんなときに使用したいか」という質問には、僕習前が5名、 他に「実習中に困った時」「実習申の勉強として」ドテスト前」「時間のあるとき」、. 「図書館にあって、好きなときに使いたいjという回答が1名ずついた。また、個人学 習用だけでなく暖業でも使ってみたら良い」という意見もあった。 教材の構成については、音声を除く各項目について適切であるとの評価を受けた。言語 的応答に必凄:なコミュニケーション知識の習得という教材の性質上、文字データが主とな. っているが、読みながら学習を進めていくことに抵抗はなかった。静止画は2箇所と少な かったが、学生から「もっと絵が欲しかった」という意見は1名のみにみられた。しかし、. 文字データだけではどうしても現実感や臨場感のある臨地実習場面を表現しにくく、患者 イメージの把握が困難であるため学生の思考も広がりにくいものと思われる。. 29.
(33) 2) 認知領域における評価. 解答の総発言数は、学習前の112発言から、学習後は124発言と増加した。 学習前後の発言内容:の比較(表2)では、P◎s嶽veな発言が学習前16発言から学習後 32発言と増加し、そのうち「明確化」は0から9発言に増加した。一方、Negativeな発言. は学習前23発言から学習後6発言と大幅に減少した。そのうち「否定」は14発言から3 発言に減少した。Neutralについては、学習前の73発言から学習後86発言と増加し、「説. 明の要求」が4発言から12発言と最も増加してい払また、「提案」は学習前47発言、 学習後48発言と学習による増減は認められなかったが、15のファシリテータ野鼠のなか で最もよく用いており、学生がよく使う応答であるごとがわかった。. 個人別にみた発言内容の比較(表3)では、10名中7名でPositiveな発言が増:加してい. た。また、学習前にNe.gativeな発言が見られた8名のうち6名にNegativeな発言の減少 が見られた。. 対応場面別にみた発言内容の比較(表4)では、全般に:Positiveな発言の増加、 Negative. な発言の減少という傾向がみられ、ことに問題5の「がんの転移を疑っている場面にお けるNegぬveな発言は、学習前が10発言であるのに対し、学習後は1発言と大きく減少 していた。. 教材の効果として、コミュニケーション学習への意欲が高まる教材という肯定的な評価 であった。開発教材が臨地実習場面、遭遇するかもしれない事例を取り上げており、本格 的な臨地実習を未だ経験していない学生にとって開発教材の活用は、患者との=ミュニケ ーションの擬似体験ができる機会といえる。現実場面をイメーージできることは学習への意 欲につながり、教材として活用価値溺あると学生は判断したものと思われる。そして、「病. 気のこともコミュニケーシseンと瀦に勉強できたのでよかった」という意見が示すよう に、疾患や用語の解説を入れたことにより、コミュニケーション学習とともに、疾患等に 対する学習の意欲も高めるものであったと評価できる。このような意欲の高まりは、「専門. 職者にとって重要な資質である主体的学習姿勢や自己学習能力の形成に影響を与えるだろ う。」と村中(1998)が述べているように、教材を試用した学生は、=ミュニケーーション. 学習に対してさらなる関心を寄せ、内容豊富な対応事例をもっと多く作成して欲しいと求 めていた。. また、学生は自宅や図書館等で自分のペースに合わせた自由な教材学習を望んでいるこ. 30.
(34) 表2学習前後の発言内容の比較 (発言数〉. Positive. 合震. 7 11. 16 32. ,23 6. 前後. ◎ 9 否定. 前後. 812 対決. 1 0 解釈. 31. 33ハU. 項臼 明確化 受容 自己開示 感情の反射. Nega£ive. 463. 領域. 崩戚ral. 前後. 提案 47 48 限定的質問 0 2 感想 14 格 説明の要求 4 12 情報 5 5 非言語的行動への書及 e g 肯定 1 4 その他 2 0 73 g6.
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