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令和2年版 少子化社会対策白書 全体版(PDF版)

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(1)

我が国において男性が子育てを目的として 取得する主な休暇・休業としては、育児休業 のほか、年次有給休暇や、配偶者出産時に係 る特別休暇(以下「配偶者出産休暇」とい う。)等がある。これらについて、現状どれ だけの男性がどの程度取得しているのか、ま ずはその取得の実態をみていきたい。

(1) 育児休業

育児休業は、原則として1歳未満の子を養

育する男女の労働者が取得可能であり、育児 休業の取得を通じて、男性が積極的に家事・

育児に参画できる環境を作ることが重要であ る。しかし、2018年度の男性の育児休業取 得率は6.16%であり(女性は 82.2%)、取得 日数は「5日未満」が最も多く(育児休業か ら復帰した男性労働者の36.3%を占める)、

次いで「5日~2週間未満」(35.1%)となっ ており、2週間未満の取得者が7割を超える

男性・正社員で育児休業制度を利用しな

男性の家事・育児参画の促進 【特集】

第5項でみたとおり、夫婦の理想とする子 供の数と実際に持つつもりの子供の数には乖 離があり、希望が実現できていないこと(第 1-1-21図)、また、夫の休日の家事・育児時 間と第2子以降の出生割合をみると、両者に は正の関係性がみられるが(第1-1-27図)、

我が国における夫の家事・育児関連時間は、

1日当たり平均83分と、妻と比較してその 差は大きく、先進国中最低の水準にとどまっ ており(第1-1-28図)、男性の家事・育児参 画の促進は、少子化対策においても重要な課 題の一つである。

「少子化社会対策大綱」(2020年5月29日 閣議決定)においては、若い世代が結婚や子 供についての希望を実現できる社会をつく り、「希望出生率1.8」を実現するため、「結

婚・子育て世代が将来にわたる展望を描ける 環境をつくる」、「多様化する子育て家庭の 様々なニーズに応える」など5つの基本的な 考え方に基づき、少子化対策を進めていくこ ととしている。家事・育児の負担が依然とし て女性に偏っている状況のなかで、結婚、妊 娠・出産、子育てについて、男女が共に担う べき共通の課題にしていくことが重要であ り、「男性の家事・育児参画の促進」は今後取 り組むべき重点課題の一つとして位置付けら れている。

本特集では、男性の育児を目的とした休 暇・休業の取得に関する現状について、内閣 府が2019年度に行った委託調査等の結果の 一部を紹介するとともに、政府における近年 の取組を概観する。

2 男性の育児を目的とした休暇・休業の取得に関する現状 1 はじめに

1 配偶者の出産の際に、病院の入院・退院等の付き添いなどのために、男性労働者に与えられる年次有給休暇制度以外の特 別休暇で、事業所の就業規則等で定められるもの。なお、事業所によって、制度が設けられていない場合もある。

2 平成30年度雇用均等基本調査(厚生労働省)

  https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/71-30r.html

3 末子の育児を目的とした休暇・休業の取得の有無について、「休暇・休業の取得を申請したことがあるが、休暇・休業を 取得できなかった」「休暇・休業の取得を希望していたが、休暇・休業を申請しなかった」「休暇・休業を取得することを 希望していなかった」と回答した者を母数とする。

30

(2)

1 仕事と育児等の両立に関する実態把握のための調査研究事業報告書 平成30年度厚生労働省委託事業   https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000200711_00001.html

2 女性国家公務員の登用状況及び国家公務員の育児休業等の取得状況のフォローアップ(内閣人事局、2019年11月1日)。

このほか、国家公務員については、「男の産休」(配偶者出産休暇2日、育児参加のための休暇5日)という特別休暇があ り、「男の産休」5日以上使用率は67.8%(2018年度)となっている。

  https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/files/191101_followup.pdf

かった理由については、「会社で育児休業制度 が整備されていなかった」(23.4%)、「職場が 育児休業制度を取得しづらい雰囲気だった」

(21.8%)、と、職場環境に関する理由が多く挙 げられているほか、「収入を減らしたくなかっ た」(22.6%)との理由があげられている

なお、国家公務員男性(常勤職員)の育児 休業については、2018年度の取得率は12.4%

で、取得期間の平均は2.0月であり、取得者の 68.7%が「1か月以下」の取得となっている

(2) 配偶者の出産直後の男性の休暇取得 内閣府では、「さんきゅうパパプロジェク ト」として、まずは子供の誕生直後から、男 性が短い期間でも休暇を取得し、誕生した子 供や家族と過ごす時間を増やすことで、家事 や育児に主体的に関わるきっかけにしていこ うという観点から、配偶者の出産後2か月以 内に半日又は1日以上の休暇(年次有給休 暇、配偶者出産休暇、育児休業等)を取得す ることを推進している。その取得状況につい て、内閣府が2019年度に実施した委託調査 の結果の一部を紹介する。

「男性の子育て目的の休暇取得に関する調査研究」概要

事 業 名:内閣府委託調査研究「男性の子育て目的の休暇取得に関する調査研究」

調査目的:2018年の配偶者の出産後2か月以内に休暇を取得した男性の実態及び、

休暇の取得促進に向けて必要な事柄を明らかにする

調査方法:株式会社インテージリサーチに委託し、同社に登録しているインターネッ トモニターのうち、2018年に配偶者が末子を出産した男性雇用者約1,000 名に対し回答を依頼

調査時期:2019年6月7日~同年6月11日 調査範囲:全国

回 答 数:1,174サンプル(国勢調査結果の構成比(都道府県・性別・年齢)に合わ せた委託業者の登録モニターから2018年に子供が生まれた既婚男性の業 種・従業員規模別の割合を把握した上で、平成29年就業構造基本調査(総 務省統計局)の業種・従業員規模の構成比に合わせた「2018年に子供が 生まれた既婚・男性雇用者」の母集団を作成。この母集団構成の割合に 沿って無作為に抽出した2018年に生まれた子供と同居する男性雇用者の うち、最終回答に至った者)

※ 「出産直後」とは、出産日当日から出産後2か月以内の時期をいう。

※ 配偶者の出産後2か月以内の期間について、①「出産日」、②「出産翌日から退 院まで」、③「退院翌日から出産後2か月以内」の3つの期間に分けて各期間ご との休暇取得状況を確認した。

  第2章第1章第2章

(3)

産前・産後の休暇取得状況、休暇を取得し ていなくても取得の意向があったかどうかで 分類すると、産前・産後とも休暇を取得した

者は41.4%であるが、休暇取得の意向がある もののいずれも取得できなかった者が26.4%

となった。(第1-1-30図)

第1-1-30図 末子の妊娠中から出生後2か月以内の休暇取得状況・意向(単一回答)

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100(%)

46.1

58.7 34.5 6.8

45.2 8.7

TOTAL(n=1,174) 41.4 3.5 16.4 26.4 12.4

産前・産後取得 産前のみ取得 産後のみ取得 非取得・意向あり 非取得・意向なし

ア.配偶者の妊娠中から出産後2か月以内の 休暇取得の実態

配偶者の出産後2か月以内に半日又は1日 以上の休み(年次有給休暇、配偶者出産時等

に係る特別休暇、育児休業等)を取得した男 性の割合は58.7%となり、前回調査(2016年 度)の55.9%より2.8ポイント上昇した。(第 1-1-29図)

第1-1-29図 末子の妊娠中から出生後2か月以内の休暇の取得状況(単一回答)

末子の妊娠中(n=1,174)

末子の出生後 2 か月以内

(出産の当日も含む)(n=1,174)

取得した 46.1

58.7 34.5 6.8

45.2 8.7

取得していない わからない・覚えていない

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100(%)

32

(4)

また、妊娠中から出産後2か月以内に取得 した休暇日数で最も多いのは「6日以上10 日未満」で、27.4%を占め(第1-1-31図)、

休暇取得日数が長いほど、家事、育児、定期 検診への同行や事務手続きなど夫のサポート 内容は多岐に渡っている。(第1-1-32表)



第1-1-32表

妊娠中から出生後2か月の間に、休暇を取得して特に行ったこと  

(複数回答)/合計取得日数別

(%)

n= 情報収集 事務

手続き 配偶者の

サポート 家事 育児 その他 特に行っ たことはない

TOTAL 719 34.5 50.1 81.8 58.8 63.3 0.8 10.8

半日 11 18.2 27.3 72.7 18.2 18.2 0.0 18.2

1日以上2日未満 45 4.4 22.2 57.8 31.1 42.2 0.0 31.1

2日以上3日未満 56 16.1 33.9 60.7 42.9 41.1 0.0 30.4

3日以上4日未満 79 20.3 40.5 74.7 40.5 49.4 3.8 13.9

4日以上6日未満 150 41.3 46.7 84.0 58.0 66.0 0.7 8.0

6日以上10日未満 197 37.1 53.8 86.3 65.0 66.0 0.5 7.6

10日以上 181 46.4 66.3 91.2 75.1 79.0 0.6 3.9

第1-1-31図 末子の妊娠中から配偶者の出産後2か月以内に取得した休暇の合計日数

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100(%)

TOTAL(n=719)

半日

1.56.3 7.8 11.0 20.9 27.4 25.2

1 日以上

2 日未満 2 日以上

3 日未満 3 日以上

4 日未満 4 日以上

6 日未満 6 日以上

10 日未満 10 日以上

  第2章第1章第2章

(5)

さらに、配偶者出産休暇制度に加え、男性 の育児休暇取得を促進する勤務先の取組や、

男性の家事・育児に理解のある上司の条件が 揃っている職場では休暇取得率が高く、制度

はあるが勤務先での取組や、上司の理解がな い職場、制度そのものがない職場では取得割 合が低下する。(第1-1-34図)

イ.休暇を取得した父親の職場の特徴

男性の家事・育児に係る参画要因や育児休 業取得要因については、とりわけ勤務先の従 業員規模や休暇取得を促進する制度・取組の 有無などが関係していると考えられている。

まず、勤務先の従業員規模別の休暇取得状 況をみると、末子の出生後2か月以内に休暇 を取得した者の割合は、「300人以上」の大

企業に勤務する者で66.4%、「官公庁・その 他」に勤務する者で66.5%と高くなっている。

一 方、「30 人 未 満 」 の 小 規 模 な 企 業 で は 42.0%と低く、勤務先の従業員規模による差 が大きくなっている。妊娠中に休暇を取得し た者の割合も同様に、大企業や「官公庁・そ の他」で高くなる傾向がある。(第1-1-33図)

34

第1-1-33図 末子の出生後2か月以内の休暇の取得状況(単一回答)/従業員規模別

TOTAL(n=1,174) 58.7

30 人未満(n=193)

30 ~ 50 人未満(n=74)

50 ~ 100 人未満(n=132)

100 ~ 300 人未満(n=141)

300 人以上(n=428)

官公庁・その他(n=206)

42.0 52.7 51.5

56.7 66.4 66.5

34.5 47.7

43.2 40.2

34.0 29.2 26.7

6.8 10.4

4.1 8.3 9.2 4.4 6.8

取得した 取得していない わからない・覚えていない

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100(%)

(6)

また、休暇取得促進のために何が必要かと 聞いたところ、約5割が「休暇が取りやすい 職場であれば」と回答していることからも、

職場環境の整備の重要性が示唆された。(第 1-1-35図)



第1-1-34図

末子の妊娠中から出生後2か月以内の休暇取得状況・意向(単一回答)/「配偶者出産 休暇制度」 「育児休暇取得を促進する勤務先の取組」 「上司の理解」の組合せ別

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100(%)

TOTAL(n=1,174)

制度・取組・上司すべてあり(n=158)

制度・取組あり、上司なし(n=24)

制度・上司あり、取組なし(n=250)

制度あり、取組・上司なし(n=82)

制度なし(n=660)

61.2

88.6 95.8 84.0 69.5 43.8

26.4

8.9 0.0 11.2 23.2 37.7

12.4 2.5

4.2 4.8 7.3 18.5

取得 非取得・意向あり 非取得・意向なし

  第2章第1章第2章

第1-1-35図 休暇取得促進のために必要なこと(複数回答)

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0(%)

休暇が取りやすい職場であれば 51.4

37.8 37.6 36.5 36.0 33.8 32.7 24.7

22.3 18.9 17.8 15.2 1.6

7.8 2.4 同僚に迷惑がかからない方法で休めれば

職場で育児に対する休暇制度等が充実 すれば 業務が繁忙でなければ 休暇取得による減収等の心配がなければ 昇給や昇格など、今後のキャリア形成に 影響がなければ 上司の理解を得られれば 上司自身が積極的に休暇を取得するように なれば 取引先に迷惑がかからない方法で休め れば 配偶者からの要望があれば 休暇を取って参加する重要性を本人が 自覚すれば 男性が家事・育児に参加する意義が わかれば その他 特に思い浮かばない 2か月以内に取得する必要性を感じない

(n=1,174)

(7)

ウ.休暇を取得した父親の家庭の特徴

休暇取得のきっかけは「日ごろの配偶者と の会話」「配偶者からのリクエスト」などが

多く、配偶者とのコミュニケーションも休暇 取得の重要な要素となっていることがわか る。(第1-1-36図)

第1-1-36図 育児休暇を考えるきっかけになった情報(複数回答)

(n=729)

日ごろの配偶者との会話 配偶者からのリクエスト 身近な人からの体験談 妊婦健診や産後健診への同行 上司からの声かけ 子育て情報 WEB サイト テレビ番組・ニュース パパ学級・両親学級への参加 勤務先での広報 同僚からの声かけ 母子手帳・父子手帳の受け取り 雑誌、本・ムック 自治体の広報誌(市報、区報など)

新聞 SNS やブログ 行政(国・自治体)の WEB サイト その他 わからない・覚えていない

32.8 18.2

16.9 11.8 9.9 9.6 9.2 8.5 8.4 7.4 7.0 3.7 3.3 3.3 3.3 3.6

19.5

43.5

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0(%)

36

(8)

エ.父親の家事・育児への参画意識

出生前の男性の家事・育児参画に関する意 識を尋ねたところ、いずれの項目でも「あて

はまる」と「ややあてはまる」の合計が 90%程度となり、男性の家事・育児参画に肯 定的な者が大半となっている。(第1-1-37図)

しかし、産前・産後の休暇取得状況、休暇 取得意向別で見てみると、休暇を取得せず、

取得の意向もなかった者はそれ以外の者と比 べてすべての項目で「あてはまる」の割合が

10ポイント程度低くなっており(第1-1-38 表)、家事・育児参画への意識は、休暇取得 の意向の有無にも関連しているといえる。

また、男性の家事・育児参画に肯定的な男 性が大半となっている一方、自由回答からは

「配偶者が家事・育児の主体であり、自身は あくまでも手伝う立場である」という意識が

垣間見られる回答もあり、男性が家事・育児 参画に対し、より主体的に取り組むよう、意 識を変革していく必要性も浮き彫りになっ た。

第1-1-38表 出生前のあなたの意識に近いもの/休暇取得状況・意向別

n=

育児には父親 の手助けも欠 かせない

父親はできる 範囲で、家事・

育児に参加す るべきだ

子供の成長の ためには、父 親の育児参加 が必要である

家事・育児は 男女の区別な く同様に行う ものだ

TOTAL 1,174 95.8 94.7 94.7 88.1

取得あり

産前・産後 486 97.1 96.3 96.5 89.9

産前のみ 41 97.6 92.7 95.1 90.2

産後のみ 192 97.4 95.8 96.4 91.1

非取得 意向あり 310 96.8 96.1 95.8 89.4

意向なし 145 86.9 85.5 84.1 74.5

※「あてはまる」と「ややあてはまる」を合算している。

第1-1-37図 出生前のあなたの意識に近いもの(単一回答)

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100(%)

育児には父親の手助けも

欠かせない(n=1,174) 66.1

60.1 60.3 47.4

29.7 34.7 34.4 40.6

3.1 4.2 3.8 10.6

1.1 1.1 1.4 1.4 父親はできる範囲で、家事・育児に参

加するべきだ(n=1,174)

子供の成長のためには、父親の 育児参加が必要である(n=1,174)

家事・育児は男女の区別なく 同様に行うものだ(n=1,174)

あてはまる ややあてはまる あまりあてはまらない あてはまらない

  第2章第1章第2章

(9)

(1) 男性の育児参画の促進

政府では、男性の育児休業取得率を2025 年に30%とする目標を掲げ、男性の育児休 業取得を促進する職場環境の整備に取り組む とともに、目標達成に向けた施策について検 討を進めている。2020年度より、男性の育 児休業等の取得に向けた職場風土づくりに取 り組み、育児休業等の取得者が生じた事業主

に対し支給する「両立支援等助成金(出生時 両立支援コース)」を拡充し、男性労働者の 育児休業取得前に個別面談等育児休業取得を 後押しする取組を実施した場合の加算措置を 設けている。

また、「少子化社会対策大綱」(2020年5月 29日閣議決定)では、男女が共に子育てに 参画していく観点から、男性の育児休業取得

〈家事・育児参画への主体性がみえる回答の例〉

・育児は手伝うのではない、一緒にするものである。(産前・産後取得、従業員規模 300人以上、30代)

・手伝うという第三者的な意識では不足である。自分自身が主体である、という意識 を持って臨むくらいが適当と思われる。いろいろあるが、がんばってほしい。(産 後のみ取得、従業員規模30人未満、40代)

・「手伝おうか?」は厳禁。「やっておこうか?」がよい。(非取得・意向あり、従業 員規模100~300人未満、30代)

・家事や育児を手伝うという感覚はなくす。言われる前に自分から聞いて行動する。

(非取得、意向あり、従業員規模300人以上、20代)

〈家事・育児参画について、自身はサポート役であるという意識がみえる回答の例〉

・家事や育児は無理のない範囲で、手伝うのが望ましい。(非取得・意向あり、従業 員規模100~300人未満、20代/産前・産後取得、従業員規模30人未満、30代)

・父親の育児は大事だが、母親でないとできないこともある。父親はできる限りの手 伝いをすればよいと思う。(産前のみ取得、従業員規模50~100人未満、30代)

・子供が生まれる前も家事はある程度手伝っていた。子供が生まれてからも継続して 手伝っていたが、育児は想像以上に大変で妻も家事を怠ることが多々ある。男も仕 事で疲れるが、できるだけ家事を手伝い、お互いに疲れたら無理に家事はしないで 休むことも大事だと思った。(産前・産後取得、従業員規模300人以上、20代)

・産後間もなくは2時間おきに夜中もお乳をあげるなど、母親の苦労と偉大さを実感 した。家事は可能な限り夫がサポートし、妻の精神的・肉体的負担を減らしてあげ ることが重要。(産前・産後取得、従業員規模300人以上、30代)

・子育ては一通り手伝って、見ておくべきだ。(産後のみ取得、従業員規模300人以 上、30代)

・子育ては絶対にママだけでは肉体的にも精神的にも無理なので、何かをやってほし いと言われたら素直に手伝ってあげてほしい。(非取得・意向あり、従業員規模30 人未満、30代)

3 政府における最近の動き

38

(10)

や育児参画を促進するための取組を総合的に 推進する方向性が示された。具体的には、妊 娠から出産までの手続等の機会をとらえた育 児休業制度等の周知・広報、育児のために休 みやすい環境の整備、配偶者の出産直後の時 期の休業を促進する枠組みの検討、好事例の 収集・横展開等を通じた両親学級等の開催促 進などを行うこととしており、今後施策の具 体化を進めていく。

また、国家公務員については、男性職員が 育児に参画する時間をきちんと確保し、民間 部門も含めた我が国全体の育児休業等の取得 率向上にもつなげていく観点から、子供が生 まれた全ての男性職員が1か月以上を目途に 育児に伴う休暇・休業を取得できることを目 指し、職場全体の意識の変革や、取得の勧 奨、休暇・休業中の業務運営の確保等に積極 的に取り組むこととしている

(2) 子育てにやさしい社会的機運の醸成 子育て応援コンソーシアムにおける取組

「少子化克服戦略会議提言」(2018年6月4 日少子化克服戦略会議決定)を踏まえて 2018年7月に発足した「子育て応援コンソー シアム」では、子育てに密着する各業界の企 業・団体の参加を得ながら、子育てに配慮し た取組の紹介や、分野を超えた連携に関する 情報交換等を行ってきた。2018年度(第1

~3回)は、「公共交通関係」、「旅行・観光 業関係」及び「農林水産業関係」等の分野に 属する企業・団体を対象とし、子育て支援に 関する事例紹介や意見交換等を行ったが、

2019年度(第4、5回)は、2018年度とは 趣向を変え、日本経済団体連合会、日本商工 会議所、経済同友会の経済三団体の参加の

下、「男性の育児休暇等」に関する企業の先 進事例の紹介を行った。

第4回では、積水ハウス株式会社、株式会 社リクルートコミュニケーションズ及び日本 生命保険相互会社といった大企業から、第5 回では株式会社キャッチネットワーク、株式 会社サカタ製作所及び株式会社メルカリと いった中小企業から、男性の育児休暇等に関 する取組の紹介があった。それぞれ企業の分 野や規模は違っても、「制度の充実」、「育休 対象職員とその上司への研修・説明等の意識 改革」と、何より「企業トップや管理職のや る気」が、共通する重要項であると認識され た。また、育児休暇等を取得することは、企 業における業務の属人化の見直し、生産性の 向上や、両親の介護等の少子高齢化社会に関 する問題及び自らの傷病休暇等での突発的な 人員不足にも対応できる企業の在り方につな がることが、共通理解となった。

男性が育児休暇等を取得しやすくするため の企業の工夫等が、経済三団体を通じて大企 業から中小企業まで、広く国内企業に共有さ れ、全国各地でそのための取組等が進むこと で、子育て世帯にやさしい社会的機運の醸成 が図られることが期待される。

「さんきゅうパパプロジェクト」の大規模広報

「少子化社会対策大綱」(2020年5月29日 閣議決定)では、配偶者の出産後2か月以内 に半日又は1日以上の休みを取得する男性 を、2025年に80%とすることを目標として いる。内閣府では、2015年度のキックオフ シンポジウム以来、「さんきゅうパパプロ ジェクト」による様々な取組を進めてきたと ころである。

1 国家公務員の男性職員による育児に伴う休暇・休業の取得促進に関する方針(2019年12月27日女性職員活躍・ワー クライフバランス推進協議会決定)。この方針本文も含め、内閣人事局「男性職員による育児に伴う休暇・休業の取得促 進特集ページ」において、取得計画書、業務遂行計画書、家族ミーティングシートなどを公開している。

  http://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/male_childcare/index.html

  第2章第1章第2章

(11)

2015年度から現在まで、たまひよファミ リーパークにおいてブース出展し、子供のい る家庭や妊婦とその配偶者等に「さんきゅう パパプロジェクト」に関する冊子、「さん きゅうパパ準備BOOK」を配布するなど、

周知に努めてきた。

また、2017年度には「さんきゅうパパ準 備BOOK」について、企業・団体の休暇制 度担当者へのページを設けたり、「子育てで 使える休暇」の基本知識を掲載したりするな ど、休暇取得の促進に有効な情報を盛り込む 改訂を行った。

2019年度は、動画「そうなの?さんきゅ うパパ」の作成や、「子育て応援コンソーシ アム」(第5回)において、NHK番組「おか

あさんといっしょ」の体操のお兄さんを歴代 最長期間(2005~2019年)務めた小林よし ひさ氏を「さんきゅうパパプロジェクト」広 報大使に任命する等、1年間にわたり、大規 模キャンペーンを実施した。

動画はYouTube上で50万再生を突破し、

広報大使の任命式もWebニュース等で掲載 される等、各方面への広報活動が進んだ。

今後、更に「さんきゅうパパプロジェク ト」の知名度が高まることで、男性が「子供 が生まれる日」、「子供を自宅に迎える日(退 院日)」、「出生届を出す日」などに休暇を取 得し、男性の積極的な家事・育児参画が進む ことが望まれる。

1 https://www.youtube.com/watch?v=beoS_p1sSk8

子育て応援コンソーシアム(第5回)におけるさんきゅうパパ広報大使任命式の様子 動画「そうなの?さんきゅうパパ」より

40

(12)

経営者・管理職の意識改革を含む職場の理 解促進などにより、希望する男性が育児休業 等を取得しやすい環境を整備することに加 え、「とるだけ育休」にならないよう、父親 になる男性自身がプレパパ期から妊娠・出産 への理解を深め、パートナーと協力して子育

てに取り組めるようになることが重要であ る。あわせて、長時間労働の是正など、働き 方改革を進めることも重要である。

男性が家事や子育てを行うことが当たり前 になるよう、引き続き、総合的な取組を進め ていく。

4 まとめ

  第2章第1章第2章

参照

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