レク リエー シ ョン活動援助法の授業 を
受 け る前 と受け た後 での学生の気持 ちの変化
How Students Change Their NIinds Before and After
Attending the Class of Rё creational Act市 ities Assistance Act
矢
.花
光
Hikaru YABANA‐
はじめに 福祉現場 における レクリエーシ ョン援助 とは本来
,介
護の専門職が介護 を必要 とす る人 (以 下:利用者)に
対 して,一
人ひとりに合わせた (個別の)ケ
アプランに添つて援助 を行 ってい く ものである。その流れはアセスメン トaSSessment(事前評価)に
始 まって,計
画 :プ ランニ ングplanninng,実
施 :イ ンプ レメ ンテー シ ョンimplementation,評
価 :エ バ リュエー シ ョン evaluationと して進め られてい く。 介護福祉士養成課程の中の介護実習第2段階において学生は,施
設での レクリエーション援助 を 行 うこととされている。 しか し,こ
こでの レクリエーション援助は先 に述べた個人を対象 とした もの というよりは,複
数の利用者 を対象 とする集団 レクリエーション援助 を行 うことがほとんど である。そ うなって しまう理由には以前か らの集団 レクリエーシ ョンの流れが濃 く残 つているこ とや,慢
性的な人手不足の状況 にある介護の現場では一人一人個別 に関わる時間をもつことが難 しいことなどが考えられる。その ような中介護実習に入る学生 も,施
設業務の中に埋没せ ざるを 得ず,自
然 と集団を対象 とした レクリエーシヨン援助 を計画,実
施,評
価することになる。 そのため, レクリエーション活動援助法の授業 においては,集
団 レクリエニション援助の実施 に重 きをおいて,学
生が複数の人前 に出て レクリエーシ ョン援助 を実践することを第一 として, 授業 を展開 している。 日白勺 学生が レクリエーシ ョン活動援助法の講義 を受ける前,つ
まリレクリエーション援助 に関する 知識がほとんどない状態で レクリエーション援助 を実施する上での気持 ちと,授
業 を行い レクリ エーシ ョン援助 に関する知識や体験 を経たうえで,実
際にレクリエーシ ョン援助 を実施 しようと する時の気持 ちに変化があるのか どうかを検証するものである。そ して,そ
のことか らレクリエ ーシ ョン活動援助法の授業において, どういったことを学生が学びた く思っているのかを,ま
た これまでの授業の進め方で学生が実習前 に人前で レクリエーシ ョン援助 を実施することに,ど
の 程度の緊張感や不安感等 を解消するもの となっているのか,い
ないのか。逆 に不安 を増長する授 業 になってはいないか等 を確認 し,今
後の授業にはどういったことを学生 に教授 し,よ
り学生の ためになる授業 には何が必要かを検証するものである。 対象 と方法 本学人間生活学科人間福祉専攻,レ
クリエーション活動援助法受講者2年
生21名 (男性2名, 女性19名)を
対象 とした。調査時期は レクリエーション活動援助法の最初の授業時2009年4月10 日及び,学生同士での レクリエーション援助 を互いに体験 し,誰もが1度は人前に出て レクリエー ション援助 を体験 した2009年 9月11日の2回,そ
れぞれ授業内でアンケー トを行 った。アンケー卜内容 は レク リエー シ ヨン援助 を
2段
階実習 で行 うにあた って,レ
ク リエーシ ョン活動援助法の 講義 を受 ける前の気持 ち と講義 を受 けて実際 に学生相手 に レクリエーシ ョン援助 を実施 した後の 気持 ちにつ いて,次
の項 目か ら選ぶ ように した。 レクリエー シ ョン援助 を行 うのは,① 嫌である
②緊張する
③不安である
④怖い
⑤失敗 したらどうしよう
⑥出来る
のかな
⑦おもしろい
③楽しみ
⑨笑顔がみたい
⑩成功 したい
⑪その他
さらに
,講
義前講義後のアンケー トにはそれぞれ今の気持ちを自由書いてもらい
,講
義後のア
ンケー トには さらに,授
業 にお いて必 要 と感 じた内容及 び演習 を記入 して もらった。 結果気持ちの項目として圧倒的にほとんどの学生が③不安である
,⑥
出来るのかな
,といった自信
のない項目のポイントが高く
,つ
いで②緊張する
,⑨
笑顔がみたいの順だつた。
次に授業前と授業後での気持ちの変化をみてみると
,授
業前後での気持ちに変化が見られなか
った項目としては①嫌である
,③
不安である
,だ
った。授業前よりも授業後のほうがポイントが
上がった項目としては
,②
緊張する
,④
怖い
,⑦
おもしろい
,⑨
笑顔がみたい
,⑩
成功 したい
,という結果だつた。逆に講義前よりも講義後のほうがポイントが下がつた項目は⑤失敗したらど
うしよう
,⑥
できるのか
,③
楽しみ,と いった結果になった。
自由記載を分析すると
,授
業前のアンケー トでは「苦手」「不安」「わからない」「知らない」
「楽しんでもらえない」「避けたい」「行きたくない」「負担になる」「問題が多い」
「思うように出
来ない」「うまく喋れない」
「笑顔がひきつる」
「説明がうまく言えない」
「好きじゃない」「マイナ
スに考えてしまう」「失敗したらどうしよう」等といつたマイナス
(悪いほう)に 考える言葉のキ
ーワー ドカヽ2あった。それに対 して同 じアンケー トで「笑顔がみたい」「頑張 りたい」「凄 く楽 し み」「喜んで もらいたい」「一緒 に楽 しみたい」等 とプラス (前向 き)に
考える言葉のキーワー ド は28だつた。 自由記載の授業後のアンケー トでは「出来るか心配」「楽 しんで もらえるか不安」「心配になっ た」「や りた くない」「怖い」「何 をしていいかわからな くなる」等のマイナス (悪いほう)に
考え る言葉のキーワー ドは22あり,「成功 したい」「楽 しく盛 り上げたい」「講義 を活用 したい」等の プラス (前向 き)に
考える言葉のキーワー ドは21あった。 このことは授業前のアンケー トではマイナス思考のキーワー ドがプラス思考 を大 きく上回つた が,授
業後のアンケー トではマイナス思考 とプラス思考のキーワー ドの数がほとんど同 じという た結果 になった。 これは レクリエーシ ョン活動援助法の授業において,多
少は学生の レクリエー ション援助 に対するマイナスのイメージをプラスに塗 り替えるもの となったと考える。 ―-97-―レク リエーション援助 を行 う際の気持 ち 麟授業後
"授
業前 成功したい 笑顔が見たい 楽しみ おもしろい 議来る0か な? 失敗したらどうしよう 憾い 不安である 葉機する 嫌である 1619% 61、ま0%靱
11,38%14難
鱚紗
考察 今回の調査 は調査人数が少ないことか ら信憑性は定かではないが,多
くの学生が レクリエーシ ョン援助 を実習で行 う際には,不
安な気持ちを抱 きなが ら援助 していることが伺えた。「不安であ る」のポイン トは授業前 も授業後 も値が変わらないことは,こ
れまでの授業の方法では不安感 を 解消することにはならないことがわか り,今
後の授業内容の課題である。 授業後 にポイン トが上がった項 目としては「緊張する」があ り,こ
れは実際に授業内で学生 を 相手にレクリエーション援助 を演習 として実施 したことか ら感 じた気持 ちであると考える。人前 に出て レクリエーシ ョン援助 を行 うことがいかに緊張 を伴 うものであるかを体験 してみてわかっ たことであろう。 これは「怖い」 という項 目のポイン トの変化か らも明 らかであると考える。ま た,授
業後にポイン トがあがった項 目としては「笑顔がみたい」「成功 したい」があ り,こ
の二つ は授業で レクリエーシ ョン援助 を体験 したことか らわかったレクリエーション援助 を行 うことで の楽 しみや喜びを,利
用者 にも味 わつて欲 しい といつた気持 ちの現れであると考える。 さらに, 授業前 には0%だ
った「お もしろい」が僅かではあるが,授
業後 には9.52%に なったことは, レクリエーション活動援助法の授業 を受けたことで レクリエーション自体のお もしろさを理解 した 学生がいたか らだ と考える。 逆に授業後 に
,ポ
イン トが下がつた項 目として「失敗 したらどうしよう」「出来るのかな」 とい う項 目があ り,こ
れはレクリエーシヨン活動援助法の授業 を受けたことによって レクリエーショ ン援助 に自信 をもつ学生が僅かではあるがいた と考える。 しか し,そ
の一方で「楽 しみ」である のポイン トが若干ではあるが下がつたことは, レクリエーシ ョン援助が「楽 しみ」だけでは実施 で きないことを感 じた学生の存在が伺い知れた。 レクリエーション援助は,人
と人 とのコミュニケーシ ョンと人か ら人への援助 を基盤 として成 り立っている。 レクリエーシ ョン援助者 (以下 :援 助者)に
とつて何 よりも重要なことは,自
分 自身を対人援助の媒体 としてふ さわ しく開発することであると考える。その人間的資質 としては, ① 自他への信頼 と愛情があると考える。 自分 と他者の双方 を信頼することが出来,愛
することの で きる援助者は,利
用者 との関係 を避けた り閉ざした りせず,心
をオープンにして接することが で きると考える。そ して,利
用者の主体性や個別性 を大事 に しなが ら自立 と自己実現 を促す とい う,理
想的な援助 を実施することがで きると思われる。2つ目の人間的資質 としては②熱意 と誠実 さであると思 う。 レクリエーション援助職の誠実 さを決めるのは,外
的報酬の有無ではない。外 的報酬の獲得以外 に,他
者 を思いや り,他
者の役 に立ちたい とい う気持 ちが,動
機 としていかに 強 く働いているかが レクリエーション援助職の資質 として問われていると考える。次の人間的資 質には③余裕のある落ち着いた態度が必要である。相手のペースに合わせなが ら,余
裕のある態 度で関わるのが基本であると考える。 さらに備 えるべ き人間的資質 としては④適度な心理的距離 をもつことである。援助者は温かいが決 して馴れ馴れ しくはな く,同
時に,冷
静であ りなが ら決 して冷た くはない と・いう,理
想的な態度 を実現することが必要で,こ
れは適度な距離によつて実 現で きるもの と考 える。 この適度な距離 とは,人
間 としての温か さが伝わるの と同時に,相
手 を 客観視することがで きるような,相
手 との心理的距離のことだと思 う。最後の人間的資質 として ⑤学習への意欲が必要だ と思 う。援助のための豊富 な知識 と高度 な技術 をもっていることこそ, レクリエーシ ョン援助 を展開する専門家の専門家たるゆえんである。 レクリエーション援助の現 場では,有
効 な援助法が確立 されていない問題 に,試
行錯誤的な学習による解決が図 られること もあるが,多
くの場合 に必要 とされるのは,援
助者の洞察的な学習能力である。利用者の問題 を 客観的に把握 し,そ
の背景 を探 り,計
画的に援助 したうえで,そ
の効果 を評価 しようとする援助 過程は,洞
察学習による問題解決の過程 だといえると考える。 こうした レクリエーシ ョン援助 を 行 う上で大切 な人間的資質 といった視点が,自
分のこれまでの レクリエーション活動援助法の授 業において欠けていた点であることを今回の調査か ら痛感 した。失敗 をおそれずに堂々と,元
気 よく,笑
顔で援助することの教授 に欠けていたように思 う。 ―-99-―まとめ 本研究 を行 つて