長野大学 紀要
第
1
5
巻 第
4
号
4
5-6
3
頁
(
4
1
4-4
3
2
頁 )
1
9
9
4
在宅介護支援セ ンターの
相談援助活動 におけ る記録の意義
Meaning of Records in Home Care Center's Practice
1
. ソーシャルワーク実践機 関 としての在宅介護
支 援センターの 相 談 記 銀 検 討 の 意 味
近年 、ソー シャルワー ク援助 プロセスは、かつ
ての医学 モデルに依拠 して きたプロセス とは変化
して きたoすなわち、 システム的発想やエ コロジ
カル的視座 の もとに、イ ンテー クーアセス メン ト
ープランニ ングーインターベ ンシ ョンーモニ タ リ
ングー評価 -ター ミネー シ ョンな どとい う生活モ
デルの援助 プロセスが登場 して きたのである。\ま
た、この ような変化 は新 たなアプローチ をも登場
させ 、その一方 では社会資源や 関連援助機 関 をそ
れ まで とは違 った視 点か ら取 り込んで くるに至 っ
た。
そ もそ も、これ らの変化 を導いた要因の一つ とし
ては、援助者 たちが援助 され る 1人の人間の生活
に焦点 をあて る万が効果的であ ることに着 目した
こ とがあげ られ る。そのため 、生活のあ らゆ る場
面 、また、フォーマル、インフォーマル を含めた
援助者 を とりま く施 設 ・機 関や 人たちの存在は欠
かす こ とがで きな くなって きた。 しか も、これ ら
の施 設 ・機関や 人たちは、援助者 に対 し組織的、
かつ力動 的に援助体制 を組む こ とが求め られ るよ
うになったのである。 この ような動 きの中で当然
必要 となって くる′
のが、援助者に対す る正確 な情
報の共有 であるO ソー シャルワー クにおけ る情報
は また、これ まで記録 を中心 に理解 されて きた。
そ して、これ まで、ケー スワー ク ・グルー プワー
ク ・コ ミュニテ ィワー クの中で書かれて きた記録
は
、1
人の ソー シャルワー カーが
1
機関で行 なっ
て きた援肋 の記述 にす ぎなか った。 しか し、前述
した ような状況の中では、それ ぞれの施設 ・機関
の効果的相互作用 を生み出す ために も共通 な情報
中
村
佐
織
Saori Nakamura
が必要 とな って きたため 、単 に施設 ・機関で援助
した内容 を施設 ・機 関に所属す るワー カーが記録
し保 存す るとい う形式や方法 だけでは十分 といえ
な くなって きたのである。そこで、本論文 では新
しいソー シャルワー ク援助 を模 索す るうえで欠か
す こ とが で きない記録につ いて考 えてみたい。
ところで、これ まで、 ソー シャル ワー クの記録
に関 しては、英米の先行研究がい くつかあるものの
決 して十分整理 されて きた とはいえない。そ して、
わが国において も、記録は英米文献の翻訳 を通 して
の紹介や
1
施 設の実践記録 の分析 を通 しての理解
が主 な ものであった といえる。 この こ とは、常に
「
記金
剥まとらなければな らない」と唱 え られ続けな
が らも、記録の もた らす効 果や ソー シャルワー ク
実践 での記録 に関す る共通の内容や方法の重要性
と検討がほ とん どなされていない状況 を指摘す る
のである。
しか し、今 、こ うしてい る間 も記録 は実際の援
助 活動 の中で書かれ続けているのである。特 に、
援助者の専 門性 が強調 されている今 日、実践場面
では、 どの ソー シャルワー カー で も
1
人の クライ
エ ン トに対 して同 じだけの よ り良 い援助 や対応が
求め られている。それゆえ、記録 は彼 らの専 門性
を確 立 してい く一つの根拠 となるだ ろ う。 この よ
うに専 門職や専 門性 とのかか わ りにおいて記録 の
技術 を整理 してい くこ とも急 を要す る記録検討 の
課題 である と思われ る。
そこで、これ ら二つの検討課題 を考 えてい くため
に、在宅介護支援センターの記録様式 を取 り上げる
ことに した。在宅介護支援セ ンター (
以下、支援セ
ンター )は、平成元年
1
2
月に策定 された高齢者保健
福祉推進十か年戦略 (ゴール ドプラン)によるデ ィ
サー ビス、シ ョー トステイサー ビスな ど各種サー
-4 5-415
長 野大学紀要
第1
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1
99
4
ビスの充実 とこれか らのサー ビス を円滑に結びつ
けてい く機能 を担 うために設け られた機関である。
すなわち、支援セ ンターはあ らゆる施設 ・機関や
他の専 門職 と連携 をとり、多様な社会資源 を活用
し援助 を進めていかなければな らない機関である。
それ ゆ え、 他 の施 設 ・機 関 とスムー ズに援助が
なされ るために も支援セ ンターで書かれる記録が
有効 でなければな らない。すなわち、この考 えの
基礎 には、支援センター を情報共有が可能 なソー
シャルワー ク実践機関 として とらえるこ とができ
ると考 えてお り、ゆえに新 しい記録に関す る研究
が可能になると思われ る。さらに、支援セ ンター
の職員は原則 として、① ソー シャルワー カー また
は保健婦 、②看護婦 または介護福祉士 とい うよう
に、福祉関係職種 と保健医療関係職種 の組み合 わ
せか らなる.このことも支援センター内での他職
種 間 を絶えた記録の内容や方法の検討 と情報共有
の システム を考 えてい くうえで重要になる。また、
電話 ・訪問 ・来所 を通 じて、どの ような相談に も
対応す るとい う支援セ ンターの特徴 は、これまで
の機関 ・施設では見 られない独 自な点である。こ
の点では相談方法が違 うことに よって、情報量 も
変化す ることが考 えられる。そのため、支援セ ン
ターの記録は型 どお りに展開せず、より複雑 なも
のになることが予想 され、その面か らも非常に重
要 な意味 を持つ と考 えられるo
これ まで指摘 したように、支援センターは新 し
い機関である。 しか し、す でにそこでは多 くの調
査研究が行 なわれて きている。われわれ もこれ ま
で松本市在宅介護支援センターの相談記録 をもと
に数量調査及び事例調査 1
)を行 なって きた。これ
は、相談記録が支援センターの活動状況 を客観的
に理解す るのに必要 な素材であ り、それ らの分析
を通 して支援セ ンターの課題 を明確 にす ることが
で きるとともに、今後の活動の方向性 を示唆でき
る と考 えているか らである。すなわち、相談者か
ら受けた相談内容 をただ記録 し保管す るだけでは
な く、そこで書かれた記録 その ものが援助者への
アセスメン トや客観的判断 をもた らす直接援助方
法 として重要 な意味 をもつか らである。
そこで、この論文 では、まず、これ までの ソー シ
ャルワー ク実践の中で記名
剥まどの ように とらえら
れてきたのか を踏 まえなが ら、記録の新たな視点
を整理す る。次に、実際的な相談記録は記録様式
に基づ き作成 される点に着 目して支援セ ンターの
相談記録様式の検討 を行 な う。具体的には
1
9
9
2
年
7
月に
2
9
1
の全国の支援センターに郵送調査 を実
施 して、その当時活用 していた記録様式 を収集 し
た。その結果
、
1
8
3
機関か らの記録様式の回収 を行
ない、共通点や相違点について整理 ・分析 を試み
た。 また、今 回は松本市 と川崎市の各支援センタ
ーや他機関の記録様式か らその特徴 と記録方法の
比較 な ども地域性 を踏 まえなが ら整理 を行なっ
た。 そ して、これらの全体的考察 を通 して、支援セ
ンターの記録様式-の新 たな提案 と今 日的な記録
のシステムづ くりについての課題 を模索す る。
2
. ソ ー シ ャル ワー ク実践機 関 での
相談記銀 様 式の経 緯 と今 日的視 点
ソー シャルワー クの 「良い記録は、 クライエ ン
トに対す るサー ビスの質 を保障 し、かつ促進す る。
これ ら、ソー シャルワー クの記録 を通 して、ソー
シャルワー カーは クライエ ン ト状況 を同一視 し、
記述 しアセスメン トす るOす なわち、記録はサー
ビスの 目的 を決定す るのに参考 とな り、また、記
録は到達 目標や計画、あるいは活動上に必要 な書
類 を作成 した り、最後にサー ビスの重要性 を評価
した りす る
2)」のに役立つのである。 このことは、
ソー シャルワー ク実践で記録す ることの意味 を明
らかにす る とともに、記録が新 たな クライエ ン ト
援助方法 を考 えてい く手がか りであることを示唆
している。
では、ソー シャルワー クの記録 とは一体 どの よ
うな経緯で今 日まで きたのであろうか。歴史的
3)にみ ると、ソー シャルワー クの記録の様式は
、1
9
世紀に貧困救済機関で、貧困者への支給金額や持ち
物 を
1-2
行程度に書 き留めて登録す るとい う簡
単 な元帳 の発想か ら始 まった。その後
、1
9
世紀後
半には叙述体 の詳細 な記録が登場 した。すなわち、
クライエ ン トや彼の問題について事実 どお りに書
くとい う日記 タイプの記録であった。 これは各ケ
ースに対 して ソー シャルワー カーが努力 している
とい う意志表示 をす るとともに、 クライエ ン トが
何故その間題にかかわったのか 、あるいは何が影
響 したのか を明 らかに しようとす るものであった。
-4
6-中村佐織
在宅介護 支援 セ ンター の相 談援助 活動 におけ る記銀 の意義
4
1
6
次に登場 して きたのが、過程記録 である。この
記録様式の出現は、ケースワー クが精神分析の影
響 を受けたことや タイプライターの発明 と大 きな
関係 を持 っていた。特にこの過程記雀
剥ま
、1
9
3
0
年
代以降のアメ リカでは評判が良 く、積極的に活用
されたのであるo具体 的には面接場所でのソー シ
ャルワー カー とクライエ ン トの相互作相 を記述す
るこ とに終始す る記録 であったが、わが国で も長
い間、ソー シャルワー クの記録 とい うとこのよう
な様式 を指 していた と思われる。そして、記録の
第四段階 目はそれぞれのケースにあった方法で記
述す る折衷的な記録が発達 したことである。た と
えば、簡単 な登録 は施設 ・機関のケース負担量 を
示す基礎 として用い られた り、重要 と思われるワ
ー カー とクライエ ン トの相互作用部分 は会話体 で
示 された り、またある部分は要約 された りとい う
記録 となった。 ここで、特に強調 されたのは、ケ
ースを個別化す ることの重要性が強調 され、個別的
な記録が求め られたことであった。そ して、ここ
までの記録研究は どちらか とい うと記録様式では
な くどのように記録す るか とい う記録の仕方に力
点が置かれていた ようである。
一方、この ように記録が発達 して きたのに もか
かわ らず
、2
0
世紀初めにはソー シャルワー ク記録
の価値が認め られな くなって きた。記録 をす るこ
とが ソー シャルワー クで行 なわれた当初 は、記録
は どの ような援助 を行 なったのか を手短に記述す
る 『
証拠』 としての役割が中心にあった。 しか し、
その後、記録は クライエ ン トの 目の前で書かれる
べ きであ り事実 を記 さなければならない とい う見
解が出て くるに したが って、ソー シャルワー カー
に とって記録す る という行為 は非常に面倒 な作業
となっていった。 こうした変化は記録 を付随的で
余分 な もの とみなす傾 向に発展 していった と考 え
られ る。ティム ズは、こうした傾 向が今世紀の初
期にみ られ、現在ではみ られな くなった と述べて
いるが、わが国にお きか えると、多 くの実践機関
や専 門教育の中では今 で も記録す ることの必要性
は理解 して も、それについての検討がなされてい
ないのが現状だろう。
そして
、1
9
7
0
年代に入 り、記録の形はます ます
多様になって きた といえよう。特徴的な ところで
は、エ コロジカル的な視点か ら援助す る際に登場
して きたエ コマ ップ
(
Ec
oMa
p)
やケースマネー
ジメン ト
(
Cas
eManage
me
n
t
)
・アプローチで用
い られる一連の記録の様式な 夏が非常に新鮮 であ
る。 まず、エ コマ ップに関 しては
、1
9
6
0
年代 に登
場 した生活モデル と関係が深い。生活モデルはこ
れ までの医学モデルの ように、 クライエ ン ト自身
だけに着 目するのではな く、システム的発想やエコ
ロジカル的視座か らクライエ ン トと彼の環境 との
間に起 こる交互作用に焦点 を合わせ た援助 である
だけに、エ コマ ップはその全体像 と生活の中でか
かわる他者や機関の変化 を正確かつ客観的に記そ
うとしている。エ コマ ップその ものは、キャロル・
メイヤーが考え、その後
1
9
7
5
年、ア メ リカの ミシ
ガン大学の学校 ソー シャルワー クのプロジュク ト
で家族のニーズを検討す るためのアセスメン ト方
法 として、アン ・-- トマ ン
4)によって開発 され
て きた。わが国で も岡本民夫たち5
)は積極的にエ
コマ ップ を取 り上 げて きている。エ コマ ップは、
クライエ ン トを取 り巻 く人や機関な どの動 きをシ
ュ ミレー シ ョンす る図式 をさし、「男女」・
「
死亡」・
「関係の強弱」な どにつ いて基本的な表記方法が示
され、紙 と鉛筆 と簡単 な学習によって記述可能に
なる。 また、エ コマ ップの特徴は、① クライエン
トと一緒に作成す る過程 であること、②社会資源
の状況理解 、③支援ネ ッ トワー クの理解 、④書 き
直 してい くことで以前のエ コマ ップ を通 して援助
プロセスの変化の理解が可能 となるこ と、な どが
あげ られる。
一万 、ケースマネー ジメン トにおけ る記録は、
多種類の記録様式 を活用 し対応す ることろにその
特徴があると思われる。次節で紹介す る在宅介護
支援センターの中には、このケースマネー ジメン
ト的アプローチ を用いて実践 を行 なっている機関
がい くつかあるOケースマネージメン トが従来の
ケ-スワー クに取 って代 わる方法であるとい う考
え方 もあるが、今後 ソー シャルワー クの中での位
置づけについては、十分に検討す る必要がある。
しか し、これまで紹介 されている内容か ら理解す
ると、ケースマネー ジメン トは在宅福祉の視点か
ら、クライエ ン トに対 して現在提供 されているサ
ー ビスの修復や連絡調整 と新 たなサー ビス提供 を
通 して、彼の在宅生活 を機能 させ た り、維持 させ
てい くための方法 として有効 である といえるCそ
- 47-417
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第1
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1
99
4
のために、記録は
lヶ- スマ ネー ジメン ト活動 に
必要 な情報 を記録 し、後 日の解析の基礎 資料 とす
るために文書管理 の システムが不可欠
」6
)
になる。
た とえば、白澤政和に よる と、ケー スマ ネー ジメ
ン トの記録様式は 「ス ク リーニ ング ・インテー ク
用紙」・「アセス メン ト用紙」・「ケア計画用紙」・
「
情 報 提供 先 及 び入 手先承諾書」・「
援助着手承諾
書」・「
サー ビス管理票」・「
観察記録票」
7
)
があげら
れている。 この ように 多種類の様式の必要性 は他
のケー スマネー ジメン トに関す る文献の中で も多
かれ少なかれ指摘 されているこ とである。 さらに、
ケー スマネー ジメン トには、①様式の種類は 多い
が 、チェ ック項 目で記載 出来 る内容が 多い、②福
祉 だけ でな く保健 ・医療 の領域 も記載可能 、③様
式 自体が現実のサー ビスの利用や調整に直接かか
わ る、④情報 を共有す る とい うクライエ ン トの理
解 と認識が前提 となる、な どの特徴 もみ られ る。
この ように、記録様式の変遷 をみ る とソ- シャ
ルワー クの援助方法 との関係 で必要 とされ る情報
や 、
面接だけか、また広 く訪 問 も含 んで収集 され る
情報 では、作成 され る記録様式には相違がみ られ
る。特 に、今 日的な記録様式は、広範かつ正確 な
情報が収集 で きるよ うに作成 されて きている。 さ
らに、従来か ら記録の 目的は、① クライエ ン トの
直接援助 に役立てる、②実践 を高め るための教育
や訓練 、③情報の共有化や保存な どが あげ られて
いるが 、新 たな視 点か らの記録 は、特 に直接援助
へ の機能の強化 をよ り鮮 明に した といって も良い
だ ろ う。 また、客観 的理解が 中心 であ るため 、チ
ェ ック項 目が 多か った り、だれで もある程度の学
習に よって記述 で きる点 で も工夫が されている。
しか しなが ら、これ まで意外 と記録 に費やす時間
につ いては問題に されて こなか った。 また、エ コ
マ ッ7や ケースマネー ジメン トの記録様式では、
かつて、シェフ イール ドが 「記録 とは ソー シャル
ヒス トリーの こ とである
」8
)と述べているようなソ
ー シャルワー カー とクライエ ン トの援助過程 にお
け る相互作用の動 きや変化 してい く様子 とい う観
点か ら記録様式は検討 されていない。 しか しなが
ら、今 日い くつかの新 しい視 点が見 られて きたこ
とは事実 である。 そ して、これ らの点 を踏 まえ、
次の在宅介護支援 セ ンターの記録様式等の考察 を
通 して、実際の援助 の中では どの ような特徴 と問
題があるのか を整理 してみ る。
3
.在 宅 介 護 支 援 セ ンタ ーの
記 録 の 特 徴 と問 題
1)二つの調査の概要
ここで述べ ようとしている在宅介護支援センター
の記録の特徴 と問題点は、先に述べ たように
2
つの
調査か ら求めた ものである。一つは
、1
9
9
2
年
7
月に
全国
2
91
の支援センターに行なった記録様式 の郵送
調査 である。そして、当時活用 している相談援助に
用いる記録様式 を
1
8
3
機関か ら回収 した結果 を分析
した。 しか し、在宅介護支援セ ンターの設置 自体が
1
9
9
1
年 に始 まったばか りであったので、回収の時点
で まだ支援 セ ンターが運営 されていない ところ も
あった。そのため、記録様式が作成 されていない機
関が あった り(
1
機 関 )
、 また、現在使用 している
様式は今後 、変更子走 である とい う状 況 も理解 さ
れた。そのほか に、送付 された記録様式の中には
支援セ ンター名が不 明な機関が
3
件 あった。回収
した記録様式につ いては、具体 的に どの ような項
目を作成 しているのか、その中で共通点や相違点が
み られ るのか を理解す るために資料
1
の ような各
都道府県別 に
1-3
程度の支援 セ ンター をとりあ
げそのセ ンターの記録項 目をあげてみた。 また、
支援 セ ンターに よっては支援 セ ンターの案 内パ ン
フレ ッ ト、サー ビス利用者台帳 、各種サー ビス申
請書や介護 用 品発注書 など、援助 ケー スにかかわ
る一連の様式が送付 されて きたのだが 、ここでは
相談援助記録 として活用 してい る と思われ る記録
様式一つに絞 り、その項 目をすべ てあげてみたの
が資料
1
である。 もちろん、都道府県によっては
3
つ以上の支援センタ-か ら記録様式が送付 されてき
てお り、すべて 目を通 し、整理の指標にそって分析
をしていったが 、資料の形式上、項 目すべ て をとり
あげた支援 セ ンター以外は名称 のみ とした。
まず
、1
8
3
の相 談 記録様式全般 に共通 にみ られ
る特徴 と資料
1
か らの分 析 を通 して、項 目で理
解 で きる共通 的特徴 を明確 に してい く。但 し、支
援 セ ンター の実 践 活動 は行政 や 支援 セ ンター 自
体 の方針 、 地域 の実 践 活動 は行 政 や支援セ ンタ
ー 自体 の方針 、地域の規模や地域性 な どに よって
変化す る と考 え られ るので、ここでは数量的な調
-
48-中村佐織
在宅介護支援センターの相談援助活動における記録の意義
41
8
査結果 を報告す るのではな く
、 1
枚
1
枚 の記録様
式 を調べ なが ら、共通 の特徴 と各支援 セ ンター独
自にみ られ る特徴 を整理す る方法 をとった。
二つ 目の調査 は在宅介護支援 セ ンター と関連す
る他 の機関 をとりあげ、支援セ ンター間や支援 セ
ンター と社会福祉協議会 ・行政 の他機関が どの よ
うにかか わってい るのか 、特 に情報 の共有 とい う
こ とでは どこまでなされているのか を明確 に して
い く。 その ため 本調 査 は、 松 本市 と川崎市 をと
りあげて 各支援 セ ン ターや 他 機 関の職 員- の ヒ
ヤ リングと記録様式 な どの資料分析 を中心 に比較
検討 しなが ら考察 を進めた。
ここで、松本市 と川崎市の支援 セ ンター を選定
したのには、以下 の理由があ る。それは松本市 に
関 しては、①市 を中心 としなが らも中学校 区単位
で支援 セ ンタ-が増 えてい く中にあって、当時、
松本市には
1? しか なか ったこ と、②職 員設置や
運営方法が 「
在宅介護支援セ ンター運営事業の採
択方針」の設置条件 に沿 ってい るこ と、③松本市
全域の在宅 の対象者や介護者 を対象 としているこ
とか ら多 くの地方都市の状 況 を反映 してお り、地
方都市の典 型 ととらえるこ とが可能 であるため選
択 に至 ったo また、川崎市につ いては、(
彰政令指
定都市 であ り、す でに
4
カ所の設置があ るこ と、
(
参川崎市の運営事業実施要綱や 自主事業な どを加
えた相談事業 を行 なっているこ と、(
診登録制 で相
談援助 を行 なっているこ と(川崎市 自体 が8.
4% と
い う低 い高齢化率 であるこ とも関係 している と思
われ る) と、豊富 な社会資源 の数や援助活動 の地
域 区分な ど、がみ られ大都市型 ととらえるこ とが
で きるか らである。 この ような点か ら両者 を比較
してい くこ とは、地域状況の違 いに よる記録 の相
違や対応 を理解す る うえでは非常 に意味がある。
さらに、ここではこれ まで ヒヤ リング調査 を実
施 して きた各地の在宅介護支援 セ ンターの中で記
録 に関 して独 自の工夫 を行 なっている支援 セ ンタ
ーの状況 も紹介 してい きたい。
2)在宅介護支援セ ンターの
相談記録様式の特徴 と問題
まず、全国
1
8
3支援セ ンターか ら送付 された相
談記録様式の 多 くにみ られ る共通の特徴 を記録様
式全般 につ いて と記録 の項 目につ いてそれぞれ整
理す るO(
資料
1参照 ) 第- に記録様式全般 につ
いてみ ると
、 1
種類 で
B5
サ イズの様式 を活用 し
ている支援 セ ンターが 多い。一般 に
、2
種類以上
の様式 を使用 している支援 セ ンターは、主 に個別
ケース用 と市町村提 出用に分けて用 いられている。
また
、1
支援センターで記録様式数の最高は、保谷
市在宅介護支援セ ンターで
9
種類使用 していた。
その内訳は 「
保 谷市在宅介護支援事案
相談用紙
1
」、「
体 温表」
、「1
週 間のサー ビス提供 スケ ジュ
ール」、「
ケア か- ド
A
」、「
ケア指示表」、「
在宅老
人援助 記録」、「
保 谷市高齢者在宅介護支援 セ ンタ
ー連絡 ノー ト」、「
高齢者サー ビス調整チームケー
ス検討記録」、「
機 関連絡調整 シー ト」 である。そ
のほか に特徴 的なのは、一般 的には相談記録様式
1
枚の中にケー ス ・ヒス トリー としての援助過程
が記載で きるものが 多か ったが、中には援助過程
重視や継続 ケ-ス を見込 んで 白紙 あ るいは罫線が
引いてあ る別様式 もみ られたこ とだ った。
第二に相談記録様式の項 目であるが 、対象高齢
者に対す る病歴 、家族歴 、生活歴 に関 してフェイ
スシー ト的な項 目が きめ細か に作成 されている。
また、それ らの項 目の多 くはチ ェ ック リス ト項 目
であった。そ して、項 目の 多いこ とは記録時間の
多き と関係 している。『
福祉事務所における老人 ・
家族援助 に関す る調査報告
』9)では、老 人福祉担 当
のソー シャルワー カーが
1
日に記録に費やすため
に
1
時間
3
0
分以上必要 と思 われ る者が
5
5.
2%
お り、
実際に費や している者が28.
9% しか いなか った と
い う調査結果が でてお り、それか らも理解 で きる
ように記録時間の問題は重要 な課題 となってい る
と思 われ る。ゆえに、細か な相談項 目とチ ェ ック
リス ト項 目が 多い とい うこ とは、 よ り効率 よい援
助が実施 され るための記録 時間の短縮 と客観性 を
重視 した項 目になっているこ とを示唆 している。
また、各支援セ ンターの様式に共通 に含 まれて
いる項 目としては 「
受付年 月 日」、「
相談者氏名 ・
性別 ・続柄 ・住所 ・電話」、「
相談対象者 (
本人)
氏名 ・性別 ・住所 ・電話」、「
相談方法 一電話 ・来
所 ・訪 問 (・文書 )
」、「同居 の 有無」、 「
相談対象
者の健康状態に関す る項 目
(
ADL
・身体 お よび精
神状態 )
」、「
病歴」、「
医療 の受診状況」、 「家族 状
況」、「
相談 区分 (
相談 内容 )
」、「
他 のサー ビス利用
状況」があった。これ らの項 目か らもわか るように
-4
91
4
1
9
長野大学 紀要
第1
5
巻 第
4号
1
99
4
様式は、非常に客観的で広範 情報 を集め るように
工夫 されている。中で も個別のケースに対応す る相
談記録様式の重要な項 目として 「
相談区分 (
相談内
容
)
」がある。一般的に、「
相談区分 (
相談内容
)
」は
客観的判断ができるようにい くつか類型化 された分
類項 目とそれ を補 足 し、相談援助 のプ ロセスが書
け るような 自由記載 の項 目で構成 されている。そ
して、類型化 された 「
相談 区分 (
相談 内容
)
」の細
項 目は 「介護 相 談 」・「介護 機器」・「医療相談」・
「
施 設入所」・「
施設利用」・「
在宅福祉サー ビス」・
「在宅 相 談 」・「経済的問題」・「
心理 的 ・精神 的問
題」・「
家族や対 人関係」 な どに分類 されている。
しか し、分類の内容 に規定があるわけではないの
で、さらに細分化 された項 目を立てている支援セ
ンター もあった。た とえは、「
施設利用」や 「
在宅福
祉サー ビス」の項 目な どでは 「デ ィサ ー ビス」・
「シ ョー トステイ」・「ホー ムヘ ルパ ー」 の ような
具体 的サー ビス内容 で分類 されていた。
次に、各支援セ ンターや行政の運営方針 、母体
施設 とのかかわ り、地域性 な どに影響 されて実施
している独 自な相談記録様式の特徴 につ いて整理
す る。先 に共通点で整理 して きたの と同様に記録
様式全般 につ いてみ ると
、4
つの特徴 があげ られ
る。 第一 は
、2
つの市 で市 内の どの支援 セ ンター
も統一 された相談記録様式 を採用 していたこ とで
ある。(
京都市 、熊本市 ) これに よって、市 内に
支援 セ ンターが数 あれば共通の様式 を用 い る方が
連絡調整 しやす く、情報 も共有 で きる利点 を持つ
と思 われ る。 また、市か らの委託事業 であるため、
統一記録が行政の支援センターに対す る方針の
1
つ
として行なわれているとも考 えられる。この点につ
いては、①市 に対す る報告 内容の統一 、② 市の他
施 設 ・機関 との情報共有 とい う効果が期待 で きる
のではないだろ うかO
第二の 特徴 は、支援 セ ンター の相 談援 助形態
が一般 的 な面接援 助 とは違 うため、 月曜 日か ら
土曜 日の通常の勤務 時間以外に使用 され る記録様
式 を作成 している点 である。具体 的には、①訪 問
記録に関す る別様式 (
旭 川市 、川崎市、羽咋市 、
稲沢市 、丸亀市 、高松市 、行橋市 、延 岡市 、鹿児
島市 、鹿屋市 )、② 介護 用 品購 入 に関す る別様式
(
佐野市 、福井市 、徳 島市 )、③サー ビス実施計画
票 (
岩手県東和町、小松市、保 谷市、 川 崎 市 )
、
④ 日 ・祝 日 ・夜間に関す る別様式 (
飯 田市 、<松
原市> 、西条市、新居 浜市 )がある。 この ような
別様式 を採用す る とい うこ とは、支援セ ンターが
2
4
時間体制や電話 ・来所 ・訪 問 とい う連絡方法、
そ して介護用品か ら直接サー ビス まで幅広 い援助
であ り、他機関 と違 うユニー クな援助 を展開 して
いる ところに関係 している。 さらに、電話 での相
談や介護用 品購入 とい う
1回で終 了す るケー ス と
継続 してい くケー スや複雑 で長期化す るケース と
は分 け、⑤援助対象者のみに個別記録様式 を使用
しようと考 えている市 (
膨 田市 ) もある。
また、⑥ 記録用紙 を色分 け した り(熊本市 )
、⑦
受け付けられたケースの問題に対応す るマニュアル
を作成 した り (
松任市)とい う工夫 もあった。 これ
らは、記録様式 自体 の工夫 とい うよ り、実際的な
援助や ケー スの整理 に役立つ指摘 として評価 で き
る。
次に、支援 セ ンター独 自の記録様式の項 目につ
いて主 な もの をみてい く。初めに、類型化 された
相談 内容 と対応内容の項 目の どち らの項 目もある
支援 セ ンター をあげてみ る。(
松本市 、
静 岡市 、
広島
市 、
大和市 な ど)
具体 的には、「
指導 ・
助言」・
「
情報提
供」・「
介護機器の紹介」・「
施 設入所」・「
福祉サー ビ
スの利用 申請」・
「
他機 関へ の紹介」な どが共通項 目
であった。それ以外は、相談 内容 の項 目があるが
対応内容 の項 目がない、あるいは対応内容 はあ る
が類型化 された項 目でな く自由記載項 目である と
い う支援セ ンターがほ とん どであった。 この場合 、
対応 内容 の項 目がない記録様式は援助開始 に受け
た主訴 と援助結果の内容が混同 Lやす い とい う問
題 を持 っている。ゆえに、多 くの支援セ ンターが
この傾 向 である とい うこ とは、正確 な情報が記載
されていない点が指摘 で きる。
第三 には、医療機関に併 設 された支援セ ンター
には独 自のサー ビスが あ り、その項 目が記録様式
に含 まれていたこ とである。(
大町市 、
北 九州市 、
都城市 )これは、支援 セ ンターが設置で きる母体
施設は特別養護老人ホーム ・病 院 ・老人保健施 設
であ り、調査段階 までは、設置数が 多いのが特別養
護老人ホーム となっているOこうした状況か ら、病
院併設の支援センターは少ないので、当然サー ビス
項 目も特徴ある内容 となる。 また、医療機関 を中心
にサー ビスの展開が行 なわれ るため、当然、独 自
- 50-中村佐織
在宅介護支援セ ンターの相談援助 活動 におけ る記録 の意義 -
4
2
0
な項 目が作 られ るのである。
第四 としては、介護サー ビスの緊急度
ADL
や身
身体状況のチェックリス トを用いて点数化 した り評
価 した りす る項 目があることである。(
美濃加茂
市、和歌 山市 )支援セ ンターで行 なわれ るサー ビ
スの大 きな役割の一つは緊急時に即 、対応で きる
ことであ り、た とえば、看護 ケアやホーム-ルプ
サー ビス利用について、一般的に行政の援助 では
手遅れになって しまうような援助 も多い。それゆ
え、この ような緊急度 を予測 した対応は重要 な意
味 を持つ と思 われ る。 そして、最後は、相談 内容
の項 目の コー ド化 である(
保谷市)
。保谷市では、
相談内容 を
6
項 目、その中を法律 であれば、家族
問題
2
0
1
0
0
0
、財産 ・金銭
2
0
2
0
0
0
とい うように項 目
をコー ド化 している。コー ド化は多くの記録 を整理
した り保存す るのに効果的であ り、今後の コンピ
ュー タ化への大 きな手がか りとなろう。
3
)在宅介護支援セ ンターと他機関の記銀の
比較 を通 しての特徴 と問題
ここでは、松本市在宅介護支援センター と川崎
市在宅介護支援センター (
2
カ所 )を中心に資料
分析 とヒヤ リング調査 を通 して比較 を試みた。(
表
1
参照)まず、松本市のように
1
カ所 しかない場合
と川崎市のように
2
カ所の支援センターがある場合
には、記録や情報の とり万に相違がみ られ るか を
記録様式や実践活動か ら整理す る。次に、各支援
センター と関係す ると思われる社会福祉協議会や
行政
(
川崎市民生部高齢福祉課) と支援セ ンター
とのネ ッ トワー ク化の状況について も気づ いた点
を指摘 してい く。
まず、松本市 と川崎市の支援セ ンター で理解 さ
れるのは、両方の記録様式や その項 目がほ とん ど
同 じに もかかわ らず、相談援助 を行 な う対象者の
受け入れに相違があることである。つまり、松本市
ではだれで も援助 してい く。すなわち、匿名 で も
援助 してい くが、川崎市の場合 は登録制 を採用 し、
初めて援助 を申し込んできた段階か ら登録 される
システムになっている。そのため、松本市の支援
センターの記録様式では匿名ケースや
1
回で終了
ケースではほ とん ど書 き込めないことがわか った。
一万 、登録制 を採用 してい る川崎市の支援セ ンタ
ーは、対象者が初めて支援セ ンター とかかわる時
に情報 を聞 き取 るために時間がかか るものの、最
終的には どの利用者 も同 じだけの情報があ り、後
の対応は便利になると思われ る。
また、川崎市の支援セ ンターの場合
、 2
カ所あ
るので支援セ ンター間の連絡調整は どの ようにな
っているか を調べた。現在は、川崎市全域で登録制
システムを採用 しているので、対象者が転居 した
場合 に連絡が可能であるとい うことだった。本来
ならば、 もっと多面的に記録のや りとりがあるべ
きだ と考えられるが、各支援センター独 自の活動 を
軌道に乗せ ることが現段階の中心課題になってお
り、この点については今後に期待 される課題である
だろうQまた、ヒヤ リング調査で把握 されたことだ
が、記録の書 き方についてはそれぞれの記録者の専
門性 (ソーシャルワーカー ・保健婦 ・看護婦 ・介護
福祉士 )を生か した記録 内容が作成 され るまでに
は至 っていないが、正確 で客観的な情報記録の必
要性 は強調 されていた。 さらに、川崎市高齢社会
福祉総合セ ンターは、保健の分野で使われている
記録様式 を参考に支援センターの様式 を作成 した
ことも付け加 えてお きたい。
次に、他機関 との連携についてであるが、前提
として松本市支援センターはほ とん ど連携がない
状況で、一方、川崎市の場合 は多少の連携がみ ら
れた。こ うした状況の中では、他機関 と連携があ
る場合 は、記録 を通 じての情報交換や情報伝達方
法が作 られていた。 しか し、各機関の記録様式は、
あ くまで も機関内の個 人デー タ収集が中心 で、他
機関 との連絡調整に 目を向けた記録様式 とはなっ
ていない。そのため、記録様式の項 目がかな り重
視 されるべ きであ り、今後は記録時間の短縮 と情
報共有の視点か ら、整理 された記録様式 を考 えて
い く必要がある。
4
) ヒヤ リング調査か らみた
他の在宅介護支援セ ンターの記録活動
最後に、これ までわれわれが ヒヤ リング調査 を
実施 して きた中で、記録に関 して参考になるよう
な実践 をい くつか紹介す る。
初めに枚方市ホームケアセ ンターであるが、ケ
ースマネー ジメン ト ・アプローチ を実践 している
機関であ り、併設施設のサー ビスや社会資源の利
用 とネ ッ トワー クに関 しての記録が充実 しているO
-
51-表 1
支 援 セ ン タ ー と他 機 関 の 相 談 記 銀 の 比 較
松
本
市
の 場 合川
崎
市
の 場合
(
区 レ ベ ル で 連 携 )
I松本市在宅介護支援セ ンター
松本市社会福祉協議会
川崎市高齢社会福祉総合セ ンター
在宅介護支援セ ンター「
和楽館」
川崎市民生部高齢者福祉課
記 録 者
看護婦, ソー シャルワ- カー
保健婦, ホーム-ルパー
保健婦, ソ- シャルワー カー,
指導員,事務兼運転手
兼務指導員,運転手
ソー シャルワー カー,看護婦,
-
ソー シャルワー カー
様 式 数
1
(
常時)
8
(
適宜 )
6
(
適宜 )
3
(
常時)
1
0
(
適宜 )
樵
「
松本市在宅介護相談 カー ド」
「
報告書」 (
訪 問記録 )
「
利用者世帯状況表」
「ケー ス連絡表」
『
川崎市在宅寝 たき り老 人等一時
「
訪 問記録表」
「
相談内容」
「利用者台帳」
入所事業要領』に基づ く様式
「
サー ビス 日誌」
「在宅介護支援センター業務 日誌」
「
痴呆 .
寝 たき りに関す る記録表」 「
一時入所登録者調査票
」,「
-時人
式
の「ホームヘ ルパー .入浴 .その他
(ホ-ムヘ ルパ-記入用 )
「
「
面接相談 .電話相談記録」
訪問記録」
所登録 .更新 申請書
書
」,「
一時入所登録
」」,,「
「
健康診断
一時入所
種類「緊急連絡 カー ド」
「申請の決定通知」
「
「
健康 診断書」
サー ビス事業連絡表」
訪問家庭 台帳」
「ケー ス記録
」所解除通知書
決定通知書
実施状況報告書
「
け
登録者調査票」
」,「
一時入所利用 申込書
」,」,「
登録変更 .廃 止届
,「一 時 入所 事 業
」「
登 録 者 台帳
」,「入
」,主に共通
① フェイスシー ト (
②相談 内容 (
問題 )
相談年 月 日,氏名,年齢,住所,家族状況等 )
(
②対象者の状況
彰フェイスシ- ト (
(
ADL
相談年 月 日,氏名,年齢,住所,家族状況等 )
,身体 .精神状 況,医療状況)
す る記録
③処理解答,対応方針 (または- ルパー記入用のサー ビス内容 )
③主訴,問題
様式項 目
④ ケー ス記鼠
結果,今後の方針
⑤移送サー ビス欄
主に独 自 (
⑤相談項 目,処理解答項 目
動相談方法
⑥
ADL
状態,バイタルサ イン,福祉制 ⑦生活の様子 (
,病状,心身の状況,介護 ⑥ 介護者の状態
1
日の流れ )
(
⑲登録施 設名
9登録番号
な 記 録
様式項 目
(
診家事援助 .身体介護に関す るサ
度の利用状況
ー ビス項 E
]
⑧現在受けているサー ビス (
介護者 を支 える家族 .近隣 も含む )
⑪住居の状況
⑲ 関係機関
⑲ 担 当福祉事務所名
⑲ 負担区分 (
生保か一般か )
記入上の
④匿名ケー ス も受付け iので,記
伝)
ホーム- ルパ-記入のサー ビス ㊥登録制 (カルテ方式 )のため 、新規 の相談か ら個 人情報 をとる
① シ ョー トステイの登録方式 (
宿
録項 目すべてが記入で きないこ
日誌 ではケース内容が把握 で き
(
匿名での相談 は受 けない)
祉事務所に登録後,支援セ ンタ
特徴 及 び問題 (ヒ
ともある
ない (
記録 の仕方に問題 )
①登録制 はJ
I
I
崎市全域 のため 、転居連絡は可能
-が調整 )採用
⑥継続ケー ス も新規 ケ- ス も同 じ ④支援セ ンター と同 じケー スに も ㊥面接 .電話 と訪問の記録様式が
分かれている
① 緊急対応は していない
⑥様式一元化 は秘密保持 の点か ら
現状 では無理
㊤支援セ ンターで活用 されている
如
苛
汁
蛸
識
柵
部)5
林
部
4
%
) 9 9 4中村佐織
在宅介護支援 セ ンターの相談援助 活動 におけ る記録の意義
4
2
2
また、記録 された個 人ファイルはソー シャルワー
カー、看護婦、-ルパーが常に見 るこ とがで き、
書かれた情報は交換 され、基本的な資料 となると
い う共通認識がで きていた。
次に、四条畷市在宅介護支援センター をあげる。
ここの記録の特徴は、まず、施設利用に関す る申
請書や個 人情報 な どで至急に必要 な場合 は行政 と
の情報交換がで きるようになっていたこ とである。
しか も、ファックス利用 も行 なっている。 また、
在宅 にいる利用者や家族 も記録 に参加 できるよう
に、各家庭 ごとに記録 と連絡 を兼ねたノー トが置か
れていることも特徴 であろ う。さらに、コンピュー
タに よる情報 システム を開発 し、行政 との情報交
換 を試験的に行 なお うとしている。 この情報 シス
テムの開発は四 日市市在宅介護支援センターで の
ヒヤ リングの中に も開発 中であるとい う話が聞か
れた。
この ように、各支援セ ンター ごとに記録様式か
ら記録方法 まで試行錯誤 しなが ら実践 して きてお
り、特にここで紹介 した機関は情報共有化 につい
て先駆的に実践 を進めている。 しか し、システム
が整 えば整 うほ ど、一方 で患者の個 人デー タ公開
と範囲にかかわる問題について今後 ます ます考 え
ていか なければな らないだろ う。
4.
在宅介護 支援 セ ンタ-の記銀様 式 と
記録方 法 につ いての 課題
最後に、これ までに述べて きたこ とをふ まえ、
在宅介護支援セ ンターの相談記録様式に関 してい
くつかの具体 的な提案 を行 ないたいOすでに述べ
て きた とお り、支援センターの主な機能 は、他機
関 ・他施設 ・他の専 門職 との間に情報 を共有 した
連携に よる援助 である。これは従来の施 設や機関
内で 自己完結す る援助 とは認識 を新 たに した援助
なので、この視点 を重視す るな らば記録様式作成
に も新 しい発想 を導入す るべ きである。 まず、第
一 は他機関の協力を得 た記録様式 を作成す る とい
う過程が重要 となる。従来、施設 ・機関の記録様
式はそこに所属す る人たちに よって作成 されて き
た。 しか し、今後、支援センターの記録様式は関
連施設 ・機関の専 門職 または母体施設の他の専 門
職 の人たちの意見 を加 えて作成 して行 くことが望
ましい と思われる。 さらに、その過程 を通 して信
頼関係が形成 され、援助場面での情報交換がスム
ー ズに行 なえることも考 えられる。 また、記録様
式作成段階で他機関 ・施設の記録様式 と重複す る
項 目を取捨選択 できる利点 もあるだろ う。そ して、
このことは記録時間の短縮に結びつ くと同時に必
要 な項 目に時間 をかけ正確かつ客観的な記録 をと
ることをも可能にす ると思 う。
しか しなが ら、支援セ ンターが他施設 ・機関 と
の連携の中で担 う役割は、(
丑支援セ ンターの方針、
②支援センターにかかわる行政の位置づけ、③連
携施設や機関内での専 門性や力量に影響 され、単
一 な記録様式ではな く、これ までみて きたように
地域性 を考慮 した記録様式が求め られている。そ
のため、市や町村単位 で活動 している支援センタ
ーであれば、各支援セ ンター ごとに作成 された記
録様式 よりも市や町村単位の様式の方が有効 であ
り、「
共通様式採用」とい う考 え方 もある。 また、
情報共有につい ては、利用者の個 人情報公開の範
囲や プライバ シーの問題が必ず出て くるだろう。
これについては援助者側 の基準の設定や細心の注
意 も必要 であるが、利用者の同意 を得 で情報交換
を行 な うシステム を早急に作 るべ きである。
この ような基本的枠組み を理解 した うえで、支
援セ ンターの ような役割 を担 う機関では多種類の
記録用式 を作成す ることを提案する。たとえば、電
話での介護相談や介護用品購入な どす ぐに解決可
能 なケース と、電話 を通 じて訪問 した り複雑 な継
続ケースな どの ように時間的にかか る援助のケー
スでは基本的に様式 を分ける。そ して、頻度が高
いケースな どは類型化 し、ケース ごとの様式があ
ればよ り使 いやすい と思 う。 また、継続ケースは
個別 ファイル を作 り、用紙の色別や ファイ リング
の工夫で効果的活用が期待 できる。次に記録様式
内に設定 され る項 削 ま、過去のケ-ス内容 を分析
し類型化 して、不必要 な項 目を作 らないようにす
るこ とが重要 である。そのため、定期 的に項 目の
再構成 を行 な うべ きである。 また、特に 自由記載
の部分 では他の専 門職 に も理解 で きる文章づ くり
が重要 である
Oこれは、記録の とり方について今後
どの ような研修 をしてい くか とい う課題 も含 んで
いる。
黄終的に、援助の主体者 として介護者や利用者
- 5
3-4
2
3
長 野大学紀要
第
1
5
巻 第
4
号
1
9
9
4
が 参加 で きる記 録 様 式 が 必 要 で あ る。特 に 、対
象者 のニー ド ・評価 の理解 は、今 後 ます ます重要
な視 点にな ってお り、 また、生 活全体 を理解す る
ため には、① イ ンテー ク時のアセ ス メン ト様 式や 、
② 家庭 の状 況 を知 らせ た り、支援 セ ンター との連
絡 の ため の記録様 式 では、対 象者参加 型の記録 の
方法が不可 欠 であ ろ う。
今 回は 、 ソー シャルワー クの記録 を考 える足が
か りとして、記録 の歴 史的流れ をふ まえなが ら、
相談 記録様 式 とその項 目につ いて整理 ・検討 して
きた。 しか し、次 に、記録 は記録様式 に どの よう
に作 成 され 、それが どの よ うに生か されてい るの
か を考 える必要 が あ る。何故 な ら、 ソー シャルワ
ー クの記録 は直接 的援助 に有効 なアプ ローチ とし
て 、記録 を考 えてい るか らであ る。 そのためには、
ぜ ひ、今 後の課 題 としてケー ス記録 の分析 を通 し
て記録方 法や援助方法の検討 を進 めてい きたい と
思 う。
なお 、最後 に本研 究 は
、1
99
2
年 度文部 省の 「
一
般研究
C
」 の助 成金 を受 けて行 なわれた研 究成果
の一部 であ る。
(なか む ら さお り
講師)
(
1
9
9
4. 1.1
8
受理 )
喜
主
1
)老人福祉施設研究会 『
高齢者の在宅福祉サー ビス
の機能 と役割に関す る研究-在宅介護支援センター
の相談機能 を中心 として-
』1
9
9
3
年
2)
AnneMi
nahan,Edi
t
or
-
i
n-
Chi
e
f
,Enc
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,NASW,1
98
7
.
,p.
4
6
3
3)N.
ティムズ著、久保紘章,佐藤豊道,佐藤あや子
共訳 『ソーシャルワー クの記録』相川書房
、1
9
8
9
年
4)
A
m
Ha
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t
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,
物
m
7
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ips:So
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s
s
e
s
,Wads
wor
t
h
,
1
9
8
9
,p.
1
6
2
5
)岡本民夫他著、
「
老人福祉サー ビスにおける事前評
価 とエ コマ ップ- ソー シャルワー ク実践の図式化表
示 の試み
-」『ソー シャルワー ク研究
』V
ol
.
1
8No.
3
、
相川書房
、1
9
9
2
年
6)
D,
チャリス,B.
デイヴイス著、窪田暁子,谷口政
隆, 田端光美共訳 『
地域ケアにおけるケースマネー
ジメン ト』光生館
、1
9
91
年
、8
9
頁
7)白樺政和 『
ヶ-スマネー ジメン トの理論 と実際』
中央法規
、1
9
9
2
年
8)N.
ティムズ 前掲書
、1
6
5
頁
9
)佐藤皇道 「ソーシャルワー クにおける記録の構造
と様式」『ソーシャルワー ク研究
』vol
.
l
lNo.
2
、相
川書房
、1
9
8
5
年
-5
4-辛目 言発 言己食桑の 項 目 費料l :1